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橋梁建設工事における安全総点検について

改正履歴


  労働災害防止については、従来からその徹底を図ってきたところであるが、昨日、広島市の新交通シス
テム橋梁工事現場において鋼製の橋桁が道路に落下し、14名が死亡9名が負傷するという重大災害が発生
した。
  本省においては、特別調査団を設置する等災害原因と再発防止対策について鋭意調査・検討中であるが、
事態の重大性にかんがみ、標記のことについて別紙により関係業界団体に対し要請を行ったところである。
  ついては、各局においても、関係事業場において総点検が的確に行われるよう指導を行うとともに、必
要に応じ監督指導を実施する等再発防止の徹底に遺漏なきを期されたい。  


別紙

                                         基発第148号
                                        平成3年3月15日
                                         

建設業労働災害防止協会  会長  殿
(社)日本建設業団体連合会  会長  殿
(社)日本土木工業協会  会長  殿
(社)全国建設業協会  会長  殿
(社)日本橋梁建設協会  会長  殿
(社)プレストレスト・コンクリート建設業協会  会長  殿
                                        労働省
                                        労働基準局長

           橋梁建設工事における安全総点検について


  労働災害の防止については、死亡災害の撲滅をめざして種々の対策を推進しているところでありますが、
昨日、広島市の新交通システム橋梁工事現場において鋼製の橋桁が道路に落下し、14名が死亡、9名が負
傷する重大災害が発生したことは甚だ遺憾に堪えないところであり、労働省においては、特別調査団を設
置する等災害原因と再発防止対策について調査・検討を進めているところであります。
  ついては、貴団体におかれては、会員企業に対し、下記事項に重点をおいた橋梁建設工事における安全
総点検の実施、問題のある事項についての確実な改善について徹底されたく、要請いたします。
1.工事の計画段階における安全の確認
  (1)  工事計画作成段階におけるセーフティ・アセスメント指針による安全性の事前評価の実施
  (2)  適切な作業計画の作成
  (3)  物体の落下による危険防止のための立入禁止区域の設定
2.工事の施工段階における安全の確保
  (1)  作業計画に基づく作業方法、作業手順等の徹底
  (2)  作業指揮者等に対する安全教育の実施
  (3)  足場、型わく支保工等の仮設構造物の点検、補修等の徹底


(参考)
広島市新交通システム橋梁工事事故に係る災害発生状況

1.発生日時  平成3年3月14日午後14時10分頃
2.発生場所  広島県広島市安佐南区上安2丁目
3.事業場名  元請  (株)サクラダ  (本社千葉市)
              下請  川鉄運輸(株)
              孫請  (株)大成建設工業
4.工事名称  新交通1号線上部工事第16工区その2工事
5.工    期  平成2年11月20日〜平成3年4月30日
6.発注者    広島市
7.被    害  死亡者数  14名
              負傷者数  9名
              死亡のうちの5名は本工事関係労働者
              残りについては調査中
8.発生状況
    新交通システムの橋梁工事現場で、鋼製の橋桁(重さ約55t、長さ約65m)が約10mの高さから県道
  に落下し、信号待ちの自動車11台に激突した。