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労働安全衛生規則 第二編 第二章 建設機械等
(第百五十一条の百七十五−第二百三十六条)

労働安全衛生規則 目次

第一節  車両系建設機械

第一款  総則

(定義等)
第百五十一条の百七十五 この節において解体用機械とは、令別表第七第六号に掲げる機械で、動力
 を用い、かつ、不特定の場所に自走できるものをいう。
 令別表第七第六号2の厚生労働省令で定める機械は、次のとおりとする。
 一 鉄骨切断機
 二 コンクリート圧砕機
 三 解体用つかみ機

第一款の二  構造

(前照燈の設置)
第百五十二条  事業者は、車両系建設機械には、前照燈を備えなければならない。ただし、作業を安全に
  行うため必要な照度が保持されている場所において使用する車両系建設機械については、この限りでは
  ない。

(ヘッドガード)
第百五十三条  事業者は、岩石の落下等により労働者に危険が生ずるおそれのある場所で車両系建設機械
  (ブル・ドーザー、トラクター・ショベル、ずり積機、パワー・ショベル、ドラグ・ショベル及び解体
 用機械に限る。)を使用するときは、当該車両系建設機械に堅固なヘッドガードを備えなければならな
 い。

第二款  車両系建設機械の使用に係る危険の防止

(調査及び記録)
第百五十四条  事業者は、車両系建設機械を用いて作業を行なうときは、当該車両系建設機械の転落、地
  山の崩壊等による労働者の危険を防止するため、あらかじめ、当該作業に係る場所について地形、地質
  の状態等を調査し、その結果を記録しておかなければならない。

(作業計画)
第百五十五条  事業者は、車両系建設機械を用いて作業を行なうときは、あらかじめ、前条の規定による
  調査により知り得たところに適応する作業計画を定め、かつ、当該作業計画により作業を行なわなけれ
  ばならない。
  前項の作業計画は、次の事項が示されているものでなければならない。
  一  使用する車両系建設機械の種類及び能力
  二  車両系建設機械の運行経路
  三  車両系建設機械による作業の方法
  事業者は、第一項の作業計画を定めたときは、前項第二号及び第三号の事項について関係労働者に周
  知させなければならない。

(制限速度)
第百五十六条  事業者は、車両系建設機械(最高速度が毎時十キロメートル以下のものを除く。)を用い
  て作業を行なうときは、あらかじめ、当該作業に係る場所の地形、地質の状態等に応じた車両系建設機
  械の適正な制限速度を定め、それにより作業を行なわなければならない。
  前項の車両系建設機械の運転者は、同項の制限速度をこえて車両系建設機械を運転してはならない。

(転落等の防止等)
第百五十七条  事業者は、車両系建設機械を用いて作業を行うときは、車両系建設機械の転倒又は転落に
 よる労働者の危険を防止するため、当該車両系建設機械の運行経路について路肩の崩壊を防止すること、
 地盤の不同沈下を防止すること、必要な幅員を保持すること等必要な措置を講じなければならない。
  事業者は、路肩、傾斜地等で車両系建設機械を用いて作業を行う場合において、当該車両系建設機械
 の転倒又は転落により労働者に危険が生ずるおそれのあるときは、誘導者を配置し、その者に当該車両
 系建設機械を誘導させなければならない。
  前項の車両系建設機械の運転者は、同項の誘導者が行う誘導に従わなければならない。

第百五十七条の二 事業者は、路肩、傾斜地等であつて、車両系建設機械の転倒又は転落により運転者に
 危険が生ずるおそれのある場所においては、転倒時保護構造を有し、かつ、シートベルトを備えたもの
 以外の車両系建設機械を使用しないように努めるとともに、運転者にシートベルトを使用させるように
 努めなければならない。 

(接触の防止)
第百五十八条  事業者は、車両系建設機械を用いて作業を行なうときは、運転中の車両系建設機械に接触
  することにより労働者に危険が生ずるおそれのある箇所に、労働者を立ち入らせてはならない。ただし、
  誘導者を配置し、その者に当該車両系建設機械を誘導させるときは、この限りではない。
  前項の車両系建設機械の運転者は、同項ただし書の誘導者が行なう誘導に従わなければならない。

(合図)
第百五十九条  事業者は、車両系建設機械の運転について誘導者を置くときは、一定の合図を定め、誘導
  者に当該合図を行なわせなければならない。
  前項の車両系建設機械の運転者は、同項の合図に従わなければならない。

(運転位置から離れる場合の措置)
第百六十条  事業者は、車両系建設機械の運転者が運転位置から離れるときは、当該運転者に次の措置を
  講じさせなければならない。
  一  バケツト、ジツパー等の作業装置を地上に下ろすこと。
  二  原動機を止め、かつ走行ブレーキをかける等の車両系建設機械の逸走を防止する措置を講ずること。
  前項の運転者は、車両系建設機械の運転位置から離れるときは、同項各号に掲げる措置を講じなけれ
  ばならない。

(車両系建設機械の移送)
第百六十一条  事業者は、車両系建設機械を移送するため自走又はけん引により貨物自動車に積卸しを
  行う場合において、道板、盛土等を使用するときは、当該車両系建設機械の転倒、転落等による危険
  を防止するため、次に定めるところによらなければならない。
  一  積卸しは、平たんで堅固な場所において行なうこと。
  二  道板を使用するときは、十分な長さ、幅及び強度を有する道板を用い、適当なこう配で確実に取り
    付けること。
  三  盛土、仮設台等を使用するときは、十分な幅及び強度並びに適度な勾配を確保すること。

(とう乗の制限)
第百六十二条  事業者は、車両系建設機械を用いて作業を行なうときは、乗車席以外の箇所に労働者を乗
  せてはならない。

(使用の制限)
第百六十三条  事業者は、車両系建設機械を用いて作業を行うときは、転倒及びブーム、アーム等の作業
  装置の破壊による労働者の危険を防止するため、当該車両系建設機械についてその構造上定められた安
  定度、最大使用荷重等を守らなければならない。

