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ボイラー構造規格
  第一編  鋼製ボイラー
     第二章   構造(第七条−第四十一条)

ボイラー構造規格 目次

第一節  総則

(厚さの許容寸法)
第七条  管の厚さは、最小厚さ以上でなければならない。
2  管以外の部分の厚さは、最小厚さから〇・二五ミリメートルを減じた値以上でなければならない。

第二節  胴及びドーム

(胴又はドームの板の厚さ)
第八条  胴又はドームに使用する板の厚さは、六ミリメートル以上としなければならない。ただし、次の
  各号に掲げる胴又はドームに使用する板の厚さは、当該各号に定めるところによるものとする。
  一  ステーを取り付けるもの及び内径が九百ミリメートルを超え、千三百五十ミリメートル以下のもの  
    八ミリメートル以上
  二  内径が千三百五十ミリメートルを超え、千八百五十ミリメートル以下のもの  十ミリメートル以上
  三  内径が千八百五十ミリメートルを超えるもの  十二ミリメートル以上
2  ころ広げによって水管を取り付ける水管ボイラーの胴板の管取付部の完全な輪形をなす接触面におけ
  る厚さは、十ミリメートル以上でなければならない。

(内面に圧力を受ける胴又はドームの板の最小厚さ)
第九条  内面に圧力を受ける胴又はドームに使用する板の最小厚さは、最高使用圧力が加わったときに当
  該板に生じる応力と当該板の許容引張応力とが等しくなる場合の当該板の厚さに付け代を加えた厚さと
  する。

第三節  鏡板及び平板

(鏡板の厚さの制限)
第十条  鏡板(全半球形鏡板を除く。)の厚さは、胴板の最小厚さ以上としなければならない。

(鏡板の形状の要件)
第十一条  鏡板の形状は、当該鏡板に過剰な応力集中が生じないものとしなければならない。

(ステーなし鏡板の最小厚さ)
第十二条  第九条の規定は、中低面に圧力を受け、球面の一部をなすステーなし鏡板の最小厚さについて
  準用する。
2  中高面に圧力を受け、球面の一部をなすステーなし鏡板の最小厚さは、次の各号に掲げる値のうちい
  ずれか大きい値とする。
  一  中低面に最高使用圧力が加わったときに当該鏡板に生じる応力と当該鏡板の許容引張応力とが等し
    くなる場合の当該鏡板の厚さに一・六七を乗じて得た値に付け代を加えた厚さ
  二  中高面に最高使用圧力の四倍の圧力が加わったときに当該鏡板に生じる応力と当該鏡板に座屈が生
    じる応力とが等しくなる場合の当該鏡板の厚さに付け代を加えた厚さ

(鏡板の補強しない穴)
第十三条  第三十四条ただし書の規定に基づく補強しない穴を鏡板に設ける場合には、マンホールの周囲
  及び鏡板の隅の丸みの部分に過剰な応力集中が生じない方法によらなければならない。

(ステーによって支えられない平板等の最小厚さ)
第十四条  第九条の規定は、平鏡板、平ふた板、平底板等の平板でステーによって支えられないもの、炉
  筒を取り付ける丸ボイラーの平鏡板及び立てボイラーの鏡板又は火室天井板で平らなものの最小厚さに
  ついて準用する。

第四節  管 板

(煙管ボイラーの管板の最小厚さ)
第十五条  煙管ボイラーの管板の最小厚さは、次の表の上欄に掲げる管板の外径に応じ、それぞれ同表の
  下欄に掲げる値とする。(表)
2  煙管の外径が三十八ミリメートル以上百二ミリメートル以下である煙管ボイラーの管板の最小厚さは、
  前項の表に掲げる最小厚さと次の算式により算定される最小厚さのうちいずれか大きい値とする。

t=

5+

10

この式において、t及びdは、それぞれ次の値を表すものとする。 
t 管板の最小厚さ(単位 ミリメートル)
d 管穴の直径(単位 ミリメートル)

