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クレーン構造規格の一部を改正する告示の適用について

改正履歴
基発第278号
平成13年3月30日

都道府県労働局長 殿

厚生労働省労働基準局長




クレーン構造規格の一部を改正する告示の適用について


 クレーン構造規格の一部を改正する告示(平成13年厚生労働省告示第41号)については、平成13年2月23日に公布され、平成13年4月1日から適用されることとされているところである。
 今回の改正は、ジャッキ式つり上げ装置をつり上げ装置として用いるクレーンの労働災害防止対策の充実を図るために行われたものであり、その内容は下記のとおりであるので、その運用に遺漏なきを期されたい。


第1 改正の要点
1 定義
(1) 「ジャッキ式つり上げ装置」とは、複数の保持機構、保持機構間の伸縮部及びつり材(ワイヤロープ等)から構成され、保持機構によりつり材を保持し、つり材を介して荷をつり上げることを目的とした装置をいうものであり、クレーンのつり上げ装置として用いられるものをいうものであること。
(2) 「保持機構」とは、ワイヤロープ等を締め付けること等によって保持する機構をいうものであり、つり材のワイヤロープの周りに配置したコレット(楔状の金具)を油圧により締め付け摩擦力で固締保持するもの、つり材のPC鋼より線を重力による自然噛み込み式の楔で保持するもの、つり材の等間隔に穴のあいたテンションプレート(つり鋼帯)をその穴にピンを挿入することにより保持するもの、つり材のステップ部をコレット等で保持するもの、つり材のネジを切った鋼棒をナット等により保持するもの等があること。

2 クレーンのつり上げ装置として使用するジャッキ式つり上げ装置の保持機構については、次の要件に該当するものでなければ、使用してはならないこととしたこと。
(1) ワイヤロープ等を保持するために必要な能力を有すること。
(2) すべての保持機構が同時に開放されることを防止する機構を有していること。

3 ジャッキ式つり上げ装置に用いられるワイヤロープ等の安全率は、次のとおりとしたこと。
(1) ワイヤロープ 3.55
(2) つり鋼帯及びつり鋼棒 2.5
(3) PC鋼より線 2.5

第2 細部事項
1 保持機構(第33条の2関係)
(1) 第1号の「ワイヤロープ等を保持するために必要な能力を有すること」とは、保持機構の保持する能力が不足することにより荷が落下することがないよう、保持機構が必要な保持能力を有することを義務付けるものであること。
また、つり材を摩擦力で保持する保持機構については、保持機構に係る荷重の2倍以上の荷重を保持できることが必要であること。
(2) 第2号の「すべての保持機構が同時に開放されることを防止する機構」とは、荷の荷重がかかっている場合には保持機構の開放が物理的にできないような機構のほか、自動操作の場合、操作プログラム上で同時開放を防止するインターロック機能を有することも当該機構に該当するものであること。
なお、当該機構は、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第28条及び第29条に規定する「安全装置等」に該当するものであること。

2 ワイヤロープ等(第55条の2関係)
ジャッキ式つり上げ装置に用いられるワイヤロープ等については、本条に定めるところによることとし、クレーン構造規格(平成7年労働省告示第134号)第1章の適用は受けないものであること。