1−ブロモプロパンによる労働災害防止について

基安化発0919第1号
平成25年9月19日
都道府県労働局労働基準部長 殿
厚生労働省労働基準局安全衛生部
化学物質対策課長

1−ブロモプロパンによる労働災害防止について

 米国連邦労働安全衛生庁(U.S.OSHA:米国労働省の外局)は、本年7月31日付けで、1−ブロモプロパン
(別名 臭化 n-プロピル)による健康障害を予防するための緊急警告を発出した。当該行政庁のホームペ
ージで公開された文書によると、緊急警告は、米国立労働安全衛生研究所(U.S.NIOSH:米国疾病予防セン
ターの組織)と連名で発出されたもので、1−ブロモプロパンを用いた金属や電子部品の洗浄・脱脂、接着
剤のスプレー式塗布、ドライクリーニング等の工程において、蒸気や霧状微粒子として吸入し、又は皮膚
に接触することにより、急性及び慢性の各種健康影響を生ずる可能性について言及している。
 1−ブロモプロパンの使用状況は、国により異なると考えられるものの、日本国内においても一定の使
用実績があることを踏まえ、労働者への健康障害を予防する観点から、上記作業や工程を有する事業者等
に対し、1−ブロモプロパンの使用に当たっては、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安
衛則」という。)第24条の15に基づく安全データシートを入手するとともに、安衛則の規定に基づき、雇
入れ時等の教育を行い、適切な換気の確保、保護具の使用等により必要なばく露防止措置を講ずることに
より、労働者のばく露をできるだけ低減*する必要があることを周知されたい。
   *米国産業衛生専門家会議(ACGIH)は、1−ブロモプロパンの8時間ばく露限界値を10ppmと定めてお
   り、現在、これを0.1ppmに下げるよう提案中
 なお、1−ブロモプロパンを用いた洗浄又は払拭の業務については、「洗浄又は払拭の業務等における
化学物質のばく露防止対策について」(平成25年3月14日付け基発0314第1号。平成25年8月27日付け基発0
827第3号により改正)に基づき、危険有害性情報に基づく化学物質管理を適切に行うよう、関係事業場を
指導すること。
 おって、別添のとおり関係事業者団体に対し要請していることを申し添える。


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