検討事項

ランクI

ランクII

ランクIII

(１) 事前調査

[1]ボーリング調査

ボーリング調査を行い、切羽からの可燃性天然ガスの発生量を想定するとともに、ボーリングコアの分析、泥水の分析を行うことにより、可燃性天然ガスの成分、含有量等について精密な調査を行うこと。

ボーリング調査を行い、切羽からの可燃性天然ガスの測定を行うこと。また、ボーリングコアや泥水の分析を行うことについて検討すること。

[2]資料の収集

周辺における、過去又は施工中のシールド工事等における可燃性天然ガスの発生状況の資料を収集すること。

必要に応じ、周辺における、過去又は施工中の可燃性天然ガスの発生状況の資料を収集すること。

[3]周辺状況の調査

施工区域周辺の環境、障害物、施工中の他工事等の調査を行うこと。

(２) 可燃性天然ガスの測定

[1]測定器具

携帯式及び常時測定用の定置式の測定器を併用すること。

携帯式の測定器を備えること。

測定器具についての点検・整備基準を定めること。

[2]測定方法

切羽付近、トンネルの中間点、たて坑底付近、電気機器設置箇所等に可燃性天然ガスの濃度測定箇所を定め、ガス測定者を指名して測定にあたらせること。

可燃性天然ガスの停滞しやすい箇所には、定置式の測定器を設置し、常時測定を行うこと。

施工開始後、必要があれば常時測定を行うこと。

作業開始前、地震後、低気圧時等には携帯式測定器による精密な測定を行うこと。

１日の作業開始前等に測定すること。

可燃性天然ガス濃度のほか、酸素濃度、有害ガス、坑内温度、風速等についても測定すること。
ガス測定者を指名して測定にあたらせること。

[3]連絡体制

測定結果の報告体制を明確にすること。
特に異常値測定時の現場責任者への連絡体制を明確にすること。

[4]記録・保存

施工中の各種測定結果を記録、整理し、可燃性天然ガスの発生の傾向を把握すること。

(３) 可燃性天然ガス対策

[1]補助工法

可燃性天然ガスの発生のおそれのある施工区域については、可燃性天然ガスの発生を抑制するための薬液注入等の補助工法を実施すること。

必要に応じ可燃性天然ガスの発生を抑制するための薬液注入等の補助工法を検討すること。

[2]裏込注入・覆工

可燃性天然ガスの発生のおそれのある施工区域では、裏込注入を直ちに実施すること。また、必要に応じて二次注入を実施すること。なお、二次覆工の計画のあるものは、できるだけ早期に実施すること。

裏込注入は、早期に実施すること。

[3]その他

可燃性天然ガスの発生のおそれのある施工区域では、セグメント組立ての真円度を向上させるとともに、一次止水シール及びコーキング構造材質等を十分検討して使用すること。

(４) 換気

[1]設備

可燃性天然ガスの発生のおそれのある施工区域では、発生ガスを十分希釈できる換気設備を設置すること。

[2]取扱い基準

換気設備の取扱い基準を定めておくこと。

(５) 警報装置

緊急事態発生を知らせる装置を設けること。
警報発令の基準、警報発令時の行動についても定め、関係労働者に周知すること。
警報装置について点検・整備基準を定めること。

(６) 火源対策

[1]火気管理

火気又はマッチ、ライター等の着火源となり得るものを坑内へ持ち込むことを禁止する溶接・溶断、その他火気又はアークを使用する作業は、原則として行わないこと。
坑内にある可燃物は、必要最小限にとどめ、貯蔵場所及び取扱い場所を定めておくこと。

[2]電気設備の防爆化

可燃性天然ガスの濃度が危険範囲内に達することがあると予想される領域内で使用する電気設備は、防爆構造のものとすること。
防爆設備については、保守・点検の基準を定め、防爆性能の維持を図ること。

電気設備の設置箇所において可燃性天然ガスの濃度の測定を実施し、必要に応じ防爆構造のものとすること。

[3]電気機器の絶縁

放電、誘導火花の発生を防止するため、電気機器の絶縁を点検すること。

[4]その他

作業服、送排気管等の静電気の帯電を防ぐため、帯電防止又は接地を行うこと。

(７) 緊急時の措置

[1]緊急措置用具

緊急措置用具を必要な箇所に配置し、設置箇所及び使用方法を関係労働者に周知すること。

[2]避難訓練

緊急事態発生を想定し、避難訓練を実施すること。

[3]救護訓練

緊急事態発生を想定し、救護訓練を実施すること。

(８) ガス爆発災害の防止についての教育

次の事項について教育すること。
イ）可燃性天然ガスの性質
ロ）ガス爆発の危険性
ハ）可燃性天然ガスの測定
ニ）換気
ホ）火源対策
ヘ）異常時の対策