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プレス機械の安全装置管理指針について(平成27年9月30日 基発0930第11号により廃止)
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                                                                          基発第446号の2
                                                                           平成5年7月9日
このたび、別添のとおり「プレス機械の安全装置管理指針」を策定したので、平成5年3月31日付け基 発第215号「プレス災害防止総合対策について」とともに、プレス機械を設置する事業者に周知し、プレ ス機械の安全装置の適正な管理の徹底を図られたい。 なお、別紙により関係団体に対し、本指針の周知等について協力を要請したので了知されたい。 別 添 プレス機械の安全装置管理指針(平成27年9月30日 基発0930第11号により廃止) 第1 趣旨 この指針は、プレス機械の安全装置の適正な管理を促進するため、安全装置の適切な選択、適正な使 用並びに作業開始前点検及び定期検査の実施に関する目安を定めたものである。 第2 安全装置の選択 安全装置の選択に当たっては、次に示すところにより、まず当該プレス機械に適応する安全装置の型 式を選択し、次いで毎年発表される「検定合格安全装置一覧」又は安全装置に表示される「検定合格標 章」により毎分ストローク数(以下「spm」という。)、ストローク長さ、停止時間、防護高さ等の細 部を検討のうえ、適切な安全装置を選択すること。 1 安全装置の選択 安全装置は、次に掲げる操作方法及び急停止機構の有無に応じて、それぞれに掲げる型式の順に適 切なものを選択すること。 (1) 両手操作の場合 イ 急停止機構を備えないプレス機械 ガード式 両手起動式 手引き式 手払い式 ロ 急停止機構を備えるプレス機械 ガード式 安全一行程式 光線式 静電容量式 手引き式 手払い式 (2) 片手操作の場合 イ 急停止機構を備えないプレス機械 ガード式 手引き式 手払い式 ロ 急停止機構を備えるプレス機械 ガード式 光線式 静電容量式 手引き式 手払い式 (3) 足踏み操作の場合 イ 急停止機構を構えないプレス機械 ガード式 手引き式 手払い式 ロ 急停止機構を備えるプレス機械 ガード式 光線式 静電容量式 手引き式 手払い式 2 安全装置の選択に当たっての留意事項 安全装置は、プレス機械の急停止機構の有無に応じ、型式ごとに次の点に留意して、適切なものを 選択すること。 (1) 急停止機構を備えないプレス機械の場合 イ ガード式 (イ) 足踏み操作式による起動についても有効である。 (ロ) プレス機械のダイハイト、ストローク長さ、作業に用いる金型の大きさ(金型の前面の 幅)に応じてガードの大きさ、ガードのストローク長さを選定する。 (ハ) ガードの作動方向により、下降式、上昇式、横開き式の別があるので、作業に適したも のを選定する。 (ニ) スライドの上死点停止を確認した後ガードを解放する上死点時限解放式のものは、プレ ス機械の故障による二度落ち防護に有効である。 (ホ) 安全距離は考慮しなくても差し支えない。 ロ 両手起動式 (イ) 安全距離の算定を次式によって行い、作業可能な距離が得られる場合に、使用すること ができる。 D>1.6×(1/2+1/クラッチの掛け合い箇所の数)×60000/spm D;安全距離(単位mm) a 一般にポジティブクラッチプレスは、所要最大時間(1/2+1/クラッチの掛け合い 箇所の数)×60000/spm)が長く、安全距離を確保することが困難であるため、単独で 安全装置として使用することは難しく、手引き式又は手払い式のものと併用することが 望ましい。 b 動力プレス機械構造規格の適用を受けないプレス機械(以下「旧型プレス」という。) については、spmを測定し、同測定値に基づき算定した安全距離を確保する。 (ロ) spmの大きいプレス機械(機種により異なるが、概ね30トン以下で、spmが120以上の小 型プレス機械)で、安全距離が確保できる場合には、単独で安全装置として使用できる。 (ハ) プレス機械の故障による二度落ち防護には無効である。 ハ 手引き式 (イ) ストローク長さに応じて手を引く場合の引き量が決まることから、ストローク長さが40 mm以上のプレス機械に使用することができる。 (ロ) ボルスターの奥行きの1/2以上の引き量を確保する。 (ハ) 小物の二次加工には適しているが、大物や一次加工には不向きである。 (ニ) プレス機械の故障による二度落ち防護に有効である。 ニ 手払い式 (イ) ストローク長さに応じて手を払う場合の振幅が決まることから、ストローク長さが40mm 以上のプレス機械に使用することができる。 (ロ) 金型の前面の幅以上の振幅を確保する。 (ハ) 小物の二次加工には適しているが、大物や一次加工には不向きである。 (ニ) プレス機械の故障による二度落ち防護に有効である。 ホ 足踏み操作式から両手押しボタン操作式に切り換える場合の安全装置の取扱い プレス機械の起動方式を足踏み操作式のものから、両手押しボタン操作式のものへ切り換え る場合には、一の押しボタンと他の押しボタンの間隔が300mm以上である埋頭型の押しボタン を両手で同時に押さなければ起動しない起動装置を使用するものとする。 この場合においては、手引き式又は手払い式の安全装置をプレス機械に設置するものとし、 両手押しボタン操作式の起動装置は安全装置として取り扱わず、したがって、安全距離につい ては考慮しなくてもよいものとする。 (2) 急停止機構を備えるプレス機械の場合 イ ガード式 (イ) 足踏み操作式による起動についても有効である。 (ロ) プレス機械のダイハイト、ストローク長さ及び作業に用いる金型の大きさ(金型の前面 の幅)に応じてゲートの大きさ、ガードのストローク数を選定する。 (ハ) ガードの作動方向により、下降式、上昇式、横開き式の別があるので、作業に適したも のを選定する。 (ニ) プレス機械の故障による二度落ち防護に有効である。 ロ 安全一行程式 (イ) 安全距離の算定を次式によって行い、作業可能な距離が得られる場合に使用することが できる。 なお、旧型プレスについては、停止性能測定装置により最大停止時間(Tl+Ts)を測定 し、その結果に基づき算定した安全距離を確保する。 D>1.6×(T+Ts) D;安全距離(単位mm) Tl;遅動時間(単位ms) Ts;急停止時間(単位ms) (ロ) 操作ステーションが複数あるものは、操作ステーションごとにプレス機械又はシャーの 安全装置機構規格第16条、第17条及び第18条の規定を満足するものとする。 (ハ) 共同作業を行う場合等作業面がプレス機械の前後に及ぶ場合は、その両面に安全一行程 式安全装置を使用する。 (ニ) プレス機械の故障による二度落ち防護には無効である。 ハ 光線式 (イ) 方式により、直射式(透過式)、反射式、2光軸遮断式の別があるので、作業に適した ものを選定する。 (ロ) 安全距離の算定を次式によって行い、作業可能な距離が得られる場合に使用することが できる。 なお、旧型プレスについては、停止性能測定装置により急停止時間を測定し、最大停止 時間に応じた安全距離を確保する。 D>1.6×(T+Ts) D;安全距離(単位mm) Tl;遅動時間(単位ms) Ts;急停止時間(単位ms) (ハ) 投光器及び受光器の光軸数は、防護高さ(ストローク長さ+スライド調節量)の全長に わたり安全装置として有効に作動するように選定する。この場合、作業者の身体の一部が、 最上部光軸の上又は最下部光軸の下から危険限界に到達するおそれがないように、余裕の ある光軸数を確保する。 (ニ) 光軸とボルスターの前縁との水平距離が400mmを越える場合は、光軸とボルスターの前 縁との間に200mm以内ごとに補助光軸を設置する。 (ホ) プレス機械の故障による二度落ち防護には無効である。 ニ 静電容量式 (イ) 安全距離の算定及び防護高さについては、感応方式の安全装置として光線式に準ずる。 (ロ) 検地電界が幅を持つので立体的に防護することが可能であり、自動プレスの防護等に効 果的である。 (ハ) プレス機械の故障による二度落ち防護には無効である。 ホ 手引き式 (イ) ストローク長さに応じて手を引く場合の引き量が決まることから、ストローク長さが40 mm以上のプレス機械に使用することができる。 (ロ) ボルスターの奥行きの1/2以上の引き量を確保する。 (ハ) 小物の二次加工には適しているが、大物や一次加工には不向きである。 (ニ) プレス機械の故障による二度落ち防護に有効である。 ヘ 手払い式 (イ) ストローク長さに応じて手を払う場合の振幅が決まることから、ストローク長さが40mm 以上のプレス機械に使用することができる。 (ロ) 金型の前面の幅以上の振幅を確保する。 (ハ) 小物の二次加工には適しているが、大物や一次加工には不向きである。 (ニ) プレス機械の故障による二度落ち防護に有効である。 