労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について

基発第309号
昭和46年4月15日

労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について

 労働安全衛生規則の一部を改正する省令(昭和46年労働省令第3号)(林業、アセチレン溶接、爆発、火災
防止等関係)は、昭和46年3月31日公布され、同年7月1日(一部の規定は、同年4月1日、昭和47年1月1日ま
たは昭和48年4月1日)から施行されることになった。
 今回の改正は、最近における林業、アセチレン溶接、爆発、火災等の災害の発生状況にかんがみ、関係
規定について所要の整備をはかったものである。
 今回の改正の要点は、次のとおりである。
1. 林業関係
 (1) 集材架線技士、一級運材架線技士および二級運材架線技士の免許の区分を廃止し、林業架線技士の
  業務を拡げたこと。
 (2) 機械集材装置および運材索道の構造および使用条件に関する規定を整備したこと。
 (3) 機械集材装置および運材策道の点検に関する規定を整備したこと。
 (4) 油圧式伐倒機に関する規定を定めたこと。
2. アセチレン溶接等関係
 (1) アセチレン溶接装置の溶接主任者およびガス集合溶接装置の溶接主任者の選任義務、就業制限、職
  務等に関する規定を整備したこと。
 (2) アセチレン溶接装置の安全器およびガス集合溶接装置の安全器の譲渡、貸与または設備の制限につ
  いて定めたこと。
 (3) ガス溶接等の作業に使用するガス等の容器の取扱い基準について定めたこと。
 (4) アセチレン溶接装置の定期点検および作業管理に関する規定を整備したこと。
 (5) ガス集合溶接装置の設置場所、構造、定期点検および作業管理について定めたこと。
3. 爆発、火災防止等関係
 (1) 導火線発破技士および電気発破技士の免許の区分を廃止し、発破技士免許としたこと。
 (2) 屋内作業場の避難用出入口、避難用階段等の設置基準を明確にしたこと。
 (3) 掘削の作業により露出したガス導管の防護の作業主任者の選任義務、就業制限および職務について
  定めたこと。
 (4) 明り掘削またはくい打ちの作業を行なう場合のガス導管の損壊による危害の防止についての基準を
  整備したこと。
   ついては、今回の改正の趣旨を十分に理解し、労使その他関係者に周知徹底させるとともに、特に
  下記事項に留意して運用に遺感のないようにされたい。
   なお、この改正省令の施行に伴い、昭和23年5月11日付け基発第737号、昭和23年10月11日付け基
  収第3595号、昭和23年12月25日付け基発第4114号、昭和24年2月23日付け基収第287号、昭和34年7
  月31日付け基発第533号、昭和34年9月21日付け基発第649号、昭和36年3月13日付け基発第183号、
  昭和39年3月4日付け基収第1103号および昭和42年2月6日付け基発第122号の各通達のうち改正条項に
  係る部分、昭和23年6月15日付け基収第1823号、昭和23年6月16日付け基発第896号、昭和24年4月16
  日付け基発第447号、昭和24年7月29日付け基発第803号、昭和26年4月9日付け基発第243号、昭和27
  年2月19日付け基発第78号、昭和29年2月22日付け基発第91号、昭和29年3月31日付け基発第159号、
  昭和33年2月13日付け基発第90号、昭和33年2月14日付け基発第95号、昭和33年11月10日付け基発第
  705号、昭和34年3月2日付け33基発第705号の2、昭和35年6月24日付け基収第4529号および昭和42年
  8月31日付け安発第16号の各通達ならびに昭和36年3月13日付け基発第183号通達中第55条第3号(ヲ)
  に関する部分は廃止する。
1. 第10条関係
 (1) 第10条第1項第1号の改正は、機械集材装置または運材索道による災害の発生状況にかんがみ、作業
  主任者の選任を要する作業の範囲を、従来のこれらの設備の組立てまたは解体の作業のみならずこれ
  らの設備の取扱いの作業までに拡げたものであること。
 (2) 第1項第1号の「組立て」とは、設置する場所における組立ての作業をいい、地上における補助作業
  を含む趣旨であること。
 (3) 第1項第1号の「解体」には、解体のための地上における補助作業を含む趣旨であること。
 (4) 第1項第1号の「変更」とは、支柱、主索、えい索、作業索、控索、台付け索、アンカー、盤台等の
