別紙(平成21.4.24 基発第0424001号により廃止)
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手すり先行工法による足場設置基準
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1 |
手すり先行工法による足場の組立て等の基準 |
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(1) |
趣旨
足場の組立て、解体又は変更の作業においては、労働安全衛生規則第563条、564条等の足場に関する労働安全衛生関係法令の規定を遵守した上で、さらに労働者が足場から墜落する危険を減少させるため、以下の基準を満たす手すり先行工法によることが必要である。
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(2) |
手すり先行工法の種類
次のいずれかの方式を採用すること。 |
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ア |
手すり先送り方式
足場の組立て、解体又は変更の作業において、足場の最上層に床付き布わく等の作業床(以下「作業床」という。)を取り付ける前に、最上層より一層下の作業床上から、建わくの脚柱等に沿って上下スライド等が可能な手すり又は手すりわく(以下「先送り手すり機材」という。)を当該作業床の端となる箇所に先行して設置する方式であって、かつ、最上層の作業床を取り外すときは、当該作業床の端の先送り手すり機材を残置して行う方式である。先送り手すり機材は、最上層より一層下の作業床上で上下スライド等の方法により最上層に取付け又は取り外しができるものであり、一般に最上層のみに設置されるものである。 |
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イ |
手すり据置き方式
足場の組立て、解体又は変更の作業において、足場の最上層に作業床を取り付ける前に、最上層より一層下の作業床上から、据置型の手すり又は手すりわく(以下「据置手すり機材」という。)を当該作業床の端となる箇所に先行して設置する方式であって、かつ、最上層の作業床を取り外すときは、当該作業床の端の据置手すり機材を残置して行う方式である。据置手すり機材は、最上層より一層下の作業床から最上層に取付け又は取り外しができる機能を有しており、一般に足場の全層の片側構面に設置されるものである。 |
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ウ |
手すり先行専用足場方式
鋼管足場用の部材及び附属金具の規格の適用除外が認められたわく組足場等であって、足場の最上層に作業床を取り付ける前に、当該作業床の端となる箇所に、最上層より一層下の作業床上から手すりの機能を有する部材を設置することができ、かつ、最上層の作業床を取り外すときは、当該作業床の端に手すりの機能を有する部材を残置して行うことができる構造の手すり先行専用のシステム足場による方式である。
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(3) |
手すり先行工法の機材等の性能及び使用方法 |
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ア |
先送り手すり機材の性能及び使用方法 |
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(ア) |
性能
先送り手すり機材の性能は、別表1の「手すりわくの性能」によるものであること。 |
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(イ) |
使用方法
先送り手すり機材は、次により使用すること。 |
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a |
足場の組立て等の作業が行われている足場の最上層に設置すること。 |
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b |
足場の片側又は両側の構面に設置すること。 |
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c |
わく組足場に使用する場合は、交さ筋かいを設置した後でなければ上下スライドさせてはならないこと。 |
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d |
安全帯の取付設備として使用するときは、必要な強度を有していることを確認すること。 |
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e |
製造者が定める使用方法等により使用すること。 |
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イ |
据置手すり機材の性能及び使用方法 |
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(ア) |
性能
据置手すり機材の性能は、別表1の「手すりわくの性能」によるものであること。 |
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(イ) |
使用方法
据置手すり機材は、次により使用すること。 |
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a |
交さ筋かいを取り外して使用する据置手すり機材にあっては、足場の片側構面に設置し、他の構面には交さ筋かいを設置すること。 |
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b |
安全帯の取付設備として使用するときは、必要な強度を有していることを確認すること。 |
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c |
別表2の「手すりわくの使用方法」及び製造者が定める使用方法等により使用すること。 |
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ウ |
手すり先行専用足場の性能及び使用方法 |
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(ア) |
性能
鋼管足場用の部材及び附属金具の規格の適用除外が認められたわく組足場等については、同規格に定める性能を有するものであること。 |
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(イ) |
使用方法
製造者が定める使用方法等により使用すること。
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(4) |
安全帯の取付設備の性能及び使用方法 |
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ア |
