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ゴンドラ構造規格の適用について



改正履歴
基発第452号
平成6年7月12日
都道府県労働基準局長殿
労働省労働基準局長


ゴンドラ構造規格の適用について
 ゴンドラ構造規格(平成6年労働省告示第26号、以下「新規格」という。)は、平成6年3月28日に公布さ
れ、平成6年8月1日から適用されることとなった。
 今回の改正は、最近におけるゴンドラに係る技術の進歩及びゴンドラを使用する建築物の高層化の進展
に対応させるとともに、諸外国のゴンドラの構造に関する規格との整合性の確保を図るため、従来の規格
を全面的に見直したものであり、ゴンドラの安全確保等をより一層推進しようとするものである。これに
伴い、従来のゴンドラ構造規格(昭和44年労働省告示第53号。以下「旧規格」という。)は、廃止される。
 ついては、今回の改正の趣旨を十分理解し、関係者への周知徹底を図るとともに、下記の事項に留意の
上、これが運用に遺憾のないようにされたい。
 なお、旧規格に関する従前の通達については、新規格の相当条文に関する通達として取り扱うこととし、
別紙の1から3までに掲げる通達をそれぞれに定めるところにより改正するとともに、別紙の4に掲げる通
達を廃止する。

                      記

第1 旧規格との主な相違点
 1 構造部分に使用できる材料にステンレス鋼及びアルミニウム合金を追加し、それに伴う所要の整
  備を行ったこと。(第1条から第3条まで、第5条及び第7条関係)
 2 国際単位系との整合性を図るため、力の単位を「ニュートン」とし、それに伴う所要の整備を行っ
  たこと。(第2条、第3条、第7条、第10条から第12条まで、第15条及び第17条関係)
 3 輸入したゴンドラに対応できるよう規定を整備したこと。(第3条、第9条から第11条まで、第30条
  第2号、第41条及び第45条関係)
 4 材料に係る計算に使用する許容応力の値を計算式により求めることとしたこと。
   (第3条及び第7条関係)
 5 積載荷重、昇降慣性力及び走行慣性力を求める基準を変更したこと。(第9条から第11条まで関係)
 6 軌道式のゴンドラの軌道切り替え部での脱輪の防止のための構造を定めたこと。
   (第20条関係)
 7 管等で覆われているワイヤロープについて、容易に点検できる構造を定めたこと。
   (第42条関係)
 8 人力によるゴンドラ(人力により昇降するゴンドラ)のブレーキに関する規定を削除したこと。
 9 その他クレーン構造規格等との整合性を図ったこと。

第2 細部事項
 1 第1条関係
  (1) 第1項本文の「ゴンドラのうち、囲い、覆いその他人を乗せて昇降させるための支持部分以外
    の部分及び機械部分を除いた部分」とは、構造部分の定義を示したものであり、「囲い」及び
    「覆い」は構造部分に該当しない部分の代表例として示したものであること。
  (2) 「構造部分」には、上部支持金具及び跨座式突りょう等並びにスターラップのように手すりの
    形状をしていても作業床に掛かる荷重を支える部分が含まれること。
  (3) 第1項本文の「同等以上の化学成分及び機械的性質を有する鋼材若しくはアルミニウム合金材」
    としては、別表に掲げる鋼材及びアルミニウム合金材があること。
     なお、別表により難い場合については、当分の間、あらかじめ本省に照会すること。
  (4) 第1項ただし書の「労働省労働基準局長が認めた」材科としては、ドイツ連邦規格(以下「DlN」
    という。)1614 Part2 StW24があること。
  (5) 第2項の「床板等」には、チェア型のゴンドラ(8(2)を参照)の座板床板を支える角材等が含ま
    れること。
  (6) 第2項の「アルミニウム合金材(前項第11号の材料を除く。)」としては、日本工業規格(以下
    「JIS」という。)H4000(アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条)、DIN 1745に定めるア
    ルミニウム合金の板等があるここ。
     なお、第2項では「前項第11号の材料を除く」とあるが、同号のアルミニウム合金材について
    は、第1項において構造部分の材料として使用することが認められており、作業床の床板等とし
    て使用して差し支えないこと。
  (7) 第3項の「繊維の傾斜」とは、いわゆる木目又は木理の傾斜をいうこと。