  構造部分、集材機、運材機、制動機、搬器等の機械部分および中央垂下比の変更(取替えを含む)をい
  い、地上における補助作業を含む趣旨であること。
 (5) 第1項第1号の「修理」には、修理のための地上における補助作業を含む趣旨であること。
 (6) 第1項第2号の「溶解アセチレン」とは、アセトンを含んだ多孔性物質(石綿、けい藻土等)の充てん
  された鋼製円筒容器内にアセチレンを圧入したものをいうこと。
 (7) 第1項第2号の「酸素」には、空気を含む趣旨であること。
 (8) 第1項第2号の「導管」とは、アセチレンまたは酸素を送るため、建設物等に固定して敷設された配
  管、吹管等に接続された可撓性のゴムホース等をいうものであること。
 (9) 第1項第2号の2の「酸素」は、空気を含まないこと。
 (10) 第1項第2号の2の「ガス集合装置」は、当該装置を構成する可燃性のガスの容器のほか、これらに
  連結される連結管、元バルブ等により構成されるもので、ガスの容器に最も近接した主バルブまたは
  主コックから先の主管部分は含まないものであること。
   なお、当該装置の容器の内容積の合計は、第1図に示すように、容器に刻印されている内容積(記号
  V、単位l)により算出すること。
               第1図 溶解アセチレン容器の刻印例
第1図
 (11) 第1項第2号の2の「容器」は、常時支柱等によって固定され、地盤面に対して移動することができ
  ない貯槽タンク等は、含まないこと。
 (12) 第1項第13号の2の「ガス導管」とは、ガス事業者(ガス事業法(昭和29年法律第51号)第2条のガス
  事業者をいう。)が一般の需要に応じ、ガスを供給する導管をいうこと。
2. 第44条の3関係
 (1) 本条は、「導火線発破技士免許」および「電気発破技士免許」の区分を廃止して、「発破技士免許」
  に統一し、かつ、発破の業務につかせることができる者として保安技術職員国家試験規則による甲種、
  乙種または丁種の上級保安技術職員試験に合格した者を新たに追加したものであること。
 (2) 第1項の「発破の業務」には、せん孔作業におけるのみの手渡しまたは取換えの業務、装てん作業
  における込棒または込物の運搬の業務、点火作業における予備点火具の保持の業務等は、含まれない
  こと。
 (3) 第1項第2号の「火薬類取扱保安責任者免状」は、甲種または乙種の別を問わないこと。
3. 第44条の5関係
 (1) 各号の規定は、機械集材装置または運材索道のいずれにも適用されるものであり、規制の対象とな
  る範囲が拡大されたものであること。
 (2) 第2号の「支間の斜距離の合計」とは、支点間の直線斜距離の合計のことであり、多支間の場合は、
  各支間の直線斜距離を合計した長さをいう。なお、いわゆる乗り継ぎ式の運材索道の場合は、それぞ
  れを別個の運材索道として取り扱うこと。
 (3) 第3号の「最大使用荷重」とは、機械集材装置または運材索道の1支間について、主索の太さ、強度
  およびたわみ量、支間の傾斜角、搬器の構造および材料の強度、搬器と搬器との間隔等によって定ま
  る許容可能な最大の積載荷重をいうこと。なお、支間に2以上の荷をかける構造のものについては、
  これらの荷の荷重を合計したものをいうこと。
4. 第45条第1項第7号および第7号の2関係
 (1) 改正の趣旨は、第7号の「索道」から運材索道を除いて、新たに第7号の2の規定を設け、機械集材
  装置の集材機の運転の業務および動力を用いない運材索道の制動機の操作の業務を追加したものであ
  ること。
5. 第96条の4関係
  第6項ただし書き中の「避難タラップ等」の「等」には、避難橋、救助袋等が含まれるものであるこ
 と。
6. 第110条の27関係
 (1) 「その他地下に存する工作物」とは、ガス導管以外のガス管、危険物を内部に有する管または槽、
  水道管等であって地下に存するものをいうこと。
 (2) 「当該ガス導管等を管理する者に確める等」の「等」には、当該ガス導管等の配置図により調べる
  こと、試し堀りを行なうこと等があること。
7. 第135条の2関係
  本条は、ガス集合溶接装置の構造設備について第4篇第3章第2節の2において必要な規制を行なうこと
 としたので、ガス集合溶接装置を「化学設備」から除外したものであること。
8. 第140条の2関係
  第1項の「易燃性の物」とは、綿、木綿のぼろ、わら、木毛、紙等の着火後の燃焼速度が早いものを
 いうこと。
9. 第140条の10の2関係
 (1) 「ガス溶接等の作業に使用するガス及び酸素の容器」とは、現にガス溶接等の作業に使用している
