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橋梁建設工事における労働災害防止対策の徹底について
改正履歴
  標記については、従来からその徹底を図ってきたところであるが、昨年3月14日、広島市の「新交通1
号線上部工事第6工区その2工事」現場において、橋桁を架設するためのジャッキによる橋桁の降下作業
中、ジャッキの受台の崩壊により橋桁が落下し、一般住民を含む15名(うち工事関係者5名)が死亡し、
8名(うち工事関係者3名)が負傷するという重大災害が発生したことは、誠に遺憾に堪えないところで
ある。
  本省においては、本災害の重大性にかんがみ、特別調査団(団長  能町純雄日本大学生産工学部教授)
を設置し、現地調査をはじめとして災害原因の究明と同種災害の防止対策の検討を行い、その調査結果が
別添のとおり取りまとめられ、これを踏まえて、関係業界団体に対し別紙のとおり要請したところである。
  また、本日、当該災害に関し、可部労働基準監督署では当該工事を施工していた事業者等を労働安全衛
生法違反の疑いで送致したところである。
  ついては、各局においても関係事業者に対し本趣旨を周知するとともに、監督指導、計画の届出に係る
審査等に当たっては、本趣旨の徹底を図り、同種の橋梁建設工事における労働災害の防止に万全を期され
たい。

(別紙)

基発  第  71  号
平成4年2月26日

建設業労働災害防止協会会長  殿
(社)日本建設業団体連合会会長  殿
(社)日本土木工業協会会長  殿
(社)全国建設業協会会長  殿
(社)日本橋梁建設協会会長  殿
(社)プレストレスト・コンクリート建設業協会会長  殿

橋梁建設工事における労働災害防止対策の徹底について

  労働災害の防止については、特に死亡災害の撲滅を目指して種々の対策を推進しているところでありま
す。
  しかしながら、昨年3月14日、広島市の「新交通1号線上部工事第6工区その2工事」現場において、
橋桁を架設するためのジャッキによる橋桁の降下作業中、ジャッキの受台の崩壊により橋桁が落下し、一
般住民を含む15名(うち工事関係者5名)が死亡し、8名(うち工事関係者3名)が負傷するという重
大災害が発生したことは誠に遺憾に堪えないところであります。
  労働省では、本災害の重大性にかんがみ、特別調査団、(団長  能町純雄日本大学生産工学部教授)を
設置し、現地調査をはじめとして災害原因の究明と同種災害の防止対策の検討を行い、その調査結果が別
添のとおり取りまとめられたところであります。
  また、本日、当該災害に関し、可部労働基準監督署では当該工事を施工していた事業者等を労働安全衛
生法違反の疑いで送致したところであります。
  ついては、貴協会におかれましては、下記事項に留意の上、同種の橋梁建設工事における労働災害防止
対策のより一層の充実を図るよう、会員事業者に対し周知徹底されたく要請いたします。

記
1  計画段階における安全性の検討
    当局において公表している「鋼橋架設工事に係るセーフティ・アセスメントに関する指針」又は「プ
  レストレストコンクリート橋架設工事に係るセーフティ・アセスメントに関する指針」に基づき、セー
  フティ・アセスメント(安全衛生面からの事前評価)を確実に実施すること。
2  安全管理体制等
  (1)  橋桁の架設作業を行う場合には、当該作業に関し十分な知識と経験のある者を作業の指揮者に指
      名し、この者に作業の方法及び作業者の配置を決定させ、作業を直接指揮させること。
  (2)  橋桁の降下作業と同時に足場の組立て作業を行う等の危険な作業を排除するため、元方事業者は、
      作業間の連絡及び調整を十分に行うこと。
  (3)  現場において適切な計画の作成、安全な施工が行われるよう、マニュアル、安全基準等の作成、
      計画の審査、安全パトロールの実施等により本社、支店等の店社における現場に対する指導を充実
      すること。
3  作業計画
    橋桁の降下作業を含めた橋梁架設作業の各工程について、作業の方法及び順序、部材の落下又は部材
  により構成されているものの倒壊を防止するための方法、作業に従事する者の墜落による危険を防止す
  るための設備の設置の方法等を定めた作業計画を作成し、この作業計画により作業を行うこと。
4  安全教育等
    作業を指揮する者及び作業者に対する安全教育を的確に実施すること。また、作業者に対し作業方法
  や手順を十分徹底すること。
5  悪天候時の作業中止等
    強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、作業を中止する
  こと。また、風による荷重の増加等に留意すること。
6  橋桁降下作業における安全の確保
  (1)  工事用設備等
    イ  橋桁を支えるジャッキの頂部が接触する橋桁のフランジ部分に変形を生じさせないため、ジャッ
      キの位置をジャッキの頂部が橋桁のウェブ又はリブのある箇所等十分な強度をもつ箇所に接触する
      位置とすること等の措置を講じること。
    ロ  仮受台及びジャッキ受台の耐力を検討し、仮受台及びジャッキ受台の部材の配置、組合せが十分
      な強度を持つものとすること。また、仮受台及びジャッキ受台の部材としては、板状の鋼材、座屈
      等に対する補強がなされたH形鋼等十分な強度を有する部材を用いること。
    ハ  橋脚の上面に鋼管等の足場用部材を設置する場合には、その位置等に関する計画をあらかじめ定
      めておくことにより、安定性の高い仮受台及びジャッキ受台を設置することが可能な状態にしてお
      くこと。
  (2)  施工方法、作業方法等
    イ  橋桁の架設作業を行う場合には、控えワイヤロープの設置、平行した橋桁の連結等により、橋桁
      の落下を防止するための措置を講じること。また、必要に応じ、架設作業を行う場所の周辺につい
      て、立入禁止区域の設定を行うこと。
    ロ  同一橋脚上で複数の降下設備を用いるときは、降下速度を同一にするとともに、一回の降下量を
      小さくすることにより、橋桁の各支持点の支持力が大きく変化しないようにすること。
    ハ  仮受台上に、ジャッキのストローク量に応じた鉄板を積み重ねたり、取り除いたりすることによ
      り、橋桁と仮受台との間隔を最小に保つようにすること。
    ニ  橋桁が曲線桁であるもの、橋桁の断面形状が逆台形であるもの、橋桁につり足場を取り付けてい
      るもの等については、重心位置の偏りを考慮すること。