法令 安全衛生情報センター:ホームへ
ホーム > 法令・通達(検索) > 法令・通達

レーザー光線による障害の防止対策について
改正履歴
  レーザー光線は、高密度のエネルギーとして切断、開孔、溶接等各種材料の加工に、また均質な電磁波
として計測、通信、情報処理等に、さらに医療等にも利用されており、今後においてもその利用分野は一
層拡大していくものと予想されるが、特に、レーザー加工等の分野においては、レーザー光線は、大量の
エネルギーを小さな面積に集中させて高密度のエネルギーを利用するものであるため、レーザー光線に対
する労働衛生上の配慮が十分でないと、眼障害、皮膚障害等の発生が懸念される状況となってきたところ
である。
  今般、労働省においては、レーザー光線の使用実態、各種調査研究結果等を踏まえ、レーザー光線にさ
らされるおそれのある業務における障害を防止するため、別紙のとおり「レーザー光線による障害防止対
策要綱」を策定したので、これにより関係事業者等を指導されたい。
  なお、レーザー光線の利用に関する技術が急速に進展している状況にあることに鑑み、本要綱に従って
指導する際に疑義が生じた場合には、その旨を本省あて報告されたい。
  おって、わが国におけるレーザー光線の主要な応用技術一覧(参考1)、レーザー光線の人体に与える
影響(参考2)及びレーザー光線の安全衛生基準に関する各国の動向(参考3)を添付するので、業務の
参考とされたい。

別  紙
レーザー光線による障害防止対策要綱
1.目    的
    この要綱は、レーザー機器を取扱う業務又はレーザー光線にさらされるおそれのある業務(以下「レ
  ーザー業務」という。)に常時従事する労働者(以下「レーザー業務従事者」という。)の障害を防止
  することを目的とする。
2.用    語
    本要綱において用いる用語の意味は、次のとおりとする。
  (1)  レーザー(LASER : Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation)光線特定の
      物質に人工的に光や放電などの強いエネルギーを与えて励起させ、それが元の状態に戻るときに発
      生する電磁波を制御された誘導放射の過程により増幅させたものをいう。レーザー光線は、180nm
      から1mm注)までの波長域にあり、単一波長で位相のそろった指向性の強いものである。
        注)nm:ナノメータ=10-9m
  (2)  レーザー発振器
        レーザー光線を生成し、又は増幅することができる機器をいう。
  (3)  レーザー機器
        レーザー光線を計測、通信、加工等に利用するための機器をいう。レーザー機器は、レーザー発
      振器、レーザー光路、加工テーブル、制御装置、電源装置等から構成される。
  (4)  被ばく放出限界(AEL : Accessible Emission Limits)
        レーザー光線の波長と放射持続時間に応じて、人体に許容されるレーザー光線の最大被ばく放出
      レベルをいう。
  (5)  レーザー機器のクラス
    レーザー機器のクラス分けは、日本工業規格 C6802「レーザ製品の安全基準」の「8.クラス分
   け」によるものとする。
      各等級(クラス)の意義は、以下の通りである。
      クラス1  :人体に障害を与えない低出力(おおむね0.39μW以下(注))の下)のもの。
      クラス2  :可視光(波長400nm〜700nm)で、人体の防御反応により障害を回避し得る程度の出力
                  以下(おおむね1mW以下)のもの。
      クラス1M、クラス2M、クラス3R:光学的手段でのビーム内観察は危険で、放出レベルがクラス2の
                  出力の5倍以下(おおむね5mW以下)のもの。                  
      クラス3B:直接又は鏡面反射によるレーザー光線のばく露により眼の障害を生じる可能性がある
                  が、拡散反射によるレーザー光線にばく露しても眼の障害を生じる可能性のない出力
                  (おおむね0.5W以下)のもの。
      クラス4  :拡散反射によるレーザー光線のばく露でも眼に障害を与える可能性のある出力(おお
                  むね0.5Wを超える)のもの。
        注)1W=103mW=106μW
3.適用範囲
    この要綱は、クラス1M、クラス2M、クラス3R、クラス3B及びクラス4のレーザー機器を用いて行
 うレーザー業務について適用する。
    ただし、当分の間、医療用及び教育研究機関における教育研究用のレーザー機器を用いて行うレーザ
  ー業務については適用しない。
4.レーザー光線による障害を防止するための措置
  (1)  労働衛生管理体制の整備
    労働安全衛生法の規定による労働衛生管理体制の整備を図るほか、クラス3R(400nm〜700nmの
    波長域外のレーザー光線を放出するレーザー機器に限る。)、クラス3B及びクラス4のレーザー
    機器については、レーザー機器の取扱い及びレーザー光線による障害の防止について十分な
    知識と経験を有する者のうちからレーザー機器管理者を選任し、次に掲げる事項を行わせること。      
    イ  レーザー光線による障害防止対策に関する計画の作成及び実施
    ロ  レーザー管理区域(レーザー機器から発生するレーザー光線にさらされるおそれのある区域をい
      う。以下同じ。)の設定及び管理
    ハ  レーザー機器を作動させるためのキー等の管理
    ニ  レーザー機器の点検、整備及びそれらの記録の保存
    ホ  保護具の点検、整備及びその使用状況の監視
    ヘ  労働衛生教育の実施及びその記録の保存
    ト  その他レーザー光線による障害を防止するために必要な事項
        なお、衛生管理者を選任すべき事業場にあっては、上記のレーザー機器管理者が行う業務は、衛
      生管理者の指揮のもとで行わせるものとする。
  (2)  レーザー機器のクラス別措置基準
        レーザー機器のクラス分けに応じ、別紙1に掲げる「レーザー機器のクラス別措置基準」に基づ
      いて必要な措置を講じること。