  容器のほか、ガス溶接等を行なうため当該事業場に設置し、貯蔵し、または放置している容器を含む
  ものであること。
 (2) 第1号ロの「附近」とは、容器を貯蔵する場合は火気を使用する場所から2m以内、その他の場合は
  火気を使用する場所から5m以内をいうものであること。
   なお、本号の「火気」には、ガス溶接等に使用されている吹管の火炎は、含まれないこと。
 (3) 第1号ハの「危険物」には、ガス溶接等に使用するガスの容器は含まれないこと。
 (4) 第1号ハの「附近」とは、容器を貯蔵する場合は、火薬類、危険物その他爆発性もしくは発火性の
  ものまたは多量の易燃性の物を製造し、または取り扱う場所から2m以内、その他の場合は当該場所か
  ら5m以内をいうものであること。
 (5) 第2号の「容器の温度」とは、容器の表面の温度をいうこと。
 (6) 第2号の「摂氏40度以下に保つこと」とは、容器が直射日光、火炉等の放射熱を受ける場所にある
  場合には、当該放射熱により温度が上昇することを防ぐため、屋根、障壁、散水装置を設ける等の措
  置を講ずることを含むものであること。
 (7) 第5号の「運搬する場合」には、容器に導管、吹管等を接続したままで、近距離を移動する場合は
  含まれないこと。
 (8) 第9号の規定、ガス溶接等に使用する前の容器または使用中の容器およびゲージ圧力が零に近く、
  ガス溶接等に使用しなくなった容器について、標示等により区分を明らかにしておく趣旨であること。
10 第153条関係
 (1) 本条の「メタン、硫化水素その他の可燃性のガス」とは、いわゆる天然に発生する可燃性のガスを
  いい、容器、配管、ホース等可燃性のガスの収納設備、送給設備等から漏えいするガスは、含まれな
  いこと。
   なお、第1号および第2号の「可燃性のガス」は、上記の可燃性のガスおよびガス導管から漏えいす
  るガスをいうこと。
 (2) 「ガス導管からガスが発散するおそれ」があるか否かの判定は、当該ガス導管の材料、構造または
  防護の状態等を勘案してなされるべきであるが、掘削の作業により露出したガス導管の接合部(溶接
  によるものを除く)については、原則としてこれに該当するものであること。
11 第163条の10の2関係
  第1項の「つり防護、受け防護等による当該ガス導管についての防護」は、当該ガス導管の損壊を防
 止できるものでなければならないことは当然であり、当該防護は、昭和45年通商産業省令第98号「ガス
 工作物の技術上の基準を定める省令」(別紙参照)第77条に定める防護の基準をみたす必要があること。
12 第165条第1項関係
  第1項ただし書きの「油圧式伐倒機」とは、いわゆるツリーフエラー、すなわちトラクタの前部には
 さみ状のアタッチメントを取り付け、油圧操作により立木を伐倒する機械をいうこと。
13 第165条の2関係
  「堅固なヘッドガード」とは、4トンの等分布静荷重に安全に耐えることができる強度を有するヘッ
 ドガードをいうこと。
14 第170条の15関係
 (1) 本条の趣旨は、機械集材装置または運材索道を設置しようとする場合は、あらかじめ索張りの基本
  となる一定の事項を林業架線作業主任者に明示すべきことを使用者に義務づけ、使用者の安全責任を
  明確にすることにより、危害の防止をはかろうとするものであること。
 (2) 第1号の「主要機器」とは、集材機、運材機、制動機、搬器等をいうこと。
 (3) 第3号の「中央垂下比」とは、支間の中央における主索のたわみ量と支間の水平距離との比をいう
  こと。
15 第170条の15の2関係
 (1) 第1号の「制動させる必要がない場合」とは、脱落装置により原木または薪炭材を自動的に主索か
  ら離脱させ、荷おろし場で労働者が荷はずしの作業を行なう必要がない方式のきわめて簡単な運材索
  道を使用する場合をいうこと。
 (2) 第1号の「有効な制動装置」の「有効」とは、制動トルクの値が、機械集材装置にあっては最大使
  用荷重の荷重をかけたときに伝達される最大トルクの1.5倍以上の値、運材索道にあっては同じく伝
  達される最大トルクの2倍以上の値であるものをいうこと。
 (3) 第2号の「作業索」とは、機械集材装置の荷上索、引寄索、引戻索、エンドレス索、横取り索等を
  いうこと。
 (4) 第4号の「サドルブロック」とは、いわゆる三角滑車をいうこと。
 (5) 第4号の「ガイドブロック」とは、いわゆる並滑車をいうこと。
 (6) 第4号の「ガイドブロック等」の「等」には、えい索緊張用みぞが含まれること。
