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安全帯の規格の全部を改正する告示の適用について

改正履歴
基発第0314003号
平成14年3月14日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局長

安全帯の規格の全部を改正する告示の適用について

 安全帯の規格の全部を改正する告示(平成14年厚生労働省告示第38号)については、平成14年2月25日に公示され、平成14年4月1日から適用されることとなった。
 ついては、今回の改正の趣旨を十分に理解し、関係者への周知徹底を図るとともに、下記の事項に留意して、その運用に遺憾なきを期されたい。
 なお、本通達をもって、昭和50年12月17日付け基発第746号「保護帽の規格及び安全帯の規格の施行について」中、記の「第2 安全帯の規格関係」を削るものとする。



1 改正の概要
(1) 安全帯の種類については、胴ベルト型とハーネス型の2種類とし、それぞれについて、具備すべき構造要件を規定したこと。
(2) 安全帯に使用する材料については、安全帯の部品が通常の使用状態において想定される機械的、熱的及び化学的作用を受けた場合において当該部品が必要とする強度を有する材料であれば、使用することができることとしたこと。
(3) 安全帯の強度、形状、接続方法及び衝撃試験の方法等について、改めて基準を設けたこと。
2 改正の具体的内容
(1) 第1条関係
第1号から第9号までの用語に相当するものの例を図示すると、別添のとおりであること。
(2) 第2条関係
第1項第2号及び第2項第2号の「着用者に適合させることができること」とは、着用者の体格に合わせてベルトの長さが調節できるものをいうこと。
第1項第4号の「U字つり状態では使用することができない構造」には、例えばベルトに取り付けられた環が一つであるものが含まれること。
第1項第5号の「一本つり状態では使用することができない構造」には、例えばフックの口の開きをランヤードのロープの直径より小さくし、かつ、当該ロープに環を有しないものが含まれること。
第1項第7号のロの「ランヤードのロープ等が伸縮調節器から抜けないための措置」には、例えば伸縮調節器側のロープの端を端末止めサツマ編込とすることが含まれること。
第1項第8号の「着用者の墜落を防止するための措置」とは、伸縮調節器が、当該伸縮調節器に通常の負荷の状態と逆方向の荷重が作用した場合において、いわゆる逆方向落下を防止する機能を有するものをいうこと。
第2項第5号の「必要な機能が阻害されない構造」とは、着用者が墜落したときの荷重を支え、着用者から安全帯が脱落しないものをいうこと。
(3) 第4条関係
安全帯の部品の材料については、当該材料に要求される性能要件のみを定めることとしたこと。
(4) 第5条関係
表「胴ベルト型安全帯におけるベルト」、「胴ベルト型安全帯における補助ベルト」、「ハーネス型安全帯におけるハーネス」及び「ハーネス型安全帯におけるハーネスの部品のうち、墜落を防止するときに着用者の身体を支持する主たる部品以外の部品」の項「形状等」の欄の「細幅織」とは、幅13センチメートル以下に織ったものをいい、幅の広いものを折り合わせてミシンをかけたものは認められないこと。
表「環」の項「形状等」の欄第1号の「継目がないこと」には、例えば厚板から打ち抜いて型鍛造したものが含まれるものであり、同欄第3号の「角の部分」とは、環の部材の断面の角及び環の曲がりのすみの部分をいうこと。
(5) 第6条関係
表「ベルトとバックルとの接続」の項「接続方法」の欄第1号の「確実に接続される方法」には、例えばベルトをバックルに通した後折り返し、その折り返した部分を縫糸により縫い付ける方法が含まれること。
表「環を用いないランヤードとベルトとの接続」、「ランヤードのロープ等とフック、カラビナ、グリップ又はショックアブソーバとの接続」及び「フック又はカラビナを用いないランヤードと環との接続」の項「接続方法」の欄の「確実に接続される方法」には、例えばランヤードのロープを当該ランヤードのロープと3回以上のサツマ編込で結ぶ方法が含まれること。
表「ベルトと環との接続」の項「接続方法」の欄第2号の「ベルトの摩耗を防止するための措置」には、例えば環取付部にゴム製当て物を設けることが含まれること。また、表「環を用いないランヤードとベルトとの接続」、「ランヤードのロープ等とフック、カラビナ、グリップ又はショックアブソーバとの接続」及び「フック又はカラビナを用いないランヤードと環との接続」の項「接続方法」の欄の「ロープ等の摩耗を防止するための措置」には、例えばランヤードのロープ等のアイにプラスチック製当て物を取り付けることが含まれること。
表「ベルトと環との接続」及び「環を用いないランヤードとベルトとの接続」の項「接続方法」の欄第3号の「ベルトに沿って動かないような措置」には、例えば環をベルトと同質のものを当てて縫糸により強固に縫い付けること又は環止めを用いることが含まれること。
(6) 第7条関係
第1項の落下試験の実施に当たっては、試験装置の上部にロードセル(荷重検出器)を取り付け、これに伝達された衝撃荷重を測定記録装置を用いて計測し、その値によって耐衝撃性を判定すること。
アの測定記録装置は、少なくとも周波数範囲が0Hzから300Hzの範囲において、±10%の誤差内で応答するものであること。
トルソーの寸法誤差については、重心の位置は±25mmとし、その他は日本工業規格B0405の4の表1の極粗級(別紙参照)によること。
(7) 附則関係
第2項中「現に製造している」とは、現に設計の完了(設計の大部分を終了している場合を含む。)以降の過程にあることを、同項中「現に存する」とは、現に使用されていること及び製造が完了しているがまだ使用されていないことをいうこと。