別紙  1
レーザー機器のクラス別措置基準
I  クラス4のレーザー機器に係る措置
  1.レーザー管理区域
    (1)  レーザー管理区域を囲い等により、他の区域と区画し、標識等によって明示すること。
    (2)  レーザー管理区域は、関係者以外の者の立入りを禁止し、その出入口には必要に応じ、自動ロ
        ック等の措置を講じること。
    (3)  関係者以外の者がレーザー管理区域に立入る必要が生じた場合は、レーザー機器管理者の指揮
        のもとに行動させること。
  2.レーザー機器
    (1)  レーザー光路に対する措置
      イ レーザー光路は、作業者の目の高さを避けて設置すること。
      ロ レーザー光路は、可能な限り短く、折れ曲がる数を最小にし、歩行路その他の通路と交差し
        ないようにするとともに、可能な限り遮へいすること。
      ハ レーザー光路の末端は、適切な反射率及び耐熱性を持つ拡散反射体又は吸収体とすること。
    (2)  キー・コントロール
          レーザー機器は、キー等により作動する構造とすること。
    (3)  緊急停止スイッチ等
          レーザー機器には、次に掲げる緊急停止スイッチ等を設けること。
      イ  緊急停止スイッチ
          レーザー光線の放出を直ちに停止させることができる非常停止スイッチを操作部及び必要な箇
        所に設けること。
      ロ  警報装置
          レーザー光線を放出中であること又は放出可能な状態であることが容易に確認できる自動表示
        灯等の警報装置を設けること。
      ハ  シャッター
          レーザー機器のレーザー光線の放出口には、不意にレーザー光線が放出されることを防止する
        ためのシャッターを設けること。
  (4)  インターロックシステム等
        レーザー管理区域の囲いを開け、又はレーザー光路のしゃへいを解除した場合には、インターロ
      ック機能等によりレーザー光線の放出が行われないようにすること。
  (5)  レーザー光線の放出口には、その旨の表示を行うこと。
  3.作業管理・健康管理等
    (1)  レーザー機器の操作
          レーザー機器の操作は、レーザー光路からできるだけ離れた位置で行うこと。
    (2)  光学系調整時の措置
          レーザー光線により光学系の調整を行う場合は、調整に必要な最小の出力のレーザー光線によ
        り行うこと。
    (3)  保護具等の使用
      イ  レーザー光線の種類に応じた有効な保護眼鏡(注)を作業者に着用させること。
          ただし、眼に障害を及ぼさないための措置が講じられている場合はこの限りではない。
          注)レーザー用保護眼鏡(メガネ形式とゴーグル形式がある。)を用いること。
      ロ  できるだけ皮膚の露出が少なく、燃えにくい素材を用いた衣服を作業者に着用させること。特
        に溶融して玉状になる化学繊維の衣服は、好ましくないこと。
    (4)  点検・整備
      イ  作業開始前に、レーザー機器管理者にレーザー光路、インターロック機能等及び保護具の点検
        を行わせること。
      ロ  一定期間以内ごとに、レーザー機器について専門的知識を有する者に次の項目を中心にレーザ
        ー機器を点検させ、必要な整備を行わせること。
        [1]  レーザー光線の出力、モード、ビーム径、広がり角、発振波長等の異常の有無
        [2]  入力電力、励起電圧・電流、絶縁、接地等の異常の有無
        [3]  安全装置、自動表示灯、シャッター、インターロック機能等の作動状態の異常の有無
        [4]  パワーメーター、パワーモニター等の異常の有無
        [5]  ファン、シャッターその他の可動部分の異常の有無
        [6]  冷却装置、ガス供給装置、有害ガス除去装置、粉じん除去装置等の異常の有無
    (5)  安全衛生教育
          レーザー業務に従事する労働者を雇い入れ、若しくは労働者の作業内容を変更して当該業務に
        つかせ、又は使用するレーザー機器を変更したときは、労働安全衛生法第59条第1項又は第2項
        に基づく教育を行うこと。この場合、特に次の事項が含まれるよう留意すること。
        [1]  レーザー光線の性質、危険性及び有害性
        [2]  レーザー機器の原理及び構造
        [3]  レーザー機器の取扱い方法