 (7) 第4号の「台付け索」とは、サドルブロック、ガイドブロック等を支柱、立木、根株等の固定物に
  取り付けるために用いられるワイヤーロープをいうこと。
 (8) 第5号の「主索支持器」とは、いわゆるサドルまたはスカイラインサポートをいい、復索を支持す
  るための器具を含むものであること。
 (9) 第5号の「その他の附属器具」とは、サドルブロック、ガイドブロック、えい索緊張用みぞ車、ヒ
  ールブロック、ロージングブロック、スカイラインクランプ等をいうこと。
 (10) 第5号の「十分な強度」とは、たとえば主索支持器にあっては、これにかかる力は、支間距離、使
  用鋼索、中央垂下比、搬器ごとの最大積載荷重等により定まる主索張力のほか、主索と支柱のなす角
  度によっても変るので、これらの使用条件に対応する安全上十分な強度をいうものであること。
 (11) 第6号の「えい索」とは 運材索道の搬器をえい行するために用いられるワイヤーロープをいうこと。
 (12) 第6号の「ロージングブロック」とは、いわゆる荷掛滑車をいうこと。
 (13) 第6号の「アイスプライス等」の「等」には、圧縮どめおよび合金どめが含まれること。
16 第170条の16関係
 (1) 本条は、従来の「えい索」を運材索道の「えい索」と機械集材装置の「作業索」とに分離して鋼索
  の用途を明らかにしたこと、新たに「台付け索」と「荷吊り索」について安全係数を規定したことお
  よび表の上欄に掲げる索についてはより線および鉄線の使用を禁止したものであること。
 (2) 第1項の「荷吊り索」とは、いわゆるスリングをいうこと。
 (3) 鋼索の安全係数は、原則として次の式により算出すること。ただし、実用数値表または索張力の実
  測値に基づき算出してもさしつかえないものであること。
  イ 主索の安全係数
    Ti=(W+i×P)×φi
    N=BlTi≧2.7
     Ti:i個の搬器荷重がかかる場合の主索の最大張力(機械集材装置にあっては、i=1とする。また、
    多支間の運材索道の主索にあっては、上位にある最長の支間(主支間)について計算すること。)
     W=p×L≒p×1:主索の重量
      p:主索1mあたりの重量
      L:主索の長さ
      l:支間斜距離
     i:主索設計上の搬器荷重数で、搬器間係数q=搬器間隔/支間斜距離に応じて、次の表により求
    める。
搬器間隔係数q 搬器荷重数i
0.72をこえるもの
0.41をこえ0.72以下
0.29をこえ0.41以下
0.22をこえ0.29以下
1
2
3
4
     P=(Po+Pc)+W′:搬器荷重(設計荷重))
      Po:積荷重量
      Pc:空搬器重量
      W′:搬器にかかるえい索または作業索の重量で、次により求める。
       運材索道にあっては、
        交走式(尾索付き)および単荷重連走式のとき
        W′=W′o/2
        交走式(尾索なし)のとき W′=W′o/4
        多荷重連走式のとき W′=W′o×q
         上記の式において
         W′o:支間斜距離のえい索重量
       機械集材装置にあっては、
        タイラー式のとき W′=W′1/2+W′2/4
        エンドレスタイラー式のとき W′=W′1/2+W′2/2
        フオーリングブロック式のとき W′=W′1/4+W′2/4
        エンドレス式のとき W′=W′2/2
        スナツビーグ式とき W′=W′1/4
         上記の式において
         W′1:支間斜距離の巻上索重量
         W′2:支間斜距離の引戻索またはエンドレス索の重量
     φi:i個の搬器荷重がかかる場合の負荷索の最大張力係数で、次の手順により算出する。
    @ 別図1の(イ)〜(ニ)により、i,qおよび荷重比n=p/Wの値に応じた垂下比当値係数Ziを求める
     (搬器荷重数が5個以上の場合は、Zi=1とみなしてよい。)。
    A 当値垂下比Si=Zi×Soを求める。
      So:主索原索中央垂下比
    B 別図2により、支間傾斜角αおよび当値垂下比Siに応じた最大張力係数φiを求める。
     N:主索の安全係数(補正計算により安全係数を求めてもさしつかえないこと。)
     B:主索の切断荷重
  ロ えい索の安全係数
   (イ) 交走式運材索道
    a  尾索のない方式

