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技能講習修了証明書統合発行システムの運用について

改正履歴
                                       基発第0217003号
                                       平成16年2月17日
都道府県労働局長 殿

                                厚生労働省労働基準局長


          技能講習修了証明書統合発行システムの運用について


 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)に基づく技能講習修了証(以下「修了証」という。)については、
作業者が複数の修了証を携帯する必要がある場合があるほか、再交付に時間を要するなどの問題点が指摘
されたことから、平成11年12月24日付け基発第737号「技能講習修了証明書統合発行システムの運用につ
いて」(以下「旧通達」という。)に基づき、これまで中央労働災害防止協会に委託して、技能講習の修了
者(以下「修了者」という。)に関するデータ(以下「修了者データ」という。)を集中的に管理するととも
に、修了者データの範囲内で修了者が有する技能講習の修了資格を一枚の書面に統合した技能講習修了証
明書(以下「修了証明書」という。)を発行するシステム(以下「旧システム」という。)を構築し、運用し
てきたところである。
 今般、公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律(平成15年法律第
102号)により、労働安全衛生法が改正され、技能講習が指定教習機関(改正前の労働安全衛生法による指
定教習機関をいう。以下同じ。)による実施から登録教習機関(改正後の労働安全衛生法による登録教習機
関をいう。以下同じ。)による実施に改められるのに伴い、関係法令の整備に合わせて、指定機関(労働安
全衛生規則等の一部を改正する等の省令(平成15年厚生労働省令第175号。以下同じ。)による改正後の登
録製造時等検査機関等に関する規則(昭和47年労働省令第44号。以下「機関則」という。)第24条第1項た
だし書及び第25条に規定する厚生労働大臣が指定する機関をいう。以下同じ。)が修了者データを集中的
に管理するとともに、修了者データの範囲内で修了者が有する技能講習の修了資格を一枚の書面に統合し
た修了証明書を発行する新しい技能講習修了証明書統合発行システム(以下「新システム」という。)を構
築し、平成16年3月31日から運用することとしたところである。
 ついては、貴職においては、下記に留意の上、新システムの周知を図るなどその円滑な運用について、
遺憾なきを期されたい。
 なお、旧通達は、平成16年3月30日をもって廃止する。

                       記

1 新システムの概要について
  新システムの概要は別紙のとおりであること。

2 新システムの趣旨について
  新システムは、公益性の確保及び修了者等の利便性の確保を目的としたものであり、その趣旨は次の
 とおりであること。
  [1] 修了者データを指定機関が集中的に管理することにより、修了者に係る修了資格の証明を永続的
   に可能とするとともに、修了証の再交付等の求めに迅速に対応できるようにしたこと。
  [2] 複数の技能講習の修了資格を修了証明書一枚に統合して記載し、携帯性を向上することにより、
   就業制限業務に就く者に課せられた資格を証する書面の携帯義務及び事業者に課せられた就業制
   限業務等への労働者配置の際の資格確認義務を遵守しやすくすることとしたこと。

3 帳簿等の引渡し等について
 (1) 登録教習機関は、修了者の氏名等を記載した帳簿(以下「帳簿」という。)を3年間保存した後、指
  定機関に引き渡すことができるものであり、また、登録教習機関は、登録を受けた技能講習の種類
  ごとに、登録に係る業務の廃止(登録の取消し及び登録の失効を含む。)に至った場合に帳簿を指定
  機関に引き渡さなければならないものであること。この場合においては、登録教習機関は帳簿の保
  管業務及び修了証の再交付・書替えの義務が免除されるものであること。この他、当該義務は免除
  されないものの、登録教習機関は、自主的に帳簿の情報を随時指定機関に提供することができるも
  のであること。ここで、帳簿の情報の提供は、帳簿の写しの提供によって行うものとすること。
 (2) 都道府県労働局は、改正後の労働安全衛生法が施行される前に都道府県労働局が実施した技能講習
  に係る帳簿を指定機関に引き渡し、また、改正後の労働安全衛生法が施行される前に廃止した指定
  教習機関から提出された帳簿の写しを指定機関に引き継ぐものであること。
 (3) 厚生労働本省は、旧システムの運用時に指定教習機関及び都道府県労働局から提供等された帳簿の
  写しに基づく修了者データを指定機関に引き渡すこととすること。

4 帳簿等の内容のデータベースへの登録等について
  指定機関は、引渡し等を受けた帳簿、帳簿の写し及び修了者データの内容(修了者の氏名、生年月日、
 技能講習の種類、技能講習を実施した機関(都道府県労働局を含む。)の名称(以下「技能講習実施機関名」
 という。)、修了年月日及び修了証番号)を技能講習修了者データベース(以下「データベース」という。)
 に登録することとすること。
  また、指定機関は、データベース等について、個人データの漏えい、滅失等の防止等の措置を講じて
 管理するものとすること。

