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クレーン構造規格及び移動式クレーン構造規格の適用について
改正履歴
 
                                         基発第47号
                                     労働省労働基準局長
 
  
             クレーン構造規格及び移動式クレーン構造規格の適用について
			 
 
 
 クレーンの構造規格(平成7年労働省告示第134号)及び移動式クレーン構造規格(平成7年労働省告示第
135号)(以下「新規格」という。)は、平成7年12月26日に公布され、平成8年2月1日から適用されること
となっている。
 今回の改正は、クレーン及び移動式クレーンに係る構造規格を最近における技術の進歩に対応させる
とともに、ISO(国際標準化機構)及び諸外国のクレーン及び移動式クレーンの構造に関する規格との整合
性の確保を図るため、従来の規格を全面的に見直したものであり、これによりクレーン及び移動式クレ
ーンの安全確保等をより1層推進しようとするものである。これに伴い、従来のクレーン構造規格(昭和
51年労働省告示第80号)及び移動式クレーン構造規格(昭和51年労働省告示第81号)(以下「旧規格」とい
う。)は、廃止される。
 ついては、今回の改正の趣旨を十分理解し、関係者への周知徹底を図るとともに、下記の事項に留意
の上、これが運用に遺憾のなきよう期されたい。
 なお、別紙1の1に掲げる通達についてはそれぞれ定めるところにより改正するとともに、別紙1の2に
掲げる通達については、本通達をもって廃止する。おって、別添のとおり関係団体に対し、周知方協力
要請を行ったので了知されたい。

                      記

I 旧規格との主な相違点
第1 クレーン構造規格関係
 1 構造部分に使用できる鋼材の種類について追加するとともに、外国規格等に適合する鋼材であって
  同等以上の化学成分及び機械的性質を有する鋼材についても構造部分に使用できることとし、それに
  伴う所要の整備を行ったこと。(第1条、第3条、第4条及び別表第1関係)
 2 国際単位系との整合性を図るため、力の単位を「ニュートン」とし、それに伴う所要の整備を行っ
  たこと。(第2条、第3条、第5条、第9条、第17条、第41条及び別表第1関係)
 3 建築基準関係法令との整合性を図るため、木材の許容応力の見直しを行ったこと。(第5条関係)
 4 風荷重及び地震荷重の値について、労働省労働基準局長が認めた場合には、他の方法によって求め
  ることができることとしたこと。(第9条及び第10条関係)
 5 ISO規格等との整合化を図るため、衝撃係数、作業係数、つり上げ装置等のドラム等のピッチ円の
  直径と当該ドラムに巻き込まれるワイヤロープの直径との比の値(以下「D/d」という。)及びワイヤ
  ロープの安全率を見直したこと。(第11条、第20条、第54条、別表第2、別表第3及び別表第4関係)
 6 構造部分又は溶接部分に破損が発生していることにかんがみ、強度計算において部材の疲労につい
  ての影響を考慮すべき規定を設けたこと。(第12条関係)
 7 天井クレーンのたわみの限度について、危険のおそれがないことが明かな場合の適用除外規定を設
  けたこと。(第14条関係)
 8 前方安定度及び側方安定度に係る規定を追加するとともに、暴風時における安定度の計算において、
  工事用の塔型ジブクレーンについても逸走防止装置等の効果を考慮できることとしたこと。(第15条
  関係)
 9 走行ブレーキを必要とする走行クレーンの範囲について見直すとともに、横行ブレーキを必要とす
  るクレーンについての規定を設けたこと。(第18条及び第19条関係)
 10 傾斜角指示装置及び外れ止め装置について、所定の安全装置が講じられている場合における適用
  除外規定を設けたこと。(第31条及び第32条関係)
 11 床上で運転し、クレーンの走行とともに運転者が移動する方式等のクレーンについて、走行及び
  横行速度の制限を設けたこと。(第33条関係)
 12 停電によりクレーンが停止した場合、復旧通電時に不意にクレーンが動き出すことによる危険を
  防止するための規定を設けたこと。(第34条関係)
 13 コントローラーに係る規定を整備したこと。(第35条及び第36条関係)
 14 トロリ線による感電防止措置をクレーン本体側においても行えることとしたこと。(第37条関係)
 15 緩衝装置をトロリ等移動する部分に設けることができることとしたこと。(第39条関係)
 16 運転室等が荷の昇降とともに昇降する方式のクレーンについて、運転室等をつるつりチェーンに
  係る規定を設けたこと。(第49条関係)
 17 つりチェーンの要件についてリンクチェーンとローラチェーンに分けてそれぞれ規定したこと。(
  第55条関係)
 18 クライミングクレーン等については、機体本体に定格荷重を表示しても玉掛けをする者が見るこ
  とが困難なことから、「玉掛けをする者」を除外したものであること。(第56条関係)
 19 新規格は、平成8年2月1日から適用されること。(附則第1項関係)
 20 新規格の適用に当たっての猶予措置は次に掲げるところによること。
  (1) 平成8年2月1日において、製造中又は現存するクレーンについては、旧規格を適用すること。(
   附則第3項関係)
  (2) 上記(1)以外のクレーンで、平成8年7月1日までに製造されたもの又は平成8年7月1日において製
   造中のものについては、旧規格を適用することができること。(附則第4項関係)
第2 移動式クレーン構造規格関係
 1 構造部分に使用できる鋼材の種類について追加するとともに、外国規格等に適合する鋼材であって
  同等以上の化学成分及び機械的性質を有する鋼材についても構造部分に使用できることとし、それに
  伴う所要の整備を行ったこと。(第1条、第3条、第4条及び別表関係)
 2 木材を使用した移動式クレーンが製造されていないことにかんがみ、木材の許容応力等に関する規
  定を削除したこと。(第1条関係)
 3 国際単位系との整合性を図るため、力の単位を「ニュートン」とし、それに伴う所要の整備を行っ
  たこと。(第2条、第3条、第8条、第9条、第13条、第14条、第19条及び別表関係)
 4 風荷重の値について、労働省労働基準局長が認めた場合には、他の方法によって求めることができ
  ることとしたこと。(第9条関係)
 5 構造部分又は溶接部分に破損が発生していることにかんがみ、強度計算において部材の疲労につい
  ての影響を考慮すべき規定を設けたこと。(第11条関係)
 6 移動式クレーンの大型化に対応して、後方安定度の計算条件を改めたこと。(第13条関係)
 7 移動式クレーンの走行性能の向上に伴い、最高走行速度80km/h以上のものに係るブレーキの性能
  要件の規定を設けたこと。(第18条関係)
 8 ISO規格等との整合化を図るため、D/d及びワイヤロープの安全率を見直したこと。(第20条及び第
  41条関係)
 9 定格荷重をつり上げる場合の定格速度が巻上げ時の最高速度とはならない場合があることから、つ
  り上げ定格速度を「最高つり上げ速度」に改めるとともに、停止操作に応じて警報装置の作動位置を
  緩和する規定を設けたこと。(第26条関係)
 10 伸縮装置について、過負荷防止装置によりジブの安全性が確保できる場合における適用除外規定
  を設けたこと。(第37条関係)
 11 つりチェーンの要件についてリンクチェーンとローラチェーンに分けてそれぞれ規定したこと。(
  第42条関係)
 12 大型等の移動式クレーンについては、機体本体に定格荷重を表示しても玉掛けをする者が見るこ
  とが困難なことから、「玉掛けをする者」を除外したものであること。
   また、第13条第3項第5号の規定を設けたことに伴い、拡幅式のクローラクレーンに対する警告の
  表示を義務付けたこと。(第43条関係)
 13 新規格は、平成8年2月1日から適用されること。(附則第1項関係)
 14 新規格の適用に当たっての猶予措置は次に掲げるところによること。
  (1) 平成8年2月1日において、製造中又は現存する移動式クレーンについては、旧規格を適用するこ
   と。(附則第3項関係)
  (2) 上記(1)以外の移動式クレーンで、平成8年7月1日までに製造されたもの又は平成8年7月1日にお
   いて製造中のものについては、旧規格を適用することができること。(附則第4項関係)
  (3) 上記(1)及び(2)以外の移動式クレーンで、旧規格に適合するものと同一の設計により平成11年1
   月1日までに製造されたものについては、構造部分の材料である鋼材に係る許容応力の値について
   旧規格を適用すること。(附則第5項関係)
U 細部事項
第1 クレーン構造規格関係
 1 第1条関係
  (1) 第1項は、クレーンの構造部分に使用される構造用鋼材及び構造用鋼材を恒久的に接合するため
   に使用される接合用リベットの材料について定めたものであり、ピン、ボルト(構造用鋼材を恒久
   的に接合するために使用される摩擦接合に使用する高力ボルトを除く。)等着脱又は可動を目的と
   する接合用部材の材料を対象とするものではないこと。
  (2) 第1項各号に掲げる規格に適合した鋼材であるか否かの確認は、ミルシートによって行うこと。
  (3) 第1項の「クレーンの荷をつり上げるための支持部分以外の部分」とは、クレーンの強度計算の
   対象とならない部分をいい、「構造部分」に含まれないが、荷重を受け応力を発生する天井クレー
   ンのガーダの補けた、ホイストのケーシング等は、強度計算の対象となることから、「構造部分」
   に含まれること。
  (4) 第1項の「構造部分の一部として使用するワイヤロープ」としては、ジブの支持ロープ、緊張用
   ワイヤロープ及びガイロープ並びにケーブルクレーンに用いられるメインロープ及びレールロー
   プ等があること。
  (5) 第1項の「同等以上の化学成分及び機械的性質を有する鋼材」に当たるか否かについては、当該
   鋼材の化学成分、溶接性、引張り強さ、降伏点(又は耐力)、伸び、曲げ等について総合的に判断
   するものであり、引張り強さが多少低くても伸びが大であるものは「同等以上」と認められる場
   合もあり、「同等以上の化学成分及び機械的性質を有する鋼材」としては別表第1に掲げる規格に
   適合した鋼材及び別表第2に掲げる鋼材があること。
    なお、別表第1又は第2により難い場合については、当分の間、予め本省に照会すること。
  (6) 第1項のただし書の対象となる材料としては、第1項本文の「次に掲げる日本工業規格に適合し
   た鋼材又はこれらと同等以上の化学成分及び機械的性質を有する鋼材」に含まれない鋼材及び鋼
   材以外の材料があること。
    なお、第1項ただし書により、構造部分に使用する材料について労働省労働基準局長の承認を得
   ようとする者に対しては、都道府県労働基準局長を通じ、製造しようとするクレーンの形式及び
   つり上げ荷重並びに使用しようとする材料の名称、化学成分、機械的性質、製造方法及び熱処理
   を記載した書面並びにクレーン等安全規則別表の下欄に掲げる構造部分の強度計算書及び図面(主
   要寸法、製造部材の形状及び寸法並びに継手の方式がわかる程度のもの)を提出させること。
    また、「労働省労働基準局長が認めた場合」の材料としては、別表第3の鋼材及び第4の鋼材以
   外の材料があること。
  (7) 第3項の「繊維の傾斜」とは、いわゆる木目又は木理の傾斜をいうものであること。
 2 第3条関係
  (1) 第1項は、σa(以下「基本許容応力」という。)の値から、鋼材の許容引張応力等の値を求める
   計算式を定めたものであること。
    なお、基本許容応力の値は、日本工業規格(以下「JIS」という。)に定められた鋼材の「降伏点」
  又は「耐力」、及び「引張強さ」の最小値を基に求めること。
   また、第1条第1項の「同等以上の化学成分及び機械的性質を有する鋼材」についても、それぞれ
  の鋼材の規格(製造者の規格を含む。以下同じ。)に定められた「降伏点」又は「耐力」、及び「引
  張強さ」のそれぞれの最小値を基に基本許容応力を求めること。
  (2) 第1項の「支え圧応力」とは、ボルト、ピン等を板穴に通す場合の当該板穴の周囲の板厚方向断
   面に、ボルト、ピン等を支えるために生ずる応力をいうものであること。
  (3) 第2項は、鋼材の許容座屈応力の値を求める計算式を定めたものであり、座屈係数を求める「労
   働省労働基準局長が認めた計算の方法」とは、別紙2の式をいうものであること。
 3 第4条関係
  (1) 第1条第1項の「同等以上の化学成分及び機械的性質を有する鋼材」に係る本条第1項の表中の係
   数については、別表第1及び第2においてそれぞれ対応する第1条第1項の鋼材として、本条第1項の
   表を適用すること。
  (2) 放射線試験を行った構造部分の溶接部の許容応力の値は、第2項第2号及び第3号に規定する「き
   ず」が許容限度を超える場合には、第1項により算定すること。
    したがって、第2項を適用するクレーンの製造検査に当たっては、溶接部の放射線試験の結果を
   確認する必要があること。
    なお、第2項第1号の「第3種のきず」は、第50条第4項の「割れ又はアンダカット、オーバラッ
   プ、クレータ等で有害なもの」に該当し、あってはならないこと。
  (3) 第3項第1号の「全長」は、同種の溶接を行う箇所のそれぞれの長さを合計した長さとして差し
   支えないこと。
 4 第6条関係
  (1) 第1条第1項ただし書により構造部分に使用することを認められた材料及びその溶接部に係る許
   容応力の値は、労働省労働基準局長が定めるものとし、(2)及び(3)のとおりとすること。
  (2) 別表第3の鋼材に係る許容応力の値については、以下によること。
   イ 鋼材に係る許容応力の値
     それぞれの鋼材の規格に定められた「降伏点」又は「耐力」、及び「引張強さ」のそれぞれ
    の最小値を基に第3条の規定に基づき求めた値とすること。
     ただし、溶接構造用鋳鋼品JISG5102SCW410については、基本許容応力を110N/mm2として、第
    3条を適用すること。
   ロ 溶接部に係る許容応力の値
     別表第3の「第4条第1項の鋼材の種類」の欄の種類に応じて、第4条第1項の規定に基づき求め
    た値とすること。
     ただし、ステンレス鋼JISG3446SUS304、G4304SUS304及びG4317SUS304については、次の条件
    で溶接した場合に限るものであること。
    (イ) ミグ溶接によること。
    (ロ) JISZ3821(ステンレス鋼溶接技術検定における試験方法及び判定基準)に基づくSUSMA―F
      の技術検定に合格した者に行わせること。
  (3) 別表第4の材料に係る許容応力の値については、以下によること。
   イ 高力ボルトF8T及び10T
     許容せん断応力の値は、次によること。
       γ≦0.21σAta
         ただし、γ:許容せん断応力[N/mm2]
            σta:ボルトの規格に定められた「耐力」及び「引張強さ」のそれぞれの
               最小値を基に第3条の規定に基づき求めた許容引張応力[N/mm2]
   ロ アルミニウム合金押出形材JISH4100A6061S―T6、A6061S―T62、A6063S―T6、A6N01S―T5及び
    A6N01S―T6並びにDIN1748A1MgSi0・5/F22
    (イ) 材料に係る許容応力の値
      それぞれの材料の規格に定められた「耐力」及び「引張強さ」のそれぞれの最小値を基に
     第3条第1項の規定に基づき求めた値とすること。
    (ロ) 溶接部に係る許容応力の値
      JISH4100A6061S―T6及びA6063S―T6の溶接部に係る許容応力(許容支え圧応力及び許容座屈
     応力を除く。)の値については、次の表の耐力の値の欄に掲げる値を第3条第1項の耐力の値と
     して、同項の規定に基づき求めた値とすること。
     