式

       T′:えい索の最大張力
       P′=Po+Pi:搬器荷重
       (Po,Pcおよびαは、イの場合と同じ。)
       N′:えい索の安全係数
       B′:えい索の切断荷重
    b  尾索のある方式

式

       T′:えい索の最大張力(多支間索道のえい索にあっては、主支間について計算すること。)
       Tp:荷重けん引力で、(2)式のT′と同じ。
       To=T′o-p′×h′:えい索の基礎張力
        T′o:えい索の原索最大張力で、次の手順により求める。
       ① えい索の基礎垂下比S′=So×(1.2〜1.3)
       ② 別図2により、支間傾斜角αおよび基礎垂下比S′に応じた最大張力係数φ′oを求め
        る。
       ③ T′o=Wo′×φ′o
         (SoおよびWo′は、イの場合と同じ。)
         P′:えい索1mあたりの重量
         h′:下部盤合と主支間上部支点との間の高度差
       Σh:上部盤合と下部盤合との間の高度差
       (N′およびB′は、(2)式の場合と同じ。)
   (ロ) 連送式運材索道

式

      T′:えい索の最大張力(多支間索道のえい索にあっては、主支間について計算すること。ま
     た、峯越し索道等のえい索については、影響線法により求めること。)
      Tp≒io×P×(Σh/Σl):荷重けん引力
       io:実搬器荷重の総数
       Σh:下部盤台と上部盤台との間の高度差
       Σl:下部盤台から上部盤台までの支間斜距離の緩和
       (Pは、イの場合と同じ。)
      To:えい索の基礎張力で、(3)式の場合と同様にして求める。
      (N′およびB′は、(2)式の場合と同じ。)
  ハ 作業索の安全係数
   (イ) 荷上索および引寄線