(主たる用途以外の使用の制限)
第百六十四条  事業者は、車両系建設機械を、パワー・ショベルによる荷のつり上げ、クラムシェルによ
  る労働者の昇降等当該車両系建設機械の主たる用途以外の用途に使用してはならない。
  前項の規定は、次のいずれかに該当する場合には適用しない。
  一  荷のつり上げの作業を行う場合であつて、次のいずれにも該当するとき。
    イ  作業の性質上やむを得ないとき又は安全な作業の遂行上必要なとき。
    ロ  アーム、バケット等の作業装置に次のいずれにも該当するフック、シャックル等の金具その他の
      つり上げ用の器具を取り付けて使用するとき。
      (1)  負荷させる荷重に応じた十分な強度を有するものであること。
      (2)  外れ止め装置が使用されていること等により当該器具からつり上げた荷が落下するおそれの
        ないものであること。
      (3)  作業装置から外れるおそれのないものであること。
  二  荷のつり上げの作業以外の作業を行う場合であつて、労働者に危険を及ぼすおそれのないとき。
  事業者は、前項第一号イ及びロに該当する荷のつり上げの作業を行う場合には、労働者とつり上げた
  荷との接触、つり上げた荷の落下又は車両系建設機械の転倒若しくは転落による労働者の危険を防止す
  るため、次の措置を講じなければならない。
  一  荷のつり上げの作業について一定の合図を定めるとともに、合図を行う者を指名して、その者に合
    図を行わせること。
  二  平たんな場所で作業を行うこと。
  三  つり上げた荷との接触又はつり上げた荷の落下により労働者に危険が生ずるおそれのある箇所に労
    働者を立ち入らせないこと。
  四  当該車両系建設機械の構造及び材料に応じて定められた負荷させることができる最大の荷重を超え
    る荷重を掛けて作業を行わないこと。
  五  ワイヤロープを玉掛用具として使用する場合にあつては、次のいずれにも該当するワイヤロープを
    使用すること。
    イ  安全係数(クレーン則第二百十三条第二項に規定する安全係数をいう。)の値が六以上のもので
      あること。
    ロ  ワイヤロープ一よりの間において素線(フィラ線を除く。)のうち切断しているものが十パーセ
      ント未満のものであること。
    ハ  直径の減少が公称径の七パーセント以下のものであること。
    ニ  キンクしていないものであること。
    ホ  著しい形崩れ及び腐食がないものであること。
  六  つりチェーンを玉掛用具として使用する場合にあつては、次のいずれにも該当するつりチェーンを
    使用すること。
    イ  安全係数(クレーン則第二百十三条の二第二項に規定する安全係数をいう。)の値が、次の(1)又
      は(2)に掲げるつりチェーンの区分に応じ、当該(1)又は(2)に掲げる値以上のものであること。
      (1) 次のいずれにも該当するつりチェーン 四
         (i) 切断荷重の二分の一の荷重で引つ張つた場合において、その伸びが〇・五パーセント以下
           のものであること。
         (ii) その引張強さの値が四百ニュートン毎平方ミリメートル以上であり、かつ、その伸びが、
            次の表の上欄に掲げる引張強さの値に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以上となるもの
            であること。(表)
      (2) (1)に該当しないつりチェーン 五
    ロ  伸びが、当該つりチェーンが製造されたときの長さの五パーセント以下のものであること。
    ハ  リンクの断面の直径の減少が、当該つりチェーンが製造されたときの当該リンクの断面の直径の
      十パーセント以下のものであること。
    ニ  き裂がないものであること。
  七  ワイヤロープ及びつりチェーン以外のものを玉掛用具として使用する場合にあつては、著しい損傷
    及び腐食がないものを使用すること。

(修理等)
第百六十五条  事業者は、車両系建設機械の修理又はアタツチメントの装着若しくは取り外しの作業を
 行うときは、当該作業を指揮する者を定め、その者に次の措置を講じさせなければならない。
  一  作業手順を決定し、作業を指揮すること。
  二  次条第一項に規定する安全支柱、安全ブロツク等及び第百六十六条の二第一項に規定する架台の使
  用状況を監視すること。

(ブーム等の降下による危険の防止)
第百六十六条  事業者は、車両系建設機械のブーム、アーム等を上げ、その下で修理、点検等の作業を行
  うときは、ブーム、アーム等が不意に降下することによる労働者の危険を防止するため、当該作業に従
  事する労働者に安全支柱、安全ブロック等を使用させなければならない。
  前項の作業に従事する労働者は、同項の安全支柱、安全ブロツク等を使用しなければならない。

(アタツチメントの倒壊等による危険の防止)
第百六十六条の二  事業者は、車両系建設機械のアタツチメントの装着又は取り外しの作業を行うとき
 はアタツチメントが倒壊すること等による労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者に
 架台を使用させなければならない。
2 前項の作業に従事する労働者は、同項の架台を使用しなければならない。

(アタツチメントの装着の制限)
第百六十六条の三 事業者は、車両系建設機械にその構造上定められた重量を超えるアタツチメントを装
 着してはならない。

(アタツチメントの重量の表示等)
第百六十六条の四 事業者は、車両系建設機械のアタツチメントを取り替えたときは、運転者の見やすい
 位置にアタツチメントの重量(バケツト、ジツパー等を装着したときは、当該バケツト、ジツパー等の
 容量又は最大積載重量を含む。以下この条において同じ。)を表示し、又は当該車両系建設機械に運転
 者がアタツチメントの重量を容易に確認できる書面を備え付けなければならない。

第三款  定期自主検査等

(定期自主検査)
第百六十七条  事業者は、車両系建設機械については、一年以内ごとに一回、定期に、次の事項について
  自主検査を行わなければならない。ただし、一年を超える期間使用しない車両系建設機械の当該使用し
  ない期間においては、この限りでない。
  一  圧縮圧力、弁すき間その他原動機の異常の有無
  二  クラツチ、トランスミツシヨン、プロペラシヤフト、デフアレンシヤルその他動力伝達装置の異常
    の有無
  三  起動輪、遊動輪、上下転輪、履帯、タイヤ、ホイールベアリングその他走行装置の異常の有無
  四  かじ取り車輪の左右の回転角度、ナツクル、ロツド、アームその他操縦装置の異常の有無
  五  制動能力、ブレーキドラム、ブレーキシユーその他ブレーキの異常の有無
  六  ブレード、ブーム、リンク機構、バケツト、ワイヤロープその他の作業装置の異常の有無
  七  油圧ポンプ、油圧モーター、シリンダー、安全弁その他油圧装置の異常の有無
  八  電圧、電流その他電気系統の異常の有無
  九  車体、操作装置、ヘツドガード、バツクストツパー、昇降装置、ロツク装置、警報装置、方向指示
    器、燈火装置及び計器の異常の有無
  事業者は、前項ただし書の車両系建設機械については、その使用を再び開始する際に、同項各号に掲
  げる事項について自主検査を行わなければならない。

第百六十八条  事業者は、車両系建設機械については、一月以内ごとに一回、定期に、次の事項について
  自主検査を行わなければならない。ただし、一月を超える期間使用しない車両系建設機械の当該使用
  しない期間においては、この限りでない。
  一  ブレーキ、クラツチ、操作装置及び作業装置の異常の有無
  二  ワイヤロープ及びチエーンの損傷の有無
  三  バケツト、ジツパー等の損傷の有無
 四 第百七十一条の四の特定解体用機械にあつては、逆止め弁、警報装置等の異常の有無
  事業者は、前項ただし書の車両系建設機械については、その使用を再び開始する際に、同項各号に掲
  げる事項について自主検査を行わなければならない。

(定期自主検査の記録)
第百六十九条  事業者は、前二条の自主検査を行つたときは、次の事項を記録し、これを三年間保存しな
  ければならない。
  一  検査年月日
  二  検査方法
  三  検査箇所
  四  検査の結果
  五 検査を実施した者の氏名
  六 検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときは、その内容