ト 足踏み操作式から両手押しボタン操作式に切り換える場合の安全装置の取扱い プレス機械の起動方式を足踏み操作式のものから両手押しボタン操作式のものへ切り換える 場合には、安全一行程式安全装置を使用すること。 この場合において、二種類の安全装置を設置するときは、その組合せは、安全一行程式と光 線式、安全一行程式と手引き式及び安全一行程式と手払い式があること。特に、安全一行程式 と光線式の組合せについては、各安全装置について、安全距離を確保すること。 (3) その他 材料を手で保持しなければならない作業を行うとき及びボルスターからはみ出るような大きな 物を加工する場合で片手操作又は足踏み操作のときは、作業内容に応じて、安全囲い又は安全型 のほか、手引き又は手払い安全装置を使用すること。 第3 安全装置の適正な使用 安全装置は、次に示すところにより適正に使用すること。 1 ガード式 (1) 手の通過する位置をガードが防護するようにガードの位置を調整する。 (2) ガードの復帰位置を確認する。 2 両手操作式(両手起動式及び安全一行程式) (1) 両手起動式については所要最大時間、安全一行程式については最大停止時間に応じて、それぞ れ安全距離を確保する。 (2) 両手で同時に押しボタンを押したときのみ起動することを確認する。 (3) 一行程ごとに両手を押しボタンから離さなければ起動しないことを確認する。 (4) 安全一行程式については、スライドの下降時に押しボタンから手を離したときスライドが急停 止することを確認する。 3 光線式 (1) プレス機械の最大停止時間に応じて安全距離を確保する。 (2) プレス機械を起動させ、光線を遮断したとき、スライドが停止することを確認する。 (3) 有効・無効の切替えスイッチの状態を確認する。 (4) 直射日光が、受光器及び反射板に当たらないようにする。 (5) スライドの上昇時に光線を遮断してもスライドが急停止しない機能を有する上昇無効回路を使 用する場合には、スライドの下降時には安全装置が有効に作動し、上昇時のみ無効であることを 確認する。 (6) 作業内容、作業姿勢等により最上部光軸の上又は最下部光軸の下から身体の一部が危険限界に 入らないように投光器、受光器及び反射板を調整する。 (7) チェック回路の作動状況を確認する。 4 静電容量式 (1) プレス機械の最大停止時間に応じて、安全距離を確保する。 (2) プレス機械を起動させ、検地電界内に手が入ったとき、スライドが急停止することを確認する。 (3) 上昇無効回路を使用する場合は、スライドの下降時には安全装置が有効に作動し、上昇時のみ 無効であることを確認する。 5 手引き式 (1) 引き量は、作業内容に応じて調整する。 (2) 紐は、作業者ごとに作業内容に応じて調整する。 6 手払い式 (1) プレス機械のストローク長さに応じて、手払い棒の振幅が金型の前面の幅以上であることを確 認する。 (2) 手を払う位置及び方向は、作業内容に応じて調整する。 第4 安全装置の作業開始前点検及び定期検査 プレス機械作業主任者の選任を要する事業場においては、プレス機械作業主任者により、プレス機械 作業主任者の選任を要しない事業場においては、労働安全衛生規則第134条第1号、第2号及び第4号 に掲げる事項を担当する者により作業開始前点検及び定期検査を行うこと。 1 作業開始前点検 プレス機械作業主任者等は、作業を開始する前に、安全装置に係る次の事項について点検を行い、 その結果を記録し、保存すること。 (1) ガード式 (表) (2) 両手操作式(両手起動式及び安全一行程式) (表) (3) 光線式 (表) (4) 静電容量式 (表) (5) 手引式 (表) (6) 手払い式 (表) 2 定期検査 動力プレスに係る定期自主検査を実施する際、次に示す安全装置の型式別の検査項目について検査を行 い、その結果を記録し、保存すること。特に、安全一行程式、光線式及び静電容量式のものについては、 遅動時間又は最大停止時間を測定し、その測定値と安全装置に表示されている遅動時間又はプレス機械に 表示される最大停止時間とをそれぞれ比較し、その測定値が表示の値を超えていないことを確認すること。 (1) ガード式安全装置 (表) (2) 両手起動式安全装置(電磁ばね引き式) (表) (3) 両手起動式安全装置(空圧式) (表) (4) 安全一行程式安全装置 (表) (5) 光線式安全装置 (表) (6) 静電容量式 (表) (7) 手払い式安全装置 (表) (参考) 1 安全装置の選択一覧表 (1) 両手操作による場合 (表) (2) 片手操作及び足踏み操作による場合 (表) 2 安全距離の確保