式

      T′1:荷上索または引寄索の最大張力
      Pl:ロージングブロック荷重(積荷重量、ロージングブロックの重量および重錘重量の合計)
      P′1:荷上索または引寄索1mあたりの重量
      h′:最大巻上揚程
      N′1:荷上索または引寄索の安全係数
      B′1:荷上索または引寄索の切断荷重
   (ロ) 引戻索およびエンドレス索
    a  タイラー式の引戻索

式

       T′2:引戻索の最大張力
       Tp:P×sinα×1.4:荷重けん引力
       (Pおよびαは、イの場合と同じ。)
       N′2:引戻索の安全係数
       B′2:引戻索の切断荷重
    b  フオーリングブロック式の引戻索およびエンドレス式のエンドレス索

式

       T′2:引戻索またはエンドレス索の最大張力
       Tp:荷重けん引力で、(6)式の場合と同じ。
       T′1:引寄索の最大張力で、(5)式と同じ。
       N′2:引戻索またはエンドレス索の安全係数で、引戻索の場合は4.0以上、エンドレス索の
      場合は6.0以上とする。
       B′2:引戻索またはエンドレス索の切断荷重
    c  エンドレスタイラー式のエンドレス索

式

       T′2:エンドレス索の最大張力
       Tp:荷重けん引力で、(6)式の場合と同じ。
       To:エンドレス索の基礎張力で、(3)式の場合のTo′と同じ。
17 第170条の18関係
 (1) 本条は、いわゆる捨て巻きに関する規定であり、文言を改正したのみで実質的な変更はないもので
  あること。
 (2) 「エンドレスのもの」とは、作業索の運転にあたり、集材機の巻胴、鼓胴等を用いて作業索を回転
  する方法のもの、すなわち作業索の端部を集材機の巻胴、鼓胴等に固定しない方式のものをいうこと。
 (3) 第1号の「最大に使用した場合」とは、集材機の鋼索を作業の必要上最も巻胴から巻き出した場合
  をいうこと。
18 第170条の24関係
  第2号の「ガイドブロック等」の「等」には、根株が含まれること。
19 第170条の26関係
 (1) 「強風」とは、10分間の平均風速が毎秒10m以上の風を、「大雨」とは1回の降雨量が50mm以上の降
  雨を、「大雪」とは1回の降雨量が25cm以上の降雪をいうこと。
 (2) 「強風、大雨、大雪等の悪天候のため」には、当該作業地域が実際にこれらの悪天候となつた場合
  のほか、当該地域に強風、大雨、大雪等の気象注意報または気象警報が発せられ悪天候となることが
  予想される場合を含む趣旨であること。
20 第170条の27関係
 (1) 表中「強風、大雨、大雪」とは、第170条の26関係に示すところによること。
 (2) 表中「中震以上の地震」とは、震度階級4以上の地震をいうこと。
21 第170条の29関係
  本条の「直接指揮」とは、作業主任者が作業中常時作業現場にあって作業の進行状況に応じて適確な
 指示を与えることができるような指揮をいうものであり、指示については作業者または電話、ハンドト
 ーキー等を通じて行なってもさしつかえないものであること。
22 第170条の30関係
 (1) 「主索の張力に変化を生ずる変更をした場合」とは、中央垂下比の値、主索の直径、支柱の位置等
  を変更した場合をいうこと。
 (2) 「安全係数を検定し」とは、所定の安全係数を保持するために必要な主索の緊張度(中央垂下比)を
  検定することをいうこと。なお、張力計を用いる方法または振動波法により主索張力を測定し安全係
  数を確認してもさしつかえないこと。
23 第393条の2関係
  本条第1項は、ガス集合装置と火気を使用する設備との離隔距離を5m以上と定めたものであって、本
 条第2項のガス装置室の壁の外面と火気を使用する設備との離隔距離は、必ずしも5mを要しないもので
 あること。
24 第393条の4関係
 (1) 第1号の「コック等」の「等」には、栓、点検孔、そうじ孔等が含まれること。
 (2) 第1号の「接合部」は、ねじ込み、つき合わせ、重ね合わせ等の方法により接合されている部分を