(煙管の最小ピッチ)
第十六条  煙管ボイラーの煙管の最小ピッチは、次の算式により算定するものとする。
式
    この式において、p、t及びdは、それぞれ次の値を表すものとする。
    p  煙管の最小ピッチ(単位 ミリメートル)
    t  管板の厚さ(単位 ミリメートル)
    d  管穴の直径(単位 ミリメートル)
(外だき横煙管ボイラーの後管板のステー)
第十七条  外だき横煙管ボイラーの後管板に取り付けるステーは、棒ステー、ドッグステー、ガセットス
  テー等胴底部の過熱の原因とならないステーとしなければならない。

(燃焼室の管板の最小厚さ)
第十八条  機関車形ボイラー等であって、燃焼室の天井板にかかる荷重が管板にもかかるものにあっては、
  管板の最小厚さは、最高使用圧力が加わったときに当該管板に生じる応力と当該管板の許容圧縮応力と
  が等しくなる場合の当該管板の厚さに付け代を加えた厚さとする。

第五節  炉筒及び火室

(炉筒又は火室の板の厚さ)
第十九条  炉筒又は火室であって、フランジを設けるものの板の厚さは、八ミリメートル以上としなけれ
  ばならない。

(炉筒又は火室の板の最小厚さ)
第二十条  平形炉筒、立て横管ボイラーの火室及び波形炉筒の板の最小厚さは、最高使用圧力の三倍の圧
  力が加わったときに当該板に生じる応力と当該板に座屈が生じる応力とが等しくなる場合の当該板の厚
  さに付け代を加えた厚さとする。

(平形炉筒のフランジ)
第二十一条  平形炉筒のフランジの曲げ半径(火炎の側で測るものとする。)は、当該フランジに過剰な
  応力集中が生じない曲げ半径としなければならない。

(炉筒と煙管との距離)
第二十二条  炉筒煙管ボイラーの炉筒の外面と煙管の外面との距離は、当該炉筒及び当該煙管に過熱が生
  じない距離としなければならない。

(煙突管の最小厚さ)
第二十三条  第二十条の規定は、煙突管の最小厚さについて準用する。

(煙突管の内径)
第二十四条  立てボイラーの火室天井板と鏡板とを貫いて取り付けられた煙突管の内径は、当該煙突管に
  座屈が生じない内径としなければならない。

第六節  ステー及びステーによって支えられる板

(ステーの水平及び垂直方向の中心線間距離)
第二十五条  ステーの水平及び垂直方向の中心線間の距離は、ステーを板にねじ込んで一端又は両端をか
  しめた場合には、ステーが切れたときに当該ステーに隣接するステーに過剰な応力集中が生じない距離
  としなければならない。

(ステーボルト等)
第二十六条  ステーボルト、棒ステー、管ステー及びガセットステー(次項において「ステーボルト等」
  という。)の断面積は、最高使用圧力が加わったときに当該断面に生じる応力と当該断面の許容引張応
  力を一・一で除して得た値とが等しくなる場合の当該断面の面積以上でなければならない。  
2  ステーボルト等を取り付ける場合には、取付部が安全上必要な強度を有するような方法によらなけれ
  ばならない。

(ステーボルトに設ける知らせ穴)
第二十七条  長さが二百ミリメートル以下のステーボルトには、蒸気の噴出によりステーの欠損を知らせ
  ることができる知らせ穴を設けなければならない。ただし、ステーボルトにより結び付けられる両側の
  板に著しい温度差がみられない場合における当該ステーボルトについては、この限りでない。

(けたステーの構造)
第二十八条  けたステーのけたと天井板との間には、スケールその他の沈殿物がたまらないようにしなけ
  ればならない。
2  けたステーは、天井板に座屈が生じないような構造としなければならない。
3  けたステーの一端が天井板に伝える圧縮力は、当該天井板に過剰な荷重がかからない圧縮力としなけ
  ればならない。

(けたステー板の最小厚さ)
第二十九条  第九条の規定は、けたステー板の最小厚さについて準用する。

(ステーによって支えられる板の厚さ)
第三十条  ステーによって支えられる板の厚さは、八ミリメートル以上としなければならない。

(ステーによって支えられる平板等の最小厚さ)
第三十一条  第九条の規定は、ステーによって支えられる平板、煙管ボイラーの平管板の管群部及び当該
  管群部に相隣り合う部分の最小厚さについて準用する。

