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「林業における刈払機使用に係る安全作業指針」の周知徹底について
改正履歴


  林業現場で使用される機械設備については、その種類も多様化し、高能力化するとともに、使用数も増
加している。
  特に、下刈り、地ごしらえ等の造林作業における刈払機の使用については、近年、急激に増加してきて
いる。
  このような造林作業の機械化により、作業能率が向上し、重筋作業が軽減された反面、刈払機の刈刃の
破損、刈刃の反発、刈払機操作中の転倒、操作中の刈払機への過度の接近等による死亡等の重篤な労働災
害が多発している。
  このような刈払機の使用中の労働災害については、事前の作業計画、刈払機の選定、作業の進め方、刈
払機の取扱い、刈払機の点検等に問題がある場合が少なくない。
  このため、林業・木材製造業労働災害防止協会において、別添のとおり「林業における刈払機使用に係
る安全作業指針」を作成し、会員事業者に対し、刈払機使用に係る安全作業の徹底を図ることとしたとこ
ろであるので、了知の上、各局においても、種々の機会を通じて本指針の普及が図られるよう配意された
い。

別  添

林業における刈払機使用に係る安全作業指針

1  作業計画の作成等
    あらかじめ、作業手順、労働者の配置、合図の方法等の作業計画を定め、事前に打合せを行う等によ
  り関係労働者に周知するとともに、当該作業の実施に当たっては、その作業を指揮する者を選ぶなどし
  て、安全の確保に努めること。
2  刈払機の選択等
  (1)  刈払機は、造林作業に適した構造、強度を有するものを選ぶこと。
  (2)  緊急離脱装置及び飛散防護装置を備えたものであること。
  (3)  刈刃は、丸のこ刃又はこれと同等の性能と安全性を有するものとすること。
  (4)  刈刃は、正しい目立てを行ったものを使用すること。

(図) 丸のこ刃

  (5)  刈刃の取付けは、専用工具を使用し確実に取付けたことを確認して使用すること。
3  作業の進め方
  (1)  斜面で刈払作業を行う場合は、労働者の作業位置が上下にならないこと。
  (2)  刈払機の操作者から5メートル以内を危険区域とし、この区域に他の者が立ち入らないこと。
  (3)  かん木等を刈払う場合は、樹高の1.5倍の範囲に他の者が立ち入らないこと。
  (4)  かん木等を刈払う場合は、切断部の直径8センチメートル程度以下のものとすること。
  (5)  岩石等の障害物が予想される箇所では、高刈りとし、状況に応じて二段刈りとすること。
  (6)  急斜地では、斜面の下方へ向って刈り進まないこと。
  (7)  刈払作業中、打合せ等のため他の者が近づくときは、合図をし、作業者がエンジンを止め、刈刃
      が止まったことを確認のうえ、近寄ること。
  (8)  落下するおそれのある浮石の除去等作業前の環境の整備に努めること。
4  刈払機の取扱い
  (1)  刈払作業は、身体のバランスに常に配慮した正しい姿勢で行うこと。特に足の位置は、刈刃に近
      よらないよう注意すること。
  (2)  刈刃で打つ、たたく等の方法での刈払いは行わないこと。
  (3)  刈払対象物に当てる刈刃の位置は、安全に切断できる箇所とすること。

(図) 草類の刈払い位置
(図) かん木等の刈払い位置

  (4)  刈刃が岩石等の障害物に当たったときは、直ちにエンジンを止め、刈刃が止まったことを確認の
      うえ、刈刃を点検すること。
  (5)  飛散防護装置等刈刃の周辺部に雑草、つる等がからまったときは、エンジンを止め、刈刃が止ま
      ったことを確認のうえ取り除くこと。
  (6)  刈刃が止まっていてもエンジンの運転中は、刈刃に近づいたり、手で触れたり、他の作業者を近
      づけたりしないこと。
  (7)  高速での空運転は、できる限り避けること。
  (8)  作業中又は休息時等に刈払機を置くときは、滑らないよう安定させ、刈刃は見えやすい状態にし
      ておくこと。
5  刈払機の点検
    次に示すところにより刈払機を定期的に点検すること。また、点検の結果、異常を認めたときは、補
  修等の必要な措置を講ずること。
  (1)  その日の作業を開始する前に、次の事項について点検を行うこと。
      イ  エンジン外部の汚れ
      ロ  エァクリーナ・エレメントの汚れ
      ハ  燃料タンクの空気穴の目づまり等
      ニ  歯車室周辺の汚れ
      ホ  刈刃の損傷、変形の有無
      ヘ  ねじ類のゆるみと脱落の有無
      ト  その他の部品の損傷、変形の有無
      チ  吊り金具と吊りバンドの損傷の有無
      リ  緊急離脱装置と飛散防護装置の機能
  (2)  1週間以内ごとに1回(1週を超える期間使用しない場合を除く。)、次の事項について点検を行
      うこと。
      イ  燃料フイルターの汚れ
      ロ  燃料タンクの汚れと損傷の有無
      ハ  フレキシブルシャフトの潤滑状況等
      ニ  歯車室の潤滑状況
  (3)  1月以内ごとに1回(1月を超える期間使用しない場合を除く。)、次の事項について点検を行う
      こと。
      イ  マフラーの汚れと損傷の有無
      ロ  シリンダ冷却フインの汚れと損傷の有無
      ハ  スパークプラグの汚れ
      ニ  クラッチの汚れとシューの摩耗の有無
      ホ  リコイルスタータの汚れと損傷の有無
      ヘ  防振ゴムの劣化と損傷の有無
      ト  動力伝動軸の摩耗等の有無
6  一般的留意事項
  (1)  服装、保護具
      イ  袖じまり、裾じまりのよい作業服を着用する等、安全な作業を行うことができる服装とするこ
        と。
      ロ  保護帽は、昭和50年9月8日労働省告示第66号「保護帽の規格」に適合したものとすること。
      ハ  合図のための呼子を携帯すること。
      ニ  丈夫で軽いすね当てを着用すること。
      ホ  必要に応じ、防じん眼鏡及び防蜂網を使用すること。
  (2)  刈払機の持ち運び等
      イ  作業地への往復等においては、刈刃をはずすか又は覆いをかけるとともに、歩行者間の距離を
        十分に保つこと。
      ロ  作業地内にある浮石等不安定なものの上を歩かないこと。また、雨中や雨上りのときの歩行及
        び湿っている場所での歩行では、転倒しないよう必要に応じ履物に滑り止め用具を使用すること。
      ハ  作業地内で刈払い場所を変えるため等で移動する場合は、原則としてエンジンを停止すること。
  (3)  火災の防止
      イ  刈払機や燃料のそばで、火気を使用しないこと。
      ロ  刈払機に燃料を補給するときは、エンジンを止め、機体を安定させ、燃料をこぼさないよう注
        意して行うこと。また、刈払機にこぼれた燃料は、布などで拭きとっておくこと。
      ハ  作業終了後刈払機を格納するときは、ごみ等を除去し、マフラーに付着しているカーボンに火
        がついていないことを確認して行うこと。