  

 5 第8条関係
  (1) 第1号の「垂直動荷重」とは、クレーン等安全規則第1条第6号の定格荷重(質量)にフックブロッ
   ク、グラブバケット等のつり具の質量及び巻上げ用ワイヤロープの質量(揚程が50m以上のクレー
   ンの場合に限る。)を加えた質量によって生ずる力をいうこと。
  (2) 第2号の「垂直静荷重」とは、クレーンを構成する部分のうち垂直動荷重に含まれない部分の質
   量によって生ずる力をいうこと。
  (3) 第3号の「水平動荷重」とは、クレーンの走行、横行若しくは旋回に伴う慣性力又は遠心力によ
   って生ずる力をいうこと。
  (4) 第4号の「熱荷重」とは、温度変化により部材の伸縮が妨げられることによって生ずる力をいう
   こと。
  (5) 第5号の「風荷重」とは、クレーンが風を受けることによって生ずる力をいうこと。
  (6) 第6号の「地震荷重」とは、地震によって生ずる水平方向の力をいうこと。
  (7) 第7号の「衝突荷重」とは、クレーンが緩衝装置に衝突したとき等に生ずる力をいうこと。
 6 第9条関係
  (1) 第1項の「風力係数」の値は、風洞試験によって得た値を用いるのが原則であるが、計算の便宜
   を図るため、第3項の表に代表的な値を示したものであること。したがって、この表の「クレーン
   の風を受ける面の区分」のいずれに該当するかの判断が困難であるものについては、風洞試験を
   行うよう指導すること。
  (2) 第2項の速度圧の算定式は、「作動時」の風速を16m/sec、「停止時」の風速を55m/secとして
   導いたものであり、「停止時」とは暴風時を指すものであること。
  (3) 第3項の表の「平板により構成される面」とは、ボックスガーダ、運転室、機械室、電気室等箱
   状の構造物の面をいい、「円筒の面」には、ワイヤロープの面が含まれること。
  (4) 第3項の表備考中の「見付面積」とは、次の図の斜線を施した部分の面積をいい、「充実率(W1)」
   は、次の式により求められること。

   

  (5) 第4項の低減率を求める図のb及びhは、具体的には次の図に示すとおりであること。

   

   