 2 第3条関係
  (1) Fの値は、JISに定められた材料の「降伏点」又は「耐力」及び「引張強さ」のそれぞれの最小
    値をもとに求めること。
     なお、第1条第1項の「同等以上の化学成分及び機械的性質を有する鋼材若しくはアルミニウム
    合金材」についても、それぞれの規格に定められた材料の「降伏点」又は「耐力」及び「引張強
    さ」のそれぞれの最小値をもとにFの値を求めること。
  (2) 第1項は、Fの値から材料の許容引張応力、許容圧縮応力、許容曲げ応力、許容せん断応力及び
    許容支え圧応力の値を求める計算式を定めたものであること。
  (3) 第1項の「支え圧応力」とは、ボルト、ピン等を板穴に通す場合の当該穴の周囲の板厚方向断
    面に、ボルト、ピン等を支えるために生ずる応力をいうこと。
  (4) 第2項は、材料の許容座屈応力の値を求める計算式を定めたものであること。

 3 第4条関係
  (1) 第1条第1項の「同等以上の化学成分及び機械的性質を有する鋼材」については、別表において
    それぞれ対応する第1条第1項の鋼材として、本条第1項の表を適用すること。
  (2) 第3項第1号の「全長」は、同種の溶接を行う箇所のそれぞれの長さを合計した長さとして差し
    支えないこと。

 4 第5条関係
  (1) 第1号に関して1(4)において労働省労働基準局長が使用することを認めたDIN 1614 Part2 StW24
    の許容応力の値については、以下によること。
    イ 材料に係る許容応力の値
      DINに定められた降伏点の最小値を第3条のFの値として、同条の規定に基づき求めた値とする
     こと。
    ロ 溶接部に係る許容応力の値
      第4条の第1項の表における鋼材の種類を「A」として、同条第1項の規定に基づき求めた値と
     すること。
  (2) 第2号に該当するアルミニウム合金材のうちJIS H4000 A6061P-T6並びにJIS H4100 A6061S-T6
    及びA6063S-T6の溶接部に係る許容応力(許容支え圧応力及び許容座屈応力を除く。)の値につい
    ては、下表のFの値の欄に掲げる値を第3条のFの値として、同条の規定に基づき求めた値とするこ
    と。
 
材料の種類Fの値(単位 N/mm2)
JIS H4000A6061P-T6110
JIS H4100A6061S-T6110
  A6063S-T680

 5 第6条関係。
   本条は、一時的に大きな力の加わる、風が吹くとき及び地震時の強度計算において、許容応力を割
  り増しすることができることを規定したものであること。

 6 第7条関係
   本条は、第1条第2項の規定に基づき作業床の床板等に使用する木材及びアルミニウム合金材の許容
  曲げ応力の値を定めたものであること。

 7 第8条関係
  (1) 第1号の「ゴンドラの自重」とは、人又は荷をのせない状態でゴンドラを構成するすべての部
    分の質量をいうが、建物等に固定された軌道等の質量は含まれないこと。
  (2) 第2号の「積載荷重」とは、ゴンドラ安全規則(以下「規則」という。)第1条第2号の積載荷重
    (質量)をいうこと。
  (3) 第3号の「昇降慣性力」とは、ゴンドラの作業床等の昇降による垂直方向の慣性力によって生ず
    る力をいうこと。
  (4) 第4号の「走行慣性力」とは、ゴンドラの走行及び旋回による水平方向の慣性力によって生ず
    る力をいうこと。
  (5) 第5号の「風荷重」とは、ゴンドラが風を受けることによって生ずる荷重(力)をいうこと。
  (6) 第6号の「地震荷重」とは、地震によって生ずる水平方向の荷重(力)をいうこと。