(特定自主検査)
第百六十九条の二  車両系建設機械に係る特定自主検査は、第百六十七条に規定する自主検査とする。
  第百五十一条の二十四第二項の規定は、車両系建設機械のうち令別表第七第一号、第二号又は第六号
  に掲げるものに係る法第四十五条第二項の厚生労働省令で定める資格を有する労働者について準用する。
  この場合において、第百五十一条の二十四第二項第一号イからハまでの規定中「フオークリフト」とあ
  るのは「車両系建設機械のうち令別表第七第一号、第二号若しくは第六号に掲げるもの」と、同号ニ中
  「フオークリフト」とあるのは「車両系建設機械のうち令別表第七第一号、第二号又は第六号に掲げる
  もの」と読み替えるものとする。
  第百五十一条の二十四第二項の規定は、車両系建設機械のうち令別表第七第三号に掲げるものに係る
  法第四十五条第二項の厚生労働省令で定める資格を有する労働者について準用する。この場合において、
 第百五十一条の二十四第二項第一号中「フオークリフト」とあるのは、「車両系建設機械のうち令別表第
  七第三号に掲げるもの」と読み替えるものとする。
  第百五十一条の二十四第二項の規定は、車両系建設機械のうち令別表第七第四号に掲げるものに係る
  法第四十五条第二項の厚生労働省令で定める資格を有する労働者について準用する。この場合において、
 第百五十一条の二十四第二項第一号中「フオークリフト」とあるのは、「車両系建設機械のうち令別表第
  七第四号に掲げるもの」と読み替えるものとする。
  第百五十一条の二十四第二項の規定は、車両系建設機械のうち令別表第七第五号に掲げるものに係る
  法第四十五条第二項の厚生労働省令で定める資格を有する労働者について準用する。この場合において、
 第百五十一条の二十四第二項第一号中「フオークリフト」とあるのは、「車両系建設機械のうち令別表第
  七第五号に掲げるもの」と読み替えるものとする。
  事業者は、運行の用に供する車両系建設機械(道路運送車両法第四十八条第一項の適用を受けるもの
  に限る。)について、同項の規定に基づいて点検を行つた場合には、当該点検を行つた部分については
  第百六十七条の自主検査を行うことを要しない。
  車両系建設機械に係る特定自主検査を検査業者に実施させた場合における前条の規定の適用について
  は、同条第五号中「検査を実施した者の氏名」とあるのは「検査業者の名称」とする。
  事業者は、車両系建設機械に係る自主検査を行つたときは、当該車両系建設機械の見やすい箇所に、
  特定自主検査を行つた年月を明らかにすることができる検査標章をはり付けなければならない。

(作業開始前点検)
第百七十条  事業者は、車両系建設機械を用いて作業を行なうときは、その日の作業を開始する前に、ブ
  レーキ及びクラツチの機能について点検を行なわなければならない。

(補修等)
第百七十一条  事業者は、第百六十七条若しくは第百六十八条の自主検査又は前条の点検を行なつた場合
  において、異常を認めたときは、直ちに補修その他必要な措置を講じなければならない。

第四款  コンクリートポンプ車

(輸送管等の脱落及び振れの防止等)
第百七十一条の二  事業者は、コンクリートポンプ車を用いて作業を行うときは、次の措置を講じなけれ
  ばならない。
  一  輸送管を継手金具を用いて輸送管又はホースに確実に接続すること、輸送管を堅固な建設物に固定
    させること等当該輸送管及びホースの脱落及び振れを防止する措置を講ずること。
  二  作業装置の操作を行う者とホースの先端部を保持する者との間の連絡を確実にするため、電話、電
    鈴等の装置を設け、又は一定の合図を定め、それぞれ当該装置を使用する者を指名してその者に使用
    させ、又は当該合図を行う者を指名してその者に行わせること。
  三  コンクリート等の吹出しにより労働者に危険が生ずるおそれのある箇所に労働者を立ち入らせない
    こと。
  四  輸送管又はホースが閉そくした場合で、輸送管及びホース(以下この条及び次条において「輸送管
    等」という。)の接続部を切り離そうとするときは、あらかじめ、当該輸送管等の内部の圧力を減少
    させるため空気圧縮機のバルブ又はコックを開放すること等コンクリート等の吹出しを防止する措置
    を講ずること。
  五  洗浄ボールを用いて輸送管等の内部を洗浄する作業を行うときは、洗浄ボールの飛出しによる労働
    者の危険を防止するための器具を当該輸送管等の先端部に取り付けること。

(作業指揮)
第百七十一条の三  事業者は、輸送管等の組立て又は解体を行うときは、作業の方法、手順等を定め、こ
  れらを労働者に周知させ、かつ、作業を指揮する者を指名して、その直接の指揮の下に作業を行わせな
  ければならない。

第五款  解体用機械

(使用の禁止)
第百七十一条の四 事業者は、路肩、傾斜地等であつて、ブーム及びアームの長さの合計が十二メートル
 以上である解体用機械(以下この条において「特定解体用機械」という。)の転倒又は転落により労働者
 に危険が生ずるおそれのある場所においては、特定解体用機械を用いて作業を行つてはならない。ただ
 し、当該場所において、地形、地質の状態等に応じた当該危険を防止するための措置を講じたときは、
 この限りでない。

第百七十一条の五 事業者は、物体の飛来等により運転者に危険が生ずるおそれのあるときは、運転室を
 有しない解体用機械を用いて作業を行つてはならない。ただし、物体の飛来等の状況に応じた当該危険
 を防止するための措置を講じたときは、この限りでない。

(立入禁止等)
第百七十一条の六  事業者は、解体用機械を用いて作業を行うときは、次の措置(令第六条第十五号のニ、
 第十五条の三及び第十五条の五の作業にあつては、第二号の措置を除く。)を講じなければならない。
  一  物体の飛来等により労働者に危険が生ずるおそれのある箇所に運転者以外の労働者を立ち入らせな
  いこと。
  二  強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業を中
    止すること。

第二節  くい打機、くい抜機及びボーリングマシン

(強度等)
第百七十二条  事業者は、動力を用いるくい打機及びくい抜機(不特定の場所に自走できるものを除く。)
  並びにボーリングマシンの機体、附属装置及び附属品については、次の要件に該当するものでなければ、
  使用してはならない。
  一  使用の目的に適応した必要な強度を有すること。
  二  著しい損傷、摩耗、変形又は腐食のないものであること。

(倒壊防止)
第百七十三条  事業者は、動力を用いるくい打機(以下「くい打機」という。)、動力を用いるくい抜機
  (以下「くい抜機」という。)又はボーリングマシンについては、倒壊を防止するため、次の措置を講
  じなければならない。
  一  軟弱な地盤に据え付けるときは、脚部又は架台の沈下を防止するため、敷板、敷角等を使用するこ
    と。
  二  施設、仮設物等に据え付けるときは、その耐力を確認し、耐力が不足しているときは、これを補強
    すること。
  三  脚部又は架台が滑動するおそれのあるときは、くい、くさび等を用いてこれを固定させること。
  四  軌道又はころで移動するくい打機、くい抜機又はボーリングマシンにあつては、不意に移動するこ
    とを防止するため、レールクランプ、歯止め等でこれを固定させること。
  五  控え(控線を含む。以下この節において同じ。)のみで頂部を安定させるときは、控えは、三以上
    とし、その末端は、堅固な控えぐい、鉄骨等に固定させること。
  六  控線のみで頂部を安定させるときは、控線を等間隔に配置し、控線の数を増す等の方法により、い
    ずれの方向に対しても安定させること。
  七  バランスウエイトを用いて安定させるときは、バランスウエイトの移動を防止するため、これを架
    台に確実に取り付けること。

(不適格なワイヤロープの使用禁止)
第百七十四条  事業者は、くい打機、くい抜機又はボーリングマシンの巻上げ用ワイヤロープについては、
  次の各号のいずれかに該当するものを使用してはならない。
  一  継目のあるもの
  二  ワイヤロープ一よりの間において素線(フイラ線を除く。以下本号において同じ。)の数の十パー
    セント以上の素線が切断しているもの
  三  直径の減少が公称径の七パーセントをこえるもの
  四  キンクしたもの
  五  著しい形くずれ又は腐食があるもの

(巻上げ用ワイヤロープの安全係数)
第百七十五条  事業者は、くい打機又はくい抜機の巻上げ用ワイヤロープの安全係数については、六以上
  としなければならない。
  前項の安全係数は、ワイヤロープの切断荷重の値を当該ワイヤロープにかかる荷重の最大の値で除し
  た値とする。

