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小型ボイラー及び小型圧力容器構造規格の施行について


改正履歴

                                        基 発 第 215 号
                                       昭和51年2月20日



         小型ボイラー及び小型圧力容器構造規格の施行について


 小型ボイラー及び小型圧力容器構造規格(昭和50年労働省告示第84号)は昭和50年10月18日公布され、昭
和51年1月1日から適用された。
 この規格は、小型ボイラー及び小型圧力容器の安全の確保を期するため、従来の小型ボイラ構造規格及
び小型圧力容器構造規格(昭和34年労働省告示第6号。以下「旧規格」という。)の内容を全面的に検討し、
最近の使用材料、工作技術等に適合するよう所要の規則を行うものであり、これに伴い、旧規格は廃止さ
れた。
 ついては、今回の規格の制定の趣旨を十分理解し、関係者への周知徹底を図るとともに、特に下記の事
項に留意して、その運用に遺憾のないようにされたい。
 なお、旧規格の規定に関する通達は、この規格における相当規定に関する通達として取り扱われたい。

                      記

第1   旧規格との主な相違点
 1   小型ボイラー関係
  (1)  材料の許容引張応力に関する規定を加えたこと。(第2条)
  (2)  半だ円体形鏡板の厚さに関する規定を加えたこと。(第6条第1項第2号)
  (3)  中高面に圧力を受ける鏡板の厚さに関する規定を加えたこと。(第6条第2項)
  (4)  平板の厚さに関する規定を円形以外のものにも適用できるように改めたこと。(第7条)
  (5)  炉筒及び煙突管の厚さに関する規定を加えたこと。(第8条)
  (6)  ステー及びステーによって支えられる板に関する規定を加えたこと。(第9条から第12条まで)
  (7)  水管の厚さに関する規定を改めたこと。(第16条)
  (8)  特殊な形状の小型ボイラーについての特例規定を加えたこと。(第17条)
  (9)  管類の取付け、溶接等の工作に関する規定を加えたこと。(第18条から第20条まで並びに第21条
    第1項、第3項及び第5項)
  (10) 溶接継手の効率を改めたこと。(第22条)
  (11) 水圧試験に関する規定を改めたこと。(第23条)
  (12) 給水装置に関する規定を加えたこと。(第29条第1項)
 2   小型圧力容器関係
  (1)  主要材料に関する規定を加えたこと。(第33条)
  (2)  材料の許容引張応力に関する規定を加えたこと。(第34条)
  (3)  外圧を受ける胴、球体及び管の厚さに関する規定を加えたこと。(第36条及び第37条第2項)
  (4)  その他小型ボイラー関係の規定を準用している部分について、小型ボイラーと同様にその内容を
   改めたこと。(第41条)
第2   細部事項
 1   第1条及び第33条関係
  (1)  「主要材料」には、内部の取付け物、支持金具等の材料は含まれないものであること。
  (2)  「日本工業規格に適合したもの」とは、製造方法、寸法の許容差、試験、検査等のすべてが当該
   規格に適合しているものをいうこと。
  (3)  少量の材料を購入する場合等ミルシートを得ることが困難であると認められるときは、ミルシー
   トの写しがあれば「日本工業規格に定められた種類が明らかなもの」として取り扱って差し支えな
   いものであること。
  (4)  「試験を省略したもの」とは、製造方法、寸法の許容差等は日本工業規格に適合するが、機械的
   に試験化学分析を行わない材料をいうものであり、従ってミルシートのない材料をいうものである
   こと。
  (5)  「同等以上の機械的性質を有するもの」とは、日本工業規格は制定されていないが、これに準ず
   る規格に適合するもの、外国製の材料等であってその機械的性質が本条各号の材料と同等以上の機
   械的性質を有するもの等をいうものであること。
 2   第3条及び第35条関係
   胴の板、鏡板等の最小厚さについては、第4条、第6条等で算式が示されているが、これらの算式で
  求められる最小厚さと本条に定める値とのうち大きい方の値をとらなければならないものであること。
 3   第5条関係
  (1)  第2号のリベット継手の場合にあっては、lを4mm以上とすること。
    なお、この場合のlは、鏡板のフランジの平行部を胴端から測った長さとする。
  (2)  第3号において、R>1.5Dの場合にあっては、平鏡板(第7条)とみなされるものであること。
 4   第6条関係
   第2項第1号の「さら形鏡板」には、中高面に圧力を受けるさら形火室天井板が含まれるものである
  こと。
 5   第13条関係
  (1)  燃焼室にあっては、バーナを取り外す等により容易に内部の掃除ができる場合は必ずしも掃除の
   ための穴を設ける必要はないこと。
  (2)  掃除及び検査のための穴の数及び位置は、当該ボイラーの大きさ、形状等によって定まるもので
   あること。
 6   第14条関係
   強め材は、補強する穴の径に応じ、必要な断面積を有するものでなければならないこと。
 7   第17条関係
   第1項又は第2項の適用に当たって、予定する最高圧力の2.5倍の水圧力を加えた場合に鋼製の小型ボ
  イラーにあっては、最も弱いと認められる箇所が上降伏点に達しないとき、鋳鉄製の小型ボイラーに
  あっては3個のセクションのいずれもが破壊しないときは、それぞれ当該水圧力をP0とみなして差し支
  えないこと。
 8   第21条関係
   第2項の「その他十分な溶込みが得られる突合せ片側溶接の方法」とは、裏波溶接法等をいうもので
  あること。
 9   第27条関係
   水高計と温度計を一つに組み込んだ水高温度計を取り付けた場合は、個々の水高計及び温度計を取
  り付ける必要はないものとして取り扱うこと。
 10  第29条関係
   第2項の「これに代わる安全装置」とは、蒸気温度の変化に応じて給水量を自動的に調節する装置、
  給水ポンプの停止時には燃料の供給が行われないようにするためのインタロック装置等をいうもので
  あること。
 11  第31条及び第40条関係
  (1)  第2号の「製造者名」は、製造者を明確に判断できるようした略称等であっても差し支えないこ
   と。
  (2)  第3号の「製造年月」は、製造年月を明確に判断できるようにした製造番号等であっても差し支
   えないこと。
 12  第36条関係
   本条の図中、各線の中間の値は、比例法によって求めて差し支えないこと。
 13  第39条関係
   第4項の「密閉式の構造」とは、小型圧力容器から排出された蒸気を疑縮して、当該小型圧力容器へ
  戻すことができる(いわゆる密閉式サイクル配管)構造のものをいうこと。