        [4]  安全装置及び保護具の性能並びにこれらの取扱い方法
        [5]  緊急時の措置及び退避
    (6)  健康管理
          レーザー業務従事者については、雇い入れ又は配置替えの際に視力検査に併せて前眼部(角膜、
        水晶体)検査及び眼底検査行うこと。
  4.その他
    (1)  レーザー管理区域の出入口等の見やすい箇所に次の事項を掲示すること。
      イ  レーザー機器管理者の氏名
      ロ  レーザー光線の危険性、有害性及びレーザー機器取扱い上注意すべき事項
      ハ  レーザー機器の設置を示す表示
    (2)  レーザー機器の高電圧部分には、その旨を表示するとともに、当該部分に接触することによる
        感電の危険を防止するための措置を講じること。
    (3)  レーザー管理区域内には、爆発性の物、引火性の物等を持ち込まないこと。
    (4)  レーザー業務を行う際、有害ガス、粉じん等が発生する場合には、これらによる健康障害を防
        止するため、密閉設備、局所排気装置等の設置、防毒マスク、防じんマスクの使用等労働安全衛
        生法令所定の措置を講じること。
    (5)  レーザー光線による障害の疑いのある者については、速やかに医師による診察又は処置を受け
        させること。
II  クラス3Bのレーザー機器に係る措置
  1.レーザー管理区域
    (1)  レーザー管理区域を囲い等により、他の区域と区画し、標識等によって明示すること。
    (2)  レーザー管理区域は、関係者以外の者の立入りを禁止し、その出入口には、必要に応じ、自動
        ロック等の措置を講じること。
    (3)  関係者以外の者がレーザー管理区域に立入る必要が生じた場合は、レーザー機器管理者の指揮
        のもとに行動させること。
  2.レーザー機器
    (1)  レーザー光路に対する措置
   イ レーザー光路は、作業者の目の高さを避けて設置すること。
   ロ レーザー光路は、可能な限り短く、折れ曲がる数を最小にし、歩行路その他の通路と交差し
    ないようにするとともに、可能な限り遮へいすること。
   ハ レーザー光路の末端は、適切な反射率及び耐熱性を持つ拡散反射体又は吸収体とすること。
    (2)  キーコントロール
          レーザー機器は、キー等により作動する構造とすること。
    (3)  緊急停止スイッチ等
          レーザー機器には、次により緊急停止スイッチ等を設けること。
      イ  緊急停止スイッチ
          レーザー光線の放出を直ちに停止させることができる非常停止スイッチを操作部及び必要な箇
        所に設けること。
      ロ  警報装置
          レーザー光線を放出中であること又は放出可能な状態であることが容易に確認できる自動表示
        灯等の警報装置を設けること。
      ハ  シャッター
          レーザー機器のレーザー光線の放出口には、不意にレーザー光線が放出されることを防止する
        ためのシャッターを設けること。
    (4)  インターロックシステム等
          レーザー管理区域の囲いを開け、又は、レーザー光路のしゃへいを解除した場合には、インタ
        ーロック機能等によりレーザー光線の放出が行われないようにすること。
    (5)  レーザー光線の放出口には、その旨の表示を行うこと。
  3.作業管理・健康管理等
    (1)  光学系調整時の措置
          レーザー光線により光学系の調整を行う場合は、調整に必要な最小の出力のレーザー光線によ
        り行うこと。
    (2)  保護具等の使用
      イ  レーザー光線の種類に応じた有効な保護眼鏡(注)を作業者に着用させること。
          ただし、眼に障害を及ぼさないための措置が講じられている場合はこの限りでない。
          注)レーザー用保護眼鏡(メガネ形式とゴーグル形式がある。)を用いること。
      ロ  できるだけ皮膚の露出が少ない衣服を作業者に着用させること。
    (3)  点検、整備
      イ  作業開始前に、レーザー機器管理者は、レーザー光路、インターロック機能等及び保護具の点
        検を行わせること。
      ロ  一定期間以内ごとに、レーザー機器について専門的知識を有する者に次の項目を中心にレーザ
        ー機器を点検させ、必要な整備を行わせること。
        [1]  レーザー光線の出力、モード、ビーム径、広がり角、発振波長等の異常の有無