性能
安全帯の取付設備として使用する親綱、親綱支柱及び緊張器(以下「親綱機材」という。)の性能は、別表3の「親綱機材の性能」によるものであること。 |
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イ |
使用方法
親綱機材は、別表4の「親綱機材の使用方法」及び製造者の定める使用方法等により使用すること。
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2 |
働きやすい安心感のある足場の基準 |
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(1) |
趣旨
足場上の高い緊張状態が要求される作業を改善するためには、関連する労働安全衛生関係法令のすべての規定を満たした上で、以下の基準を満たす働きやすい安心感のある足場とすることが重要である。
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(2) |
働きやすい安心感のある足場の種類
次のいずれかを採用すること。 |
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ア |
手すり先行専用足場型
1の(2)のイ又はウの方式で組み立てられた足場であって、(3)に示す二段手すり及び幅木の機能を有する部材があらかじめ足場の構成部材として備えられているものをいう。 |
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イ |
改善措置機材設置型
1の(2)に示す方式で組み立てられた足場(アの手すり先行専用足場型に該当するものを除く。)であって、当該足場の設置状況に応じて(3)に示す改善措置機材(「足場上の緊張状態を改善するために有効な機材」をいう。以下同じ。)のいずれか又は複数のものを取り付けたものをいう。
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(3) |
改善措置機材の種類、使用方法等 |
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ア |
二段手すり
高さ90センチメートル以上で中さんを有する丈夫な手すりをいい、わく組足場の交さ筋かいと同一構面に設置するときは、交さ筋かいを取り外して使用しないこと。 |
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イ |
上さん
交さ筋かいの取付位置が低いときに交さ筋かいのヒンジピンの高さ以上に取り付ける丈夫な横さんをいい、交さ筋かいを取り外して使用しないこと。 |
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ウ |
下さん
交さ筋かいの取付位置が高いときに交さ筋かいのヒンジピンの高さより下方に取り付ける丈夫な横さんをいい、交さ筋かいを取り外して使用しないこと。 |
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エ |
手すりわく
二段手すりの機能を有するわく状の丈夫な手すりをいい、交さ筋かいを取り外して使用するものにあっては、1の(3)のイによること。 |
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オ |
幅木
作業床の外縁に取り付ける木製は又は金属製の板をいい、必要な強度を有し、かつ、高さが10センチメートル以上のものであること。 |
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カ |
ネットフレーム及び金網
足場の構面に設置し、二段手すりと幅木の両機能を有するものをいい、性能は、別表5の「ネットフレームの性能」によるものとし、わく組足場の交さ筋かいと同一構面に設置するときは、交さ筋かいを取り外して使用しないこと。 |
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キ |
メッシュシート
足場等の仮設構造物の外側構面に設け、物体が当該構面を超えて落下することを防止するために用いる網をいい、性能は、別表6の「メッシュシートの性能」によるものとし、別表7の「メッシュシートの使用方法」により使用すること。 |
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ク |
安全ネット
足場と躯体との間に水平に張って使用する網をいい、性能は、別表8の「安全ネットの性能」によるものであること。 |
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ケ |
その他の改善措置機材
アからクの機材と同等以上の機能を有するアからク以外の改善措置機材をいい、当該改善措置機材の製造者の定める使用方法等により使用すること。
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3 |
足場の点検等 |
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(1) |
点検等の実施 |
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ア |
足場の組立て等の作業の監視
足場の組立て等の作業を行うときは、足場の組立て等作業主任者に労働安全衛生規則第566条に規定する作業の進行状況等の監視を行うとともに、1の(3)及び(4)に示す各機材等の使用状況についても監視すること。 |
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イ |
足場の組立て等の作業後の点検
足場の組立て等の作業を行った後においては、労働安全衛生規則第567条に規定する点検を実施するとともに、2の(3)の改善措置機材の設置状況についても点検を行い、異常を認めたときは直ちに補修すること。 |
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ウ |
作業開始前点検
足場を使用する作業等を開始する前に、イの点検に準じた点検を実施すること。
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(2) |
点検等の実施体制 |
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ア |
点検者の指名
(1)のアからウの点検等を行う者を指名すること。 |
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イ |
点検表の作成
(1)のアからウの点検等について、点検等を行う項目を定め、点検表を作成すること。 |
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ウ |
補修等の記録
点検等の結果、異常を認めたとき及び補修したときはその内容等について記録すること。 |