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(別紙2)

技術的基準を満たすための効果的な手法等の例

1 喫煙専用室
  喫煙専用室については、喫煙専用室内のたばこの煙を効果的に屋外へ排出するため、また、出入口か
 ら非喫煙区域にたばこの煙が流出することを防ぐため、その設置場所及び施設構造を考慮する必要があ
 ること。
 (1) 喫煙専用室の設置場所
    就業する場所や人の往来が多い区域から適当な距離をとることが効果的であること。
    また、中央管理方式の空気調和設備(エアコンディショナー)を採用している建物にあっては、当
   該設備の吸気口がある区域に喫煙専用室を設置すると、当該設備を通じて建物全体にたばこの煙が
   拡散する可能性が高いため、これを避けること。
 (2) 喫煙専用室の施設構造
  ア 壁の素材
    喫煙によりタバコのヤニ等が壁に付着するため、清掃が容易な素材とすると喫煙専用室の維持管
   理がしやすいこと。
    また、屋内側に面した壁に窓等を設置し、喫煙専用室内部の状況が見える構造にすると、火災予
   防対策や労務管理が容易となる効果があると考えられること。
  イ 喫煙専用室内の備品類
    備品を設置する場合は必要最低限とし、出入口から喫煙専用室内への気流を妨げないような構造
   や配置とすることが効果的であること。なお、専ら喫煙の用途で使用することから、喫煙以外の用
   途で使用するものを設置することは認められないこと。
  ウ 喫煙専用室の扉・給気口(ガラリ)
    喫煙中の喫煙専用室の扉の状態として、扉を常時開放しておく方法と、扉を閉鎖して人が出入り
   するときのみ開放する方法があること。両手法についての留意すべき事項は以下のとおりであるこ
   と。
    なお、いずれの手法についても、喫煙専用室内の空気を屋外に排気する装置(以下「屋外排気装
   置」という。)等の機器を稼働させた状態において、扉を開放した際の開口面において喫煙専用室
   内に向かう気流0.2メートル毎秒以上が確保されていることが必要であること。
   (ア) 喫煙中、常時扉を開放して使用する手法
      出入口においてたばこの煙を防ぐ物理的な障壁がなく、気流でたばこの煙の漏れを防止して
     いるため、空気調和設備の稼働時の空気の流れの変化に特に注意する必要があること。
   (イ) 喫煙中は扉を閉鎖して使用し、人が出入りするときのみ扉を開放する手法
      喫煙専用室内への十分な給気を確保できるだけの給気口(ガラリ)を扉や扉の開放時に遮られ
     る側壁等に設置すること。
      開閉時に空気が乱れにくいため、スライド式の扉を設置するとより効果的であること。
  エ 出入口におけるのれん等の設置
    喫煙専用室の出入口にのれん等を設置し、開口面積を狭めると、より少ない換気量で一定以上の
   気流を確保することができること。
  オ エアカーテンの活用
    喫煙専用室の扉を開放して使用する場合等は、出入口にエアカーテン(天井等に取り付けたユニ
   ットから床に向かって空気を吹き出し、冷暖房、煙、埃等の遮断を目的とした送風機器をいう。)
   を設置してたばこの煙の漏えいを防止する対策も考えられること。なお、たばこの煙が室外に流出
   しないよう、風向きや風量を適切に調節する必要があること。
  カ 空気調和設備
    空気調和設備を使用する場合は、吹出し口の近傍に遮蔽板を設置するなど、空気調和設備から吹
   き出した空気が喫煙専用室の出入口における気流に影響を与えないよう十分配慮すること。
  キ 屋外排気
   (ア) 屋外排気装置
      屋外排気装置の例として、換気扇、天井扇、ラインファン、遠心ファン等があること。
   (イ) 喫煙専用室の形と屋外排気装置等の配置
      同じ床面積であれば喫煙専用室の形は長方形とし、出入口と屋外排気装置は相対する短辺側
     に設けると、喫煙専用室内の効率的な換気が可能となること。
      屋外排気装置で排気したたばこの煙が人の往来が多い区域や他の建物の開口部に流入しない
     よう、排気する場所も含めて喫煙専用室の設置場所は配慮することが望ましいこと。
   (ウ) 技術的基準に関する経過措置
     ① 施行時点で既に存在している建築物等であって、管理権原者の責めに帰することができな
      い事由によって、喫煙専用室の屋外排気が困難な場合にあっては、たばこの煙の流出を防止
      するための技術的基準(別紙1の2の(1)のア)に一定の経過措置が設けられていること。この
      場合、次に掲げる要件を満たす機能を有した脱煙機能付き喫煙ブースを設置すること。
       ・扉を開放した状態の開口面において喫煙専用室内に向かう気流0.2メートル毎秒以上が
        確保されていること。
       ・総揮発性有機化合物の除去率が95%以上であること。
       ・当該装置により浄化され、室外に排気される空気における浮遊粉じんの量が0.015mg/m3
        以下であること。
     ② 当該喫煙ブースから排出された気体が室外(第二種施設等の屋内又は内部の場所に限る。)
      に排気されるものであること。
  ク 機器のメンテナンス
    屋外排気装置については、経年使用により性能が低下するため、喫煙頻度等の使用実態も鑑みて、
   おおむね1年に1回程度の適切な頻度でメンテナンスを行うことが望ましいこと。
    また、脱煙装置については、フィルターの詰まりなどにより、集じん効率等の性能が急激に低下
   するため、喫煙頻度等の使用実態も鑑みて、おおむね3ヶ月に1回程度の適切な頻度で性能評価とメ
   ンテナンスを行うことが望ましいこと。
  ケ 喫煙専用室の利用人数・面積
    一般的に、一定時間内の喫煙可能な本数は時間当たりの屋外排気量に依存するため、喫煙専用室
   における屋外排気量から、同時に喫煙可能な人数の目安を設定すること。
 (3) 喫煙専用室の使用方法の周知
    次に掲げる事項を利用者に周知することが効果的であること。
  ア 喫煙専用室内にたばこの煙が拡散するとたばこの煙の排出効率が悪くなるため、可能な限り屋外
   排気装置の近くで喫煙すること。
  イ 同時に喫煙可能な人数の目安を遵守すること。
  ウ 喫煙専用室からの入退出時はたばこの煙が漏えいしやすいため、可能な限りゆっくり入退出する
   こと。
  エ 喫煙終了後は速やかにたばこの火を消すこと。
  オ 喫煙専用室の清掃中やメンテナンス中は喫煙しないこと。

