法令 安全衛生情報センター:ホームへ
ホーム > 法令・通達(検索) > 法令・通達

絶縁用保護具等の性能に関する規程について

※安全衛生情報センター注
 この通達は、昭和47年に現在の労働安全衛生法が制定される以前のものであるため、文中の「労働安
全衛生規則」は現行の昭和47年労働省令第32号ではなく、昭和47年に廃止された旧規則(昭和22年労働
省令第9号)を指しています。

改正履歴

                                         基発第247号
                                       昭和36年3月28日


都道府県労働基準局長 殿
                                      労働省労働基準局長



            絶縁用保護具等の性能に関する規程について



 労働安全衛生規則第127条の5の規定に基づき絶縁用保護具等の性能に関する規程(昭和36年労働省告示
第8号)が昭和36年3月27日公布され、同年4月1日から適用されることとなった。
 ついては下記事項に留意してその運用に遺憾のないようにされたい。


                      記

1 第1条関係
(1) 第1項の「試験交流」は、いわゆる商用周波数の交流と呼称されるもののうち、その 波形が正弦波
  又はこれに近いものをいい、一般に電気機械器具に供給される交流はこれに該当するものであること。
(2) 第1項の「同表の下欄に掲げる電圧」の「電圧」は試験交流の電圧であること。
(3) 第1項の「耐える性能を有する」とは、発煙、過熱、絶縁の破壊等の異常な状態が認められないこと
   をいうこと。
(4) 第2項の「次の各号の一に掲げる方法により行なう」とは、試験物のそれぞれの形状、すなわち、板
  状、管状、袋状等の形及び継ぎ目、割れ目等の有無に応じて、第1号から第3号までの方法のうち適正
  な試験結果を得るために最も適した方法により行なうことをいうこと。
(5) 第2項の「コロナ放電」とは、第1号の試験方法による場合には電極相互の隔離不十分により、第2号
  又は第3号の試験方法による場合には電極と試験物との接触不完全、空気中の湿度が高いこと等により、
  空気の絶縁が破れ、電極の部分に低い吃(しつ)音及び青白い芒(ぼう)光を伴って放電する現象をいう
  こと。
   コロナ放電が発生した場合には、これにより短絡、試験物の表面の損傷等の障害が生じ、正常な試
  験が行なわれ難くなるものであること。
(6) 第2項の「沿面放電」とは、試験物の加圧されない部分の長さ(沿面距離といわれる。)の不十分、
  表面の湿潤等によって、試験の際に試験物の表面に沿って放電する現象(いわゆる沿面のフラッシュ・
  オーバー)をいうこと。
   沿面放電が生じた場合には、これにより短絡、試験物の損傷等の障害が生じ、正常な試験が行なわ
  れ難くなるものであること。
(7) 第2項第1号の「コロナ放電又は沿面放電によるその損傷が生じない限度まで水槽に浸し」とは試験
  物の可反的広範囲の部分について正常な試験を行なうため、コロナ放電又は沿面放電が生じない状態
  において、できる限り深く水槽に浸すことの意であること。具体的には、第1図から第3図までに示す
  ごとく、電気用ゴム手袋にあっては袖(そで)口からおおむね7cm、絶縁用帽子にあってはつばの付け根
  からおおむね3cm、絶縁用長靴にあっては上端からおおむね7cmの部分まで浸すことを基準とすること。
(8) 第2項第2号の「コロナ放電又は沿面放電による試験物の損傷が生じない限度に置き、」とは、試験
  物の可及的広範囲の部分について正常な試験を行なうため、コロナ放電又は沿面放電が生じない状態
  において、沿面距離をできる限り短く保ち、かつ、適当な重量を加えて導電性の物を試験物に密着さ
  れることの意であること。具体的には、沿面距離は、第4図に示すごとくおおむね5cmを基準とすること。
(9) 第2項第3号の「同一の形状の電極」とは、試験物の内面又は外面の形状と同一の形状の金属製電極
  であって、試験物の内面の前面又は外面の全面(沿面距離の部分を除く。)に密着することができる
  寸法のものをいうこと。
(10) 第2項第3号の「コロナ放電又は沿面放電による試験物の損傷が生じない限度に試験物の内面及び外
  面に接触させ」とは、試験物の可及的広範囲の部分について正常な試験を行なうため、コロナ放電又
  は沿面放電が生じない状態において、試験物の沿面距離をできる限り短く保ち、かつ、導電性の物を
  試験物の内面及び外面に密着させる意であること。具体的には沿面距離は、第5図及び第6図に示すご
  とくおおむね5cmを基準とすること。
2 第2条関係
(1) 第1項の「使用の対象となる電路の電圧」とは、活線作業用装置を使用する場合における、その対象
  となる電路の公称電圧をいうこと。
(2) 第2項の「活線作業に従事するものが乗る部分と大地との間を絶縁する絶縁物」とは、活線作業に従
  事する者がその上に乗って作業を行なうケージ又は台を支持し、かつ、これらと大地との間を絶縁す
  るがいし又はゴム等の絶縁物をいうこと。
(3) 第2項の「絶縁物の両端」とは、第7図に示すごとく絶縁物の上端(作業者がその上に乗って作業を
  行なうケージ又は台の側)と下端(大地側)をいうこと。
(4) 第2項の「その他の導電性の物」とは、銅線、薄銅板等の導体であって、試験物に密着して取り付く
  ことができる物をいうこと。
(5) 第3項の「漏えい電流の実効値」とは、絶縁物の表面を通じて漏えいする電流の値を実効値で表わし
  たものをいうこと。
3 第3条関係
(1) 「頭部の金物」とは、活線作業用器具の部分のうち、当該器具の使用の対象となる電路の露出充電
  部分を支持し、はさみ、曲げる等当該器具を使用する場合に露出充電部分に接触させる端部の金属製
  の部分をいうこと。(第9図参照)
(2) 「作業の際に、手でつかむ部分のうち頭部寄りの部分」とは、活線作業用器具を取り扱う際に、手
  で握る部分のうち、当該器具の頭部の金物に近い方の部分をいうこと。(第9図参照)
   なお、活線作業用器具については、「当該器具の頭部の金物」と「手でつかむ部分のうち頭部寄り
  の部分」との間の長さを、当該器具の使用の対象となる電路の電圧に応じて適当な長さとすることが
  必要であり、当該器具の適切な指示をはかるため、「手でつかむ部分のうち頭部寄りの部分」につい
  て色別すること、防護のためのつばを取り付けること等の方法により当該部分を表示する措置を講ず
  るよう指導すること。
(3) 第1項「不良がいし検出器」とは、送電線の是重がいし又はピンがいし、変圧器の套(とう)管がいし
  等の絶縁支持物の良否について点検するため、瞬間的に露出充電部分に接触させる器具をいい、第8図
  に示すごときものであること。
(4) 本条の絶縁性能試験の方法は、活線作業用器具の「頭部の金物」と「手でつかむ部分のうち頭部寄
  りの部分」との間の全長に対して試験交流の電圧を加えて行なうことを原則とするが、当該試験に用
  いる試験交流の電圧が50,000ボルトをこえる場合に限り、第9図に示すごとく当該全長の部分を30cm以
  上の長さに分割してそれぞれの分割した部分に試験交流の電圧を加える方法によっても差しつかえな
  いこと。
   なお、この場合には、それぞれの分割した部分に対して加えた試験交流の電圧の和の値が当該器具
  の使用の対象となる電路の電圧の2倍に相当する値以上でなければならないこと。