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別添4
基安発第0723004号
平成15年7月23日
(社)建設荷役車両安全技術協会会長 あて
厚生労働省労働基準局安全衛生部長



コンクリートポンプ車のブーム破損による労働災害の防止について


 建設工事における労働災害の防止については、かねてからその徹底を求めてきたところですが、先般、別添のとおり特定自主検査が実施されていないコンクリートポンプ車のブームが破損し、落下したブームに激突された労働者が死亡するという災害が発生しました。
 当該労働災害について、ブームの破損原因を調査したところ、疲労破壊によりブームにき裂が生じていたにもかかわらず、き裂の状況について把握されず、補修等の必要な措置を行わずに使用していたことが、破損の原因になったものと考えられ、同様の不適切な使用によって、同種の災害発生も懸念されるところです。
 ついては、同種災害の発生を防止するため、下記事項に留意されるよう会員事業場に対し周知徹底していただきたく要請いたします。




1  コンクリートポンプ車に関する特定自主検査に際して、車両系建設機械の定期自主検査指針(平成3年自主検査指針公示第14号)に基づき、ブーム装置等のき裂の有無を調べ、き裂が疑わしい場合は探傷器等で調べること。

2  コンクリートポンプ車を使用する会員事業場においては、 (1)〜(8)にも留意を行うこと。
(1) 現在保有しているコンクリートポンプ車について、ブームのき裂の有無を調べ、異常を認めたときは補修等の措置を講ずること。また、関係請負人に対してもその保有しているコンクリートポンプ車について、同様の措置を講じるよう指導すること。

(2) 労働安全衛生規則第167条に基づく定期自主検査及び同規則第169条の2に基づく特定自主検査を確実に実施すること。

(3) 上記(2)の検査の際には、車両系建設機械の定期自主検査指針に基づき、ブーム装置等のき裂の有無を調べ、き裂が疑わしい場合は探傷器等で調べること。

(4) 労働安全衛生規則第170条に基づく作業開始前点検において、ブーム装置溶接部等のき裂の有無の確認にも留意すること。

(5) 上記(2)の検査又は(4)の点検を行った場合において、異常を認めたときは、労働安全衛生規則第171条に基づき、直ちに補修その他必要な措置を講ずること。

(6) コンクリートポンプ車を用いて作業を行うときは、労働安全衛生規則第163条に基づき、当該コンクリートポンプ車についてその構造上定められた安定度、最大使用荷重、ブーム先端ホース長等を守ること。

(7) 労働安全衛生法第29条に基づき、関係請負人が使用するコンクリートポンプ車に関し、特定自主検査等の実施の有無の確認を指導し、未実施の場合はその是正を指示すること。

(8) ブーム使用時には、ブーム下における作業を禁止すること。