  (6) 第4項の図備考欄の「けた」には、クレーンガーダ、ジブ、脚等が含まれること。
 7 第10条関係
   本条の「地震荷重」は、クレーンの重心の位置に水平方向に作用するものとして計算すること。
 8 第11条関係
  (1) 本条は、構造部分の強度計算を行う場合の荷重の組合せ等の設計の条件について定めたもので
   あること。
  (2) 第1項の荷重の組合せによる計算に使用する「衝撃係数」は、クレーンの巻上定格速度により定
   まるものであること。
  (3) 第1項の荷重の組合せによる計算に使用する「作業係数」は、クレーンに常態として負荷される
   荷重条件及びクレーンが受ける荷重の回数に応じてクレーン構造規格別表第2により定められるも
   のであり、当該クレーンが使用される作業の実態を明らかにした上で、クレーン構造規格別表第2
   を適用し、「作業係数」を選択すること。
  (4) 第2項の「構造部分の強度に関し最も不利となる場合」とは、構造部分の強度計算を行う場合の
   定格荷重の位置、定格荷重とつり具の質量、組合せ荷重と作用方向等の関係について最も厳しい
   条件をいうこと。
 9 第12条関係
   「安全性が確認されたもの」とは、実験、計算又は実績に照らして安全性が確認されたものをい
  うこと。
   なお、計算による確認としてはJISB8821(クレーン鋼構造部分の計算基準)の6・4疲れ許容応力等
  の基準に基づく確認があること。
 10 第13条関係
   「壁面座屈」とは、板で構成される構造部分の局部座屈をいうこと。
 11 第14条関係
  (1) 本条は天井クレーンのクレーンガーダのたわみの限度について定めたものであり、「たわみの
   値」とは、無負荷の状態から定格荷重をつり上げた時にクレーンガーダが変位する量のクレーン
   ガーダのスパン内における最大値をいうこと。
  (2) ただし書に該当するものとしては、つり上げ荷重3t未満、かつ、スパン10m以下の天井クレーン
   があること。
 12 第15条関係
  (1) 本条は、クレーンの前方安定度、側方安定度及び後方安定度並びに屋外に設置されるクレーン
   の暴風時における安定度について定めたもので、ケーブルクレーン、テルハ等転倒の危険がない
   クレーンについては考慮を要しないこと。
    なお、本条の安定度は、計算により確認しなければならないものであること。
  (2) 第1項第1号の「定格荷重がかかる方向と反対の方向にかかった場合」とは、定格荷重がかかる
   点において垂直上方に荷重(力)がかかった場合をいうものであること。
  (3) 屋内に設置されるクレーンについては、第1項第3号の荷重の組合せにおいて、風荷重を考慮し
   ないことができること。
  (4) 第4項の「屋外に設置されるクレーン」には、通常は屋外で使用するが、暴風時等には屋内に収
   容する走行クレーンは含まれないこと。
  (5) 第4項第3号の「逸走防止装置」とは、クレーン繋留装置、アンカー等をいうこと。
  (6) 第4項第3号において、「逸走防止装置等」が、転倒防止する機能を有する場合、又は、逸走防
   止装置等を機能させたときに転倒防止装置が同時に機能する場合については、安定度の計算にお
   いて当該部分の強度を考慮して差し支えないこと。
    なお、その部分の強度の検討に当たっては、本条第3項に規定する要件を満たす強度が必要であ
   ること。
 13 第16条関係
   「控え」とは、圧縮力及び引張力で支持する剛体の控材並びに引張力で支持するガイロープ(控線)
  をいうものであること。
 14 第17条関係
  (1) 第1項の「ブレーキ」には、単独で使用されるメカニカルブレーキは含まれないこと。
  (2) 第2項第1号の「つり上げ装置又は起伏装置のトルクの値」は、これらの装置に備えられている
   ブレーキの制動輪に伝達されるトルクの値をいうこと。
  (3) 第2項第2号イの「ストローク」は、ブレーキの操作部分が動く距離をいい、ロの「力量」は、
   第1号に規定する制動トルクを生ずる状態でのブレーキの操作部分に加える力の大きさをいうこ
   と。
  (4) 第3項ただし書の「当該歯車機構の抵抗により生ずるトルクの値」とは、ウォーム歯車の側から
   ウォームを回転させようとする場合において当該ウォームに与えなければならないトルクの値と
   して差し支えないものであること。
 15 第19条関係
  (1) 「トロリが横行するクレーン」には、天井クレーン、橋形クレーン等のほか、テルハが含まれ
   ること。
  (2) 第2号の「床上で運転する方式のクレーン(床上の定位置から運転する方式のクレーンを除く。)
   」とは、床上操作式クレーン(床上で運転し、かつ、当該運転をする者が荷の移動とともに移動す
   る方式のクレーン)及び無線操作式クレーン等床上で運転し、かつ、当該運転をする者が荷の移動
   とは独立に移動できる方式のものを指し、クレーンから離れた定位置から運転するいわゆる遠隔
   運転式クレーンは含まれないこと。
 16 第20条関係
  (1) 本条は、ワイヤロープをその構成と材質により3グループに分類し、D/dがそれらのグループ及
   び「つり上げ装置等の等級」に対応して定まる値以上とするよう定めたものであること。
    また、第2項は、D/dとワイヤロープの安全率がワイヤロープの寿命に関係することから、安全
   率を大きくした場合について、ワイヤロープが同等な寿命となる範囲においてD/dを小さくする
   ことができることを定めたものであること。
    なお、現在使用されているワイヤロープを第1項の表の備考の2により分類すると、別表第5のと
   おりとなること。
  (2) 第1項の「つり上げ装置等の等級」は、クレーンに常態として負荷される荷重条件及びつり上げ
   装置等の使用時間に応じてクレーン構造規格別表第3により定められるものであり、当該クレーン
   が使用される作業の実態を明らかにした上で、クレーン構造規格別表第3を適用し、「つり上げ装
   置等の等級」を選択すること。
    なお、グラブバケット内のシーブのD/dについては、グラブバケットの構造、用途等から、「
   つり上げ装置等の等級」がD、E又はFであってもCとして定まる値以上として差し支えないこと。
    また、スタッカー式クレーンの巻上げ装置のD/dについては、その用途から、「つり上げ装置
   等の等級」をCとして定まる値以上とするよう指導すること。
  (3) 第1項の「ピッチ円」とは、シーブにワイヤロープが巻かれた場合における当該ワイヤロープの
   断面の中心が作る円をいうものであること。
 17 第21条関係
  (1) 第1項の「ドラムの溝にワイヤロープが巻き込まれる方向と当該溝に巻き込まれるときの当該ワ
   イヤロープの方向との角度」とは次の図に示すαをいうこと。

   

  (2) 第2項の「フリートアングル」とは、次の図に示すθをいうこと。

   

 18 第22条関係
  (1) 「クランプ止め」とは、次の図に示す形式のものをいうこと。

   

  (2) 「コッタ止め」とは、次の図に示す形式のものをいうこと。

   