(巻上げ用ワイヤロープ)
第百七十六条  事業者は、くい打機、くい抜機又はボーリングマシンの巻上げ用ワイヤロープについては、
  次の措置を講じなければならない。
  一  巻上げ用ワイヤロープは、落錘又はハンマーが最低の位置にある場合、矢板等の抜き始めの場合、
    ロッド等のつり具が最低の位置にある場合等において、巻上げ装置の巻胴に少なくとも二巻を残すこ
    とができる長さのものであること。
  二  巻上げ用ワイヤロープは、巻上げ装置の巻胴にクランプ、クリツプ等を用いて、確実に取り付ける
    こと。
  三  くい打機の巻上げ用ワイヤロープと落錘、ハンマー等との取付け又はボーリングマシンの巻上げ用
    ワイヤロープと滑車装置、ホイスティングスイベル等との取付けは、クリップ、クランプ等を用いて
    確実にすること。

(矢板、ロッド等との連結)
第百七十七条  事業者は、くい抜機又はボーリングマシンの巻上げ用ワイヤロープ、滑車装置等について
  は十分な強度を有するシャックル、つかみ金具、ホイスティングスイベル等を用いて、くい、矢板、ロ
  ッド等と確実に連結しておかなければならない。

(ブレーキ等の備付け)
第百七十八条  事業者は、くい打機、くい抜機又はボーリングマシンに使用するウインチについては、歯
  止め装置又は止め金付きブレーキを備え付けなければならない。ただし、バンドブレーキ等のブレーキ
  を備えるボーリングマシンに使用するウインチについては、この限りでない。

(ウインチの据付け)
第百七十九条  事業者は、くい打機、くい抜機又はボーリングマシンのウインチについては、浮き上がり、
  ずれ、振れ等が起こらないように据え付けなければならない。

(みぞ車の位置)
第百八十条  事業者は、くい打機、くい抜機又はボーリングマシンの巻上げ装置の巻胴の軸と巻上げ装置
  から第一番目のみぞ車の軸との間の距離については、巻上げ装置の巻胴の幅の十五倍以上としなければ
  ならない。
  前項のみぞ車は、巻上げ装置の巻胴の中心を通り、かつ、軸に垂直な面上になければならない。
  前二項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
  一  くい打機、くい抜機又はボーリングマシンの構造上、巻上げ用ワイヤロープが乱巻となるおそれの
    ないとき。
  二  ずい道等の著しく狭あいな場所でボーリングマシンを使用して作業を行う場合で、巻上げ用ワイヤ
    ロープの切断による危険が生ずるおそれのある区域への労働者の立入りを禁止したとき。

(みぞ車等の取付け)
第百八十一条  事業者は、くい打機、くい抜機又はボーリングマシンのみぞ車又は滑車装置については、
  取付部が受ける荷重によつて破壊するおそれのない取付金具、シャックル、ワイヤロープ等で、確実に
  取り付けておかなければならない。

第百八十二条  事業者は、やぐら、二本構等とウインチが一体となつていないくい打機、くい抜機又はボ
  ーリングマシンのみぞ車については、巻上げ用ワイヤロープの水平分力がやぐら、二本構等に作用しな
  いように配置しなければならない。ただし、やぐら、二本構等について、脚部にやらずを設け、脚部を
  ワイヤロープで支持する等の措置を講ずるときは、当該脚部にみぞ車を取り付けることができる。

(蒸気ホース等)
第百八十三条  事業者は、蒸気又は圧縮空気を動力源とするくい打機又はくい抜機を使用するときは、次
  の措置を講じなければならない。
  一  ハンマーの運動により、蒸気ホース又は空気ホースとハンマーとの接続部が破損し、又ははずれる
    のを防止するため、当該接続部以外の箇所で蒸気ホース又は空気ホースをハンマーに固着すること。
  二  蒸気又は空気をしや断するための装置をハンマーの運転者が容易に操作することができる位置に設
    けること。

(乱巻時の措置)
第百八十四条  事業者は、くい打機、くい抜機又はボーリングマシンの巻上げ装置の巻胴に巻上げ用ワイ
  ヤロープが乱巻となつているときは、巻上げ用ワイヤロープに荷重をかけさせてはならない。

(巻上げ装置停止時の措置)
第百八十五条  事業者は、くい打機、くい抜機又はボーリングマシンの巻上げ装置に荷重をかけたままで
  巻上げ装置を停止しておくときは、歯止め装置により歯止めを行い、止め金付きブレーキを用いて制動
  しておく等確実に停止しておかなければならない。

(運転位置からの離脱の禁止)
第百八十六条  事業者は、くい打機、くい抜機又はボーリングマシンの運転者を巻上げ装置に荷重をかけ
  たまま運転位置から離れさせてはならない。
  前項の運転者は、巻上げ装置に荷重をかけたままで運転位置を離れてはならない。

(立入禁止)
第百八十七条  事業者は、くい打機、くい抜機若しくはボーリングマシンのみぞ車若しくは滑車装置又は
  これらの取付部の破損によつて、ワイヤロープがはね、又はみぞ車、滑車装置等が飛来する危険を防止
  するため、運転中のくい打機、くい抜機又はボーリングマシンの巻上げ用ワイヤロープの屈曲部の内側
  に労働者を立ち入らせてはならない。

(矢板、ロッド等のつり上げ時の措置)
第百八十八条  事業者は、くい打機又はボーリングマシンで、くい、矢板、ロッド等をつり上げるときは、
  その玉掛部が巻上げ用みぞ車又は滑車装置の直下になるようにつり上げさせなければならない。くい打
  機にジンポール等の物上げ装置を取り付けて、くい、矢板等をつり上げる場合においても、同様とする。

(合図)
第百八十九条  事業者は、くい打機、くい抜機又はボーリングマシンの運転について、一定の合図及び合
  図を行う者を定め、運転に当たつては、当該合図を使用させなければならない。
  くい打機、くい抜機又はボーリングマシンの運転者は、前項の合図に従わなければならない。

(作業指揮)
第百九十条  事業者は、くい打機、くい抜機又はボーリングマシンの組立て、解体、変更又は移動を行う
  ときは、作業の方法、手順等を定め、これらを労働者に周知させ、かつ、作業を指揮する者を指名して、
  その直接の指揮の下に作業を行わせなければならない。

(くい打機等の移動)
第百九十一条  事業者は、控えで支持するくい打機又はくい抜機の二本構、支柱等を建てたままで、動力
  によるウインチその他の機械を用いて、これらの脚部を移動させるときは、脚部の引過ぎによる倒壊を
  防止するため、反対側からテンシヨンブロツク、ウインチ等で、確実に制動しながら行なわせなければ
  ならない。

(点検)
第百九十二条  事業者は、くい打機、くい抜機又はボーリングマシンを組み立てたときは、次の事項につ
  いて点検し、異常がないことを確認してからでなければ、これを使用させてはならない。
  一  機体の緊結部のゆるみ及び損傷の有無
  二  巻上げ用ワイヤロープ、みぞ車及び滑車装置の取付状態
  三  巻上げ装置のブレーキ及び歯止め装置の機能
  四  ウインチの据付状態
  五  控えで頂部を安定させるくい打機又はくい抜機にあつては、控えのとり方及び固定の状態

(控線をゆるめる場合の措置)
第百九十三条  事業者は、くい打機またはくい抜機の控線(仮控線を含む。以下この条において同じ。)
  をゆるめるときは、テンシヨンブロツク又はウインチを用いる等適当な方法により、控線をゆるめる労
  働者に、その者が容易に支持することができる限度をこえる荷重がかからないようにさせなければなら
  ない。