        [2]  入力電力、励起電圧・電流、絶縁、接地等の異常の有無
        [3]  安全装置、自動表示灯、シャッター、インターロック機能等の作動状態の異常の有無
        [4]  パワーメーター、パワーモニター等の異常の有無
        [5]  ファン、シャッターその他の可動部分の異常の有無
        [6]  冷却装置、ガス供給装置、有害ガス除去装置、粉じん除去装置等の異常の有無
    (4)  安全衛生教育
          レーザー業務に従事する労働者を雇い入れ、若しくは労働者の作業内容を変更して当該業務に
        つかせ、又は使用するレーザー機器を変更したときは、労働安全衛生法第59条第1項又は第2項
        に基づく教育を行うこと。この場合、特に次の事項が含まれるよう留意すること。
        [1]  レーザー光線の性質、危険性及び有害性
        [2]  レーザー機器の原理及び構造
        [3]  レーザー機器の取扱い方法
        [4]  安全装置及び保護具の性能並びにこれらの取扱い方法
        [5]  緊急時の措置及び退避
    (5)  健康管理
          レーザー業務従事者については、雇い入れ又は配置替えの際に視力検査に併せて前眼部(角膜、
        水晶体)検査を行うこと。
  4.その他
    (1)  レーザー管理区域の出入口等の見やすい箇所に次の事項を掲示すること。
      イ  レーザー機器管理者の氏名
      ロ  レーザー光線の危険性、有害性及びレーザー機器取扱い上注意すべき事項
      ハ  レーザー機器の設置を示す表示
    (2)  レーザー機器の高電圧部分には、その旨を表示するとともに、当該部分に接触することによる
        感電の危険を防止するための措置を講じること。
    (3)  レーザー光路の付近に、爆発性の物、引火性の物等を持ち込まないこと。
    (4)  レーザー業務を行う際、有害ガス、粉じん等が発生する場合には、これらによる健康障害を防
        止するため、密閉設備、局所排気装置等の設置、防毒マスク、防じんマスクの使用等労働安全衛
        生法令所定の措置を講じること。
    (5)  レーザー光線による障害の疑いのある者については、速やかに医師による診察又は処置を受け
        させること。
III  クラス3Rのレーザー機器に係る措置
  1.レーザー機器
  (1)レーザー光路に対する措置
   イ レーザー光路は、作業者の目の高さを避けて設置すること。
   ロ 400nm〜700nmの波長域外のレーザー光線を放出するレーザー機器については、レーザー光路
    は、可能な限り短く、折れ曲がる数を最小にし、歩行路その他の通路と交差しないようにする
    とともに、可能な限り遮へいすること。
   ハ 400nm〜700nmの波長域外のレーザー光線を放出するレーザー機器については、レーザー光路
    の末端は、適切な反射率と耐熱性を持つ拡散反射体又は吸収体とすること。
    (2)  警報装置
          400nm〜700nmの波長域外のレーザー光線を放出するレーザー機器については、レーザー光線
          を放出中であること又は放出可能な状態であることが容易に確認できる自動表示灯等の警報
          装置を設けること。
    (3)  レーザー光線の放出口には、その旨の表示を行うこと。   
  2.作業管理・健康管理等
    (1)  光学系調整時の措置
          レーザー光線により光学系の調整を行う場合は、調整に必要な最小の出力のレーザー光線によ
        り行うこと。
    (2)  保護具等の使用
          400nm〜700nmの波長域外のレーザー光線を放出するレーザー機器を取り扱う業務又は当該レー
         ザー光線にさらされるおそれのある業務を行う場合には、レーザー光線の種類に応じた有効な
         保護眼鏡(注)を作業者に着用させること。ただし、眼に障害を及ぼさないための措置が講じ
         られている場合はこの限りでない。
        注)レーザー用保護眼鏡(メガネ形式とゴーグル形式がある。)を用いること。
    (3)  点検、整備
      イ 作業開始前に、次に定めるところにより、レーザー光路、インターロック機能等レーザー機
    器及び保護具の点検を行うこと。
     [1] レーザー機器管理者を選任している場合は、レーザー機器管理者が自ら行い、又はレーザー
      業務従事者に行わせること。
     [2] レーザー機器管理者を選任していない場合は、レーザー業務従事者が自ら行うこと。
