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別添

平成25年度全国安全週間実施要綱

1 趣 旨
  全国安全週間は、昭和3年に初めて実施されて以来、「人命尊重」という崇高な基本理念の下、「産
 業界での自主的な労働災害防止活動を推進し、広く一般の安全意識の高揚と安全活動の定着を図ること」
 を目的に、一度も中断することなく続けられ、今年で86回目を迎える。
  この間、労働災害を防止するため、事業場では、労使が協調して、労働災害防止対策が展開されてき
 た。この努力により、労働災害は長期的には減少してきている。
  労働災害による死亡者数は、年々減少してきていたが、平成21年から大幅な増減を繰り返している。
 一方、労働災害による死傷者数は、平成22年から3年連続の増加となり、極めて憂慮すべき事態となっ
 ている。特に、産業構造の変化等により、製造業、建設業等の労働災害の占める割合が減\し、小売業、
 社会福祉施設等の労働災害の占める割合が増加している。
  労働災害を防止するためには、トップから安全衛生の担当者、労働者までの事業場の全員が現場を確
 認し、機械設備の安全基準や作業手順などの基本的なルールを守ることに加え、事業者から労働者一人
 ひとりまでの安全に対する意識や危険感受性を高めることにより、労働者の安全を確保し、労働災害ゼ
 ロを目指していく必要がある。
  平成25年度の全国安全週間は、

(たか)めよう 一人(ひとり)ひとりの安全意識(あんぜんいしき) みんなの(ちから)でゼロ災害(さいがい)
 をスローガンとして展開することにする。
  この全国安全週間を契機として、それぞれの職場で、労働災害防止の重要性を認識し、安全活動の着
 実な実行を図る。

2 期 間
  平成25年7月1日から7月7日までとする。
  なお、安全週間の実効を上げるため、平成25年6月1日から6月30日までを準備期間とする。

3 主唱者
  厚生労働省、中央労働災害防止協会

4 協賛者
  建設業労働災害防止協会、陸上貨物運送事業労働災害防止協会、港湾貨物運送事業労働災害防止協会、
 林業・木材製造業労働災害防止協会、鉱業労働災害防止協会

5 協力者
  関係行政機関、地方公共団体、安全関係団体、全国安全会議、地方安全会議、労働組合、経営者団体

6 実施者
  各事業場

7 主唱者、協賛者の実施事項
  安全週間及び準備期間中に次の事項を実施する。
 (1) 安全広報資料等の作成、配布を行う。
 (2) 様々な広報媒体を通じて広報を行う。
 (3) 安全パトロール等を実施する。
 (4) 安全講習会等を開催する。
 (5) 安全に関する標語等の募集を行う。
 (6) 安全衛生に係る表彰を行う。
 (7)「国民安全の日」(7月1日)の行事に協力する。
 (8) 事業場の実施事項について指導援助する。
 (9) その他「全国安全週間」にふさわしい行事等を行う。

8 協力者への依頼
  主唱者は、上記7の事項を実施するため、協力者に対し、支援、協力を依頼する。

9 実施者の実施事項
  安全を最優先する企業文化である安全文化を醸成するため、各事業場では、次の事項を実施する。

 (1) 安全週間及び準備期間中に実施する事項
  ① 経営トップは安全について所信を明らかにし、自らが率先して職場の安全パトロール等を行い、
   安全について従業員への呼びかけを行う。
  ② 今後の安全の進め方について考える職場の集い等を催し、関係者の意志の統一、安全意識の高揚
   等を図る。
  ③ 作業上の注意喚起の「見える化」等、分かりやすく全員で取り組みやすい安全活動の募集及び発
   表を行う。
  ④ 安全旗の掲揚、標語等の掲示、安全関係資料の配布等を行う。
  ⑤ 作業を直接指揮する優良な職長等の顕彰等を実施する。
  ⑥ 安全についての作文、写真、標語等の募集及び発表を行う。
  ⑦ 安全に関する視聴覚教材等を活用した講演会等を開催する。
  ⑧ 労働者の家族に対し、安全についての文書の送付、職場見学等を行い、家族の協力を求める。
  ⑨ ホームページ等を活用し、自社の安全活動等について社会に発信する。
  ⑩ 緊急時の措置について必要な訓練を行う。
  ⑪ 「安全の日」等の設定を行う。
  ⑫ その他安全週間及び準備期間にふさわしい行事を行う。