(ガス導管等の損壊の防止)
第百九十四条  事業者は、くい打機又はボーリングマシンを使用して作業を行う場合において、ガス導管、
  地中電線路その他地下に存する工作物(以下この条において「ガス導管等」という。)の損壊により労
  働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、あらかじめ、作業箇所について、ガス導管等の有無及び状態
  を当該ガス導管等を管理する者に確かめる等の方法により調査し、これらの事項について知り得たとこ
  ろに適応する措置を講じなければならない。

(ロッドの取付時等の措置)
第百九十四条の二  事業者は、ボーリングマシンのロッド、ビット等を取り付け又は取り外すときは、ク
  ラッチレバーをストッパーで固定する等によりロッド等を回転させる動力を確実に遮断しなければなら
  ない。
  事業者は、ボーリングマシンのロッドを取り外すとき及びビット等を取り付け又は取り外すときは、
  ロッドをロッドホルダー等により確実に保持しなければならない。

(ウォータースイベル用ホースの固定等)
第百九十四条の三  事業者は、ボーリングマシンのウォータースイベルに接続するホースについては、当
  該ホースがロッド等の回転部分に巻き込まれることによる労働者の危険を防止するため、当該ホースを
  やぐらに固定する等の措置を講じなければならない。

第二節の二  ジャッキ式つり上げ機械

(保持機構等)
第百九十四条の四  事業者は、建設工事の作業において使用するジャッキ式つり上げ機械については、次
 の要件に該当するものでなければ、使用してはならない。
 一 使用の目的に適応した必要な強度を有すること。
 二 保持機構については、ワイヤロープ等を保持するために必要な能力を有すること。
 三 すべての保持機構が同時に開放されることを防止する機構を有していること。
 四 著しい損傷、磨耗、変形又は腐食のないものであること。

(作業計画)
第百九十四条の五  事業者は、建設工事の作業を行う場合において、ジャッキ式つり上げ機械を用いて荷
 のつり上げ、つり下げ等の作業を行うときは、あらかじめ、作業計画を定め、かつ、当該作業計画によ
 り作業を行わなければならない。
  前項の作業計画は、次の事項が示されているものでなければならない。
 一 作業の方法及び順序
 二 使用するジャッキ式つり上げ機械の崩壊及び倒壊を防止するための方法
 三 作業に従事する労働者の墜落による危険を防止するための設備の設置の方法
 四 使用する機械等の種類及び能力
 事業者は、第一項の作業計画を定めたときは、前項各号の事項について関係労働者に周知させなけれ
 ばならない。

(ジャッキ式つり上げ機械による作業)
第百九十四条の六  事業者は、建設工事の作業を行う場合において、ジャッキ式つり上げ機械を用いて荷
 のつり上げ、つり下げ等の作業を行うときは、次の措置を講じなければならない。
 一 作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働者の立入りを禁止すること。
 二 強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業を中止
  すること。
 三 ジャッキ式つり上げ機械を施設、仮説物等に据え付けるときは、ボルト等を用いて当該ジャッキ式つ
  り上げ機械を確実に固定させること。
 四 ジャッキ式つり上げ機械を施設、仮説物等に据え付けるときは、当該施設、仮説物等の耐力を確認し、
  耐力が不足しているときは、これを補強すること。

(保護帽の着用)
第百九十四条の七  事業者は、建設工事の作業を行う場合において、ジャッキ式つり上げ機械を用いて荷
 のつり上げ、つり下げ等の作業を行うときは、物体の飛来又は落下による労働者の危険を防止するため、
 当該作業に従事する労働者に保護帽を着用させなければならない。
 前項の作業に従事する労働者は、同項の保護帽を着用しなければならない。

第二節の三  高所作業車

(前照燈及び尾燈)
第百九十四条の八  事業者は、高所作業車(運行の用に供するものを除く。以下この条において同じ。)
  については、前照燈及び尾燈を備えなければならない。ただし、走行の作業を安全に行うため必要な照
  度が保持されている場所において使用する高所作業車については、この限りでない。

(作業計画)
第百九十四条の九  事業者は、高所作業車を用いて作業(道路上の走行の作業を除く。
 以下第百九十四条の十一までにおいて同じ。)を行うときは、あらかじめ、当該作業に係る場所の状況、
  当該高所作業車の種類及び能力等に適応する作業計画を定め、かつ、当該作業計画により作業を行わな
  ければならない。
  前項の作業計画は、当該高所作業車による作業の方法が示されているものでなければならない。
  事業者は、第一項の作業計画を定めたときは、前項の規定により示される事項について関係労働者に
  周知させなければならない。

(作業指揮者)
第百九十四条の十  事業者は、高所作業車を用いて作業を行うときは、当該作業の指揮者を定め、その者
  に前条第一項の作業計画に基づき作業の指揮を行わせなければならない。

(転落等の防止)
第百九十四条の十一  事業者は、高所作業車を用いて作業を行うときは、高所作業車の転倒又は転落による
  労働者の危険を防止するため、アウトリガーを張り出すこと、地盤の不同沈下を防止すること、路肩の
  崩壊を防止すること等必要な措置を講じなければならない。

(合図)
第百九十四条の十二  事業者は、高所作業車を用いて作業を行う場合で、作業床以外の箇所で作業床を操作
  するときは、作業床上の労働者と作業床以外の箇所で作業床を操作する者との間の連絡を確実にするた
  め、一定の合図を定め、当該合図を行う者を指名してその者に行わせる等必要な措置を講じなければな
  らない。

(運転位置から離れる場合の措置)
第百九十四条の十三  事業者は、高所作業車の運転者が走行のための運転位置から離れるとき(作業床に労
  働者が乗つて作業を行い、又は作業を行おうとしている場合を除く。)は、当該運転者に次の措置を講
  じさせなければならない。
  一  作業床を最低降下位置に置くこと。
  二  原動機を止め、かつ、停止の状態を保持するためのブレーキを確実にかける等の高所作業車の逸走
    を防止する措置を講ずること。
  前項の運転者は、高所作業車の走行のための運転位置から離れるときは、同項各号に掲げる措置を講
  じなければならない。
  事業者は、高所作業車の作業床に労働者が乗つて作業を行い、又は行おうとしている場合であつて、
  運転者が走行のための運転位置から離れるときは、当該高所作業車の停止の状態を保持するためのブレ
  ーキを確実にかける等の措置を講じさせなければならない。
  前項の運転者は、高所作業車の走行のための運転位置から離れるときは、同項の措置を講じなければ
  ならない。

(高所作業車の移送)
第百九十四条の十四  事業者は、高所作業車を移送するため自走又はけん引により貨物自動車に積卸しを行
  う場合において、道板、盛土等を使用するときは、当該高所作業車の転倒、転落等による危険を防止す
  るため、次に定めるところによらなければならない。
  一  積卸しは、平坦で堅固な場所において行うこと。
  二  道板を使用するときは、十分な長さ、幅及び強度を有する道板を用い、適当なこう配で確実に取り
    付けること。
  三  盛土、仮設台等を使用するときは、十分な幅及び強度並びに適当なこう配を確保すること。

(搭乗の制限)
第百九十四条の十五  事業者は、高所作業車を用いて作業を行うときは、乗車席及び作業床以外の箇所に
  労働者を乗せてはならない。

(使用の制限)
百九十四条の十六  事業者は、高所作業車については、積載荷重(高所作業車の構造及び材料に応じて、
  作業床に人又は荷を乗せて上昇させることができる最大の荷重をいう。)その他の能力を超えて使用し
  てはならない。