  (3) 第1項の「コッタ止め等の方法」には、アイスプライスによる方法、クリップを用いる方法等が
   あること。
 19 第23条関係
   「十分な強度を有し」とは、つり上げ装置等に使用される機械部品について、曲げ、ねじり、応
  力集中、疲労、衝撃等に応じて必要な安全率が取られて設計及び工作がなされていることをいうも
  のであること。
 20 第24条関係
  (1) 本条は、つり上げ装置及び起伏装置のワイヤロープ等が巻過ぎにより切断し、フック、ジブ等
   が落下すること、巻過ぎによりジブが後方に転倒すること等を防止するための安全装置を備える
   べきことを定めたものであること。
    具体的には、つり上げ装置の巻過防止装置が作動した場合、その状態を引き起こした装置の動
   力、すなわち、つり上げ装置の巻過ぎによりフックが上昇して作動した場合にはつり上げ装置の
   動力を、起伏装置を伏せたことによりフックが上昇して作動した場合には起伏装置の動力を遮断
   し、作動を制動するものでなければならないこと。
    なお、起伏装置の巻過防止装置については、つり上げ装置の巻過防止装置が故障した場合等で
   つり上げ装置の巻過ぎによりジブを後方へ転倒させる事故を防止するため、一定のジブ角度に達
   した時につり上げ装置の動力を遮断し、作動を制動する機能を有することが望ましいこと。
  (2) ただし書の「ウインチ」とは、ケーブルクレーンに用いられる別置された巻上機をいうこと。
    なお、ただし書が適用される場合にあっては、クレーン等安全規則第19条において、事業者に
   巻上げ用ワイヤロープの巻過ぎによる労働者の危険を防止する措置を講ずることが義務付けられ
   ていることに留意し、巻過防止装置を組み込んだウインチが販売されていることから、その使用
   についても指導されたいこと。
 21 第25条関係
  (1) 電気を動力とするクレーンであって人力によるブレーキ以外のブレーキを用いるものの巻過防
   止装置は、それが電源を遮断する機能を有し、第17条第2項第3号に規定する要件を満たす場合に
   は、第1項第1号の「作動を制動する機能を有するもの」として取り扱うこと。
  (2) 第1項第2号かっこ書の「直働式の過巻防止装置」には、つり具の上部に取り付けられたスプリ
   ングにより過巻防止装置を作動させる形式のものが含まれ、この場合には、つり具停止後のスプ
   リングのストロークに本号に規定する値以上の余裕が必要であること。
  (3) 第2項第4号の「水、粉じん等」には、ガス及び蒸気が含まれること。
  (4) 第2項第4号の「水、粉じん等により機能に障害を生ずるおそれがない構造のもの」とは、装置
   内部に水、粉じん等が侵入することによる電気部品の絶縁劣化、短絡、過熱、接触不良等による
   機能の障害が生じないような防雨形、防じん形等の構造であって、当該装置を設ける場所の環境
   に適したものをいうこと。
  (5) 第2項第5号の「接点が開放されることにより巻過ぎが防止される構造」とは、つり上げの作動
   が正常の状態で行われているときは巻過防止装置の内部の接点が投入(ON)されており、巻過ぎを
   防止すべきときには当該接点が開放(OFF)される構造をいい、いわゆる常時閉路型の構造をいうこ
   と。
  (6) 第2項第6号の「動力回路を直接遮断する構造のもの」とは、モータ用の主回路である開閉接点
   部分を巻過防止装置の内部に設けたものをいうこと。
 22 第26条関係
  (1) 第1項の「巻過ぎを防止するための警報装置」とは、ワイヤロープが巻過ぎの状態となる前に、
   音響により自動的に運転者に警報する装置をいうこと。
  (2) 第1項の「内燃機関を動力として用いる」には、内燃機関により発電機、油圧ポンプ等を運転し
   て発生させた動力を用いることは含まれないこと。
 23 第27条関係
  (1) 「過負荷防止装置」とは、クレーン又は移動式クレーンの過負荷防止装置構造規格(昭和47年労
   働省告示第81号)に定められる構造及び機能を具備し、所要の検定に合格したものをいうこと。
  (2) 「過負荷防止装置以外の過負荷を防止するための装置」とは、つり荷の質量のみを検出する装
   置等をいうこと。
 24 第28条関係
  (1) 第1項の「安全弁」には、つり上げ装置及び起伏装置に取付けられた安全弁のほか、動力源(ア
   キュムレーター、ポンプ等)に取り付けられた安全弁が含まれるものであること。
  (2) 第2項の「水圧、油圧、空気圧又は蒸気圧の異常低下」とは、ホースの破損、連結部からの離脱
   等によって水圧、油圧、空気圧又は蒸気圧が低下することをいうこと。
  (3) 第2項の「逆止め弁」とは、例えば、操作レバーを中立にした場合に荷重を支える圧力側に設け
   られる逆流防止のバルブをいい、いわゆるパイロットチェックバルブ等がこれに該当すること。
 25 第30条関係
   テルハは、本条の走行クレーンには含まれないが、床上の定位置から運転する方式のものについ
  ては、その作動範囲が安全柵等で危険防護措置が取られている場合を除き、警報装置を備えるよう
  指導すること。
 26 第31条関係
  (1) ジブの角度の表示機能を有する過負荷防止装置は、「ジブの傾斜角の度合いを示す装置」に該
   当すること。
    なお、ジブの伸縮しないジブクレーンにあっては、作業半径から、ジブの角度が1義的に定まる
   ことから、作業半径の表示機能を有する過負荷防止装置等であっても差し支えないこと。
  (2) 過負荷防止装置等により、ジブの傾斜角をクレーン等安全規則第24条の傾斜角の範囲内に制限
   しているクレーンを除き、同条の傾斜角の範囲が運転者にわかるよう、ジブの傾斜角の度合いを
   示す装置又は運転室等に表示するよう指導すること。
 27 第32条関係
  (1) 「フックから外れることを防止するための装置」とは、玉掛け用ワイヤロープ等の逸脱を確実
   に防止する次の図のような構造のものをいうこと。

   

  (2) ただし書の「特定の荷をつるために使用するフック」としては、レードルクレーンの鋳なべ用
   特殊フック、巻取紙運搬用天井クレーンの巻取紙用特殊フック、コイル運搬用C型フック等がある
   こと。
 28 第33条関係
  (1) 第2項の「床上で運転し、かつ、当該運転をする者が荷の移動とともに移動する方式のクレーン
   」とは、クレーン等安全規則第22条ただし書の「床上操作式クレーン」をいい、第1項の「床上で
   運転し、かつ、当該運転をする者がクレーンの走行とともに移動する方式のクレーン」に含まれ
   るものであること。
    なお、床上で運転し、かつ、当該運転をする者が荷の移動とともに移動する方式のテルハにつ
   いては、第2項が適用されること。
  (2) 床上操作式と機上操作式の両方の操作方式を有する天井クレーン等については、床上操作式で
   運転する場合にのみ本条が適用されるものであるが、操作方式に応じて自動的に走行速度及び横
   行速度が制限される必要があること。
 29 第34条関係
  (1) 第1項は、電磁接触器等を遮断しているときに、その操作回路の地絡事故によって当該電磁接触
   器等のコイルに励磁電流が流れ、その結果電動機が運転状態となることによる危害を防止するた
   め、操作回路の結線の方法について定めたものであること。
  (2) 第1項の「電磁接触器等」には、電磁開閉器、電磁リレー等が含まれること。
  (3) 第1項の「電磁接触器等の操作回路であって、地絡した場合に電磁接触器等が閉路されるおそれ
   があるもの」には、次に掲げる操作回路は含まれないこと。
   イ 非接地式又は中性点接地式である電源に接続する操作回路
   ロ 電磁接触器等のコイルの入力側及び出力側の両極に開閉接点部分を設け、これを同時に開閉
    する方式の操作回路
   ハ 共用保護盤等の電路保護装置であって、その保護機能が確実であるものを有する操作回路
