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油脂抽出工程における爆発災害防止対策の徹底について

改正履歴


  平成3年12月22日、大阪府泉佐野市住吉町1の不二製油(株)阪南工場においてパーム核よりノルマル
ヘキサンを用いて油脂を抽出する連続抽出機が点検中に爆発炎上し、粕出し等の作業を行なっていた者10
名のうち8名が被災し、全員が死亡するという重大災害が発生した。
  災害の状況、発生原因等については目下所轄の大阪労働基準局及び岸和田労働基準監督署において鋭意
調査が行なわれているところであるが、災害の重大性に鑑み、今般別添のとおり(社)日本油脂協会会長に
対し同種災害防止対策の徹底を要請したので了知されたい。
  なお、貴職におかれても、管内の実情に応じ、関係事業場等への指導に際し特段の配慮をお願いする。

別添

基安発第29号  
平成3年12月27日  

  (社)日本油脂協会会長  殿

労働省労働基準局安全衛生部長

油脂抽出工程における爆発災害防止対策の徹底について

  労働災害の防止につきましては、平素から格段の御理解、御協力をいただき厚く御礼申し上げます。
  さて、平成3年12月22日、大阪府泉佐野市の製油工場において油脂抽出機の点検作業中、爆発が発生し、
労働者8名が死亡するという重大な災害が発生したことは、甚だ遺憾に堪えないところであります。
  この災害については、現在その原因を調査中ではありますが、油脂抽出工程においては、引火爆発性の
高いノルマルヘキサンを用いて油脂を抽出することから、爆発性混合気が生成しやすく、このような災害
が発生するおそれがあります。
  このため、貴協会事業者各位におかれましては、油脂製造工程、特に化学設備の点検等を行う場合にお
ける爆発、火災等の災害を防止するための措置について早急に見直しを行なっていただく必要があるもの
と考えます。
  つきましては、油脂抽出工程における爆発、火災による労働災害を防止するため、下記の事項に十分御
留意いただき、化学設備についての安全管理の徹底が行われるよう貴協会会員各位に対し周知を図られた
くお願いいたします。
記
1  抽出機等の化学設備については、定期自主検査を的確に行うこと。
    また、必要に応じ、日常点検等を励行すること。
2  作業規程の周知徹底を図り、臨時見直しを行うこと。
    特に、異常な事態が発生した場合における応急の措置については、日頃からその周知、訓練等を行な
  っておくこと。
3  抽出機等の化学設備の配管又は化学設備の付属設備の改造、修理、清掃、点検等を行う場合は、あら
  かじめ作業指揮者を選任し、定められた適正な手順により作業を行なわせること。
    特に、危険物の除去(パージを含む)をあらかじめ十分に行うこと。
4  作業を行う場合には、引火性の物の蒸気等の濃度を測定し、安全が確認された後に作業を開始するこ
  と。
    作業中の濃度の測定は必要に応じ継続して行い、危険な状態が生じた場合は作業者を直ちに退避させ、
  必要な措置を取ること。
    作業指揮者等作業を管理監督する者は、測定結果を常時把握しておくこと。
5  火気を使用する作業、火花を発生するおそれのある作業又は静電気による着火性放電が発生するおそ
  れのある作業若しくは物等着火源となるおそれのある要因の排除を確実に行うこと。
6  安全衛生教育の徹底に努めるとともに、関係者の安全意識の高揚を図ること。