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原子力発電所における被ばく管理対策の強化について
(平成12年9月19日基発第581号により廃止)

改正履歴


  原子力発電所構内の放射線業務に係る作業に従事する労働者の被ばく管理対策については、従来より、
原子力発電所及びその下請事業場ごとに安全衛生管理体制の強化、外部放射線の防護と汚染の防止対策の
充実、被ばく線量の適切な管理、安全衛生教育の計画的な実施、健康管理の充実等を図らせてきたところ
である。
  また、原子炉設置者については特にその事業運営の実態に鑑み、労働安全衛生法第29条に基づく元方事
業者として着目し、安全衛生協議組織の設置とその適正な運営、関係請負人を含めた統括的な安全衛生管
理の職務を行う者の選任、関係請負人に対する適切な作業方法の指示等の措置を構じさせることにより原
子力発電所構内における総合的な被ばく管理体制の確立と自主的活動の促進に努めてきたところであるが、
本年4月に明らかとなった日本原子発電株式会社敦賀発電所事故を契機として被ばく管理対策の万全をな
お一層期するため、今後、従来からの対策に加え、更に下記に示すところにより、被ばく管理対策の強化
とその徹底を図られたい。

記
1  元方事業者としての事項
  (1)  安全衛生協議組織について
    イ  原子炉設置者及び関係請負人による安全衛生協議組織には事業の実施を統括管理する者を参画さ
      せ、かつ、定期に開催させること。
    ロ  協議事項には次のものを含めること。
      (イ)  被ばく管理に関する規定の周知に関すること。
      (ロ)  線量当量の低減化の方策に関すること。
      (ハ)  関係請負人が持ち込む機械、器具等の管理に関すること。
      (ニ)  関係請負人間の連絡調整に関すること。
      (ホ)  被ばくにつながる事故等が発生した場合の措置とその再発防止
  (2)  安全衛生管理の職務を行う者の選任について
        関係請負人に安全衛生管理の職務を行う者を選任させ、原子炉設置者において選任されている関
      係請負人を含めた統括的な安全衛生管理の職務を行う者との連絡、調整及びこの者からの連絡を受
      けた事項の関係者への周知を行わせること。
  (3)  被ばく管理状況のは握等について
        関係請負人が行っている被ばく管理及びその所属労働者の被ばく状況を十分には握させて必要な
      指導又は援助を行わせるとともに、管理区域内立入許可に当たって、放射線管理手帳の所持と健康
      診断及び安全衛生教育の完了を確認させること。
  (4)  安全衛生教育について
      イ  関係請負人が行う保護衣、保護具、被ばく線量測定用具、放射線測定器の取扱い等に係る安全
        衛生教育については、できるだけ実物を用いて教育が実施されるよう必要な指導又は援助を行わ
        せること。
      ロ  関係請負人が行う安全衛生教育については、単に教育の実施の有無の確認のみにとどまらず、
        教育資料の内容、具体的な実施状況等についても、は握させるなどにより、安全衛生教育が適切
        であるかどうかを確認させること。
      ハ  入所時教育を関係請負人の労働者全員に実施させること。
      ニ  関係請負人の労働者を含めた安全衛生教育が適切に行われるように、できるだけ原子力発電所
        構内に視聴覚教材等を常備した専用の安全衛生教育施設を設けさせること。
  (5)  作業の指揮を行う者の選任について
        各作業ごとに、当該作業の指揮を行う者を定めさせ、関係労働者への周知を図らせること。
  (6)  事故時の対応について
        事故時における連絡、退避及び応急体制の確立とその周知を図らせること。また、必要に応じて
      実施訓練を行わせること。
2  放射線作業管理計画の作成とこれに基づく作業の実施
    原子力発電所構内の管理区域内において放射性物質を内蔵する設備、容器、配管等若しくは放射性物
  質によって汚染されたこれらの物を整備し、補修し、又は汚染の除去をする作業を行うにあたっては、
  作業ごとに作業条件が異なるところから、作業着手前に、作業ごとに被ばく管理の観点に立った放射線
  作業管理計画(以下「計画」という。)を作成し、これに基づいて、適切な作業を遂行することが肝要
  である。
    このため、次に示すところにより作業の着手前に(緊急作業の場合は除く。)計画を作成させ、被ば
  くの防止を図らせること。
  (1)  計画の作成者
        直接に作業を行う関係請負人
  (2)  計画の対象とする作業
        管理区域内において、放射性物質を内蔵する設備、容器、配管等若しくは放射性物質によって汚
      染されたこれらの物を整備し、補修し又は汚染の除去をする作業とする。
        ただし、労働者の1センチメートル線量当量が、1週間につき1ミリシーベルトを超えるおそれ
      のない作業についてはこの限りではない。
  (3)  計画の単位
        計画は、作業単位ごととする。
        作業単位は各原子力発電所によってそれぞれ作業の実態が異なるので一律的に定め難いが、計画
      は具体的であることを必要とするので、できるだけ細分された単位とすること。
  (4)  計画の内容
        計画には、次の事項を含めること。
    イ  作業について
      (イ)  作業者名、作業内容、作業場所及び作業期間
      (ロ)  原子力発電所の作業担当部門
      (ハ)  同一作業を行う関係請負人の名称及びそれぞれの従事労働者数
    ロ  作業場所の外部放射線による線量当量率、表面汚染及び空気中の濃度の監視の方法について
    ハ  使用する被ばく線量測定用具及び警報計(設定値を含む。)について
    ニ  保護衣及び保護具について
    ホ  作業を行うことにより汚染された機器等の取扱い及び処理の方法(汚染拡大の防止措置を含む。)
      について
    ヘ  放射線しゃへい、遠隔操作等の被ばく防止の措置について
    ト  推定線量当量について
    チ  事故時等の応急連絡体制について
  (5)  計画の承認
        計画は、あらかじめ、原子炉設置者の承認を受けさせること。
  (6)  計画の周知
        計画は、原子炉設置者及び作成者により、関係者への周知を図らせること。
3  報    告
  (1)  放射線作業の報告
        労働基準監督署は、原子力発電所構内における放射線業務に係る作業のうち、労働者の1センチ
      メートル線量当量が1日について1ミリシーベルトを超えるおそれのある作業について、当該作業
      を行う事業者に対して、あらかじめ、様式第1号により報告を徴するものとすること(緊急作業の
      場合は除く)。
        また、当該作業終了後にあっては、従事した労働者の平均線量当量、最高線量当量及び総線量当
      量について、速やかに報告(様式任意)を求めること。
  (2)  被ばく状況の報告
        労働基準監督署は、原子炉設置者に対して、原子力発電所構内において放射線業務に係る作業に
      従事した労働者(関係請負人の労働者を含む。)の被ばく状況について、毎年1回、様式第2号に
      より報告を徴するものとすること。

様式第1号

様式第2号