(主たる用途以外の使用の制限)
第百九十四条の十七  事業者は、高所作業車を荷のつり上げ等当該高所作業車の主たる用途以外の用途に
  使用してはならない。ただし、労働者に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りでない。

(修理等)
第百九十四条の十八  事業者は、高所作業車の修理又は作業床の装置若しくは取り外しの作業を行うとき
  は、当該作業を指揮する者を定め、その者に次の事項を行わせなければならない。
  一  作業手順を決定し、作業を直接指揮すること。
  二  次条第一項に規定する安全支柱、安全ブロツク等の使用状況を監視すること。

(ブーム等の降下による危険の防止)
第百九十四条の十九  事業者は、高所作業車のブーム等を上げ、その下で修理、点検等の作業を行うとき
  は、ブーム等が不意に降下することによる労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者に
  安全支柱、安全ブロツク等を使用させなければならない。
  前項の作業に従事する労働者は、同項の安全支柱、安全ブロツク等を使用しなければならない。

(作業床への搭乗制限等)
第百九十四条の二十  事業者は、高所作業車(作業床において走行の操作をする構造のものを除く。以下
  この条において同じ。)を走行させるときは、当該高所作業車の作業床に労働者を乗せてはならない。
  ただし、平坦で堅固な場所において高所作業車を走行させる場合で、次の措置を講じたときは、この限
  りでない。
  一  誘導者を配置し、その者に高所作業車を誘導させること。
  二  一定の合図を定め、前号の誘導者に当該合図を行わせること。
  三  あらかじめ、作業時における当該高所作業車の作業床の高さ及びブームの長さ等に応じた高所作業
    車の適正な制限速度を定め、それにより運転者に運転させること。
  労働者は、前項ただし書の場合を除き、走行中の高所作業車の作業床に乗つてはならない。
  第一項ただし書の高所作業車の運転者は、同項第一号の誘導者が行う誘導及び同項第二号の合図に従
  わなければならず、かつ、同項第三号の制限速度を超えて高所作業車を運転してはならない。

第百九十四条の二十一  事業者は、作業床において走行の操作をする構造の高所作業車を平坦で堅固な場所
  以外の場所で走行させるときは、次の措置を講じなければならない。
  一  前条第一項第一号及び第二号に掲げる措置を講ずること。
  二  あらかじめ、作業時における当該高所作業車の作業床の高さ及びブームの長さ、作業に係る場所の
    地形及び地盤の状態等に応じた高所作業車の適正な制限速度を定め、それにより運転者に運転させる
    こと。
  前条第三項の規定は、前項の高所作業車の運転者について準用する。この場合において、同条第三項
  中「同項第三号」とあるのは、「次条第一項第二号」と読み替えるものとする。

(要求性能墜落制止用器具等の使用)
第百九十四条の二十二  事業者は、高所作業車(作業床が接地面に対し垂直にのみ上昇し又は下降する構造
  のものを除く。)を用いて作業を行うときは、当該高所作業車の作業床上の労働者に要求性能墜落制止
 用器具等を使用させなければならない。
  前項の労働者は、要求性能墜落制止用器具等を使用しなければならない。

(定期自主検査)
第百九十四条の二十三  事業者は、高所作業車については、一年以内ごとに一回、定期に次の事項について
  自主検査を行わなければならない。ただし、一年を超える期間使用しない高所作業車の当該使用しない
  期間においては、この限りでない。
  一  圧縮圧力、弁すき間その他原動機の異常の有無
  二  クラッチ、トランスミッション、プロペラシャフト、デファレンシャルその他動力伝達装置の異常
    の有無
  三  起動輪、遊動輪、上下転輪、履帯、タイヤ、ホイールベアリングその他走行装置の異常の有無
  四  かじ取り車輪の左右の回転角度、ナックル、ロッド、アームその他操縦装置の異常の有無
  五  制動能力、ブレーキドラム、ブレーキシューその他制動装置の異常の有無
  六  ブーム、昇降装置、屈折装置、平衡装置、作業床その他作業装置の異常の有無
  七  油圧ポンプ、油圧モーター、シリンダー、安全弁その他油圧装置の異常の有無
  八  電圧、電流その他電気系統の異常の有無
  九  車体、操作装置、安全装置、ロック装置、警報装置、方向指示器、燈火装置及び計器の異常の有無
  事業者は、前項ただし書の高所作業車については、その使用を再び開始する際に、同項各号に掲げる
  事項について自主検査を行わなければならない。

第百九十四条の二十四  事業者は、高所作業車については、一月以内ごとに一回、定期に、次の事項につい
  て自主検査を行わなければならない。ただし、一月を超える期間使用しない高所作業車の当該使用しな
  い期間においては、この限りでない。
  一  制動装置、クラッチ及び操作装置の異常の有無
  二  作業装置及び油圧装置の異常の有無
  三  安全装置の異常の有無
  事業者は、前項ただし書の高所作業車については、その使用を再び開始する際に、同項各号に掲げる
  事項について自主検査を行わなければならない。

(定期自主検査の記録)
第百九十四条の二十五  事業者は、前二条の自主検査を行つたときは、次の事項を記録し、これを三年間
  保存しなければならない。
  一  検査年月日
  二  検査方法
  三  検査箇所
  四  検査の結果
  五  検査を実施した者の氏名
  六  検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときは、その内容

(特定自主検査)
第百九十四条の二十六  高所作業車に係る特定自主検査は、第百九十四条の二十三に規定する自主検査と
  する。
  第百五十一条の二十四第二項の規定は、高所作業車に係る法第四十五条第二項の厚生労働省令で定める
  資格を有する労働者について準用する。この場合において、第百五十一条の二十四第二項第一号中「フオ
  ークリフト」とあるのは、「高所作業車」と読み替えるものとする。
  事業者は、運行の用に供する高所作業車(道路運送車両法第四十八条第一項の適用を受けるものに限
  る。)について、同項の規定に基づいて点検を行つた場合には、当該点検を行つた部分については
 第百九十四条の二十三の自主検査を行うことを要しない。
  高所作業車に係る特定自主検査を検査業者に実施させた場合における前条の規定の適用については、
  同条第五号中「検査を実施した者の氏名」とあるのは、「検査業者の名称」とする。
  事業者は、高所作業車に係る自主検査を行つたときは、当該高所作業車の見やすい箇所に、特定自主
  検査を行つた年月を明らかにすることができる検査標章をはり付けなければならない。

(作業開始前点検)
第百九十四条の二十七  事業者は、高所作業車を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、
  制動装置、操作装置及び作業装置の機能について点検を行わなければならない。

(補修等)
第百九十四条の二十八  事業者は、第百九十四条の二十三若しくは第百九十四条の二十四の自主検査又は前条
  の点検を行つた場合において、異常を認めたときは、直ちに補修その他必要な措置を講じなければなら
  ない。

第三節  軌道装置及び手押し車両

第一款  総則

(定義)
第百九十五条  この省令で軌道装置とは、事業場附帯の軌道及び車両、動力車、巻上げ機等を含む一切の
  装置で、動力を用いて軌条により労働者又は荷物を運搬する用に供されるもの(鉄道営業法(明治三十
  三年法律第六十五号)、鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)又は軌道法(大正十年法律第七十
  六号)の適用を受けるものを除く。)をいう。

第二款  軌道等

(軌条の重量)
第百九十六条  事業者は、軌条の重量については、次の表の上欄に掲げる車両重量に応じて、同表の下欄
  に掲げる軌条重量以上としなければならない。(表)

