「労災かくし」の排除に係る対策の推進について

基監発第0726001号
基徴発第0726001号
基安計発第0726001号
基労管発第0726001号
平成14年7月26日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局
監督課長
労働保険徴収課長
安全衛生部計画課長
労災補償部労災管理課長

「労災かくし」の排除に係る対策の推進について

 「労災かくし」の排除については、平成3年12月5日付け基発第687号「いわゆる労災かくしの排除につ
いて」、平成13年2月8日付け基発第68号「いわゆる労災かくしの排除に係る対策の一層の強化について」
により推進してきたところであるが、依然として労災かくしが多発していることから、下記により、労災
かくしの排除に係る周知・啓発等を行うこととするので、遺憾なきを期されたい。
1 ポスター及びリーフレットによる周知・啓発
  労災かくしの排除を呼びかけるポスターを局署及び関係行政機関等に掲示するとともに、医師会の協
 力を得て労災保険指定医療機関に掲示することにより、周知・啓発を図ること。
  また、同趣旨のリーフレットを活用し、事業者に対し、監督指導、個別指導、集団指導、安全パトロー
 ル、労働保険の年度更新に係る説明会、署の窓口指導、労働災害防止団体が主催するトップセミナー等
 あらゆる機会を通じ、労働者死傷病報告書の適正な提出について、周知・啓発を図ること。
  また、事業主団体等における自主的活動を促進する観点から事業主団体等が自主的に厚生労働省作成
 ポスターにその名称を付して印刷することを希望する場合には、これを可能とすることとしたので別添
 により適切に対応すること。
2 都道府県及び市町村の広報誌・紙等による周知・啓発
  都道府県及び市町村の広報誌・紙等に労災かくしの排除についての広報掲載を依頼することにより、
 事業者、労働者はもとより広く一般に対し、労災かくしの排除への周知・啓発を行うこと。
3 厚生労働省ホームページによる周知・啓発
  厚生労働省ホームページ上に、新たに労災かくしの排除に係る掲示を行い、[1]労災かくしは法違反で
 あること、[2]労災かくしの排除に係る対策の概要、[3]労働災害発生時に事業者及び労働者が行うべき
 事項(労働者死傷病報告書の記入及び提出、労災請求手続等)、[4]労災かくしに係る送検事例の周知・
 啓発を行うこととしていることから、その活用を図ること。
4 労災防止指導員の活用による労災かくしの排除
  労災防止指導員は、中小規模事業場等における安全管理及び衛生管理の向上を図り、もって労働災害
 の防止に資するために都道府県労働局長が任命しているものであるが、労災防止指導員が事業場に対し
 て指導を行う際に併せて労災かくしの排除についての啓発・指導を行うこととするので、労災防止指導
 員の活動に当たって留意すること。
5 労働基準法第87条について
  労働基準法第87条第2項に基づいて、建設業の元請負人が下請負人に対し、災害補償に係る使用者責任
 を負わせる事例がみられる。
  本規定は、元請負人を使用者とみなすことを基本としつつ、資力のある下請負人に対し、元請負人が
 書面による契約で補償を引き受けさせた場合、当該下請負人もまた使用者責任を負うこととする旨を規
 定したものである。
 したがって、本規定を根拠として、資力のない下請負人に使用者責任を負わせることは、その趣旨に反
 するばかりでなく、元請負人の保険関係に基づく保険給付の請求をさせないで下請負人に災害補償を行
 わせ、その結果として労災かくしにつながることも懸念される。
  このため、元請負人がむやみに下請負人に対して本規定により、災害補償に係る使用者責任を負わせ
 ることがないよう、集団指導等の機会をとらえて指導を行うこととすること。
6 医療機関に対する周知・啓発
  医療機関に対し、業務上の災害により被災した場合には、労働者災害補償保険の請求について労働基
 準監督署に相談することを被災労働者に勧奨するよう、労災診療協議会等の機会をとらえ、周知・啓発
 すること。
7 事業者団体、都道府県社会保険労務士会等への要請
  事業者団体等に対し、その構成員である事業者を対象とした文書の発出、機関紙への記事の掲載、総
 会等各種会合における説明等により、労災かくしの排除に係る周知・啓発のための取組を行うことを要
 請すること。
  また、各都道府県社会保険労務士会に対し、会員社会保険労務士が、労災かくしの排除の重要性につ
 いて関係事業場の理解を得るよう協力を要請すること。
8 発注機関への働きかけ
  公共建設工事における労災かくしを排除するために、公共建設工事の発注機関に対し、労災かくしに
 対する基本的考え方を説明し、理解を求めた上で、発注機関として、労災かくしの排除について工事施
 工業者を指導するよう働きかけを行うこと。
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