(煙管ボイラーの平板部の補強)
第三十二条  最高使用圧力〇・七メガパスカル以下で、かつ、胴の内径が九百ミリメートル以下の煙管ボ
  イラーの管群部上方の平板部を山形鋼によって補強する場合には、補強部分が安全上必要な強度を有す
  るような方法によらなければならない。

第七節  穴及びその補強

(ボイラーに設ける穴)
第三十三条  ボイラーには、内部の掃除及び検査を行うため、胴又は鏡板に、内部に入ることのできる大
  きさのマンホール、スケールその他の沈殿物を除去することができる大きさの掃除穴及び検査を行うこ
  とができる大きさの検査穴を設けなければならない。ただし、ボイラーの構造により、これらに代わる
  穴のあるものについては、この限りでない。

(胴、管寄せ等に設ける穴の補強)
第三十四条  胴、管寄せ、皿形鏡板、全半球形鏡板、半だ円体形鏡板及び平鏡板、平ふた板、平底板等の
  平板に設ける穴は、十分な強度を有する強め材により補強しなければならない。ただし、穴の周辺に過
  剰な応力集中が生じるおそれのない穴については、この限りでない。

第八節  管、管寄せ、管台及びフランジ

(煙管等の最小厚さ)
第三十五条  第二十条の規定は、煙管の最小厚さについて準用する。
2  第九条の規定は、水管、過熱管、節炭器用鋼管等内部に圧力を受ける管の最小厚さについて準用する。
3  第九条の規定は、給水管及び吹出し管の最小厚さについて準用する。この場合において、同条中「最
  高使用圧力」とあるのは、「最高使用圧力の一・二五倍の圧力又は最高使用圧力に一・五メガパスカル
  を加えた圧力のうちいずれか小さい圧力」と読み替えるものとする。

(煙管等の厚さの最小値)
第三十六条  煙管及び水管、過熱管、節炭器用鋼管等内部に圧力を受ける管の厚さの最小値は、次の表の
  上欄に掲げる管の外径に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以上としなければならない。(表)

(円筒形管寄せの強さ)
第三十七条  第九条の規定は、円筒形管寄せの強さについて準用する。

(長方形管寄せ)
第三十八条  断面が長方形の管寄せは、次の各号に定めるところによらなければならない。
  一  内面における溝形の傷は、安全上支障がないものであること。
  二  長方形の断面の隅における内面の曲がりの半径(波形管寄せにあっては、波形に加工する前の半径)
    は、当該隅に過剰な応力集中が生じない半径であること。
  三  管寄せの最小厚さは、最高使用圧力が加わったときに当該管寄せに生じる応力と当該管寄せの許容
    引張応力とが等しくなる場合の当該管寄せの厚さに付け代を加えた厚さとすること。

(管台の最小厚さ)
第三十九条  第九条の規定は、管台の最小厚さについて準用する。この場合において、鋳鋼製管台の厚さ
  は八ミリメートル以上と、鋳鉄製管台の厚さは十一ミリメートル以上としなければならない。
  
(フランジ)
第四十条  フランジは、その種類に応じ、日本工業規格B二二二〇(鋼製溶接式管フランジ)、日本工業
  規格B二二三八(鋼製管フランジ通則)若しくは日本工業規格B二二三九(鋳鉄製管フランジ通則)に
  適合したもの又はこれらと同等以上の機械的性質を有するものでなければならない。
2  圧力を受けるフランジその他のものを植ねじを用いて胴又は鏡板に取り付ける場合には、取付部が安
  全上必要な強度を有するようなねじ込みの長さとしなければならない。

(管又は管台の取付け)
第四十一条  管(管ステーを除く。)又は管台を胴、鏡板、管板、管寄せ等に取り付ける場合には、取付
  部が安全上必要な強度を有するような方法によらなければならない。