      ロ  一定期間以内ごとに、レーザー機器について専門的知識を有する者に次の項目を中心にレーザ
        ー機器を点検させ、必要な整備を行わせること。
        [1]  レーザー光線の出力、モード、ビーム径、広がり角、発振波長等の異常の有無
        [2]  入力電力、励起電圧・電流、絶縁、接地等の異常の有無
        [3]  安全装置、自動表示灯、シャッター、インターロック機能等の作動状態の異常の有無
        [4]  パワーメーター、パワーモニター等の異常の有無
        [5]  ファン、シャッターその他の可動部分の異常の有無
    (4)  安全衛生教育
        レーザー業務に従事する労働者を雇い入れ、若しくは労働者の作業内容を変更して当該業務につ
      かせ、又は使用するレーザー機器を変更したときは、労働安全衛生法第59条第1項又は第2項に基
      づく教育を行うこと。この場合、特に次の事項が含まれるよう留意すること。
      [1]  レーザー光線の性質、危険性及び有害性
      [2]  レーザー機器の原理及び構造
      [3]  レーザー機器の取扱い方法
      [4]  安全装置及び保護具の性能並びにこれらの取扱い方法
      [5]  緊急時の措置及び退避
    (5)  健康管理
        レーザー業務従事者(400nm〜700nmの波長域外のレーザー光線を放出するレーザー機器を取
       り扱う業務又は当該レーザー光線にさらされるおそれのある業務に常時従事する労働者に限
       る。)については、雇い入れ又は配置替えの際に視力検査に併せて前眼部(角膜、水晶体)
       検査を行うこと。
  3.その他
    (1)  レーザー機器等の見やすい箇所に次の事項を掲示すること。
      イ  レーザー機器管理者を選任した場合には、その者の氏名
      ロ  レーザー光線の危険性、有害性及びレーザー機器取扱い上注意すべき事項
    (2)  レーザー機器の高電圧部分には、その旨を表示するとともに、当該部分に接触することによる感
      電の危険を防止するための措置を講じること。
    (3)  レーザー光線による障害の疑いのある者については、速やかに医師による診察又は処置を受けさ
      せること。
IV クラス1M又はクラス2Mのレーザー機器に係る措置
  1 レーザー機器
  レーザー光路に対し、次の措置を講じること。
    (1)レーザー光路は、作業者の目の高さを避けて設置すること。
    (2)JIS規格10.6に掲げるレーザー機器にあっては、レーザー光路の末端は、適切な反射率と耐熱
  性をもつ拡散反射体又は吸収体で終端すること。
  2 作業管理等
    (1)光学系調整時の措置
   レーザー光線により光学系の調整を行う場合は、調整に必要な最小の出力のレーザー光線に
  より行うこと。
    (2)点検・整備
      イ 作業開始前に、レーザー光路等レーザー機器の点検を行うこと。
      ロ 一定期間以内ごとに、レーザー機器について専門的知識を有する者に次の項目を中心にレ
    ーザー機器を点検させ、必要な整備を行わせること。
      [1] レーザー光線の出力、モード、ビーム径、広がり角、発振波長等の異常の有無
      [2] 入力電力、励起電圧・電流、絶縁、接地等の異常の有無
      [3] 安全装置等の作動状態の異常の有無
      [4] パワーメーター、パワーモニター等の異常の有無
      [5] ファンその他の可動部分の異常の有無
    (3)安全衛生教育
   レーザー業務に従事する労働者を雇い入れ、若しくは労働者の作業内容を変更して当該業務
  に就かせ、又は使用するレーザー機器を変更したときは、労働安全衛生法第59条第1項又は第2
  項に基づく教育を行うこと。
   この場合、特に、次の事項が含まれるよう留意すること。
      [1] レーザー光線の性質、危険性及び有害性
      [2] レーザー機器の原理及び構造
      [3] レーザー機器の取扱い方法
      [4] 緊急時の措置
  3 その他
    (1)レーザー機器等の見やすい箇所にレーザー光線の危険性、有害性及びレーザー機器取扱い上注
  意すべき事項を掲示すること。
    (2)レーザー機器の高電圧部分には、その旨を表示するとともに、当該部分に接触することによる
  感電の危険を防止するための措置を講じること。
    (3)レーザー光線による障害の疑いのある者については、速やかに医師による診察又は処置を受け
  させること。
レーザー機器のクラス別措置基準一覧表  (表)

