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船舶の建造、改修等の発注に際しての安全配慮について

改正履歴


  労働省におきましては、造船業における労働災害防止を行政の最重点としているところであり、かなり
の成果を見つつあるところでありますが、今なお、死亡、重大災害が毎年相数発生しており特に本年の後
半に至り別添のとおり重大災害が続発しており、しかも、去る12月4日三菱重工業(株)長崎造船所香焼工
場における修理作業中、22名の死傷者を出す災害が発生したことは、誠に遺憾に耐えないところでありま
す。
  造船業におけるこれらの労働災害を防止するためには、造船業の事業者の安全対策をより強化すること
はもちろんでありますが、船舶の建造、改修等の工事を発注する場合の発注条件等におきましても、安全
な施工を可能にするための配慮が必要であり、労働安全衛生法におきましても、このことを発注者に対し
て強く求めておりますことは、ご承知のとおりであります。
  つきましては、この際、同種災害の絶滅をはかるため、貴会会員事業所において下記の事項が励行され
るよう所要の措置を講じられるよう要望します。
  なお、本要望に基づく措置の状況につきまして報告下さるようお願いします。

記
1.工期について
    船舶の建造、改修等の工事の発注に当たっては、当該工事を安全に遂行し得るよう十分な工期を設定
  すること。
2.工事の安全施工のための事前打合せについて
    タンカー等の改修、清掃等の発注にあたっては、事前に積荷の状況、タンク、配管内等の危険物残存
  の有無、清掃の程度等を工事施工側に十分説明し、工事中の安全確保に資すること。
    また、危険物等に係るタンク、配管系統等が建造後に変更されている場合についてはその旨を必ず工
  事施工側に事前連絡すること。
3.工事の安全施工のための便宜供与について
    修繕中の船内タンクの火災による重大災害に見られるように密室的状況下で工事を行う必要がある場
  合には、事故発生時に緊急退避ができることが必要であるが、工事施工側からそのような配慮を求めら
  れた場合には便宜供与に努めること。
    また、船舶の設計又は建造の発注に当たっては、事後の改修、清掃工事等に際しての作業者の安全性
  を考慮したものとするとともに、万一の災害発生時にあっても関係労働者が安全に避難できる構造にな
  るよう配慮すること。

(別添  略)