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交通労働災害防止のためのガイドラインに係る留意事項について
改正履歴

                                      基安安発第0403001号
                                        平成20年4月3日


都道府県労働局労働基準部長 殿


                                  厚生労働省労働基準局
                                    安全衛生部安全課長
                                      


       交通労働災害防止のためのガイドラインに係る留意事項について


 標記については、平成20年4月3日付け基発第0403001号別添により通知されたところであるが、その
趣旨、内容等について、下記事項に留意されたい。


                      記


1 目的について
  交通労働災害防止のためのガイドライン(以下「ガイドライン」という。)の第1の1でいう「改善基
 準告示等」の「等」には、平成元年3月1日付け基発第92号「一般乗用旅客自動車運送事業以外の事業に
 従事する自動車運転者の拘束時間及び休息期間の特例について」及び同日付け基発第93号「自動車運転
 者の労働時間等の改善のための基準について」が含まれること。
2 交通労働災害防止のための管理体制等について
 (1) ガイドラインの第2の規定は、安全に対する組織の関与が低い場合に交通労働災害等が発生しやす
  くなることに統計上有意な関連を認める調査結果があること等により定めたものであること。
 (2) ガイドラインの第2の規定の実施にあたっては、「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指
  針」(平成11年4月30日 労働省告示第53号)を参考にすること。
 (3) ガイドラインの第2の1(1)でいう「運行管理者」とは、道路運送法、貨物自動車運送事業法等に
  基づき、事業用自動車の運行の安全を確保する業務を事業者と一体になって遂行する職務を担うため
  に選任される者をいい、「安全運転管理者」とは、道路交通法等に基づき、事業所における自動車の
  安全な運転を確保するために必要な業務を行う責任者として選任される者をいうこと。
 (4) ガイドラインの第2の2でいう安全衛生計画の作成に当たっては、交通労働災害防止に関する事項の
  みを定めた計画を作成しても差し支えないこと。
 (5) ガイドラインの第2の3の安全委員会等には、必要に応じ、安全管理者以外の交通労働災害防止に関
  係する管理者を参加させること。
3 適正な労働時間等の管理及び走行管理の実施について
 (1) ガイドラインの第3の1の規定は、勤務間の休息期間が8時間未満の場合、拘束時間が13時間を超え
  る場合、運転業務時間が9時間以上の場合等において、交通労働災害等が起こりやすくなることに統
  計上有意な関連を認める調査結果があること等により定めたものであること。
 (2) ガイドラインの第3の1から3の適正な労働時間等の管理及び走行管理、適正な走行計画の作成等、
  点呼等の実施等に当たっては、改善基準告示等が一定以上の自動車の運転時間を前提に運転業務によ
  る問題の改善を主たる目的としていることに配慮し、自動車の運転業務(四輪以上に限る。)に主と
  して従事している労働者(以下「運転業務従事者」という。)に対して実施することとしていること。
   貨物自動車運送事業及び旅客自動車運送事業以外の業種で、自動車の運転の業務に主として従事し
  ている労働者の例としては、以下のものがあること。
  ア 製造業の製品配送用の自家用トラックの運転者
  イ 通信業の配達用の自家用トラックの運転者
  ウ 建設業の残土、砂利等運搬用の自家用トラックの運転者
  エ 小売業の配達用の自家用トラックの運転者
  オ 旅館業等の送迎バス、スクールバスの運転者
  カ 広告宣伝車の運転者
   なお、三輪以下の自動車及び原動機付き自転車の走行についても、それら車両の運転業務に主とし
  て従事している労働者については、走行計画の作成等、点呼等の実施等を行うことが望ましいこと。
 (3) ガイドラインの第3の1でいう無理のない適正な走行計画の作成にあたっては、高速道路利用時の交
  通労働災害発生の頻度が一般道利用時と比較して低いことを踏まえ、適切に高速道路(高速自動車国
  道、一般国道の自動車専用道路)の使用等を考慮すること。
4 適正な走行計画の作成等について
 (1) ガイドラインの第3の2の規定は、走行計画を遵守した場合、走行計画に休憩時間の定めをした場合
  等に交通労働災害が発生しにくくなることについて、統計上有意な関連を認める調査結果があること
  等により定めたものであること。
   また、早朝時間帯においては、死亡災害が多発しているのみならず、体温が一日のうちで最低とな
