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別添2
(注) 下線部分が改正部分
基発第695号
昭和52年12月27日
一部改正 基発0112第4号
平成29年1月12日
都道府県労働基準局長 殿
労働省労働基準局長

危険物乾燥設備における爆発災害の防止について

 近年、塗装、接着等を行った物の乾燥に係る危険物乾燥設備の爆発又は火災が多発している。特に、自
動車整備業においては、塗装した自動車を乾燥する危険物乾燥設備が爆発し、死亡を伴う重大災害が発生
している。
 危険物乾燥設備については、既に構造及び取扱いの基準、作業主任者の選任等、法令の規制を中心とし
て、労働災害防止対策の推進を図っているところであるが、最近のこれらの災害は危険物乾燥設備の構造
上の不備、定期自主検査の不徹底、危険物の取扱い不良等が原因となって発生している。
 かかる状況にかんがみ、危険物乾燥設備を使用する事業場に対する監督指導に当たっては、下記を重点
とし、爆発災害の防止に遺憾のないようにされたい。
 なお、危険物乾燥設備の設置・変更等の際における計画の届出を徹底させるため、関係規定の周知を図
るとともに、計画の届出の審査に当たっては、特に、下記1から3までの事項に留意されたい。
1 熱源が点火源とならないようにするため、燃焼ガスを直接使用する熱風式の危険物乾燥設備にあって
 は、熱源と乾燥物との間に不燃性で多孔性の材料で造られた「熱風を通過させる仕切り」を設ける等、
 赤外線式(電球によるものを除く。)の危険物乾燥設備にあってはエアーカーテン、ガラス板等の仕切り
 を設ける等の措置を講ずること。
2 危険物乾燥設備については、換気装置を設け強制換気を行う等により、乾燥に伴って発生する危険物
 の濃度が爆発下限界の値の30%以上とならないようにすること。ただし、事業者が次に掲げる措置を実
 施する場合は、危険物の濃度を爆発下限界の値の50%以下とすることができる。
 (1) 次に掲げる機能を有する監視制御装置を設置すること。
  イ 危険物濃度が爆発下限界の値の30%以上50%以下の範囲であらかじめ定めた濃度に達した場合に、
   自動的に(イ)又は(ロ)の措置を講ずることができる機能
   (イ) 警報を作動させ、乾燥設備の加熱システムを遮断すること。
   (ロ) 追加で設置された換気装置を作動させ、危険物の濃度があらかじめ定めた濃度以下となるよ
     うに制御すること。
  ロ 乾燥設備の運転中に異常が発生した場合にそれを検知し、危険物の濃度が爆発下限界の値の50%
   を超える前に警報を発するとともに自動的に危険物の濃度を低下させるための措置を実施すること
   ができる機能
  ハ ロの警報が作動したときは、危険物の濃度が限度値を下回り、運転員により手動で再起動される
   まで、乾燥設備の再起動を防止することができる機能
 (2) 監視制御装置が換気装置の制御を行う場合にあっては、制御機能の故障に備え、独立した予備の
  監視制御装置を設けること。
3 燃料による爆発災害を防止するため、液体燃料又は可燃性ガスを熱源として使用する危険物乾燥設備
  の燃焼装置については、次に掲げる等の措置を講ずること。
 イ 燃焼用バーナの付近に、火炎の種類に応じてフレームアイ・フレームロッド等による火炎検出器を
  設けること。
 ロ 乾燥室の内部に、温度が通常の使用温度を超えていることを検出する温度計測装置を設けること。
 ハ 換気装置には、その稼動中の空気の流れを検知できるピトー管等の流量計測装置を設けること。
 ニ 乾燥室の排気側には、危険物の検知装置を設けること。
 ホ 可燃性ガスを熱源の燃料として使用するものは、可燃性ガス調整器、高圧用圧力制限スイッチ及び
  低圧用圧力制限スイッチをその燃料配管に設けること。
 ヘ イからホまでの装置とインターロックされた緊急遮断装置を燃料配管に設けること。
4 液体燃料又は可燃性ガスを熱源の燃料として使用する危険物乾燥設備の燃焼装置の主バーナには原則
 としてパイロットバーナを設けること。
5 危険物乾燥設備に設けた装置等については、労働安全衛生規則第299条に定める定期自主検査の実施
 を徹底すること。
6 液体燃料又は可燃性ガスを熱源の燃料として使用する危険物乾燥設備の燃焼装置のバーナに点火する
 場合には、あらかじめ燃焼室をその内容積の4倍以上の空気でプレパージすること。乾燥室内で塗装作
 業を行うものにあっては、乾燥室についても同様とする。
7 塗装した自動車の乾燥に当たっては、燃料タンクを取り外し、燃料タンク内の燃料を抜き取る等の措
 置を講ずること。