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保護帽の規格の一部を改正する告示の適用について

改正履歴



                                       基 発 第 474号
                                       平成3年7月30日
 

都道府県労働基準局長 殿
 

                                    労働省労働基準局長
 
 
 
          保護帽の規格の一部を改正する告示の適用について



 保護帽の規格の一部を改正する告示(平成3年労働省告示第39号)は、平成3年6月5日に公布され、同年8
月1日から適用されることとなった。
 今回の改正は、昭和60年7月30日に政府・与党対外経済対策推進本部が決定した「市場アクセス改善の
ためのアクション・プログラムの骨格」において、保護帽の規格について諸外国の規格との整合化につ
いて検討することとされたこと等を踏まえて行ったものである。
 ついては、下記に留意の上、その運用に遺憾のないようにされたい。
 なお、昭和50年12月17日付け基発第746号の記の第1のうち、3の(1)及び6の(4)を削り、5の(1)及び6の
(3)に関しては、物体の飛来又は落下による危険を防止するための保護帽(以下「飛来・落下用保護帽」と
いう。)について適用しない。


                      記


1   改正の要点
 (1)  衝撃吸収ライナーについて、帽体の「内面にはり付けられる」部品としていたものを「内部に取
  り付けられる」部品としたこと。(第1条関係)
 (2)  あごひもの材料について皮革を加えたこと。(第2条関係)
 (3)  合成樹脂を材料とする帽体の構造にあっては穴(着装体及びあごひもを取付けるためのものを除く。
  )がないこととされていた規定を削除したこと。(第4条、第5条関係)
 (4)  飛来・落下用保護帽の耐貫通性能及び衝撃吸収性能に関する試験方法、性能等について、国際標
  準化機構規格(以下「ISO規格」という。)との整合を図ったこと。(第6条、第8条関係)
2   細部事項
 (1)  第1条関係
   衝撃吸収ライナーの帽体への装着方法については、衝撃吸収ライナーを帽体の内面から挿入した
  後、その上にクッションで覆う方法もあることから「内部に取り付けられる」としたこと。
 (2)  第2条関係
   諸外国では、あごひもの材料に皮革を用いている例があり、また、強度等も合成樹脂等と同等以
  上の性能があると認められることから、これを加えたこと。
 (3)  第4条及び第5条関係
   帽体に穴を開けることについては、諸外国で禁止されている例はなく、ISO規格でも「ventilation
  hole」として通気等のための穴を開けることを認めていること等から、規格に定める強度等の諸性能
  を具備している限り、穴を開けることができることとしたこと。
 (4)  第6条関係
   飛来・落下用保護帽の耐貫通性能の試験方法・性能について、次のように改めたこと。
  イ  試験方法について、図1のような人頭模型にヘッドバンドが密着しないように保護帽を装着し、
   図2のような重さ3キログラムの円すい形ストライカを保護帽の頂部を中心とする直径100ミリメー
   トルの円周内に1メートルの高さから自由落下させることとしたこと。
    なお、頂部すき間を調節できる保護帽について試験を行う場合は、頂部すき間を最短にして行
   うこととしたこと。
  ロ  円すい形ストライカの重さは3-0+0.05キログラム、自由落下させる高さは1±0.005メートルと
   すること。
  ハ  ストライカのチップの形状については、円すい角は60±0.5度、円すい高さは40ミリメートル以
   上とし、円すいチップの首部の直径46ミリメートルの許容範囲については、円すい高さを確保す
   る範囲とすること。
  ニ  ストライカの落下点は、人頭模型の垂直方向の中心軸を中心とした直径6ミリメートルの円周内
   とすること。
  ホ  円すい形チップの硬さをロックウエルC45以上50以下としたこと。
  ヘ  性能について、円すい形ストライカの先端が人頭模型に接触しないこととしたこと。
    なお、接触の有無の確認については、人頭模型の頭頂部に、電気的に接続できる導電性物質を
   埋め込んで、ストライカの先端と人頭模型との電気的接触の有無を指示計により調べる方法もあ
   ること。
  ト  平成3年1月1日からJIS鉄鋼関係の標記方法が変更されたことに伴い一般構造用圧延鋼材の規格
   の標記をSS400に改めたこと。
 (5)  第7条関係
  イ  墜落による危険を防止するための保護帽(以下「墜落用保護帽」という。)の耐貫通性能につい
   て、飛来・落下用保護帽の規定と分けて墜落用保護帽の単独規定としたこと。
  ロ  (4)トと同様に一般構造用圧延鋼材の規格の標記をSS400に改めたこと。
 (6)  第8条関係
  イ  飛来・落下用保護帽の衝撃吸収性能の試験方法・性能について、次のように改めたこと。
   [1]  試験方法について、重さ5キログラムで半径48ミリメートルの半球形衝撃面を有するストライ
    カを使用することとしたこと。
   [2]  半球形ストライカの重さは5.0-0+0.1キログラム、自由落下させる高さは1±0.005メートルと
    すること。
   [3]  性能について、人頭模型にかかる衝撃荷重を500キログラム以下としたこと。
  ロ  墜落用保護帽の衝撃吸収性能について、保護帽に著しい損傷が生じないことという規定を削除
   したこと。
  ハ  (4)トと同様に一般構造用圧延鋼材の規格の標記をSS400に改めたこと。
 (7)  附則関係
   適用日において現に製造している保護帽及び現に存する保護帽については、新規格は適用されな
  いこと。又、適用日において現に旧規格の型式検定に合格している型式の保護帽については、型式
  検定合格証の有効期間中製造又は輸入されるものには新規格は適用されないこと。





             図1 人頭模型図(単位 ミリメートル)
 
表

                  図2 ストライカ
図 

 備考
1  寸法の単位は、ミリメートルとする。
2  円すい形チップの先端は、半径0.5ミリメートルの半球状とする。