墜落制止用器具の規格


   墜落制止用器具の規格
   
  (定義)
第一条 この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 一 フルハーネス 墜落を制止する際に墜落制止用器具を着用した者(以下「着用者」という。)の身体
  にかかる荷重を肩、腰部及び腿(もも)等において支持する構造の器具をいう。
 二 胴ベルト 身体の腰部に着用する帯状の器具をいう。
 三 ランヤード フルハーネス又は胴ベルトと親綱その他の取付設備等(墜落制止用器具を安全に取り
  付けるための設備等をいう。以下この条及び次条第三項において同じ。)とを接続するためのロープ
  又はストラップ(以下「ランヤードのロープ等」という。)、コネクタ等(ショックアブソーバ又は巻
  取り器を接続する場合は、当該ショックアブソーバ又は巻取り器を含む。)からなる器具をいう。
 四 コネクタ フルハーネス、胴ベルト、ランヤード又は取付設備等を相互に接続するための器具をい
  う。
 五 ショックアブソーバ 墜落を制止するときに生ずる衝撃を緩和するための器具をいう。
 六 巻取り器 ランヤードのロープ等を巻き取るための器具をいう。
 七 自由落下距離 労働者がフルハーネス又は胴ベルトを着用する場合における当該フルハーネス又は
  胴ベルトにランヤードを接続する部分の高さからコネクタの取付設備等の高さを減じたものにランヤ
  ードの長さを加えたものをいう。
 八 落下距離 墜落制止用器具が着用者の墜落を制止するときに生ずるランヤード及びフルハーネス又
  は胴ベルトの伸び等に自由落下距離を加えたものをいう。

  (使用制限)
第二条 六・七五メートルを超える高さの箇所で使用する墜落制止用器具は、フルハーネス型のものでな
 ければならない。
2 墜落制止用器具は、当該墜落制止用器具の着用者の体重及びその装備品の質量の合計に耐えるもので
 なければならない。
3 ランヤードは、作業箇所の高さ及び取付設備等の状況に応じ、適切なものでなければならない。

  (構造)
第三条 フルハーネス型の墜落制止用器具(以下「フルハーネス型墜落制止用器具」という。)は、次に
 掲げる基準に適合するものでなければならない。
 一 墜落を制止するときに、着用者の身体にかかる荷重を肩、腰部及び腿等においてフルハーネスによ
  り適切に支持する構造であること。
 二 フルハーネスは、着用者に適切に適合させることができること。
 三 ランヤード(ショックアブソーバを含む。)を適切に接続したものであること。
 四 バックルは、適切に結合でき、接続部が容易に外れないものであること。
2 胴ベルト型の墜落制止用器具(以下「胴ベルト型墜落制止用器具」という。)は、次に掲げる基準に適
 合するものでなければならない。
 一 墜落を制止するときに、着用者の身体にかかる荷重を胴部において胴ベルトにより適切に支持する
  構造であること。
 二 胴ベルトは、着用者に適切に適合させることができること。
 三 ランヤードを適切に接続したものであること。

