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電離放射線障害防止規則の改正に伴う線量当量の換算及び中性子線による
線量当量について
改正履歴
  「電離放射線障害防止規則の一部を改正する省令」(昭和63年労働省令第32号)及び関係告示(昭和63
年労働省告示第93号及び第94号)が昭和63年10月1日公布され、平成元年4月1日から施行される。改正
後の電離放射線障害防止規則(以下「新規則」という。)及び関係告示の運用については、昭和64年1月
1日付け基発第1号及び基発第2号により、また、新規則第56条に規定する健康診断の項目の省略に係る
医師の判断基準については昭和64年1月1日付け基発第3号により労働省労働基準局長から各都道府県労
働基準局長あて通達されたところである。
  新規則第56条に規定する健康診断の実施にあたって、新規則施行後の1年間において同条第3項によ
り労働者の過去1年間の実効線量当量及び組織線量当量を算定する場合及び新規則施行後において、改正
前の電離放射線障害防止規則(以下「旧規則」という。)に基づく線量当量を測定するための被ばく線量
測定用具及び放射線測定器を使用して線量当量を測定した場合において、旧規則に基づく線量当量から新
規則に基づく各線量当量へ換算する方法を示す必要がある。このため、当該換算にあたっては下記のIに
示すところとするので関係者への周知及び指導を努められたい。
  また、中性子線による線量当量に関して、昭和61年7月の放射線審議会の意見具申では、「ICRP
(国際放射線防護委員会)では、中性子の線質係数について今後も検討を続けていくこととしているので、
わが国においてもICRPの検討の推移を見守っていくこととするのが適当である。しかしながら、暫定
的な意味であるにしても、パリ声明において中性子の線質係数を2倍とすることとされているので、当面
そのように行政的に指導することが望ましい。」としているところである。これを踏まえ、中性子線によ
る被ばくの低減化に資するため、中性子線による線量当量については、下記のIIに示すところによること
とするので関係者への周知及び指導に努められたい。

記
I  旧規則に基づく線量当量から新規則に基づく各線量当量への換算について
  1  新規則第56条第3項に係る線量当量の換算について
      新規則第56条に規定する健康診断の実施にあたって、新規則施行後の1年間において同条第3項に
    より労働者の過去の1年間の実効線量当量及び組織線量当量を算定する場合は、次の(1)又は(2)の
    方法により旧規則に基づいて測定された線量当量(以下「旧線量当量」という。)(単位  レム)を
    1センチメートル線量当量(以下「H1cm」という。)、3ミリメートル線量当量(以下「H3mm」
    という。)及び70マイクロメートル線量当量(以下「H70μm」という。)(単位  シーベルト)に
    換算して差し支えないこと。
    (1)  放射線の種類が、エックス線又はガンマ線である場合
          旧線量当量の値(単位  レム)は照射線量の値(単位  レントゲン)に等しい(すなわち、1
        レム=1レントゲン。)ものとみなし、次のイ又はロにより旧線量当量をH1cm、H3mm及びH
        70μmに換算すること。
      イ  エックス線又はガンマ線のエネルギーが推定できるとき
          照射線量(単位  レントゲン)に0.00873を乗じて空気吸収線量(単位  グレイ)を求めた後、
        当該空気吸収線量に昭和63年労働省告示第94号(以下「告示第94号」という。)別表第2に掲
        げるエックス線又はガンマ線のエネルギーに応じた「空気吸収線量1グレイ当たりの線量当量」
        を乗じて、H1cm、H3mm及びH70μm(単位  シーベルト)に換算する。
      ロ  エックス線又はガンマ線のエネルギーが不明であるとき
          次の式を用いて旧線量当量(単位  レム)をH1cm、H3mm及びH70μm(単位  シーベルト)
        に換算する。
          H1cm(Sv)=放射線量(R)×0.00873(Gy/R)×1.74  
          (Sv/Gy)
                    =旧線量当量(rem)×0.0152
          H3mm(Sv)=照射線量(R)×0.00873(Gy/R)×1.67  
          (Sv/Gy)
                    =旧線量当量(rem)×0.0146
          H70μm(Sv)=照射線量(R)×0.00873(Gy/R)×1.59  
          (Sv/Gy)
                    =旧線量当量(rem)×0.0139
      (注)  Svはシーベルト、Rはレントゲン、Gyはグレイ、remはレムを表す。
    (2)  放射線の種類が、中性子線である場合
          次のイ又はロにより旧線量当量をH1cm、H3mm及びH70μmに換算すること。
      イ  中性子線のエネルギーが推定できるとき
          旧規則別表第1の2により旧線量当量に相当する中性子のエネルギーに応じた粒子フルエンス
        を求め、当該粒子フルエンスと告示第94号別表第1に掲げる中性子のエネルギーに応じた粒子フ
        ルエンス1012個/cm2当たりの線量当量を用いて、H1cm、H3mm及びH70μm(単位  シーベル
        ト)に換算する。
      ロ  中性子線のエネルギーが不明であるとき
          次の式(図)を用いて旧線量当量(単位  レム)をH1cm、H3mm及びH70μm(単位  シーベルト)
        に換算する。
  2  新規則施行後における線量当量の測定に係る換算について
      新規則施行後において、旧規則に基づく線量当量を測定するための被ばく線量測定用具及び放射線
    測定器を使用して線量当量を測定した場合は、上記1の(1)及び(2)に示す方法と同様の方法により当
    該測定値をH1cm、H3mm及びH70μmに換算しなければならない。
II  中性子線による線量当量について
  1  放射線業務従事者の被ばく管理について
      告示第94号別表第1の右欄に掲げる値を用いて算出した中性子線による線量当量を2倍しても、新
    規則第4条及び第5条に規定する放射線業務従事者の被ばく限度を超えないように被ばく管理を行う
    ことが適当であること。
  2  新規則第56条に規定する健康診断について
      告示第94号別表第1の右欄に掲げる値を用いて算出した中性子線による線量当量を2倍することに
    より、過去1年間に受けた線量当量が放射線業務従事者の被ばく限度の3/10を超える場合は、新規
    則第56条第3項に規定する健康診断の項目の省略を行わないことが適当であること。