 8 第9条関係
  (1) 作業床の床面が区分されている場合には、その部分ごとに本条を適用すること。
     なお、オーバーハング部のあるゴンドラについてはオーバーハング部、環状のゴンドラ等につ
    いては作業床のうちつり下げられている箇所の間の部分のそれぞれの中央にその部分の面積に応
    じた集中荷重が加わるものとすること。
  (2) 「チェア型のゴンドラ」とは、椅子の形状をした作業床を持つゴンドラをいい、チェア型のゴ
    ンドラのほか、アーム固定型、アーム俯仰型及び懸垂型のゴンドラのうち作業床の形式がチェア
    式のものを含むものであること。
  (3) 「作業床の面積」の値は、手すり等の内側の寸法で計算するものとすること。
     ただし、作業床の用途に適さないキャブタイヤケーブルのかご等の部分は含まれないものとす
    ること。

 9 第10条関係
  (1) 本条は、ゴンドラの「昇降速度」に応じた「昇降慣性力」の値を定めたものであること。
  (2) 「昇降速度」とは、規則第1条第3号の「定格速度」又は同条第4号の「許容下降速度」のうち大
    きいものをいうこと。
  (3) 「昇降する部分」には、作業床、つり下げ用ワイヤロープ、キャブタイヤケーブル等が含まれ
    ること。

 10 第11条関係
  (1) 「走行慣性力」は、走行することのできるゴンドラのほか、旋回することのできるゴンドラに
    ついても考慮する必要があること。
     その場合、旋回する部分の自重を「走行する部分の自重」として走行慣性力を求めること。
  (2) 「走行する部分」には、作業床、つり下げ用ワイヤロープ、キャブタイヤケーブル等が合まれ
    ること。

 11 第12条関係
  (1) 本条の「風荷重」については、水平方向及び垂直方向の荷重が同時に作用することはないもの
    とし、それぞれの場合にづいて計算を行うものであること。
     なお、垂直方向の計算は、吹きおろしの場合について行うものであること。
  (2) 第1項の「風力係数」の値は、風洞試験によって得た値を用いるのが原則であるが、計算の便宜
    を図るため、第3項の表に代表的な値を示したものであること。したがって、この表の「ゴンドラ
    の風を受ける面の区分」のいずれに該当するかの判断が困難であるものについては、風洞試験を
    行うよう指導すること。
  (3) 第2項の表の速度圧の計算式は、「水平方向」の風速を16m/s、「垂直方向」の風速を8m/sとし
    て導いたものであること。
  (4) 第3項の表の「平板により構成される面」には、エキスパンドメタル、パンチングメタル等によ
    り構成される面が含まれること。
  (5) 第3項の表の「円筒の面」には、つり下げ用ワイヤロープ等のワイヤロープ及びキャブタイヤ
    ケーブルの面が含まれること。
  (6) 第3項の表の備考の「見付面積」とは、下図の斜線を施した部分の面積をいうこと。
 図
  (7) 第4項の規定にかかわらず、風を受ける面が風の方向に対して2面重なっており、かつ、2面の間
    隔が極めて接近している場含には、第1項の「受圧面積」の計算において、2面を一つの面として
    取り扱って差し支えないこと。

 12 第14条関係
   第1項第3号の荷重の組含せにおいては、11(5)にかかわらず、風荷重のうち、つり下げ用ワイヤロー
  プ及びキャブタイヤケーブルに作用する風荷重を省略して差し支えないこと。

 13 第15条関係
   本条は、床板等の強度計算の方法を定めたものであること。

 14 第16条関係
   本条は、完成品として組み立てられたゴンドラの剛性の保持を定めたものであること。

 15 第17条関係
  (1) 第1項は、跨座式突りょう等を用いて設置されたデッキ型及びチェア型のゴンドラにも適用され
    ること。
  (2) 第2項ただし書の「軌道式のゴンドラ」とは、軌道を持つゴンドラをいい、アーム固定型又は
    アーム俯仰型のゴンドラであって走行の形式が軌道式であるもの及び懸垂型のゴンドラをいうこ
    と。
  (3) 第2項ただし書の「レール等」の「等」には、レールを固定するアンカーボルト等が含まれるこ
    と。
  (4) 第2項ただし書の「台車の固定の効果を考慮して計算する」とは、レール等の部材の許容応力に
    よる転倒に対する抵抗モーメントを安定モーメントに加えて計算することをいうこと。