(軌条の継目)
第百九十七条  事業者は、軌条の継目については、継目板を用い、溶接を行なう等により堅固に固定しな
  ければならない。

(軌条の敷設)
第百九十八条  事業者は、軌条の敷設については、犬くぎ、止め金具等を用いて、軌条をまくら木、コン
  クリート道床等に堅固に締結しなければならない。

(まくら木)
第百九十九条  事業者は、まくら木の大きさ及び配置の間隔については、軌条を安定させるため、車両重
  量、道床の状態等に応じたものとしなければならない。
  事業者は、腐食しやすい箇所又は取替えの困難な箇所で用いるまくら木については、耐久性を有する
  ものとしなければならない。

(道床)
第二百条  事業者は、車両重量五トン以上の動力車を運転する軌道のうち道床が砕石、砂利等で形成され
  ているものについては、まくら木及び軌条を安全に保持するため、道床を十分つき固め、かつ、排水を
  良好にするための措置を講じなければならない。

(曲線部)
第二百一条  事業者は、軌道の曲線部については、次に定めるところによらなければならない。
  一  曲線半径は、十メートル以上とすること。
  二  適当なカント及びスラツクを保つこと。
  三  曲線半径に応じ、護輪軌条を設けること。

(軌道のこう配)
第二百二条  事業者は、動力車を使用する区間の軌道のこう配については、千分の五十以下としなければ
  ならない。

(軌道の分岐点等)
第二百三条  事業者は、軌道の分岐する部分には、確実な機能を有する転てつ器及びてつさを設け、軌道
  の終端には、確実な車止め装置を設けなければならない。

(逸走防止装置)
第二百四条  事業者は、車両が逸走するおそれのあるときは、逸走防止装置を設けなければならない。

(車両と側壁等との間隔)
第二百五条  事業者は、建設中のずい道等の内部に軌道装置を設けるときは、通行中の労働者に運行する
  車両が接触する危険を防止するため、その片側において、当該車両と側壁又は障害物との間隔を〇・六
  メートル以上としなければならない。ただし、ずい道等の断面が狭小であること等により当該間隔を〇・
  六メートル以上とすることが困難な場合で、次のいずれかの措置を講じたときは、この限りでない。
  一  明確に識別できる回避所を適当な間隔で設けること。
  二  信号装置の設置、監視人の配置等により運行中の車両の進行方向上に労働者を立ち入らせないこと。

(車両とう乗者の接触予防措置)
第二百六条  事業者は、建設中のずい道等の内部に軌道装置を設けるときは、車両のとう乗者がずい道等
  の内部の側壁、天盤、障害物等に接触する危険を防止するため、当該車両と当該側壁、天盤、障害物等
  との間に必要な距離を保持しなければならない。ただし、地山の荷重により変形した支保工等障害物が
  あるときに、当該車両のとう乗者が当該障害物に接触する危険を防止するため、車両とう乗者が容易に
  識別できる措置を講じたときには、この限りでない。

(信号装置)
第二百七条  事業者は、軌道装置の状況に応じて信号装置を設けなければならない。

第三款  車両

(動力車のブレーキ)
第二百八条  事業者は、動力車には、手用ブレーキを備え、かつ、十トン以上の動力車には、動力ブレー
  キをあわせ備えなければならない。
  事業者は、ブレーキの制輪子に作用する圧力と制動車輪の軌条に対する圧力との割合を、動力ブレー
  キにあつては百分の五十以上百分の七十五以下、手用ブレーキにあつては百分の二十以上としなければ
  ならない。

(動力車の設備)
第二百九条  事業者は、動力車については、次に定めるところに適合するものでなければ、使用してはな
  らない。
  一  汽笛、警鈴等の合図の装置を備えること。
  二  夜間又は地下において使用するときは、前照燈及び運転室の照明設備を設けること。
  三  内燃機関車には、潤滑油の圧力を表示する計器を備えること。
  四  電気機関車には、自動しや断器を備え、かつ、架空線式の場合には避雷器を備えること。

(動力車の運転者席)
第二百十条  事業者は、動力車の運転者席については、次に定めるところに適合するものでなければ、使
  用してはならない。
  一  運転者が安全な運転を行なうことができる視界を有する構造とすること。
  二  運転者の転落による危険を防止するため、囲い等を設けること。

(人車)
第二百十一条  事業者は、労働者の輸送に用いる専用の車両(以下「人車」という。)については、次に
  定めるところに適合するものでなければ、使用してはならない。
  一  労働者が安全に乗車できる座席、握り棒等の設備を設けること。
  二  囲い及び乗降口を設けること。
  三  斜道において用いる巻上げ装置によりけん引される人車については、巻上げ機の運転者と人車のと
    う乗者とが緊急時に連絡できる設備を設けること。
  四  前号の人車については、ワイヤロープの切断、速度超過等による危険を防止するため、非常停止装
    置を設けること。
  五  傾斜角三十度以上の斜道に用いる人車については、脱線予防装置を設けること。

(車輪)
第二百十二条  事業者は、車輪については、次に定めるところに適合するものでなければ、使用してはな
  らない。
  一  タイヤの幅は、フランジが最も摩耗した状態で、最大軌間を通過するときに、なおその踏面が軌条
    に安全に乗る広さとすること。
  二  フランジの厚さは、最も摩耗したときに、十分な強さを有し、かつ、分岐及びてつさの通過に差し
    つかえない厚さ以下とすること。
  三  フランジの高さは、タイヤが軌条からはずれない高さ以上で、継目板及びてつさ等に乗り上げない
    高さとすること。

(連結装置)
第二百十三条  事業者は、車両を連結するときは、確実な連結装置を用いなければならない。

(斜道における人車の連結)
第二百十四条  事業者は、斜道において人車を用いる場合において、人車と人車又はワイヤロープソケッ
  トをチエーン又はリンクで連結するときは、当該チエーン又はリンクの切断等による人車の逸走を防止
  するため、予備のチエーン又はワイヤロープで連結しておかなければならない。

第四款  巻上げ装置

(巻上げ装置のブレーキ)
第二百十五条  事業者は、巻上げ装置には、車両に最大の荷重をかけた場合において、車両をすみやかに
  停止させ、かつ、その停止状態を保持することができるブレーキを備えなければならない。

(ワイヤロープ)
第二百十六条  事業者は、巻上げ装置に用いるワイヤロープについては、次に定めるところに適合するも
  のでなければ、使用してはならない。
  一  安全係数は六以上(人車に用いるワイヤロープにあつては、十以上)とすること。この場合の安全
    係数は、ワイヤロープの切断荷重の値を当該ワイヤロープにかかる荷重の最大の値で除した値とする。
  二  リンクを使用する等確実な方法により、車両を取り付けること。

(不適格なワイヤロープの使用禁止)
第二百十七条  事業者は、次のいずれかに該当するワイヤロープを巻上げ装置の巻上げ用ワイヤロープと
  して使用してはならない。
  一  ワイヤロープ一よりの間において素線の数の十パーセント以上の素線が切断しているもの
  二  直径の減少が公称径の七パーセントを超えるもの
  三  キンクしたもの
  四  著しい形くずれ又は腐食があるもの

(深度指示器)
第二百十八条  事業者は、斜坑において人車を用いる場合において、巻上げ機の運転者が人車の位置を確
  認することが困難なときは、当該運転者が容易に確認できる深度指示器を備えなければならない。