2 指定たばこ専用喫煙室
  1を準用すること。この場合、「喫煙専用室」とあるのは「指定たばこ専用喫煙室」と、「たばこ」
 とあるのは「指定たばこ」と読み替えること。ただし、1の(2)のイについては喫煙以外の用途で使用す
 るものを設置することが認められること。

3 屋外喫煙所
  屋外喫煙所については、屋根のみの構造や、屋根と一部の囲いのみの構造等の「開放系」と、屋根と
 壁で完全に囲われ、屋外排気装置等で喫煙所内の環境が管理されている「閉鎖系」に大別されること。
 なお、第一種施設に設置する場合は、いずれの場合も特定屋外喫煙場所の技術的基準を満たすこと。
 (1) 屋外喫煙所の設置場所
  ア 事業場の建物の出入口や給気口、人の往来区域等からの距離
   (ア) 開放系の場合
      建物の出入口や窓、吸気口(以下「建物出入口等」という。)、人の往来が多い区域(例:通路
     や非喫煙者も使う休憩場所)から可能な限り離して設置すると効果的であること。
      また、建物の構造等により、比較的風向きが安定している場所があれば、当該場所のうち直
     近の建物出入口等から見て風下側へ設置すること。
   (イ) 閉鎖系の場合
      屋外喫煙所の排気口から排出された空気や、屋外喫煙所の出入口からのたばこの煙の漏えい
     を避けられる場所に設置すること。
  イ 通気環境
    通気が悪い場所に設置する場合には、たばこの煙の滞留に注意すること。
    開放系については、建物の軒下や壁際に設置する場合には、屋根や壁をつたって建物内にたばこ
   の煙が流入する可能性を十分に考慮するとともに、建物出入口等の付近に設置する場合には、たば
   この煙の建物出入口等から建物内への流入に注意すること。
 (2) 屋外喫煙所の施設構造
  ア 外部からの視認性
    屋外喫煙所内部の状況が外部から見える構造にすると、火災予防対策や労務管理が容易となる効
   果があること。
  イ 天井(屋根)、壁の構造及び屋外排気装置
    たばこの煙を速やかに屋外喫煙所の外に排出するためには、たばこの煙が内部に滞留せず、また
   天井に沿って水平方向に拡散しないようにすることが効果的であること。
  ウ 喫煙専用室の考え方の準用(閉鎖系)
    閉鎖系の屋外喫煙所の施設構造は、喫煙専用室と類似しているため、1の(2)のア、キの(ア)及
   び(イ)、ク並びにケに係る記載の内容を準用すること。この場合、「喫煙専用室」とあるのは「屋
   外喫煙所」と、「屋内側に面した壁」とあるのは「屋外喫煙所の壁」と読み替えること。
 (3) 屋外喫煙所の使用方法の周知
    屋外喫煙所を効果的に使用するため、以下の事項を利用者へ周知すること。
  ア 同時に喫煙可能な人数の目安を遵守すること。
  イ 喫煙終了後は速やかにたばこの火を消すこと。
  ウ 屋外喫煙所の清掃中やメンテナンス中は喫煙しないこと。

4 喫煙目的施設
  たばこの煙の流出を防止するための技術的基準に適合した室を設置する場合は1を準用すること。こ
 の場合、「喫煙専用室」とあるのは「喫煙目的室」と読み替えること。ただし、1の(2)のイについては、
 喫煙を主たる目的とするバー、スナック等及び店内で喫煙可能なたばこ販売店にあっては、喫煙以外の
 用途で使用するものを設置することが認められること。

5 既存特定飲食提供施設
 (1) 喫煙可能室
    たばこの煙の流出を防止するための技術的基準に適合した室を設置する場合は1を準用すること。
   この場合、「喫煙専用室」とあるのは「喫煙可能室」と読み替えること。ただし、1の(2)のイにつ
   いては喫煙以外の用途で使用するものを設置することが認められること。
 (2) 喫煙専用室及び屋外喫煙所
    1及び3を準用すること。

6 その他共通する事項
  喫煙専用室等の出入口及び喫煙専用室等を設置する第二種施設等の主たる出入口の見やすい箇所に標
 識を掲示する際、以下の事項についても表示することが効果的であること。
 (1) 同時に喫煙可能な人数の目安
 (2) 適切な使用方法