  (部品の強度)
第四条 墜落制止用器具の部品は、次の表の上欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の下欄に定める強
 度を有するものでなければならない。
区分 強度
フルハーネス 日本工業規格T八一六五(墜落制止用器具)に定める引張試験の方法又はこれと同等の方法によってトルソーの頭部方向に一五・〇キロニュートンの引張荷重を掛けた場合及びトルソーの足部方向に一〇・〇キロニュートンの引張荷重を掛けた場合において、破断しないこと。
胴ベルト 日本工業規格T八一六五(墜落制止用器具)に定める引張試験の方法又はこれと同等の方法によって一五・〇キロニュートンの引張荷重を掛けた場合において、破断しないこと。
ランヤードのロープ等 日本工業規格T八一六五(墜落制止用器具)に定める引張試験の方法又はこれと同等の方法によって織ベルト又は繊維ロープについては二二・〇キロニュートン、ワイヤロープ又はチェーンについては一五・〇キロニュートンの引張荷重を掛けた場合において、破断しないこと。ただし、第八条第三項の表の第一種の項に定める基準を満たすショックアブソーバと組み合わせて使用する織ベルト又は繊維ロープについては、引張荷重を一五・〇キロニュートンとすることができる。
コネクタ
  • 一 日本工業規格T八一六五(墜落制止用器具)に定める引張試験の方法又はこれと同等の方法によって一一・五キロニュートンの引張荷重を掛けた場合において、破断し、その機能を失う程度に変形し、又は外れ止め装置の機能を失わないこと。
  • 二 日本工業規格T八一六五(墜落制止用器具)に定める耐力試験の方法又はこれと同等の方法による試験を行った場合において、破断し、その機能を失う程度に変形し、又は外れ止め装置の機能を失わないこと。
ショックアブソーバ 日本工業規格T八一六五(墜落制止用器具)に定める引張試験の方法又はこれと同等の方法によって一五・〇キロニュートンの引張荷重を掛けた場合において、破断等によりその機能を失わないこと。
巻取り器
  • 一 日本工業規格T八一六五(墜落制止用器具)に定める引張試験の方法又はこれと同等の方法によって一一・五キロニュートンの引張荷重を掛けた場合において、破断しないこと。
  • 二 ロック装置を有する巻取り器にあっては、日本工業規格T八一六五(墜落制止用器具)に定める引張試験の方法又はこれと同等の方法によって六・〇キロニュートンの引張荷重を掛けた場合において、ロック装置の機能を失わないこと。
  (材料)
第五条 前条の表の上欄に掲げる墜落制止用器具の部品の材料は、当該部品が通常の使用状態において
 想定される機械的、熱的及び化学的作用を受けた場合において同表の下欄の強度を有するように選定
 されたものでなければならない。

  (部品の形状等)
第六条 墜落制止用器具の部品は、次の表の上欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の下欄に定める形
 状等のものでなければならない。
区分 形状等
フルハーネス
  • 一 墜落を制止するときに着用者の身体にかかる荷重を支持する主たる部分の幅が四〇ミリメートル以上であること。
  • 二 前号の部分以外の部分の幅が二〇ミリメートル以上であること。
  • 三 縫製及び形状が安全上適切なものであること。
胴ベルト
  • 一 幅が五〇ミリメートル(補助ベルトと組み合わせる場合は、四〇ミリメートル)以上であること。
  • 二 縫製及び形状が安全上適切なものであること。
補助ベルト
  • 一 幅が七五ミリメートル以上であること。
  • 二 厚さが二ミリメートル以上であること。
  • 三 縫製及び形状が安全上適切なものであること。
バックル 日本工業規格T八一六五(墜落制止用器具)に定める振動試験の方法又はこれと同等の方法による試験を行った場合において、確実にベルトを保持することができること。
ランヤード
  • 一 胴ベルト型墜落制止用器具に使用するランヤードは、長さが一、七〇〇ミリメートル以下であること。
  • 二 フルハーネス型墜落制止用器具に使用するランヤードは、当該ランヤードを使用する場合の標準的な自由落下距離が、当該ランヤードに使用されるショックアブソーバに係る第八条第三項の表に定める基準を満たす自由落下距離のうち最大のものを上回らないものであること。
  • 三 縫製及び形状が安全上適切なものであること。
コネクタ
  • 一 適切な外れ止め装置を備えていること。
  • 二 形状が安全上適切なものであること。
  (部品の接続)
第七条 墜落制止用器具の部品は、的確に、かつ、容易に緩まないように接続できるものでなければな
 らない。
2 接続部品は、これを用いて接続したために墜落を制止する機能に異常を生じないものでなければなら
 ない。