 (2) 継続的に実施する事項
  ① 全般的事項
  ア 安全衛生管理体制の確立と自主的な安全衛生活動の促進
   (ア) 総括安全衛生管理者、安全管理者又は安全衛生推進者の選任、安全委員会の設置等安全衛生
     管理体制の整備及びその活動の活性化
   (イ) 危険性又は有害性の特定、リスクの見積り、リスク低減措置の検討等を行い、その結果によ
     り安全対策を実施するリスクアセスメント等の実施
    a 「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」、「化学物質等による危険性又は有害性等の
     調査等に関する指針」、「機械の包括的な安全基準に関する指針」に基づく適切なリスクアセ
     スメント等の実施
    b 経営トップによる統括管理、安全委員会の活用等を通じた労働者の参画等による実施体制の
     確立
    c 機械の設計・製造者等による機械の危険性等の通知の作成及び機械譲渡者等による通知の徹
     底
    d 化学物質の譲渡提供時のラベル表示、化学物質等安全データシート(SDS)の交付等による化学
     物質の危険性・有害性の通知の徹底及び事業者による事業場内で取り扱う容器等へのラベル表
     示の実施
   (ウ) 労働安全衛生マネジメントシステムの確立をはじめとした労使による自主的な安全管理活動
     の推進
   (エ) 職場巡視、危険予知、「見える化」等の安全活動の提案、ヒヤリ・ハット対策等の日常的な
     安全活動の充実・活性化
   (オ) 安全に係る知識や労働災害防止のノウハウの着実な継承
   (カ) 労働安全コンサルタント等の外部の専門家を活用した安全診断の実施
   (キ) 安全作業マニュアルの整備、定期的な見直し
    a 機械設備の運転操作、運搬等の定常作業に係る安全作業マニュアルの整備、見直し
    b 修理、点検、トラブル処理等の非定常作業に係る安全作業マニュアルの整備、見直し
    c 機械化、自動化、新原材料の導入等に伴う安全作業マニュアルの整備、見直し
   (ク) 事業場での労働災害の記録、分析及び再発防止対策の徹底
  イ 職業生活全般を通じた各段階での安全教育の徹底
   (ア) 安全教育計画の樹立と効果的な安全教育の実施
   (イ) 雇入れ時及び作業内容の変更時の安全教育の徹底
   (ウ) 就業制限業務、作業主任者を選任すべき業務での有資格者の充足
   (エ) 危険業務従事者等に対する安全教育の実施
   (オ) トップ層から第一線の現場労働者までの階層別の安全教育の実施
   (カ) 安全管理者等に対する能力向上教育の実施
   (キ) 事業場での安全教育担当者の育成
  ウ 作業者の安全意識の高揚
   (ア) 災害事例の分析、具体的な災害防止対策の樹立及びその周知徹底
   (イ) 職場巡視、危険予知、安全提案制度、ヒヤリ・ハット対策等の日常的な安全活動の充実・活
     性化
   (ウ) 安全委員会等を通じた職場の安全問題への参画の促進
   (エ) 家庭に対する安全の協力の呼びかけの実施
  エ 女性労働者や高年齢労働者が活躍するための職場改善の推進
   (ア) 機械設備等作業環境の改善
   (イ) 作業方法、作業配置等の改善
  オ 緊急時の労働者の安全確保マニュアルの整備
  カ 快適な職場環境の形成の推進
  キ 労働時間等労働条件の適正化の推進
  ② 業種の特性に対応した対策及び特定の災害に対する対策の推進
  ア 東日本大震災に伴う復旧・復興工事での労働災害防止対策の推進
   (ア) 建築物等の解体工事及び除染作業での労働者と解体用機械等の車両系建設機械との接触防止、
     高所からの墜落・転落災害防止対策等の徹底
   (イ) 震災復旧・復興工事の進捗に応じた施工計画、作業計画の作成及びそれら計画に基づく工事