別表I   クラス1のレーザー機器に関する被ばく放出限界  (表)

別表II  クラス2のレーザー機器に関する被ばく放出限界  (表)

別表III クラス3Aのレーザー機器に関する被ばく放出限界  (表)

別表IV  クラス3Bのレーザー機器に関する被ばく放出限界  (表)

(備  考)
1.  別表I〜IVに使われている単位は、次の通りである。
      放射束;放射パワー(W)
        放射の形態で放出、伝送又は受信されるパワー。
      放射エネルギー(J)
        放射の形態で放出、伝送又は受信されるエネルギー。
      放射輝度(W/m2sr)
        放射面の単位面積当り、放出の単位立体角当りの放射パワー。
      積分放射輝度(Jm2sr)
        与えられた露光時間にわたっての放射輝度積分量で、放出の単位立体角当りで、放射面の単位面
      積当りの放射エネルギーとして表わす。
      放射照度(W/m2sr)
        面の1点において、その1点を含んだ素面に入射する放射束を、その素面の面積で割った商。
      放射露光(J/m2)
        素面に入射した放射エネルギーを、その素面の面積で割った商。
2.  別表I〜IVに用いられている補正係数C1〜C4と折点T1及びT2は、次の式で表わされる。
(表)

(参考1)レーザー光線の主要な応用技術一覧 (図)

エネルギー的利用装置のマーケット  (表)

レーザー加工が使われている産業分野  (表)
  
(参考  2)
レーザー光線の人体に与えられる影響
1.有害作用
    レーザー光線が身体局所に照射されると熱作用による蛋白の変性、細胞組織との光化学反応及び衝撃
  波(プラズマ流及びそれに伴う圧力波)による組織破壊が起こる。
    このような生体影響は、レーザー光線の波長、出力、出力波形(連続波又はパルス波)等によって異
  なるが、一般に皮膚よりも眼の方が重篤で不可逆的な変化を生じやすい。
    なお、レーザー光線の直接的な生体作用のほかに、レーザー光線が被加工物や装置周辺の他の物体を
  照射して起こる有害物の発散等による二次的障害にも留意する必要がある。
  (1)  眼の障害(表1及び参照)
    イ  連続波又は長パルスレーザーを放射するアルゴンレーザー、YAGレーザー、CO2レーザー等で
      は、熱作用又は光化学作用により次に掲げる障害が起こる。
      [1]  視覚焦点域外の波長(紫外部(200〜400nm)及び赤外部の一部(1,400〜106nm))をもつレ
          ーザー光線は、角膜、水晶体等の組織に吸収されて角膜火傷、視力低下を伴う白内障等を起こ
          す。
      [2]  視覚焦点域内の波長(可視部(400〜780nm)及び赤外部の一部(780〜1,400nm))をもつレ
          ーザー光線は、眼の光学系(角膜、水晶体)により網膜上に集光されて密度が概ね105倍大き
          くなるため、以下に掲げるような障害をもたらす。
          i)網膜(中心か付近)に吸収される連続波レーザー光線は、主として熱作用により網膜火傷
            を起こす。
          ii)波長が概ね430nm 付近の可視光レーザー(網膜視細胞の視感色素に吸収される。)は、主
            として光化学作用により網膜障害を起こす。
    ロ  短パルスの高いピークパワーのレーザーを放射するYAG(Q−スイッチ)レーザー、CO2レー
      ザー等では、衝撃波により網膜火傷、眼底出血等が起こり、しばしば高度の視力低下を伴う。
  (2)  皮膚の障害
        高出力のレーザー光線に対する過度のばく露を受けると軽度の紅斑から水泡形成、熱凝固、炭化
      までの変化が起こる。

