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火薬工場における爆発火災防止対策について

改正履歴


                                                                         基安発第26号の2
                                                                         平成8年11月28日

  爆発火災等による労働災害の防止については、従来からその徹底を図ってきているところであり、本年
に入り爆発災害等重大な爆発火災が多発したことから平成8年8月6日付け基発第506号「爆発火災等防
止対策の強化について」により化学工業等の関係事業者団体に対し要請したところであるが、本年11月19
日に広島県江田島町の火薬工場において負傷者6名を出すという大規模な爆発災害(別紙参照)が発生し
た。同工場においては本年4月16日にも死亡者3名を出す爆発災害を発生させており、誠に遺憾に耐えな
いところである。
  これらの災害の原因等については現在調査中であるが、それぞれ、もともと危険な火薬類を製造し、又
は取り扱う過程で発生しており、再発防止のためには、製造設備等の点検の実施、火薬類の適正な取扱い
等の徹底を図り、安全対策に万全を期す必要がある。
  このような状況にかんがみ、別添により火薬工場における爆発火災防止対策について社団法人全国火薬
類保安協会及び日本火薬工業会の会長あて強く要請したところであるので了知されたい。
  ついては、本要請の趣旨を踏まえ、関係事業場に対する監督指導、労働安全衛生法第88条に基づく計画
の届出の受付等の機会を捉え、前記通達の記に留意の上、爆発火災等による災害防止のための的確な指導
に努められたい。

別紙

災    害    の    概    要

1  災害の状況  爆発
2  日      時  平成8年11月19日(火)  午後2時18分
3  場      所  中国化薬株式会社  江田島工場
                (広島県安芸郡江田島町)
4  内      容   TNT(トリニトロトルエン:爆薬)製造工程の精製室において、同室にある精製槽
                で異常が発生し、異常に気付いた作業者等は避難した。
                  その後、同室から火柱があがり、続いて大きな爆発が発生した。さらに他の建屋にも
                類焼したもの。
5  被害の状況  負傷者6名(重傷2名、軽傷4名)

別添

基安発第  26  号  
平成8年11月28日  

社団法人全国火薬類保安協会会長
日本火薬工業会会長                  殿

労働省労働基準局
安  全  衛  生部長

火薬工場における爆発火災防止対策について

  爆発火災による労働災害の防止については、かねてからその徹底を図ってきたところでありますが、本
年11月19日に広島県江田島町の火薬工場において負傷者6名を出すという大規模な爆発災害(別紙参照)
が発生いたしました。同工場においては、本年4月16日にも死亡者3名を出す爆発災害を発生させており、
誠に遺憾に耐えないところであります。
  これらの災害の原因等については現在調査中でありますが、それぞれ、もともと危険な火薬類を製造し、
又は取り扱う過程で発生しており、再発防止のためには、製造設備の点検の実施、火薬類の適正な取扱い
等の徹底を図り、安全対策に万全を期す必要があります。
  ついては、貴会におかれましては、事態の重大性を認識いただき、安全管理が適切に行われているかを
総合的に点検し、爆発火災等の防止対策のより一層の充実が図られるよう、会員事業場に対し周知徹底さ
れたく要請します。

(別紙省略)