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(平成28年3年31日 基発0331第26号により廃止)

(参考3)

 日本バイオアッセイ研究センターにおける厚生労働省委託のキノリンのラット及びマウスを用いた経口
投与によるがん原性試験結果の概要(抄)

 試験は、ラット(6週令)及びマウス(6週令)を用い、それぞれ雌雄各群50匹、4群の構成とし、合わ
せてラット400匹、マウス400匹を使用した。
 キノリンの濃度をラットでは雄は800ppm、400ppm、200ppm、0ppm(対照群)、雌は600ppm、300ppm、
150ppm、0ppm(対照群)とし、マウスでは雌雄とも600ppm、300ppm、150ppm、0ppm(対照群)となるよう
に飲水に混ぜ、経口投与(自由摂取)した。投与期間は当初104週間(2年間)とする予定だったが、投与
群で多くの動物が腫瘍の発生により死亡したため、ラット雄は96週間、マウス雄は65週間、マウス雌は50
週間で投与を終了し、解剖を実施した。
 その結果、ラットでは、雌雄ともに肝臓の肝細胞腺腫、肝細胞癌及び血管肉腫の顕著な発生増加がみら
れ、さらに、鼻腔に雄では肉腫と神経上皮腫、雌では肉腫といった自然発生が稀である腫瘍の発生もみら
れ、この結果はキノリンのラットの雌雄に対するがん原性を示す明らかな証拠と考えられた。
 また、マウスでは、雌雄ともに多くの動物に血管肉腫あるいは血管腫の発生がみられ、さらに、雄では
肝臓の組織球性肉腫と肝細胞癌及び腎臓の腎細胞癌、雌では肝臓の組織球性肉腫の発生増加がみられ、こ
の結果はキノリンのマウスの雌雄に対するがん原性を示す明らかな証拠と考えられた。