  いい、溶接により接合されている部分は、含まれないこと。
 (3) 第2号は、第2図および第3図に示す安全器の配置例のように、おのおのの吹管から主管にいたるま
  での間に1個以上、および主管に1個以上の安全器を備え付けなければならない趣旨であること。
25 第393条の5関係
  本条の附属器具には、容器のバルブおよび安全弁は含まれないこと。
26 第394条関係
  本条は、アセチレン溶接装置を取り扱う作業および当該装置を使用して行なうアセチレン溶接作業の
 管理について、使用者が行なわなければならない事項に関する規定を整備し、かつ、第10条第1項第2号
 の溶接主任者の指揮のもとに作業を行なわせることを新たに規定したものであること。
第2図、第3図
27 第394条の2関係
 (1) 本条は、ガス集合溶接装置を取扱う作業および当該装置を使用して行なうガス溶接等の作業の管理
  について、使用者が行なわなければならない事項を新たに定めたものであること。
 (2) 第2号の「最大ガス貯蔵量」とは、ガス集合装置の構造上貯蔵可能な最大のガス量をいい、貯蔵さ
  れるガスの種類が溶解アセチレンである場合にはガス集合装置を構成する容器の内容積の合計の最大
  値、液化ガス(液化石油ガス(炭素数3または4の炭化水素を混合したものを主成分とするもの)を含む。)
  である場合には次のイ式により、圧縮ガスである場合には次のロの式により算出した数量をいうもの
  であること。
  イ W=V1/C
    この式において、W、V1およびCは、それぞれ次の数値を表わすものとする。
     W 最大ガス貯蔵量(単位 kg)
     V1 ガス集合装置を構成している容器の内容積の合計(単位 l)
     C 液化ガスの種類に応じて容器保安規則(昭和41年通商産業省令第50号)第45条に定める定数
    であり、主なものについて示せば、次の表に掲げるとおりである。
液化ガスの種類 定数
液化プロパン 2.35
液化プロピレン 2.27
液化プタン 2.05
  ロ Q=(P+1)W2
    この式において、Q、PおよびV2は、それぞれ次の数値を表わすものとする。
     Q 最大ガス貯蔵量(単位 m3)
     P ガスの容器に刻印されている最高充てん圧力(単位 Kg/cm2)の数値
     V2 ガス集合装置を構成している容器の内容積の合計(単位 m3)
   なお、上記のほか、ガス集合装置を構成している容器の最大ガス充てん量を秤量することによって
  求めた質量の合計によって表わしてもさしつかえないこと。
 (3) 第6号「バルブ、コック等」の「等」には、圧力調整器等が含まれること。
 (4) 第6号「操作要領」は、異常な事態が生じた場合における応急の措置を含むものであること。
28 第394条の3関係
 (1) 労働安全衛生規則の本条以外の規定、高圧ガス取締法等安全に関する法令によって、本条に規定す
  る事項の点検を行なった場合は、本条の点検の一部または全部を省略してもさしつかえないものであ
  ること。
 (2) 本条の「一定の期間」は、本条に基づく点検を行なった日の翌日から起算するものであること。
29 第395条関係
  本条は、使用者が第10条第1項第2号の溶接主任者に行なわせなければならない事項および本条第1項
 第1号の労働者に行なわせなければならない事項についての規定を整備したものであること。
30 第396条関係
  本条は、使用者が第10条第1項第2号の2の溶接主任者に行なわせなければならない事項について新た
 に規定したものであること。
31 附則第7条関係
 (1) 第1項の「労働省労働基準局長の定める講習」とは、次に示す基準による講習をいうこと。
  イ 講習は、学科講習によって行ない、講習科目、範囲および講習時間は、改正前の労働安全衛生規
   則による免許の種別および級別に応じて、次の表に掲げるとおりとすること。ただし、林業労働災
   害防止規程に基づく機械集材士講習を修了した者については、講習課目の範囲のうち、次のものを
   省略することができるものとする。
   (イ) 機械集材装置の集材機、搬器、支柱および附属器具