  (4) 第2項本文の操作回路は、いわゆる0(ゼロ)ノッチインターロックと呼ばれるものをいうこと。
 30 第35条関係
  (1) 「クレーンの作動の種別」とは、走行、横行、旋回、巻上げ等をいい、「方向」とは、右、左、
   上、下等をいうこと。
  (2) コントローラーには、クレーンの作動の速度に応ずるノッチナンバーが表示されていることが
   望ましいこと。
  (3) ただし書の「運転者がコントローラーの操作部分から手を放した場合に、自動的に当該操作部
   分がクレーンの作動を停止させる位置に戻り、かつ、当該クレーンの作動を停止させる構造のク
   レーン」とは、第34条第2項ただし書のクレーンをいうこと。
 31 第36条関係
  (1) 本条は、床上操作式のコントローラーだけでなく、無線操作式等も含めた床上で運転するため
   に使用されるすべての携帯式のコントローラーを対象とするものであること。
  (2) 第1項の「操作部分」とは、押しボタン、引綱等人が操作する部分をいうこと。
  (3) 第2項第1号本文は、具体的には、コントローラーをワイヤロープ等で支持することをいうこと。
  (4) 第2項第1号ただし書の「自重に耐える強度を有する場合」とは、キャブタイヤケーブルの内部
   にワイヤを入れて強度を高めたもの等キャブタイヤケーブル自身が十分な強度を有する場合をい
   うこと。
  (5) 第2項第2号の「クレーンの作動の方向」の表示については、誤操作を防止するため、クレーン
   の設置場所等も考慮し、上・下・東・西・南・北、又はこれに代わる固定的なもの(例えば、山側
   ・海側・上・下の矢印)等運転者に理解しやすい表示とするよう指導すること。
    なお、クレーンガーダ下面、建家等運転者の見やすい場所にコントローラーの方向の表示のう
   ち水平動作に対応する方向が表示されていることが望ましいこと。
 32 第37条関係
  (1) 本条は、走行用トロリ線、横行用トロリ線等当該クレーンに係るすべてのトロリ線に適用され
   ること。
  (2) 第2項の「絶縁覆い」には、JISC3711(絶縁トロリー)に定める絶縁トロリーが含まれること。
 33 第38条関係
   「専用のピット」については、トロリ線の点検、補修等のための歩道がその内部に設けられてい
  るものであっても差し支えないこと。
 34 第39条関係
  (1) 第1項の「これに準ずる箇所」とは、クレーンガーダ等における横行レールの両端部に準ずる箇
   所をいうこと。
  (2) 第2項の「これに準ずる箇所」とは、建設物の側壁等における走行レールの両端部に準ずる箇所
   をいうこと。
  (3) 第2項の「走行クレーンの走行方向の両端部」とは、天井クレーン、橋形クレーン等のサドルの
   両端部等をいうこと。
 35 第40条関係
   「それぞれのクレーンの相対する側に、緩衝装置又は緩衝材を備えるもの」には、クレーンの相
  対する側の1方に十分な容量の緩衝装置を備え、他方にバッファ受を備えるものも含まれるものであ
  ること。
 36 第41条関係
   第1項の風荷重の算定式は、風速を60m/secとして導いたものであること。
 37 第42条関係
   「走行させることができる出力を有する」とは、走行用の原動機が定格出力として当該出力を有
  していなければならない趣旨ではないこと。
 38 第43条関係
   第1項の「点検台その他当該クレーンを点検するための設備」には、建物に設けられた専用の点検
  台のほか、移動式の点検台が含まれること。
 39 第46条関係
   第5号の「手すり」の高さは、階段のこう配に応じて適当な高さとするように指導すること。
 40 第47条関係
  (1) 土木、建築等の作業に使用されるケーブルクレーンについては、第1項ただし書の規定により、
   運転室を有しなくてよいものと認めて差し支えないこと。
  (2) 第1項第2号の「著しく低温」とは、5℃以下をいうこと。
 41 第48条関係
  (1) ただし書の「連絡を確実に保持するための装置」とは、有線又は無線の電話、信号装置等の連
   絡装置をいうこと。
  (2) 第3号の「充電部分」には、電気機械器具の充電部分のほか、配線及び移動電線の充電部分が含
   まれること。
  (3) 第4号の「粉じんの侵入を防止することができる構造」とは、必ずしも密閉型とする必要はなく、
   開閉可能な窓を有する構造であっても差し支えないこと。
 42 第49条関係
   第1項の「運転室又は運転台が、巻上げ用ワイヤロープ又はつりチェーンによりつられており、か
  つ、荷の昇降とともに昇降する方式のクレーン」とは、スタッカー式クレーン等のクレーンをいい、
  「2以上の巻上げ用ワイヤロープ又はつりチェーンでつる構造」とは、独立の巻上げ用ワイヤロープ
  又はつりチェーンが2本以上備えられていることをいうこと。
 43 第50条関係
  (1) 第1項第2号の「溶接材料」とは、JISZ3001(溶接用語)に定める溶接材料を指し、溶接棒、溶接
   ワイヤ及びフラックスを含むものであること。
  (2) 第1項第2号の「これと同等以上の性能を有する溶接材料」とは、高張力鋼材等溶接される鋼材、
   自動溶接等溶接の方法等に応じて、これらに適したJISZ3212(高張力鋼用被覆アーク溶接棒)、Z33
   12(軟鋼及び高張力鋼用マグ溶接ソリッドワイヤ)、Z3313(軟鋼、高張力鋼及び低温用鋼用アーク
   溶接フラックス入りワイヤ)等の溶接材料をいうこと。
    特に、高張力鋼の溶接加工については、製造許可の際に次の事項を確認する必要があること。
   イ 高張力鋼の溶接性は、溶接材料の選定及び保管、溶接施工の方法等溶接管理が適正に実施さ
    れていることを前提として定められていることに留意し、溶接工作について高度の技術水準に
    あると認められること。
   ロ 異種の鋼材を溶接しようとする場合の溶接材料の選定及び溶接施工の方法については、溶接
    性の劣る鋼材を基準としていること。
 44 第52条関係
  (1) 本条は、クレーンのすべてのボルト等について、緩み止め又は抜け止めを施すことを定めたも
   のであること。
  (2) ただし書は、高力ボルトを摩擦接合又は引張接合として正しく使用した場合には緩み止めを必
   要としないことを定めたものであること。
 45 第54条関係
  (1) 第1項第1号の表の「ジブの支持用ワイヤロープ」とは、ジブの先端とジブの起伏用のシーブと
   の間に設けられたワイヤロープをいい、ペンダントロープ、サスペンションロープ等の名称で呼
   ばれているものであること。
  (2) 第1項第3号の「つり具の位置が最も低くなる場合」とは、つり具がクレーンの明細書に定めら
   れている揚程の下端に達する場合をいうこと。
  (3) 第1項第4号の「ジブの位置が最も低くなる場合」とは、ジブがクレーン等安全規則第24条の傾
   斜角の範囲の下端に達する場合をいうこと。
  (4) 第2項の「揚程が50メートル以下」とは、クレーンのつり具の最大垂直移動距離が50メートル以
   下をいう趣旨であること。
  (5) 第2項の「シーブの効率」は、滑り軸受を用いた単独のシーブの効率を0・96、転がり軸受を用
   いた単独のシーブの効率を0・98として計算すること。
    ただし、正確な値が実証されたときは、その値を用いることができること。
 46 第55条関係
  (1) 第1項第2号イのリンクチェーンの「伸び」とは、リンクチェーンが製造されたときの任意の5リ
   ンクの長さ(下図3照)を基準長さとして、この長さの値と使用後のそのリンクチェーンの最も伸び
   た部分の5リンクの長さとの差の基準長さに対する比をいうものであること。
    なお、この「伸び」は、リンクの変形により生じるものではなく、リンクとリンクの摺動面が
   摩耗して全体として生じる伸びであること。

