法令 安全衛生情報センター:ホームへ
ホーム > 法令・通達(検索) > 法令・通達

労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令及び労働安全衛生規則等の
一部を改正する省令の施行並びにデリック構造規格の一部を改正する告示
等の適用について

改正履歴
基発第567号
平成11年9月30日
都道府県労働基準局長 殿
労働省労働基準局長

労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令及び労働安全衛生規則等の一部を改正する
省令の施行並びにデリック構造規格の一部を改正する告示等の適用について


労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(平成11年政令第240号。以下「改正政令」という。)は、 平成11年7月28日に公布され、同年10月1日から施行されることとなった。また、労働安全衛生規則等の 一部を改正する省令(平成11年労働省令第37号)及びデリック構造規格の一部を改正する告示等(平成11年 労働省告示第97号〜126号。以下「改正構造規格等」という。)が平成11年9月29日及び本日公布され、そ れぞれ同年10月1日から施行及び適用されることとなった。 今回の改正は、ボイラー等の定義等に使用する計量単位を国際単位系(以下「SI単位系」という。)に 改めたものである。ついては、関係者への周知徹底を図るとともに、下記事項に留意の上、その運用に 遺憾なきを期されたい。なお、検査等の運用に関し、別添(略)のとおり関係機関に通知したので了知されたい。



T 改正の要点
1 対象とする単位
計量法(平成4年法律第51号)に定めるもののうち、労働安全衛生関係法令で規定されている「力」 の趣旨で使用されている切断荷重、引張荷重、衝撃荷重等の単位及び力から派生する圧力、応カ、エ ネルギー値め単位について、SI単位系に移行するものであること。 なお、つり上げ荷重、積載荷重のように「質量」の趣旨で使用されている単位については従前のと おり「kg」等を使用するものであること。

2 換算方法
今回の改正においては、原則として、重力加速度gをg=9.80665m/s2 として換算し、換算後の有効数字の桁数が換算前の有効数字の桁数となるように四捨五入したこと。

U 労働安全衛生法施行令附則第2条及び第3条
労働安全衛生法施行令においてボイラー等の区分を規定している条文において、1キログラム毎平方センチメートルを0.1メガパスカル、水頭圧10メートルを0.1メガパスカルとすること等の改正を行ったところであるが、この換算の結果、1s/cm2を超え1.02s/cm2程度までの蒸気ボイラー等が規制の対象から除外されることになる。
こうした範囲に入るボイラー及び第一種圧力容器はほとんどないと考えられるが、万一あった場合は、例えば蒸気ボイラーでは、ボイラーから小型ボイラーへ(伝熱面積0.5m2を超え1.0m2以下の場合)あるいはボイラーから簡易ボイラーへ(伝熱面積0.5m似下の場合)の区分の変更が行われることになる。
このため、こうした区分の変更により小型ボイラーになるものについての個別検定の受検、合格の表示及び罰則の適用について改正政令に経過措置を設けたものであること。

V 運用に係る留意点
1 特定機械等の製造許可等の手続について
製造許可、構造検査等の手続において、施行日以降に事業者が行う申請に係る書類の記入及び局署 が交付する文書の記載はSI単位系で行う必要があるが、施行日より前に申請、交付された申請書、明 細書等についての差し替え、再提出の必要はないものであること。特にボイラー及び圧カ容器安全規 則関係手続については、次に留意すること。
(1) 製造許可について
施行日より前に製造許可を受けている範囲のものについては、今回の構造規格等の改正にかかわ らず、施行日以降改めて許可をとる必要はないものであること。
施行日以降は原則として改正構造規格で構造計算を行うこと。ただし、施行日より前から製造準 備をしていたものがあると考えられることから、当分の間、構造計算は従来単位系及び改正前の構 造規格で行い、申請書類に添付して差し支えないものであること。
JIS材料のSI単位系化に伴う取扱いについては、平成2年12月27日付け基発第762号「材料関係日 本工業規格の国際単位系移行に伴う省令、告示等における材料の取扱いについて」により運用して いたところであるが、今後の取扱いは次によること。
(イ) 材料に構造規格第1条に掲げるいずれかのものを使用する場合は、平成元年12月13目付け基発 第643号(以下「643号通達」という。)に示されたJIS材料に相当するものについて(例:SS41→ SS400)、643号通達に示された温度の範囲内で使用することができるものとすること。
(ロ) (イ)の材料及び温度範囲における許容引張応力は、ボイラーについてはJISB8201の付表2、圧 力容器についてはJISB8270の付表2.1、2.2及び3.2中の基本許容応力(SI単位)の数値を使用す るとができるものとすること。
(2) 構造検査等について
施行日より前に行われた申請による施行日以降の検査 施行日より前に申請が行われたものに対する構造検査等を施行日以降に行う場合は、従来単位 系からSI単位系への換算及び明細書(ボイラー明細書等及びボイラー溶接明細書等をいう。)へ の追記等を行う必要があること。
改正構造規格への適合 施行日以降にボイラー等を製造する場合は、改正前の構造規格で製造許可を得たボイラー等に ついては、改正前の構造規格を満たしていれば足りるものであること。
(3) 検査証について
施行日より前に発行された検査証について、SI単位系への法令改正の施行を理由として最高使用 圧力をSI単位系に書き替える必要はないこと。検査証の再交付の場合及び性能検査、変更検査、 使用再開検査の合格時の裏書きの場合も同様であること。 設置者から特段の申出があればSI単位系に換算して書き替えて差し支えないが、その際申請者に 安全弁の設定等は従来どおりとするよう指導すること。

2 届出等について
労働安全衛生法第88条関係の計画届等の届出等については、施行日以降、事業者が行う届出に係る 書類の記入はSI単位系で行うよう指導すること。 ただし、施行日前から届出準備をしていたものがあると考えられることから、当分の間、強度計算 等については、従来単位系で行い、審査に必要な項目のみSI単位系を併記の上添付することで差し支 えないこと。

W 関係通達の取扱い
1 平成2年12月27日付け基発第762号「材料関係日本工業規格の国際単位系移行に伴う省令、告示等にお ける材料の取扱いについて」は廃止する。

2 平成11年9月30日以前に発出した通達のうち、従来単位系により記載されたものについては、SI単位 系に読み替えるものとして取り扱うこと。 この場合、労働安全衛生関係法令に定めがないものについては、Iの2の換算方法により換算するもの とすること。 なお、同年10月1日以降に発出する通達については計量法の規定によりSI単位系を使用すること。

3 上記2にかかわらず、昭和50年4月7日付け基発第194号「再圧室の適正な管理等について」において、 「5キログラム毎平方センチメートル」を「0.49メガパスカル」に、「5Kg/cm2」を「0.49MPa」に読 み替えるものとし、それ以外のものについてはIの2の換算方法により換算すること。ただし、圧力の単 位は、すべて「メガパスカル(MPa)」とすること。 なお、当該通達別添「標準再圧法」の表「潜函病治療法(圧力はKg/cm2,ゲージ圧)」を別紙のとおり改めること。