 16 第18条関係
  (1) 第1号の規定により、エキスパンドメタル等の穴明き材料は、床板材としては使用できないこと。
     ただし、作業床に水抜き穴を設けることは、差し支えないこと。
  (2) 第2号イの「丈夫な構造」とは、作業員等がぶつかった際の衝撃力により変形、破損等が発生し
    ないものをいうこと。
  (3) 第3号の「つま先板」には、パンチングメタル等の使用が認められること。

 17 第19条関係
  「金具等」の「等」には、「手すり」が含まれること。

 18 第20条関係
  (1) 第1項の「レールの端部」とは、レールごとの端部をいうものであること。
  (2) 第2項の「軌道の切り替わる部分の手前の位置」とは、すべての走行車輪について手前の位置で
    ある必要があること。
  (3) 第2項の「走行を停止させる構造」とは、ゴンドラの制御回路等が故障した場合であっても停止
    する構造であること。

 19 第22条関係
  (1) 「走行することのできるゴンドラ」とは、アーム固定型又はアーム俯仰型のゴンドラであって
    走行の形式が定置式であるもの、デッキ型のゴンドラ及びチェア型のゴンドラ以外のゴンドラを
    いうこと。
  (2) 人力により走行するゴンドラには、手締め式等のブレーキ又は歯止めを備えること。
  (3) 「走行を制動するためのブレーキ」とは、風速16m/sの風荷重での逸走を防止する機能を有する
    ものをいうこと。

 20 第23条関係
   「ピッチ円」とは、ドラム又はシーブにワイヤロープが巻かれた場合における当該ワイヤロープの
  断面の中心が作る円をいうこと。

 21 第24条関係
  (1) 第1項の「ドラムの溝にワイヤロープが巻き込まれる方向と当該溝に巻き込まれるときの当該ワ
    イヤロープの方向との角度」とは、次の図に示すαをいうこと。
 図
  (2) 第2項の「フリートアングル」とは、次の図に示すθをいうこと。
 図
 22 第25条関係
  (1) 第1項の「クランプ止め」とは、次の図に示す形式のものをいうこと。
 図
  (2) 第1項の「コッタ止め」とは、次の図に示す形式のものをいうこと。
  図 図
  (3) 第1項の「コッタ止め等」の「等」には、ワイヤクリップを用いる方法等があること。
  (4) 第2項の「ワイヤロープの端末が昇降装置から離脱しない構造のもの」としては、つり下げ用ワ
    イヤロープの端部にエンドクリップが取り付けられたもの又は離脱防止機構を組み込んだ昇降装
    置があること。

 23 第26条関係
   「十分な強度を有し」とは、昇降装置等に使用される機械部分について、曲げ、ねじれ、応力集中、
  疲労、衝撃等に応じてそれぞれ必要な安全係数がとられて設計及び工作がなされていることをいうこ
  と。

 24 第27条関係
  (1) ワイヤロープを用いる昇降装置の「巻過防止装置」の停止位置については、作業床の最上部と
    当該最上部と接触するおそれがあるアーム、シーブ等の下面との間隔が0.2m以上となるよう指導
    すること。
  (2) 「巻過ぎを防止するための警報装置」とは、ワイヤロープが巻過ぎの状態となる前に、音によ
    り自動的にその旨を運転者に警報する装置をいうこと。