A 両手操作式(両手起動式及び安全一行程式)安全装置

  (1)  安全距離Dの算式
      イ  両手起動式
          D>1.6×(1/2+1/クラッチの掛け合い箇所の数)×60000/毎分ストローク数(spm)
          D;安全距離  単位;mm  以下同じ。
      ロ  安全一行程式
          D>1.6(T+Ts)
          T+Ts;最大停止時間  単位;ms以下同じ。
  (2)  安全距離Dと押しボタンの位置の関係
      イ  C形プレスの場合
        (イ)  押しボタンの位置がボルスタ上面より低いとき
              D<a+b+HD/3
            a;押しボタンの中心からスライド前面までの水平距離  単位;mm
            b;押しボタンの中心からボルスタ上面までの垂直距離  単位;ms
              HD;ダイハイト  単位;mm

(図)

        (ロ)  押しボタンの位置がボルスタ上面より高い場合
              D<a+(b−HD/3)
              a,b,HD;(イ)に同じ。

(図)

      ロ  ストレートサイド形プレスの場合
          D<a+b+HD・3+B/6
          a;押しボタンの中心からボルスタ前面までの水平距離  単位;mm
          b;押しボタンの中心からボルスタ上面までの垂直距離  単位;mm
          HD;ダイハイト  単位;mm
          B;ボルスタの奥行き  単位;mm

(図)

B 光線式及び静電容量式安全装置

  (1)  安全距離Dの算式
        D>1.6(T+Ts)
  (2)  安全距離Dと光軸(静電容量式の場合は検地電界)の取付け位置との関係
      イ  C形プレスの場合
          D<a
          a;光軸の中心(又は検地電界の外緑)からスライド前面までの水平距離  単位;mm

(図)

      ロ  ストレートサイド形プレスの場合
          D<a+B/l6
          a;光軸の中心(又は検地電界の外緑)からボルスタ前面までの水平距離  単位;mm
          lB;ボルスタの奥行き  単位;mm

(図)


別  紙

基発第446号
平成5年7月9日

(社)日本金属プレス工業会会長
(社)日本鍛圧機械工業会会長
日本プレス安全装置工業会会長
日本金属工業会会長
中央労働災害防止協会会長
(社)産業安全技術協会会長          殿

労働省労働基準局長  

  プレス機械の安全装置管理指針について

  労働基準行政の推進につきましては、日頃より格別のご配慮を賜り、厚く御礼申し上げます。
  プレス機械による労働災害の防止につきましては、その一層の徹底を図るため、先般、新たにプレス災
害防止総合対策を策定したところですが、その一環としてプレス機械の安全装置の適正な管理を促進する
ため、別添のとおり、プレス機械の安全装置管理を策定いたしました。
  つきましては、貴団体におかれましても、本指針の会員事業場に対する周知、指導方について、格別の
御協力をお願い申し上げます。