  (耐衝撃性等)
第八条 フルハーネスは、トルソーを使用し、日本工業規格T八一六五(墜落制止用器具)に定める落下試
 験の方法又はこれと同等の方法による試験を行った場合において、当該トルソーを保持できるものでな
 ければならない。
2 前項の試験を行った場合に、トルソーの中心線とランヤードとのなす角度がトルソーの頸部を上方と
 して四五度を超えないものでなければならない。ただし、フルハーネスとランヤードのロープ等を接続
 するコネクタを身体の前面に備え付ける場合等は、五〇度を超えないものとすることができる。
3 ショックアブソーバは、重りを使用し、日本工業規格T八一六五(墜落制止用器具)に定める落下試験
 の方法又はこれと同等の方法による試験を行った場合において、衝撃荷重、ショックアブソーバの伸び
 が次の表に定める種別に応じた自由落下距離の区分に応じ、それぞれ同表に定める基準を満たさなけれ
 ばならない。
種別 自由落下距離 基準
衝撃荷重 ショックアブソーバの伸び
第一種 一・八メートル 四・〇キロニュートン以下 一・二メートル以下
第二種 四・〇メートル 六・〇キロニュートン以下 一・七五メートル以下
4 巻取り器は、重りを使用し、日本工業規格T八一六五(墜落制止用器具)に定める落下試験の方法又は
 これと同等の方法による試験を行った場合において、損傷等によりストラップを保持する機能を失わな
 いものでなければならず、かつ、ロック装置を有するものにあっては、当該ロック装置の損傷等により
 ロック装置の機能を失わないものでなければならない。
5 胴ベルト型墜落制止用器具は、トルソー又は砂のうを使用し、日本工業規格T八一六五(墜落制止用
 器具)に定める落下試験の方法又はこれと同等の方法による試験を行った場合において、トルソー又は
 砂のうを保持することができるものであり、かつ、当該試験を行った場合にコネクタにかかる衝撃荷重
 が四・〇キロニュートン以下のものでなければならない。
6 第一項及び前項のトルソー、第三項及び第四項の重り並びに前項の砂のうは、次に掲げる基準に適合
 するものでなければならない。
 一 トルソーは、日本工業規格T八一六五(墜落制止用器具)に定める形状、寸法及び材質に適合するも
  の又はこれと同等と認められるものであること。
 二 質量は、一〇〇キログラム又は八五キログラムであること。ただし、特殊の用途に使用する墜落制
  止用器具にあっては、この限りではない。

  (表示)
第九条 墜落制止用器具は、見やすい箇所に当該墜落制止用器具の種類、製造者名及び製造年月が表示さ
 れているものでなければならない。
2 ショックアブソーバは、見やすい箇所に、当該ショックアブソーバの種別、当該ショックアブソーバ
 を使用する場合に前条第三項の表に定める基準を満たす自由落下距離のうち最大のもの、使用可能な着
 用者の体重と装備品の質量の合計の最大値、標準的な使用条件の下で使用した場合の落下距離が表示さ
 れているものでなければならない。

  (特殊な構造の墜落制止用器具等)
第十条 特殊な構造の墜落制止用器具又は国際規格等に基づき製造された墜落制止用器具であって、厚生
 労働省労働基準局長が第三条から前条までの規定に適合するものと同等以上の性能又は効力を有すると
 認めたものについては、この告示の関係規定は、適用しない。

   附 則
第一条 この告示は平成三十一年二月一日から適用する。
第二条 平成三十一年二月一日において、現に製造している安全帯又は現に存する安全帯の規格について
 は、平成三十四年一月一日までの間は、なお従前の例による。
第三条 前条に規定する安全帯以外の安全帯で、平成三十一年八月一日前に製造された安全帯又は同日に
 おいて現に製造している安全帯の規格については、平成三十四年一月一日までの間は、なお従前の例に
 よることができる。
第四条 前二条の規定は、これらの条に規定する安全帯又はその部分がこの告示による改正後の墜落制止
 用器具構造規格に適合するに至った後における当該墜落制止用器具又はその部分については、適用しな
 い。




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