 25 第28条関係
  (1) 第2項第1号の「水又は粉じんの侵入により機能に支障を生ずるおそれのない構造」とは、装置
    内部に水又は粉じんが侵入することによる電気部品の絶縁劣化、短絡、加熱、接触不良等機能の
    障害が生じないような防雨形、耐じん形等の構造であって、当該装置を設ける場所の環境に適し
    たものをいうこと。
  (2) 第2項第2号の「接点が開放されることにより巻過ぎが防止される構造のもの」とは、ワイヤ
    ロープの巻上げが正常に行われているときは巻過ぎ防止装置の内部の接点が投入(ON)されており、
    巻過ぎを防止すべき状態になると当該接点が開放(OFF)される構造のもの、すなわち、いわゆる常
    時閉路型の構造のものをいうこと。

 26 第29条関係
  (1) 本条は、水圧又は油圧を動力として用いる昇降装置等に備えるべき安全装置について規定した
    ものであること。
  (2) 第2項の「逆止め弁」には、操作レバーを中立にした場合に荷重を支える圧力側に設けられる逆
    流防止のバルブ等があり、いわゆるパイロットチェックバルブ等がこれに該当すること。
  (3) 第2項の「水圧又は油圧の異常低下」とは、ホースの破損又は連結部からの離脱等によって水圧
    又は油圧が低下することをいうこと。

 27 第30条関係
  (1) 第1号の装置には、メカニカルブレーキ、エディカレントブレーキ等が含まれること。
  (2) 第2号の装置には、ガバナーを用い、ドラムの回転を停止させる装置のほかに、ライフライン用
    ワイヤロープをキャッチし、作業床の下降を停止させる装置があること。

 28 第31条関係
  (1) 本条の「機構」は、作業床が傾いた場合に一方の昇降用操作スイッチを止め、他方の昇降用操
    作スイッチを入れることによって傾きを矯正することができるものであれば足りること。
  (2) 本条の「機構」としてターンバックルを用いる場合には、当該ターンバックルは操作しやすい
    位置に設けられ、かつ、ターンバックルの操作中にワイヤロープによじれが生じないような構造
    のものとするよう指導すること。
  (3) 本条は、昇降装置として複数の巻上用ドラムを用いるゴンドラであって、それぞれの巻上用ド
    ラムの回転数が機械的に完全に同期する機構のもの等作業床が傾かない構造のゴンドラについて
    は適用されないこと。

 29 第33条関係
  (1) 本条は、電磁接触器等を遮断しているときに、その操作回路の接地事故によって当該電磁接触
    器等のコイルに励磁電流が流れ、その結果電動機が運転状態となることによる危険を防止するた
    め、操作回路の結線の方法について規定したものであること。
  (2) 「電磁接触器等の操作回路であって、接地した場含に電磁接触器等が閉路されるおそれがある
    もの」には、次に掲げる操作回路は含まれないこと。
    イ 非接地式又は中性点接地式である電源に接続する操作回路
    ロ 電磁接触器等のコイルの入力側及び出力側の両極に開閉接点部分を設け、これを同時に開閉
     する方式の操作回路
    ハ 共用保護盤等の電路保護装置であって、その保護機能が確実であるものを有する操作回路
  (3) 「電磁接触器等」の「等」には、電磁開閉器、電磁リレー等が含まれること。

 30 第35条関係
   第2項の「作動の種別及び方向、電路の開閉の状態等が表示」については、誤操作を防止するため、
  理解しやすい表示とするよう指導すること。

 31 第36条関係
  (1) 「2以上の箇所」とは、作業床部分及び台車部分等の意味であること。
  (2) 操作部分が作業床以外に設けられている場合であっても、作業床内で動力をしゃ断できる装置
    を備えるよう指導すること。

 32 第37条関係
  (1) 本条は、構造部分の溶接加工を行う場合の溶接の方法について規定したものであること。
  (2) 第1項第1号の「これと同等以上の性能を有する溶接棒」には、鋼材の種類に応じてJISに定めら
    れた被覆アーク溶接棒等があること。

 33 第39条関係
  (1) 本条は、ゴンドラのすべてのボルト等について、緩み止め又は抜け止めを施すことを規定した
    ものであること。
  (2) ただし書は、高力ボルトを摩擦接合として正しく使用した場合こは緩み止めを必要としないこ
    とをいうこと。
  (3) 「摩擦接合」とは、ボルトに組み合わされたナット(ナットが締められない場合はボルト頭部)
    を強く締め付けて、接合部材間に生ずる摩擦力によって応力を伝達する接合をいうこと。