   

  (2) 第1項第3号の「ローラチェーン」とは、JISB1801の伝動用ローラチェーン及びこれと同等以上
   のものをいうこと。
  (3) 第1項第3号イのローラチェーンの「伸び」とは、ローラチェーンが製造された時の任意の6〜10
   リンクの長さ(下図3照)を基準長さとして、この長さの値と使用後のそのローラチェーンの最も伸
   びた部分の同数のリンクの長さとの差の基準長さに対する比をいうものであること。
    なお、この「伸び」は、リンクプレートの変形により生じるものではなく、ピンとブッシュの
   摺動面等が摩耗して全体として生じる伸びであること。

   

  (4) 第1項第3号ロの「リンクプレート」とは、JISB1801の外プレート、内プレート、オフセットプ
   レート等を総称したものであること。
 47 第56条関係
   第1項の定格荷重の表示については、「玉掛けをする者」を除外したものであるが、クレーン等安
   全規則第24条の2において、事業者に対し、玉掛けをする者に対するクレーンの定格荷重の表示等
   が義務付けられていることに留意し、玉掛けをする者の見やすい位置に表示が可能な天井クレー
   ン等については、従来どおり表示がなされるよう製造者に対し指導するとともに、落成検査時等
   において、事業者が行う定格荷重の表示等について確認すること。
 48 第57条関係
  (1) 適用除外については、当該クレーンを製造しようとする事業場等を管轄する都道府県労働基準
   局長からのりん伺に基づき、労働省労働基準局長が認めた場合に行うものであること。
  (2) 電動チェーンブロックの滑りクラッチ機構について
    つり上げ荷重3t未満の電動チェーンブロックに組み込まれた滑りクラッチ機構については、ク
   レーン構造規格第25条の規定は適用せず、クレーン構造規格第24条の巻過防止装置として取り扱
   うこと。
    ただし、滑りクラッチのスリップ設定値は、つり上げ荷重の1・3倍から1・7倍とすること。
    なお、設置に当たっては、常時上限まで巻き上げるような作業には使用しないこと、並びに定
   期自主検査及び作業開始前の点検においては、この滑りクラッチの異常の有無等について確認す
   ることを使用者に対し周知させる必要があること。
 49 附則関係
  (1) 第3項の「現に製造している」とは、クレーンが工作の過程にある場合のみならず、現に設計が
   完了している(設計の大部分を終了している場合を含む。)場合を含むものであること。
    なお、同一の設計により量産されるものについては、設計の完了ではなく、個別のクレーンが工
   作の過程にあるか否かにより、現に製造されているものか否かが判断されること。
  (2) 第3項の「現に存する」とは、クレーンが現に設置されている場合、廃止して保管されている場
   合及び製造が完了しているがまだ設置されていない場合をいうものであること。
第2 移動式クレーン構造規格関係
 1 第1条関係
  (1) 本条は、移動式クレーンの構造部分に使用される構造用鋼材及び構造用鋼材を恒久的に接合す
   るために使用される接合用リベットの材料について定めたものであり、ピン、ボルト(構造用鋼材
   を恒久的に接合するために使用される摩擦接合に使用する高力ボルトを除く。)等着脱又は可動を
   目的とする接合用部材の材料を対象とするものではないこと。
  (2) 本条各号に掲げる規格に適合した鋼材であるか否かの確認は、ミルシートによって行うこと。
  (3) 「移動式クレーンの荷をつり上げるための支持部分以外の部分」とは、移動式クレーンの強度
   計算の対象とならない部分をいうものであること。
    なお、台車及び台船は、「構造部分」に含まれないこと。
  (4) 「同等以上の化学成分及び機械的性質を有する鋼材」に当たるか否かについては、当該鋼材の
   化学成分、溶接性、引張り強さ、降伏点(又は耐力)、伸び、曲げ等について総合的に判断するも
   のであり、引張り強さが多少低くても伸びが大であるものは「同等以上」と認められる場合もあ
   り、「同等以上の化学成分及び機械的性質を有する鋼材」としては別表第1に掲げる規格に適合し
   た鋼材及び別表第2に掲げる鋼材があること。
    なお、別表第1又は第2により難い場合については、当分の間、予め本省に照会すること。
  (5) ただし書の対象となる材料としては、本文の「次に掲げる日本工業規格に適合した鋼材又はこ
   れらと同等以上の化学成分及び機械的性質を有する鋼材」に含まれない鋼材及び鋼材以外の材料
   があること。
    なお、ただし書により、構造部分に使用する材料について労働省労働基準局長の承認を得よう
   とする者に対しては、都道府県労働基準局長を通じ、製造しようとする移動式クレーンの形式及
   びつり上げ荷重並びに使用しようとする材料の名称、化学成分、機械的性質、製造方法及び熱処
   理を記載した書面並びにクレーン等安全規則別表の下欄に掲げる構造部分の強度計算書及び図面
   (主要寸法、構造部材の形状及び寸法並びに継手の方式がわかる程度のもの)を提出させること。
    また、「労働省労働基準局長が認めた場合」の材料としては、別表第3の鋼材及び第4の鋼材以
   外の材料があること。
 2 第3条関係
  (1) 第1項は、基本許容応力の値から、鋼材の許容引張応力等の値を求める計算式を定めたものであ
   ること。
    なお、基本許容応力の値は、JISに定められた鋼材の「降伏点」又は「耐力」、及び「引張強さ
   」の最小値を基に求めること。
    また、第1条の「同等以上の化学成分及び機械的性質を有する鋼材」についても、それぞれの鋼
   材の規格に定められた「降伏点」又は「耐力」、及び「引張強さ」のそれぞれの最小値を基に基
   本許容応力を求めること。
  (2) 第1項の「支え圧応力」とは、ボルト、ピン等を板穴に通す場合の当該板穴の周囲の板厚方向断
   面に、ボルト、ピン等を支えるために生ずる応力をいうものであること。
  (3) 第2項は、鋼材の許容座屈応力の値を求める計算式を定めたものであり、座屈係数を求める「労
   働省労働基準局長が認めた計算の方法」とは、別紙2の式をいうものであること。
 3 第4条関係
  (1) 第1条の「同等以上の化学成分及び機械的性質を有する鋼材」に係る本条第1項の表中の係数に
   ついては、別表第1及び第2においてそれぞれ対応する第1条の鋼材として、本条第1項の表を適用
   すること。
  (2) 放射線試験を行った構造部分の溶接部の許容応力の値は、第2項第2号及び第3号に規定する「き
   ず」が許容限度を超える場合には、第1項により算定すること。
    したがって、第2項を適用する移動式クレーンの製造検査に当たっては、溶接部の放射線試験の
   結果を確認する必要があること。
    なお、第2項第1号の「第3種のきず」は、第38条第4項の「割れ又はアンダカット、オーバラッ
   プ、クレータ等で有害なもの」に該当し、あってはならないこと。
  (3) 第3項第1号の「全長」は、同種の溶接を行う箇所のそれぞれの長さを合計した長さとして差し
   支えないこと。
 4 第5条関係
  (1) 第1条ただし書により構造部分に使用することを認められた材料及びその溶接部に係る許容応力
   の値は、労働省労働基準局長が定めるものとし、(2)のとおりとすること。
  (2) 別表第3の鋼材及び第4の材料に係る許容応力の値については、記のIIの第1の4「第6条関係」(2
   )及び(3)で示したところと同じであること。
 5 第7条関係
  (1) 第1号の「垂直動荷重」とは、クレーン等安全規則第1条第6号の定格荷重(質量)にフックブロッ
   ク、グラブバケット等のつり具の質量及び巻上げ用ワイヤロープの質量(揚程が50m以上の移動式
   クレーンの場合に限る。)を加えた質量によって生ずる力をいうこと。
  (2) 第2号の「垂直静荷重」とは、移動式クレーンを構成する部分のうち垂直動荷重に含まれない部
   分の質量によって生ずる力をいうこと。
  (3) 第3号の「水平動荷重」とは、ジブの旋回に伴う慣性力等によって生ずる力をいうこと。
  (4) 第4号の「風荷重」とは、風を受ける面に風を受けたことによって生ずる力をいうこと。
 6 第9条関係
  (1) 第1項の「風力係数」の値は、風洞試験によって得た値を用いるのが原則であるが、計算の便宜
   を図るため、第3項の表に代表的な値を示したものであること。したがって、この表の「移動式ク
   レーンの風を受ける面の区分」のいずれに該当するかの判断が困難であるものについては、風洞
   試験を行うよう指導すること。
  (2) 第2項の速度圧の算定式は、風速を16m/secとして導いたものであること。
  (3) 第3項の表の「平板により構成される面」とは、箱型ジブ、運転室、機械室、電気室等箱状の構
   造物の面をいい、「円筒の面」には、ワイヤロープの面が含まれること。
  (4) 第3項の表備考中の「見付面積」とは、次の図の斜線を施した部分の面積をいい、「充実率(W1)
   」は、次の式により求められること。

   

(5) 第4項の低減率を求める図のb及びhは、具体的には次の図に示すとおりであること。



        鋼管ラチス構造によるけた



        形鋼ラチス構造によるけた
  (6) 第4項の図備考欄の「けた」には、ジブ、ガーダ、脚等が含まれること。
 7 第10条関係
  (1) 本条は、構造部分の強度計算を行う場合の荷重の組合せ等の設計の条件について定めたもので
   あること。
  (2) 第3項の「構造部分の強度に関し最も不利となる場合」とは、構造部分の強度計算を行う場合の
   ジブの方向及び傾斜角と定格荷重、定格荷重とつり具の質量、ジブと偏心荷重、組合せ荷重と作
   用方向等の関係について最も厳しい条件をいうこと。
 8 第11条関係
   「安全性が確認されたもの」とは、実験、計算又は実績に照らして安全性が確認されたものをい
  うこと。
 9 第12条関係
   記のIIの第1の10「第13条関係」で示したところと同じであること。
 10 第13条関係
  (1) 第1項及び第2項の後方安定度の計算においては、風荷重はかからないものとすること。
  (2) 第1項第2号の規定は、ジブを当該移動式クレーンの走行方向について前方向及び後方向の両方
   向に向けたときにいずれも適合するものであること。
  (3) 第1項第2号の「平均輪距」とは、左右の車輪の地面との接触面の中心間の距離をいい、トレッ
   ドとも称されること。
    なお、前輪と後輪とでその値が異なるときは、相加平均の値をとること。
  (4) 第1項第2号の「軸距」とは、前輪の車軸中心と後輪の車軸中心との水平距離をいい、ホイルベ
   ースとも称されること。
  (5) 第2項のクローラクレーンの後方安定度の計算は、ジブの長手方向の中心線を含む鉛直面と当該
   クローラクレーンの走行方向とが直角である場合及びジブの長手方向の中心線を含む鉛直面と当
   該クローラクレーンの走行方向とが平行である場合について行えば足りること。
  (6) 第3項第1号の「後方安定に関し最も不利となる状態」とは、具体的には、移動式クレーン明細
   書に記載されている範囲内においてジブの長さを最も短くし、ジブの傾斜角を最も大きくし、か
   つ、最大のカウンターウエイトを装備した状態であること。
  (7) 第3項第3号の「水平かつ堅固な面」には、鉄道クレーンにおける「水平かつ堅固な軌道の上」
   が含まれること。
  (8) 第3項第5号の「拡幅式のクローラを有するクローラクレーン」とは、クローラクレーンの輸送
   を容易にするため、輸送の際には、クローラの幅を油圧シリンダー等により縮小し、移動式クレ
   ーン作業を行う際には、安定度を確保するためにクローラの幅を拡幅する機能を有するものをい
   うこと。
 11 第14条関係
  (1) 第13条の後方安定度に対し、本条は、荷をつった側における安定度(前方安定度)の計算式にお
   いて、移動式クレーンの大きさを代表するジブの先端部等価質量を考慮することにより、その大
   きさに応じて安定余裕荷重を確保し、移動式クレーンの動的な安定性を確保するためのものであ
   ること。
    なお、移動式クレーンの前方安定度に関しては、本条の計算式を満たすとともに、クレーン等
   安全規則第55条第4項の安定度試験に合格する必要があること。
  (2) 本条の前方安定度の計算においては、荷重係数及び風荷重はかからないものとすること。
  (3) 第1項の「先端部等価質量」とは、ジブを重心から先端側と根本側に2分したときの先端側の質
   量をいうこと。
  (4) 第1項の「安定余裕荷重」とは、移動式クレーンが転倒するに至る荷の質量と定格総荷重(「定格
   荷重とつり具の質量の和」に相当する質量をいう。以下同じ。)の差に相当する質量をいうこと。
 12 第15条関係
  (1) 「静穏な水面」とは、波立たない平水面をいうものであること。
  (2) 「乾舷」とは、次の図に示す距離をいうものであること。

   

