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プレス機械又はシャーの安全装置構造規格第30条に基づく適用除外の申請
について

改正履歴

                                                                          基収第65号の2
                                                                         平成11年2月17日
都道府県労働基準局長 殿
                                                                       労働省労働基準局長


      プレス機械又はシャーの安全装置構造規格第30条に基づく適用除外の申請について


 表記について、株式会社キーエンス代表取締役から別紙甲のとおり申請があり、別紙乙のとおり回答し
たので了知されたい。


別紙甲
                                      適用除外申請書

 現在、型式検定申請中の光線式安全装置 検第A263号について労働安全衛生法のプレス機械又はシャー
の安全装置構造規格の一部条項の適用除外を申請致します。

                                                                          平成11年1月27日

労働省労働基準局長 殿
                                                 申請者 大阪府大阪市東淀川区東中島1−3−4
                                                             株式会社キーエンス
                                                                 代表取締役社長 滝崎武光

適用除外申請に至った経緯
 従来の光軸固定型光線式安全装置ではユーザー側での多様な防護高さに対応するためメーカー側では多
種のものを提供する必要があり、コストUPや長納期といったデメリットがあった。また、反対にメーカー
側が少種類しか提供しなければユーザー側はそれに合わせざるを得ず、非常に不便な使い勝手になった。
 昨年10月に増設型光綿式安全装置として上記固定式のデメリットを改善した、増設型光線式安全装置の
検定申請をおこなった。すなわち、メーカー側で提供する少ない種類のユニットでユーザーでは多種な防
護高さが実現可能でかつ、コスト及び納期面でも優位な利便性を実現するとともに安全面においても、同
等以上の性能を有するものである。
 しかし、検定の過程において本構造での使用により不安全になる恐れの指摘を頂き、何らかの手段を講
じる必要性を認織した。
 検討の緒果、下記の手段により不安全は解消されたと考えているが、構造規格に一部適合しない条項が
発生したため今回適用除外申請を行うに至った。

適合することが困難な該当条項
 第四章 光線式安全装置 第二十条第一項→項目1,3
 第七章 雑則 第二十九条第一項第六号の口→項目2

適合困難な項目の理由と講じた手段

項目1:取り外し構造

理由
 A263号の構造は使用者で防護高さ(光軸数)の可変が可能な増減設構造であり、プレス機械のスライドの
調整量とストロークの全長にわたり有効に作動するよう当初設置されていてもその後の使用途中において
故意または不用意に安易に防護高さ(光軸数)を減少させることが可能である。この場合、スライドの調整
量とストロークの全長にわたり有効に作動するものとはならず、不安全な状態を生じる恐れがある。

講じた手段
センサユニット:
 検定合格品専用取り外しツールはユーザーには提供しない。ユーザー側で取り外しの必要が発生した場
合には個数管理された検定合格品専用取り外しツールを用いることにより弊社がその変更を実施するもの
とする。
 また、検定合格品の挿入孔には、"取り外し禁止"の旨を書いた警告シールをふさぐ格好で貼る。この措
置によりユーザーでは増設のみが可能となり、不安全方向である減設は不可能となる。よって、固定型と
同等以上の安全性を確保できていると考える。(図)
コントロールユニット:
 増設時はネジを締めることによりユニットを装着する構造になっているため、一方のナット側にネジ締
めにより接着する強カな接着剤を塗布し、一度増設すると取り外し不可能なものとする。上記センサユニ
ット部と同様、安全性は固定型と同等以上であると考えられる。
 
項目2:増設構造をもつ光線式全安全装置の防護高さ表示方法

理由
 A263号の防護高さはユーザーでの増設行為によって決定されるため従来のような固定防護高さでは表示
できない。計算間違い等不用意に使用者が正確な防護高さを確認できない恐れがある。

講じた手段
防護高さと接続光軸数の一覧表を装置の見やすい場所にはることで、間違いなく正確に確認できるように
する。
 
項目3:混用構造

理由
 A263号は製造者がユーザーに供給している非検定合格品と同一構造及び回路を有しているため故意また
は不用意に安易に非検定合格品と混用使用が可能である。この場合、光線式安全装置とはならず、不安全
な状態を生じる恐れがある。

講じた手段
センサユニット:
 検定合格品全ユニットのケース側面に凹凸部分を設け、凹凸のない非検定合格品とは接合できない構造
をとる。(図)
コントロールユニット:
 前述のとおり、増設はネジを締めることによりユニットを装着する構造になっているため検定合格品と
非検定合格品のネジピッチまたは径を変えることによりネジ締めが不可能な接合できない構造とする。


別紙乙
                                                                              基収第65号
                                                                         平成11年2月17日

株式会社キーエンス
代表取締役社長 滝崎武光 殿
                                                                      労働省労働基準局長

      プレス機械又はシャーの安全装置構造規格第30条に基づく適用除外の申請について

 表記について、平成11年1月27日付けで申請のあった表記については、申請のとおり認めるので通知する。