 34 第40条関係
   第2項は、1本のワイヤロープが切断した場合であっても、作業床が落下しないための措置を規定し
  たものであり、1本のワイヤロープをシーブを用いて2本掛けにしたもの等は認められないこと。

 35 第41条関係
  (1) 第1項第1号の表の「ライフライン」とは、作業床の落下を防止するために、つり下げ用ワイヤ
    ロープ等以外に設けられたロープ等をいうこと。
  (2) 第1項第1号の表の「その他のワイヤロープ」には、控え、係留用ワイヤロープ等があること。
  (3) 第2項の「ワイヤロープに掛かる荷重」とは、作業床の自重、ワイヤロープの自重及び積載荷重
    を合計した荷重をいうこと。

 36 第42条関係
   「ワイヤロープが管等で覆われている場合」には、昇降装置、起伏装置及び伸縮装置の運転により、
  管等に覆われているワイヤロープが当該管等の外に出る場含は含まれないものであること。
   なお、巻上用ドラム等が台車の内部に設置されているゴンドラについては、点検扉等を設けること
  により、内部のワイヤロープ等が容易に点検できる構造とするよう指導すること。

 37 第43条関係
   第2項の「当該繊維ロープに掛かる荷重」とは、作業床の自重、繊維ロープの自重及び積載荷重を合
  計した荷重をいうこと。

 38 第45条関係
  (1) 適用除外は、製造事業場等を管轄する都道府県労働基準局長からのりん伺に基づき労働省労働
    基準局長が行うものであること。
  (2) 「特殊な構造のゴンドラ」には、橋梁点検車、人力により昇降するゴンドラ等があること。
  (3) 人力により昇降するゴンドラについては、第21条第2項第2号及び第27条の規定の適用が困難で
    あるので、当該ゴンドラに係る労働省労働基準局長がこれらの「規定に適合するものと同等以上
    の性能があると認め」る場合とは、旧規格の第19条第2項第2号に適合している場合であること。

 39 附則関係
  (1) 第3項の「現に製造している」とは、ゴンドラが工作の過程にあることのみならず現に設計が完
    了している(設計の大部分を終了している場合を含む。)ことを含むものであること。
     なお、同一の設計により量産されるものについては、設計の完了ではなく、個別に工作の過程
    にあるか否かにより、現に製造されているものか否かが判断されること。
  (2) 第3項の「現に存する」とは、現に設置されていること、廃止して保管されていること及び現に
    製造が完了しているがまだ設置されていないことをいうものであること。

第3 設置届、明細書等に記入する種類及び型式について
   規則に定められた各様式の「種類及び型式」の欄には、昭和44年10月23日付け基発第706号の別紙1
  の種類、走行の形式、作業床の形式及びアームの運動の形式により記入すること。
   具体的には、「種類」の後に、括弧内に「走行の形式」、「作業床の形式」及び「アームの運動の
  形式」の組含せを記入すること。
    例   アーム俯仰型ゴンドラ(軌道式、ケージ式、元旋回)
        デッキ型ゴンドラ
   また、特殊な構造のゴンドラについては、「種類」が特殊なものについてはその「種類」を記入し、
  「走行の形式」、「作業床の形式」又は「アームの運動の形式」が特殊なものについては当該事項を
  括弧内に記入すること。
   なお、従来の「動力の種類」については、「電動式」が一般的となったことから、「電動式」につ
  いては記入しないこととするが、「手動式」及び「空気式」については、特殊な形式として当該事項
  を括弧内に記入すること。
   おって、可搬型又は常設型の区別は、設置の段階で確定することから、ゴンドラを設置する段階で
  ゴンドラ設置届(規則様式第10号)の「種類及び型式」の欄にその区別を記載させるとともに、当該ゴ
  ンドラ設置届の記載に基づきゴンドラ検査証(規則様式第8号)の「記事欄」にその区別を記入すること。