2.わが国における災害事例(表2参照)
    わが国において発生したレーザー光線による災害事例としては、表2に掲げるような眼の障害がみら
  れている。


(参考  3)
レーザー安全基準に関する動向〔各国の基準について〕
1.国際電気標準会議(IEC)
    IEC/TC76がレーザー装置に関する国際標準化を担当しており、第1回会議は1974年6月(バー
  デンバーデン)、その後1975年9月(ハーグ)、1974年6月(モスコー)、1983年2月(チューリッヒ)
  と開催されている。モスコー会議の結果、6か月規則投票を行うことが決定され、76.(C.O.)4
  〔レーザー装置の電気的安全〕が1978年4月76.(C.O.)6〔レーザー機器の放射安全、機器の分類、
  要求事項及び使用者への指針〕が1980年4月それぞれ加盟各国へ賛否投票のため回付された。
  それぞれ投票結果報告文書76.(C.O.)5及び76.(C.O.)7によると、多量の各国意見が提出され、
  また、相互に食い違う見解が多く提出されたため、意見調整の難しい項目は今後の審議とし、幹事で一
  部修正の上、IEC作業用一般指令(6.1.5b)項によって、賛成国の増加を計るため更に2か月手
  続きによる投票に付すこととし、76.(C.O.)4に対する76.(C.O.)9は1982年9月、76.(C.O.)
  6に対応する76.(C.O.)8は、1982年7月それぞれ各国へ回付された。その投票結果報告文書は76.
  (C.O.)12及び76.(C.O.)11で、記述上の修正を加えてIEC Pub 1.825(1984)となった。
2.国際標準化機構(ISO)
    ISO6161−1981〔人間の眼の保護具・レーザー放射に対するフィルター及び眼の保護具〕
3.世界保健機構(WHO)
    環境保健基準  No.2:レーザー及び光学放射
4.各国のレーザー安全に関する規格、法規及びガイドライン
  (1)  オーストラリア
        オーストラリア規格協会
      ・AS−2211−1981〔レーザー安全〕
      ・AS−2397−1980〔建設産業におけるレーザー安全使用に対するガイド〕
        この外、Wesrern Australia の「レーザー使用のガイドライン」、Tasmaniaの「レーザー放射管
      理規則」などがある。
  (2)  デンマーク
        Arbejdstilsynet においてIEC/76の原案を基礎にして、レーザー作業における安全措置につ
      いての指示が1971年2月23日暫定的に規定されていたが、最近のIEC案によって規格化作業を行
      っている。この外、レーザー製品に対する取締りが別途暫定的に制定されており、輸入品に対して
      適用されている(とくにラベル)。
  (3)  カナダ
        Sante et Bien-etre social(健康保健省)
        Direction generale de la protection de Sante(健康予防局)
      ・Radiation Emitting Devices Act, Chapter 34
        この中にレーザーに関しては、Radiation Emitting Devices RegulationがPartIから規定されて
      おり、PartVII〔レーザー・スキャナ〕、PartVIII〔実演用レーザー〕がある。
        Canada Gazetteにおいて修正、追加がすべて公示される。最近のものとして、
        PC−1977−3123〔レーザー・スキャナ〕−1977.11.3
        PC−1977−3127〔実演用レーザー〕
      ・この外に健康保健局からILNo.574 で、1979年12月13日付で「レーザーライトショー安全使用及
      び操作指針」が公布されている。
        カナダにおいては、Radiological Healthの取締法の中に、レーザー製品の条項を入れる作業に
      入っている。その草案では、後出の米国の21CERの内容とおなじものがとり込まれている。
  (4)  フランス
        国家安全協会
      ・レーザー安全取扱注意文書
        フランス電気協会(UTE)
      ・C74−310(1973.3.29)〔最大電圧5KV以下のパルスレーザー光凝固装置〕
      ・レーザー放射安全規則〔IECに準拠、1984年中に刊行〕
        厚生省
      ・医用レーザー装置〔1984年刊行〕
  (5)  西ドイツ
        ドイツ規格協会
      ・DIN  58215〔レーザービームに対する保護スクリーン及びゴーグル〕(1974.9)改正
      ・DIN  56912〔ステージで使用するレーザー安全要求事項〕(1982.6)
      ・DIN  58126−T6〔教育・学習・訓練用レーザー機器の安全要求事項〕(1981.4)
      ・DIN  57836〔レーザー装置の電気的安全仕様−VDE0836〕(1977.2.1)
      ・DIN  IEC76(C.O.)6/VDE0837〔レーザー製品の放射安全、装置の分類、要求事項
      及び使用者への指針〕(1981)
        鉱山省
      ・CWレーザーシステムの承認規則(2mW以下のヘリウムネオンレーザー)建築協会
      ・VBG−94(災害予防規則)(レーザー光線)(1973.3.29)目下改正中である。