 13 第16条関係
  (1) 本条は、走行中の移動式クレーンについて適用するものであること。
  (2) 第1項第1号の「無負荷状態」とは、移動式クレーンを走行させるために必要な措置を講じた状
   態をいい、台車方式(走行させるために上部旋回体を取り外す方式のものをいう。以下同じ。)及
   び走行させるためにジブ、カウンターウエイト等を取り外す方式の移動式クレーンについては、
   上部旋回体等を取り外し、燃料、潤滑油、冷却水等の全量を搭載し、かつ、運転に必要な設備、
   装置等を取りつけた状態が「無負荷状態」に該当すること。
  (3) 第1項第2号の「ジブが走行時の姿勢として定められた状態」とは、走行するためにジブを短く
   し、走行時の定められた位置に格納された状態をいうこと。
 14 第18条関係
  (1) 本条は、走行用及び駐車用のブレーキを備えること、並びにそれらのブレーキの性能を定めた
   ものであること。
  (2) 第2項の「ブレーキバルブ」とは、走行を停止したとき(例えば、操作レバーを中立にしたとき)
   に自動的に制動トルクを発生させて走行を制動する機能を有するバルブをいうこと。
  (3) 上部旋回体等すべての装備を取り付けた状態の台車方式等の移動式クレーンの駐車ブレーキに
   ついては、第4項は適用されないが、その場合であっても、10分の1以上のこう配の床面で当該移
   動式クレーンの停止の状態を保持することができる性能を有するよう指導すること。
 15 第19条関係
  (1) 第1項の「ブレーキ」には、単独で使用されるメカニカルブレーキは含まれないこと。
  (2) 第2項第1号の「つり上げ装置、起伏装置又は伸縮装置のトルクの値」は、当該装置に備えられ
   ているブレーキの制動輪に伝達されるトルクの値をいうこと。
  (3) 第2項第2号イの「ストローク」は、ブレーキの操作部分が動く距離をいい、ロの「力量」は、第
   1号に規定する制動トルクを生ずる状態でのブレーキの操作部分に加える力の大きさをいうこと。
  (4) 第3項ただし書の「当該歯車機構の抵抗により生ずるトルクの値」とは、ウォーム歯車の側から
   ウォームを回転させようとする場合において当該ウォームに与えなければならないトルクの値と
   して差し支えないものであること。
 16 第20条関係
  (1) 本条は、ワイヤロープをワイヤロープの構成と材質により3グループに分類し、D/dがそれらの
   グループに対応して定まる値以上とするよう定めたものであること。
    なお、現在使用されているワイヤロープを第1項の表の備考により分類すると、別表第5のとお
   りとなること。
  (2) 第1項の「ピッチ円」とは、シーブにワイヤロープが巻かれた場合における当該ワイヤロープの
   断面の中心が作る円をいうものであること。
 17 第21条関係
   記のIIの第1の17「第21条関係」で示したところと同じであること。
 18 第22条関係
   記のIIの第1の18「第22条関係」で示したところと同じであること。
 19 第23条関係
   記のIIの第1の19「第23条関係」で示したところと同じであること。
 20 第24条関係
   本条は、つり上げ装置、起伏装置及び伸縮装置のワイヤロープ等が巻過ぎにより切断し、フック、
  ジブ等が落下すること、巻過ぎによりジブが後方に転倒すること等を防止するための安全装置を備
  えるべきことを定めたものであること。
   したがって、ジブの起伏及び伸縮に油圧シリンダ等を用いている移動式クレーンであっても、つ
  り上げは、ワイヤロープ等を巻き取ることによって行うこととなるので、巻過防止装置又は巻過ぎ
  を防止するための警報装置を備えなければならないものであること。
   具体的には、つり上げ装置の巻過防止装置が作動した場合には、その状態を引き起こした装置の
  動力、すなわち、つり上げ装置の巻過ぎによりフックが上昇して作動した場合にはつり上げ装置の
  動力を、伸縮装置を伸ばしたことによりフックが上昇して作動した場合には伸縮装置の動力を、起
  伏装置を伏せたことによりフックが上昇して作動した場合には起伏装置の動力を遮断し、作動を制
  動するものでなければならないこと。
   なお、起伏装置の巻過防止装置については、つり上げ装置の巻過防止装置が故障した場合等でつ
  り上げ装置の巻過ぎによりジブを後方へ転倒させる事故を防止するため、一定のジブ角度に達した
  時につり上げ装置の動力を遮断し、作動を制動する機能を有することが望ましいこと。
 21 第25条関係
  (1) 電気を動力とする移動式クレーンであって人力によるブレーキ以外のブレーキを用いるものの
   巻過防止装置は、それが電源を遮断する機能を有し、第19条第2項第3号に規定する要件を満たす
   場合には、第1項第1号の「作動を制動する機能を有するもの」として取り扱うこと。
  (2) 第2項第1号の「水、粉じん等」には、ガス及び蒸気が含まれること。
  (3) 第2項第1号の「水、粉じん等により機能に障害を生ずるおそれがない構造のもの」とは、装置
   内部に水、粉じん等が侵入することによる電気部品の絶縁劣化、短絡、過熱、接触不良等による
   機能の障害が生じないような防雨形、防じん形等の構造であるものをいうこと。
  (4) 第2項第4号の「接点が開放されることにより巻過ぎが防止される構造」とは、つり上げの作動
   が正常の状態で行われているときは巻過防止装置の内部の接点が投入(ON)されており、巻過ぎを
   防止すべきときには当該接点が開放(OFF)される構造をいい、いわゆる常時閉路型の構造をいうこ
   と。
  (5) 第2項第5号の「動力回路を直接遮断する構造のもの」とは、モータ用の主回路である開閉接点
   部分を巻過防止装置の内部に設けたものをいうこと。
 22 第26条関係
   「巻過ぎを防止するための警報装置」とは、ワイヤロープが巻過ぎの状態となる前に、音響によ
  り自動的に運転者に警報する装置をいうこと。
 23 第27条関係
    「過負荷防止装置」とは、クレーン又は移動式クレーンの過負荷防止装置構造規格(昭和47年労働
  省告示第81号)に定められる構造及び機能を具備し、所要の検定に合格したものをいうこと。
 24 第28条関係
  (1) 第1項の「安全弁」には、つり上げ装置等に取り付けられた安全弁のほか、動力源(アキュムレ
   ーター、ポンプ等)に取り付けられた安全弁が含まれるものであること。
  (2) 第2項の「水圧、油圧又は蒸気圧の異常低下」とは、ホースの破損又は連結部からの離脱等によ
   って水圧、油圧又は蒸気圧が低下することをいうこと。
  (3) 第2項の「逆止め弁」とは、例えば、操作レバーを中立にした場合に荷重を支える圧力側に設け
   られる逆流防止のバルブをいい、いわゆるパイロットチェックバルブ等がそれに該当すること。
 25 第30条関係
   ホイールクレーン等走行するための運転室とクレーン操作のための運転室が同一の移動式クレーン
  については、本条の「警報装置」に道路運送車両法(昭和26年法律第185号)に基づく道路運送車両の
  保安基準(昭和26年運輸省令第67号) 28 第34条関係第43号の警音器が含まれること。
 26 第31条関係
   ジブの角度の表示機能を有する過負荷防止装置は、「ジブの傾斜角の度合いを示す装置」に該当
  すること。
   なお、過負荷防止装置等により、ジブの傾斜角をクレーン等安全規則第70条の傾斜角の範囲内に
  制限している移動式クレーンを除き、同条の傾斜角の範囲が運転者にわかるよう、ジブの傾斜角の
  度合いを示す装置又は運転室等に表示するよう指導すること。
 27 第32条関係
   「フックから外れることを防止するための装置」とは、玉掛け用ワイヤロープ等の逸脱を確実に
  防止する次の図のような構造のものをいうこと。

   

 28 第34条関係
  (1) 本条は、電磁接触器等を遮断しているときに、その操作回路の地絡事故によって当該電磁接触
   器等のコイルに励磁電流が流れ、その結果電動機が運転状態となることによる危害を防止するた
   め、操作回路の結線の方法について定めたものであること。
  (2) 「電磁接触器等」には、電磁開閉器、電磁リレー等が含まれること。
  (3) 「電磁接触器等の操作回路であって、地絡した場合に電磁接触器等が閉路されるおそれがある
   もの」には、次に掲げる操作回路は含まれないこと。
   イ 非接地式又は中性点接地式である電源に接続する操作回路
   ロ 電磁接触器等のコイルの入力側及び出力側の両極に開閉接点部分を設け、これを同時に開閉
    する方式の操作回路
   ハ 共用保護盤等の電路保護装置であって、その保護機能が確実であるものを有する操作回路
 29 第35条関係
   第2項の「移動式クレーンの作動の種別」とは、巻上げ、起伏、旋回、伸縮等をいい、「方向」と
  は、上、下、右、左、伸ばし、縮小等をいうこと。
 30 第36条関係
   第3号の「安全ガラス」とは、合わせガラス、強化ガラス及び部分強化ガラスをいうこと。
 31 第37条関係
  (1) 本条は、ジブを伸長した場合、次の図の状態になるべきことを定めたものであり、ジブを伸長
   するときは基本ジブに近いジブから順次伸長し、短縮するときは先端ジブから順次短縮する機構
   を有する伸縮装置でなければならないことを定めたものであること。