5 修了証の再交付等及び修了証明書の交付の申込み等について
 (1) 修了者は、登録教習機関が帳簿を保存している場合に、修了証の滅失、損傷又は氏名の変更が生
   じたときは、修了証再交付・書替申込書に必要書類を添付して登録教習機関へ修了証の再交付又は
   書替えを申し込むものであること。
 (2) 修了者は、登録教習機関が帳簿を指定機関に引き渡した場合又は都道府県労働局が帳簿の引渡し
   若しくは帳簿の写しの引継ぎを指定機関に行った場合に、修了証の滅失、損傷又は氏名の変更が生
   じたときは、修了証明書交付申込書に必要書類を添付して指定機関へ修了証明書の交付を申し込む
   ものであること。なお、修了者が、指定機関のデータベースの範囲内で、その申込みに係るすべて
   の技能講習の修了資格を一枚の書面に統合して記載した修了証明書の交付を受けることを希望する
   ときは、その旨を記載して申し込むことができること。
    また、修了者は、登録教習機関が指定機関に対し帳簿若しくは帳簿の写しの引渡し等を行った場
   合又は都道府県労働局若しくは厚生労働本省が指定機関に対し帳簿、帳簿の写し若しくは修了者デ
   ータの引渡し等を行った場合に、指定機関のデータベースの範囲内で、その申込みに係るすべての
   技能講習の修了資格を一枚の書面に統合して記載した修了証明書の交付を受けることを希望すると
   きは、修了証明書交付申込書に必要書類を添付して指定機関へ修了証明書の交付を申し込むもので
   あること。
    この他、交付された修了証明書の再交付・書替えの申込みについても修了証明書の交付の申込み
   に準じて行うものとすること。

6 修了証の再交付等及び修了証明書の交付等について
 (1) 登録教習機関は、修了者から修了証の再交付等の申込みを受けた場合は、必要書類の添付や記載
   内容の確認等を行うとともに、帳簿と照合して申込み内容が適正なことを確認した上で修了証の再
   交付等を行うものであること。
 (2) 指定機関は、修了者から修了証明書の交付等の申込みを受けた場合は、必要書類の添付や記載内
   容の確認等を行うとともに、データベースと照合して申込み内容が適正なことを確認した上で修了
   証明書の交付等を行うものであること。
 (3) 指定機関が交付する修了証明書の様式は別添のとおりとすること。
 (4) 新システムによる修了証明書はもとより、旧システムによる修了証明書も労働安全衛生法第61条
   第3項の「資格を証する書面」として取り扱うものであること。

7 捜査関係事項照会について
  新システムのデータベースに登録されている修了者の氏名、生年月日、技能講習の種類、技能講習実
 施機関名、修了年月日及び修了証番号について捜査関係事項照会を行う場合は、指定機関の代表者あて
 に行うこと。なお、修了者の照会に当たっては、当該修了者の氏名及び生年月日の項目が必須項目であ
 ることに留意すること。

8 登録教習機関に対する協力要請等について
 (1) 新システムの円滑な運用のため、登録教習機関(指定教習機関から移行するものを含む。以下この
   項について同じ。)に対して新システムの周知を図るとともに、帳簿及び帳簿の写しの適正・円滑な
   引渡し等について協力要請すること。この際、公益性の確保及び修了者等の利便性の確保のため、
   技能講習実施後早期に帳簿の写しが指定機関に提供されることが望ましいので、その旨を含めて協
   力要請すること。
    また、新システムによる修了証明書の活用促進を図るため、登録教習機関に対して、技能講習実
   施の際には技能講習受講者に対し新システムの内容について説明するよう協力要請すること。
 (2) 事業者及び修了者に対して、修了証明書の活用を含む新システムの周知に努めるとともに、就業
   制限業務に就く者に課せられた資格を証する書面の携帯義務及び事業者に課せられた就業制限業務
   等への労働者配置の際の資格確認義務の遵守についての指導に努めること。

9 個人情報保護法に基づく個人データの安全管理措置等
  登録教習機関が保有する帳簿及び指定機関が保有するデータベース等は、平成17年4月1日以降「個人
 情報データベース等」として個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)の適用を受けるもので
 あり、登録教習機関(個人データの量が少なく同法第2条第3項第4号に該当するものを除く。)及び指定機
 関は、「個人情報取扱事業者」として同法に規定する個人データの漏えい、滅失等の防止等の安全管理
 措置等を講じること及び本人からの開示請求等へ対応することが求められること(同法第4章第1節)に留
 意すること。
  なお、改正後の機関則第24条第1項ただし書及び第25条並びに労働安全衛生規則等の一部を改正する等
 の省令による改正後の労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第82条第4項に「引き渡す」、「提供
 を受けて」等とあることから、これらは同法第23条第1項第1号の「法令に基づく場合」に該当するもの
 であり、同項の規定により、あらかじめ本人の同意を得ることなく登録教習機関から指定機関への帳簿
 又は帳簿の写しの引渡し等を行うことが可能であること。