第五款  軌道装置の使用に係る危険の防止

(信号装置の表示方法)
第二百十九条  事業者は、信号装置を設けたときは、あらかじめ、当該信号装置の表示方法を定め、かつ、
  関係労働者に周知させなければならない。

(合図)
第二百二十条  事業者は、軌道装置の運転については、あらかじめ、当該運転に関する合図方法を定め、
  かつ、これを関係労働者に周知させなければならない。
  前項の軌道装置の運転者は、同項の合図方法により運転しなければならない。

(人車の使用)
第二百二十一条  事業者は、軌道装置により労働者を輸送するときは、人車を使用しなければならない。
  ただし、少数の労働者を輸送する場合又は臨時に労働者を輸送する場合において、次の措置を講じたと
  きは、この限りでない。
  一  車両に転落防止のための囲い等を設けること。
  二  転位、崩壊等のおそれのある荷と労働者とを同乗させないこと。

(制限速度)
第二百二十二条  事業者は、車両の運転については、あらかじめ、軌条重量、軌間、こう配、曲線半径等
  に応じ、当該車両の制限速度を定め、これにより運転者に、運転させなければならない。
  前項の車両の運転者は、同項の制限速度をこえて車両を運転してはならない。

(とう乗定員)
第二百二十三条  事業者は、人車については、その構造に応じたとう乗定員数を定め、かつ、これを関係
  労働者に周知させなければならない。

(車両の後押し運転時における措置)
第二百二十四条  事業者は、建設中のずい道等の内部において動力車による後押し運転をするときは、次
  の措置を講じなければならない。ただし、後押し運転をする区間を定め、当該区間への労働者の立入り
  を禁止したときは、この限りでない。
  一  誘導者を配置し、その者に当該動力車を誘導させること。
  二  先頭車両に前照燈を備えること。
  三  誘導者と動力車の運転者が連絡でき、かつ、誘導者が緊急時に警報できる装置を備えること。

(誘導者を車両にとう乗させる場合の措置)
第二百二十五条  事業者は、前条の誘導者を車両にとう乗させるときは、誘導者が車両から転落する危険
  を防止するため、誘導者を囲いを設けた車両又は乗車台にとう乗させる等の措置を講じなければならな
  い。

(運転席から離れる場合の措置)
第二百二十六条  事業者は、動力車の運転者が運転席から離れるときは、ブレーキをかける等車両の逸走
  を防止する措置を講じさせなければならない。
2  前項の運転者は、運転席から離れるときは、同項の措置を講じなければならない。

(運転位置からの離脱の禁止)
第二百二十七条  事業者は、巻上げ機が運転されている間は、当該巻上げ機の運転者を運転位置から離れ
  させてはならない。
  前項の運転者は、巻上げ機が運転されている間は、運転位置から離れてはならない。

第六款  定期自主検査等

(定期自主検査)
第二百二十八条  事業者は、電気機関車、蓄電池機関車、電車、蓄電池電車、内燃機関車、内燃動車、蒸
  気機関車及び巻上げ装置(以下この款において「電気機関車等」という。)については、三年以内ごと
  に一回、定期に、当該電気機関車等の各部分の異常の有無について自主検査を行なわなければならない。
  ただし、三年をこえる期間使用しない電気機関車等の当該使用しない期間においては、この限りでない。
  事業者は、前項ただし書の電気機関車等については、その使用を再び開始する際に、当該電気機関車
  等の各部分の異常の有無について自主検査を行なわなければならない。

第二百二十九条  事業者は、電気機関車等については、一年以内ごとに一回、定期に、次の事項について
  自主検査を行なわなければならない。ただし、一年をこえる期間使用しない電気機関車等の当該使用し
  ない期間においては、この限りでない。
  一  電気機関車、蓄電池機関車、電車及び蓄電池電車にあつては、電動機、制御装置、ブレーキ、自動
    しや断機、台車、連結装置、蓄電池、避雷器、配線、接続器具及び各種計器の異常の有無
  二  内燃機関車及び内燃動車にあつては、機関、動力伝達装置、制御装置、ブレーキ、台車、連結装置
    及び各種計器の異常の有無
  三  蒸気機関車にあつては、シリンダー、弁室、蒸気管、加減弁、安全弁及び各種計器の異常の有無
  四  巻上げ装置にあつては、電動機、動力伝達装置、巻胴、ブレーキ、ワイヤロープ、ワイヤロープ取
    付金具、安全装置及び各種計器の異常の有無
  事業者は、前項ただし書の電気機関車等については、その使用を再び開始する際に、同項各号に掲げ
  る事項について自主検査を行なわなければならない。

第二百三十条  事業者は、電気機関車等については、一月以内ごとに一回、定期に、次の事項について自
  主検査を行なわなければならない。ただし、一月をこえる期間使用しない電気機関車等の当該使用しな
  い期間においては、この限りでない。
  一  電気機関車、蓄電池機関車、電車及び蓄電池電車にあつては、電路、ブレーキ及び連結装置の異常
    の有無
  二  内燃機関車及び内燃動車にあつては、ブレーキ及び連結装置の異常の有無
  三  蒸気機関車にあつては、火室内部、可溶栓、火粉止め、水面測定装置、給水装置、ブレーキ及び連
    結装置の異常の有無
  四  巻上げ装置にあつては、ブレーキ、ワイヤロープ、ワイヤロープ取付金具の異常の有無
  事業者は、前項ただし書の電気機関車等については、その使用を再び開始する際に、同項各号に掲げ
  る事項について自主検査を行なわなければならない。

(定期自主検査の記録)
第二百三十一条  事業者は、前三条の自主検査を行つたときは、次の事項を記録し、これを三年間保存し
  なければならない。
  一  検査年月日
  二  検査方法
  三  検査箇所
  四  検査の結果
  五  検査を実施した者の氏名
  六  検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときは、その内容

(点検)
第二百三十二条  事業者は、軌道装置を用いて作業を行なうときは、その日の作業を開始する前に、次の
  事項について点検を行なわなければならない。
  一  ブレーキ、連結装置、警報装置、集電装置、前照燈、制御装置及び安全装置の機能
  二  空気等の配管からの漏れの有無
  事業者は、軌道については、随時、軌条及び路面の状態の異常の有無について点検を行なわなければ
  ならない。

(補修)
第二百三十三条  事業者は、第二百二十八条から第二百三十条までの自主検査及び前条の点検を行なつた
  場合において異常を認めたときは、直ちに、補修しなければならない。

第七款  手押し車両

(手押し車両の軌道)
第二百三十四条  事業者は、手押し車両を用いる軌道については、次に定めるところによらなければなら
  ない。
  一  軌道の曲線半径は、五メートル以上とすること。
  二  こう配は、十五分の一以下とすること。
  三  軌条の重量は、六キログラム以上とすること。
  四  径九センチメートル以上のまくら木を適当な間隔に配置すること。
  第百九十七条及び第二百三十二条第二項の規定は、手押し車両の軌道に準用する。

(ブレーキの具備)
第二百三十五条  事業者は、こう配が千分の十以上の軌道区間で使用する手押し車両については、有効な
  手用ブレーキを備えなければならない。

(車両間隔等)
第二百三十六条  事業者は、労働者が手押し車両を運転するときは、次の事項を行なわせなければならな
  い。
  一  車両の間隔は、上りこう配軌道又は水平軌道の区間では六メートル以上、下りこう配軌道の区間で
    は二十メートル以上とすること。
  二  車両の速度は、下りこう配で毎時十五キロメートルをこえないこと。
  前項の労働者は、手押し車両を運転するときは、同項各号の事項を行なわなければならない。