(平成28年3年31日 基発0331第26号により廃止)
(参考8)ヒドラジン及びヒドラジン一水和物に係る情報
1 性状
ヒドラジンは、常温常圧では刺激臭を有する無色の発煙性・吸湿性液体であり、水、アルコ−ルに可
溶である。引火性があり、多くの物質と接触すると火災と爆発の危険性がある。
ヒドラジン一水和物は常温常圧では無色発煙性の液体であり、水、アルコ−ルと混和しやすく、クロ
ロホルム及びエ−テルに不溶である。可燃性があり、多くの物質と接触すると火災と爆発の危険がある。
なお、物性等については表に示すとおりである。
表 ヒドラジン及びヒドラジン一水和物の物性等
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ヒドラジン |
ヒドラジン一水和物 |
CAS No.
化学式
分子量
融点
沸点
比重
蒸気圧(20℃)
蒸気密度(空気=1)
引火点
発火点
爆発限界 |
302-01-2
H2N-NH2
32.1
2.0℃
114℃
1.01
1.4kPa
1.1
38℃(密閉式)
24℃(さびた鉄の表面)
〜270℃(ガラスの表面)
1.8〜100% |
7803-57-8
H2N-NH2・H2O
50.1
-51.7℃
121℃
1.03 |
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2 用途
ヒドラジンの用途は、ロケット燃料。
ヒドラジン一水和物の用途は、プラスチック発泡剤製造用、清缶剤(脱酸素及び脱炭酸ガス)、還元
剤、重合触媒、試薬、農薬、水処理剤、エア−バッグ用起爆剤等。
3 人に対する影響
ヒドラジン及びヒドラジン一水和物は、皮膚、目に対し腐食性を示す。蒸気は気道に対して腐食性を
示し、蒸気を吸入すると肺水腫を起こすことがある。肝臓、腎臓、中枢神経系に影響を与えることがあ
る。高濃度ばく露により死に至ることがある。経皮吸収性及び皮膚感作性がある。
4 その他のがん原性に関する評価
(1)日本産業衛生学会
第2群B(人間に対しておそらく発がん性があると考えられる物質であって、その証拠が比較的十分
でない物質)
(2)国際がん研究機関(IARC)
Group2B(ヒトに対して発がん性があるかもしれない物質)
(3)米国産業衛生専門家会議(ACGIH)
A3(実験動物に対して発がん性のある物質)