      ・上記の施行基準と説明(1974.4)
  (6)  オランダ
        保健・環境保護省
        レーザーを含めての規則を準備中である。
  (7)  ノルウェー
        放射線衛生協会
        IEC原案を基準にして1984年中に規格を作成する予定である。
  (8)  スウェーデン
        職業安全保健局
      ・Swedish Radiation Protection Act
      ・AFS  1981:9〔レーザーに関する規則〕
        スウェーデンレーザー放射予防協会
      ・SSI  FS  1980:2〔レーザー規則〕
      ・SSI  FS  1983:3〔クラス3B及びクラス4レーザー〕
        この外にレーザー光源のパワー測定の規則を制定準備中である。
  (9)  スイス
        SUVA
        IEC原案を基準にして、1983年末までに下記の原案が出来上がっている。
      ・TM−PH−044
      ・TM−PH−045
      ・TM−PH−046
        これらは、1985年までに規格〈レーザー放射安全規格〉として、制定する予定である。
  (10)  欧州電気標準化委員会(CENLEC)
      ・HD  194〔レーザー装置の電気的安全要求事項〕(1974)
      ・レーザー操作時の公衆保健法
  (12)  英  国
        英国規格協会(BSI)
      ・BS−72/61379DCレーザー放射に対する眼の保護
      ・BS−4803(レーザー放射安全規格)は、1983年6月に第2版が出されたが、1984年に(レーザ
      ー製品の定義)、(クラス分けのための時間基礎)、(クラス1の二重限界)、(屋外及び工事用
      レーザー装置のクラス3Aレーザー製品)等に改正された。
  (13)  米  国
        米国産業衛生協議会(ACGIH)
      ・レーザー障害の管理に関するガイド(1981)
      ・作業室環境における化学的物質及び物理的試薬に関する限界値
        保健社会省(HHS)/食品医薬品局(FDA)/CDRH
      ・21CFR/Part  1040(光放出製品の施行基準)の1040.10(レーザー製品)及び1040.11(特定
      目的のレーザー製品)
        この1040.10及び1040.11は1976年8月2日発効、その後1978年11月28日43FR55387によって修
      正されている。しかしその後この基準の実施経験及び新しいレーザー製品の出現によって改正の必
      要があり、1980年11月7日45FR74374並びに1980年11月18日付のNo.1によって意見を求めていた
      が、更にそれらによる修正を行って1983年11月30日付の48FR54164 によって第2次改正を施行す
      るため意見を求め1984年4月1日で改訂予定であったが、延期されている。
      ・その他CDRH(旧BRH)より公布される通達(適用例外的措置は、いずれの連邦機関も全部
      この通達によるので、関係者は常に閲覧の要がある。)
        各州の厚生局、労働局その他関係局の法則
      ・目下17州においてはレーザーの取扱い基準又は法規が施行されている。例えばNew York州 : 
      Code Rule 50, Texas州 : Radiation Control ActのPart50,60,70 Georgia州 : Ch270−5−27
      など。
        国防省
      ・MIL−STD−1425(軍用レーザー及び付帯支援装置の安全設計要求事項)
        海軍省
      ・NAVELEX  INSTRUTION  5100.12(海軍レーザー危険予防プログラム)
        陸軍省
      ・TBMED279(レーザー放射の障害に対する保健管理)
        米国規格協会
      ・ANSI  Z87.1−1979(業務及び教育上の眼と皮膚の保護の実施要綱)
      ・ANSI  Z136.1−1980(レーザー安全使用)、1980年版は第3版であり、わが国を含め世界
      で広く、引用・参考とされている規格である。
        ANSIでは、1984年から(レーザーダイオード及び発効ダイオード光源を利用したオプティカ
      ルファイバ通信システムの安全使用)の検討が行われており、Z136.1規格とは異なった管理尺度
     (最大許容露光量、被ばく放出限界、その他要求事項等を含め)が規定されることになる。これは
      Z136.2規格になる予定である。
        さらに引続いて(医用レーザーシステムの安全使用)の審議に入ることになっている。

〔レーザー製品の放射安全基準JISについて〕
  光産業振興協会は、通商産業省工業技術院の委託をうけ、オプトエレクトロニクスの中で、光ファイバ、
光コネクタ、光能動部品、光受動部品、レーザー出力測定法、レーザー安全性、太陽電池の標準化に関す
る調査研究を行い、日本工業規格素案の作成を進めてきた。
  この標準作業は、協会内に標準化委員会及び専門委員会を組織し、昭和56年度から5年計画で進めてい
る。

〔レーザー機器導入・安全取扱い講習会〕
((財)光産業技術振興協会)テキストより抜粋