  り、反応時間の遅延、眠気の高まり等をもたらすとの調査結果があること等を踏まえ、早朝時間帯の
  走行に対する配慮を定めたものであること。
 (2) ガイドラインの第3の2における走行計画の変更の方法に当たっては、事業者は、道路状況、荷主
   の依頼等により、走行中、作成された走行計画に記載されている事項に変更を行う必要が生じた場
   合、改善基準を遵守しつつ、適宜、走行計画を変更すること。
   変更された走行計画の伝達は、運転業務従事者からの定時・中間報告時に行う方法のほか、電子
  メールを運転者に送付し、自動車の停車時に読ませる方法があること。
   なお、運転業務従事者に直接荷主から変更の依頼等があった場合は、その旨を事業者に連絡し、
  走行計画の変更に関して指示を仰ぐ必要があること。
 (3) ガイドラインの第3の2の走行計画の作成にあたっては、配送先が比較的特定されており、走行の経
  路を事前に計画できる運行形態のみならず、戸別住宅に対する貨物運送等、配送先が多数であり、か
  つ毎回異なる、いわゆる戸別配送といった配送経路が特定しにくい運行形態があるため、業務形態の
  違いにより、最低限定めるべき内容が異なることに留意すること。
 (4) ガイドラインの第3の2(3)の乗務状況の把握に当たっては、道路運送車両法等により運行記録計(タ
  コグラフ)の備え付けが義務づけられている車両にあっては、タコグラフにより乗務状況を把握する
  こと。
   また、乗務終了後に点呼等を実施し、乗務状況等を把握するとともに、翌日以降の運転のための睡
  眠の確保等について指導することも有効であること。
   なお、近年、GPS付きデジタル・タコグラフ等を活用し、遠隔から車両の運行状況を把握できるシ
  ステムが導入されており、その活用も考えられること。
5 点呼等の実施等について
 (1) ガイドラインの第3の3の規定は、普段の睡眠時間が5時間未満の場合、勤務前24時間前の総睡眠時
  間が5時間以下である場合等に交通事故等が発生しやすくなることについて、統計上有意な関連を認
  める調査結果があること、また、睡眠不足が累積した場合、視覚刺激に対する反応ができなくなる回
  数(ラプス)が増加すること、特に就床3時間程度を数日間連続した場合にラプスが著しく増加するこ
  とを認める複数の調査結果があること等により定めたものである。
 (2) ガイドラインの第3の3(1)の点呼等にあっては、一般的に、労働者が労働以外に必要とする生活時
   間は、概ね6時間とされており、1日あたりの拘束時間が13時間を超える場合、睡眠時間が5時間未満
   となる可能性が高まるため、点呼において睡眠時間の状況を確認することとしたこと。
    また、点呼の記録は、以下の事項を含むこと。
  ア 点呼日時
  イ 点呼執行者名
  ウ 運転業務従事者名
  エ 運転者の乗務に係る自動車の自動車登録番号等
  オ 点呼方法(対面で実施できない場合は具体的方法)
  カ 運転者の疾病、疲労、睡眠不足、飲酒等の状況
  キ 指示事項
  ク その他必要な事項
 (3) ガイドラインの第3の3(2)でいう「正常な運転が困難な状態と認められる者に対する交通労働災害
  を防止するために必要な措置」には、運転前に仮眠をとらせる等の措置が含まれること。
   また、睡眠不足の累積等安全な運転に支障があるおそれがあると認められる者に対して休憩時間を
  設定するにあたっては、睡眠不足の状況に応じ、通常よりも長い休憩時間を設定することが望ましい
  こと。
6 荷役作業に対する配慮について
  ガイドラインの第3の4(1)の規定は、運転者が荷役作業を毎回実施する場合、交通労働災害等が発生
 しやすくなることに統計上有意な関連を認める調査結果があること等により定めたものであること。
7 教育の実施等について
  ガイドラインの第4の規定は、運転者に対する教育の項目が増加につれ、交通労働災害等が発生しに
 くくなることに統計上有意な関連を認める調査結果があること等により定めたものであること。
8 意識の高揚等について
  ガイドラインの第5の規定は、意識の高揚のための活動の増加につれて、交通労働災害が発生しにく
 くなることに統計上有意な関連を認める調査結果があること等により定めたものであること。
9 荷主・元請事業者による配慮等について
 (1) ガイドラインの第6の規定は、荷主からの要求の受容度が高い場合、交通労働災害等が発生しやす
  くなることに統計上有意な関連を認める調査結果があること等により定めたものであること。
 (2) 荷主及び元請は、交通労働災害防止のために必要な事項の実施に当たっては、「安全運行パートナ
  ーシップ・ガイドライン」(国土交通省作成)を参考とすること。
   また、「国際海上コンテナの陸上における安全輸送ガイドライン」(国土交通省)についても留意
  すること。
10 その他
  自動車の点検項目については、道路運送車両法等の法令にも規定があることに留意すること。



  (参考 (PDF形式:12KB))