     の安全な実施
   (ウ) 一定の工事エリア内で複数の工事が近接・密集して実施される場合、発注者及び近接工事の
     元方事業者による工事エリア別協議組織の設置
   (エ) 職長、新規入職者等に対する安全衛生教育の確実な実施
   (オ) 安全靴、保護帽、保護手袋、防じんマスク等作業内容に応じた保護具の使用
   (カ) 熱中症予防対策の実施
  イ 第三次産業の労働災害防止対策の推進
   (ア) 転倒、墜落・転落災害の防止対策の徹底のための職場内の危険箇所の特定・改善の実施
   (イ) 重量物取扱い作業、介護作業等の腰痛予防対策の徹底
   (ウ) 職場の4S活動(職場の整理、整頓、清掃、清潔)、危険予知活動の推進
   (エ) 交通労働災害防止のための教育の実施
   (オ) 安全衛生責任者による職場の安全点検及び改善の実施
   (カ) 安全衛生責任者、労働者等に対する教育の徹底
  ウ 陸上貨物運送事業の労働災害防止対策の推進(交通労働災害防止活動の推進を含む。)
   (ア) 荷役作業中の荷台等からの墜落転落防止対策の徹底
   (イ) 荷主との合同による荷役作業現場の安全点検及び改善の実施
   (ウ) 交通労働災害防止のための管理体制の確立
   (エ) 適正な労働時間等の管理及び走行管理の実施
   (オ) 交通労働災害防止のための教育の実施
   (カ) 交通労働災害防止に対する意識の高揚
  エ 建設業での労働災害防止対策の推進
   (ア) 元方事業者による統括安全衛生管理と関係請負人に対する指導の徹底
   (イ) 足場からの墜落防止措置や手すり先行工法等「より安全な措置」の実施、足場の設置が困難
     な場合の安全帯(救出に時間を要する場所等においては、ハーネス型安全帯)の使用等、高所作
     業中の墜落・転落防止対策の徹底
   (ウ) クレーン、移動式クレーン、解体用機械等の車両系建設機械の検査・点検整備及び安全な作
     業方法の徹底
   (エ) 安全衛生教育推進計画の整備及び職長教育、新規入職者教育、建設工事に従事する労働者に
     対する安全衛生教育等の徹底
   (オ) 熱中症予防対策の実施
  オ 製造業の労働災害防止対策の推進
   (ア) 機械譲渡者等による機械の危険性等の通知を活用した「機械の包括的な安全基準に関する指
     針」に基づく安全な機械の採用及び使用
   (イ) 安全管理者等の安全担当者の能力向上教育の実施
   (ウ) 雇入時、作業内容変更時等の安全教育の徹底
   (エ) 元方事業者による同一現場で働く請負事業の労働者や派遣労働者を含めた総合的な安全管理
     の徹底
   (オ) 派遣労働者の派遣先事業場の労働災害防止のための措置義務の徹底
  カ その他の労働災害防止対策の推進
   (ア) 林業での労働災害防止対策の推進
    a 新規就業者等経験の浅い労働者に対する安全衛生教育の徹底
    b 間伐作業での安全対策の徹底
    c 安全な手順に基づく「かかり木」処理の徹底
   (イ) 爆発・火災災害防止対策の推進
    a 「化学物質等の危険性又は有害性等の調査等の表示又は通知等の促進に関する指針」に基づ
     く化学物質の譲渡提供時のラベル表示、化学物質等安全データシート(SDS)の交付等による化学
     物質の危険性・有害性の通知の徹底及び事業者による事業場内で取り扱う容器等へのラベル表
     示の実施
    b 化学設備の定期自主検査の計画的な実施
    c 化学設備の改造、修理等の作業の注文者による文書等の交付等、工事発注者と施工工事業者
     との連携等の実施
    d 特殊化学設備に対する過去のリスクアセスメント等の確認及び必要に応じてのリスクアセス
     メント等の見直し