   

    したがって、伸縮装置を有さないピン等で接続される継ぎジブ、人力で直接伸縮させるジブ及
   び伸縮することがない基本ジブについては、本条の適用がないこと。
  (2) ただし書の「過負荷防止装置を備える移動式クレーン」については、安定度によって定格荷重
   が定まる領域でより高い性能を有する移動式クレーンを設計しようとした場合、本条の趣旨であ
   る順次伸縮とすることが必ずしも最良の方法とは言えないことから、過負荷防止装置により安全
   性が確保できる場合には、本文の適用を除外するものであること。
  (3) ただし書には、つり上げる荷の質量が最弱のジブの伸縮状態での定格荷重を超えた場合に、直
   ちに移動式クレーンの作動を停止させる機能を有する過負荷防止装置を備える移動式クレーンが
   含まれること。
 32 第38条関係
   記のIIの第1の43「第50条関係」で示したところと同じであること。
 33 第40条関係
   記のIIの第1の44「第52条関係」で示したところと同じであること。
 34 第41条関係
  (1) 第1項第1号の表の「ジブの支持用ワイヤロープ」とは、ジブの先端とジブの起伏用のシーブと
   の間に設けられたワイヤロープをいい、ペンダントロープ、サスペンションロープ等の名称で呼
   ばれているものであること。
  (2) 第1項第3号の「つり具の位置が最も低くなる場合」とは、つり具が移動式クレーンの仕様書に
   定められている揚程の下端に達する場合をいうこと。
  (3) 第1項第4号の「ジブの位置が最も低くなる場合」とは、ジブがクレーン等安全規則第70条の傾
   斜角の範囲の下端に達する場合をいうこと。
  (4) 第2項の「揚程が50メートル以下」とは、移動式クレーンのつり具の最大垂直移動距離が50メー
   トル以下をいう趣旨であること。
  (5) 第2項の「シーブの効率」は、滑り軸受を用いた単独のシーブの効率を0・96、転がり軸受を用
   いた単独のシーブの効率を0・98として計算すること。
    ただし、正確な値が実証されたときは、その値を用いることができること。
 35 第42条関係
   記のIIの第1の46「第55条関係」で示したところと同じであること。
 36 第43条関係
  (1) 第1項の定格荷重の表示については、「玉掛けをする者」を除外したものであるが、クレーン等
   安全規則第70条の2において、事業者に対し、玉掛けをする者に対する移動式クレーンの定格荷重
   の表示等が義務付けられていることに留意し、製造者に対し、予め定格荷重表を作成するよう、
   また、玉掛けをする者の見やすい位置に表示が可能なものについては表示がなされるよう指導す
   ること。
  (2) 第1項の「定格荷重」の表示については、フック等つり具の質量が明確に表示されている場合に
   は、定格荷重に代えて定格総荷重を表示して差し支えないこと。
  (3) 第3項の「警告」の表示が必要とされる「拡幅式のクローラを有するクローラクレーンで、クロ
   ーラを最大限に張りださない状態で定格荷重を有しないもの」とは、第13条第5項ただし書の「拡
   幅式のクローラを有するクローラクレーンで、クローラを最大限に張り出さない状態で定格荷重
   を有しないクローラクレーン」をいい、本項は、拡幅式のクローラクレーンの後方転倒を防止す
   るため、クローラを最大限に張り出さない状態においては作業を禁止する旨の表示を行わせるこ
   とを定めたものであること。
    なお、クレーン等安全規則第70条の5の規定にも留意する必要があること。
 37 第44条関係
   「道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条第5号に規定する運行の用に供する移動式クレーン
  」とは、道路を走行することを目的として製造する移動式クレーンをいうこと。
   したがって、製造許可に当たっての第16条から第18条まで、第33条及び第36条に規定する基準に
  適合するか否かの判断については、事業場内のみを走行する移動式クレーンについて行うものであ
  ること。
 38 第45条関係
  (1) 適用除外については、当該移動式クレーンを製造しようとする事業場等を管轄する都道府県労
   働基準局長からのりん伺に基づき、労働省労働基準局長が認めた場合に行うものであること。
  (2) 大型浮きクレーンについて
    つり上げ荷重200t以上の大型の浮きクレーンであって、荷重を受ける回数が少なく、つり上げ
   装置の使用時間が短いため特殊な構造となるものについては、移動式クレーン構造規格第10条、
   第20条及び第41条の規定の適用を除外し、クレーン構造規格第11条、第20条及び第54条の規定に
   よることができること。
    なお、この場合、クレーン構造規格の適用に当たっては、下記に留意すること。
   イ 第11条第1項第3号及び第4号の荷重の組合せについては、計算の必要がないこと。
   ロ 第11条第1項第5号の荷重の組合せについては、ジブが航行時の姿勢として定められた状態に
    あるものとして計算して差し支えないこと。
   ハ 作業係数及びつり上げ装置等の等級については、当該浮きクレーンが使用される作業の実態
    を十分に明らかにした上で、当該浮きクレーンに常態として負荷される荷重条件、当該浮きク
    レーンが受ける荷重の回数及びつり上げ装置等の使用時間に応じて選択する必要があること。
 39 附則関係
  (1) 第3項の「現に製造している」とは、移動式クレーンが工作の過程にある場合のみならず、現に
   設計が完了している(設計の大部分を終了している場合を含む。)場合を含むものであること。
    なお、同一の設計により量産されるものについては、設計の完了ではなく、個別の移動式クレー
   ンが工作の過程にあるか否かにより、現に製造されているものか否かが判断されること。
  (2) 第3項の「現に存する」とは、移動式クレーンが現に設置されている場合、廃止して保管されて
   いる場合及び製造が完了しているがまだ設置されていない場合をいうものであること。
  (3) 第5項の「同一の設計」とは、同一形状、同一能力を有し、旧構造規格を満たし、構造部分の強
   度計算が同一のものをいうものであり、新規格を満たすため、疲れ強さに対する安全性を向上さ
   せるため部分的に補強を行ったもの、拡幅式のクローラクレーンの警告の表示を追加したもの等
   の変更を含むものではないこと。
III クレーン設置届受付時及び落成検査実施時の取扱いについて
   クレーン構造規格別表第2及び第3の「荷重を受ける回数」、「つり上げ装置等の使用時間」及び「
  区分」については、クレーンの設計の基本であり、その安全性を確保するために重要なものであるこ
  とから、クレーンの負荷条件を設置者に確認するとともに、「荷重を受ける回数」、「つり上げ装置
  等の使用時間」及び「区分」を明細書の備考欄に明示させ、検査証の記事欄に転記すること。
IV  クレーン及び移動式クレーンの変更の取扱いについて
   変更の取扱いについては、昭和46年9月7日付け基発第621号「クレーン等安全規則の1部を改正する
  省令の施行等について」の記の25等により指示しているところであるが、今後、ワイヤロープ及びブ
  レーキについては、上記通達によるほか、以下により取り扱うこと。
  1 クレーン等安全規則第44条関係
  (1) ワイヤロープ
     現に使用しているワイヤロープと直径及び材質が同一で、切断荷重が同一かそれ以上で、かつ、
    次のいずれかの場合に該当するワイヤロープと交換するときは、変更に当たらないこと。
    イ 本通達別表第5のグループの欄において、交換するワイヤロープが同一のグループの場合
    ロ 現に使用しているワイヤロープが本通達別表第5のグループの欄において1―2に含まれる場
     合にあっては、交換するワイヤロープが1―1のグループに含まれる場合
    ハ 現に使用しているワイヤロープが本通達別表第5のグループの欄において2に含まれる場合に
     あっては、交換するワイヤロープが1―1又は1―2のグループに含まれる場合
    ニ 現に使用しているワイヤロープが本通達別表第5のグループの欄において3に含まれる場合に
     あっては、交換するワイヤロープが1―1、1―2又は2のグループに含まれる場合
  (2) ブレーキ
     つり上げ装置及び起伏装置以外のブレーキについては、同等以上の能力を有するブレーキと交
    換する場合には、取付け位置等を変更しても、変更には当たらないこと。
     なお、この場合であっても、ブレーキの交換により、構造部分の補強等が必要となる場合につ
    いては、変更届が必要となること。
  2 クレーン等安全規則第85条関係
   移動式クレーン明細書のワイヤロープの欄に、使用することができる複数のワイヤロープの記入
  を認め、当該明細書に記入されているワイヤロープと交換するときは、変更には当たらないものと
  すること。
   なお、製造検査等を実施する際には、検査実施の時点で取り付けられているワイヤロープを確認し、
  移動式クレーン明細書のワイヤロープの欄に記載されている当該ワイヤロープ名に印を付すこと。

別紙1(省略)

別紙2

   


   
・E

  なお、σ Kr は鋼材の断面形状に応じて以下の式により求める。