安全衛生情報センター
1 目的 機械ユーザーから機械メーカー等への災害情報等の提供を促進することにより、機械メーカー等によ る同種災害の再発防止及び機械の設計・製造段階の安全化の促進を図ること。 2 機械メーカー等の実施事項 (1) 災害情報等の連絡窓口の明確化 ①機械メーカーは機械ユーザーから提供される災害情報等を受け入れる窓口を設置すること。 なお、災害情報等とは、その機械を使用したことによる死傷災害及び死傷災害につながりかねな いヒヤリハットの事例が該当すること。ただし、機械ユーザーが、機械の安全装置等を取り外した り、機能を失わせる等明らかに不適切な使用をした場合や、機械ユーザーによる改造等による災害 情報等は該当しないこと。 ②機械メーカーは当該窓口の連絡先、連絡方法を機械ユーザーに周知すること。 なお、当該窓口の連絡先、連絡方法の周知方法には、取扱説明書へ記載する方法、機械本体へ表 示する方法等があるが、機械ユーザーにわかりやすくするよう配慮する必要があること。 ③複数の機械が一つのシステムとして使用される場合には、その機械システムの取りまとめを行う機 械譲渡者等は、機械を組み合わせることにより新たに出現する残留リスクなどについて、労働安全 衛生規則第24条の13による危険性等の通知を行う必要があり、このような場合には当該機械譲渡者 等も機械メーカーとみなし、①、②の措置を行うことが適当であること。 ④機械メーカーと機械ユーザーの間に、流通業者等の機械譲渡者等が介在し、当該機械譲渡者等が機 械の改造等を行う場合は、機械の改造等により新たに出現する残留リスクなどについて、労働安全 衛生規則第24条の13による危険性等の通知を行う必要があり、このような場合には当該機械譲渡者 等も機械メーカーとみなし、①、②の措置を行うことが適当であること。 (2) 災害情報等の連絡内容の明確化 機械ユーザーから提供される災害情報等の内容は、次の事項を含むよう取扱説明書等に明記すること。 なお、機械ユーザーが利用しやすいようにフォーマットを示しておくことが望ましいこと。 ①機械を特定する事項(機械の名称、型番等) ②機械の災害等が起きた部分 ③災害等の状況 (被災時の作業内容、被災状況、死傷災害につながりかねないヒヤリハットの状況、機械の使用状況、 機械のメンテナンスの状況等) (3) 機械ユーザーから提供された災害情報等の取扱い ①機械メーカー等は、災害情報等を分析し、必要に応じ既存機械について改善方策を検討し、同種災 害等の再発防止を図ること。 なお、併せて、機械ユーザーへの注意喚起等について検討すること。 ②機械メーカー等は、災害情報等を新規に開発する機械の設計・製造段階のリスクアセスメントの参 考資料として活用し、設計変更や取扱説明書の改訂等を図り、機械の安全化を促進すること。 3 機械ユーザーの実施事項 (1) 機械メーカー等の連絡先の把握 取扱説明書等により機械メーカー等への災害情報等の連絡先を把握しておくこと。 (2) 災害情報等の提供 上記2の(2)の内容について、機械メーカーに連絡すること。 なお、上記2の(1)の③又は④の場合においては、機械譲渡者等に対しても、同様に連絡すること。 (3) 災害等の再発防止対策の実施 災害情報等の提供後、機械メーカー等とも連携し、災害等の再発防止対策を行うこと。