   (ロ) 機械集材装置の索張り方式
   (ハ) 機械集材作業
講習科目 範囲 講習時間
2級運材架線技士免許を有する者 1級運材架線技士免許を有する者 集材架線技士免許を有する者 1級または2級運材架線技士免許および集材架線技士免許を有する者
機械集材装置および運材索道に関する知識 機械集材装置の集材機、搬器支柱および附属器具 1時間 1時間    
機械集材装置および運材索道に関する知識 機械集材装置の索張り方式 1時間 1時間    
運材索道の運材機、搬器、支柱および附属器具     1時間  
運材索道の種類     1時間  
最大張力の算定 8時間      
小計 10時間 2時間 2時間  
林業架線作業に関する知識 機械集材装置の組立て、解体等の方法 5時間 5時間    
運材索道の組立て、解体等の方法     5時間  
機械集材作業 2時間 2時間 2時間 2時間
運材索道作業 2時間 2時間 2時間 2時間
小計 9時間 9時間 9時間 4時間
関係法令 林業架線技士試験の試験科目中「関係法令」の範囲と同じ 2時間 2時間 2時間 2時間
  21時間 13時間 13時間 6時間
  ロ 講師の資格は、講習科目に応じ、次の表に掲げるとおりとすること。
講習科目 資格
機械集材装置および運材索道に関する知識
  1. (1) 学校教育法による大学(旧大学令による大学を含む。)または高等専門学校(旧専門学校令による専門学校を含む。)において機械集材装置及び運材索道に関する講座または学科目を修めて卒業した者
  2. (2) 林業架線技士規程第1条第2号から5号までに該当する者
林業架線作業に関する知識 林業架線技士規程第1条第1号から第5号までに該当する者
関係法令
  1. (1) 学校教育法による大学または高等専門学校を卒業した者であって、その後1年以上の産業安全の実務の経験を有するもの。
  2. (2) 学校教育法による高等学校を卒業した者であって、その後3年以上の産業安全の実務の経験を有するもの
  ハ 講習地を管轄する都道府県労働基準局長は、営林局長または林業労働災害防止協会会長(都道府
   県支部長を含む。)が本条に基づく講習を行なおうとする場合には、あらかじめ次に掲げる事項を
   記載した書類を提出させること。
   (イ) 講習予定期日および予定場所
   (ロ) 受講者予定数
   (ハ) 講師の氏名、学歴、職歴および担当科目
   (ニ) 講習の科目および時間数
   (ホ) 講習料
      また、当該講習を終了したときは、遅滞なく次の各号に掲げる事項を記載した報告を提出さ
     せること。
    (イ) 講習の実施期日および実施場所
    (ロ) 受講者数および講習修了者数
    (ハ) 講習修了者の氏名
32 その他
  第55条第3号(ヲ)関係
 (1) 第3号(ヲ)の「取扱いの業務」とは、機械集材装置または運材索道の組立て、解体、変更、修理ま
  たはこれらの設備による集材もしくは運材の業務をいい、もっぱらこれらの設備自体の運搬、販売等
  を行なう業務は含まれないこと。
 (2) 第3号(ヲ)の業務を行なう事業における機械集材装置または、運材索道に関する第56条の規定によ
  る届出については、様式第15号による届書に様式第16号甲の1による摘要書および同条第1項各号に掲
  げる図面に代えて、次のイの(イ)から(ト)までに掲げる図面等を添付すれば足りるものとすること。
  イ 記載事項
   (イ) 使用の目的(運搬しようとする原木または薪炭材種および量)
   (ロ) 最大使用荷重および搬器間隔
   (ハ) 支間の斜距離の合計
   (ニ) 最長の支間の斜距離、傾斜角および中央垂下比
   (ホ) 鋼索の構造および直径
   (ヘ) 原動機の型式および定格出力
   (ト) 集材機の最大けん引力
  ロ 添付図面等
   (イ) 敷設地から当該敷設地に最も近い交通機関に至る間を表わす地図
   (ロ) 当該設備の配置図
   (ハ) 組立てから解体までの予定表
      (別図及び別紙略)



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