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建築物等の解体等の作業におけるアスベストばく露防止対策の徹底について

改正履歴


                                     基安化発第0725001号
                                       平成18年7月25日



都道府県労働局労働基準部長 殿     


                                     厚生労働省労働基準局
                                  安全衛生部化学物質対策課長



     建築物等の解体等の作業におけるアスベストばく露防止対策の徹底について


 
 標記については、かねてより石綿障害予防規則等に基づきその徹底を図っているところであるが、本年
6月30日、新潟労働局管内の小学校において、吹付けアスベストの除去作業中にアスベストを含む粉じん
が作業場外に漏洩し、付近にいた児童等がその粉じんを吸入したと思われる事案が発生したところである。
 本事案の概要は、別紙のとおりであるが、作業場所からのアスベストの漏洩は、労働者のばく露だけで
なく、当該建築物の利用者や一般公衆にも影響を及ぼすおそれがあるものである。
 ついては、今後、学校施設においては、夏休み等を利用し、吹付けアスベストの除去作業が集中的に行
われることが予想されることから、下記事項について、関係団体に対し周知するとともに、計画届又は作
業届の審査、監督指導及び個別指導の実施に当たっては、石綿障害予防規則に定める措置のほか、下記事
項にも留意のうえ、事業者に対する適切な指導に遺憾なきを期されたい。
 なお、関係団体に対しては別添のとおり要請を行ったので了知されたい。 


                       記

1 石綿障害予防規則第6条に基づく隔離については、シートが破れたり接着テープがはがれたりすること
 のないよう、また、作業場所について建築物の構造上外部に通じる隙間がないかどうか目視、設計図書
 等により事前に確認し、さらに作業場所を負圧に維持すること等により外部にアスベストが漏洩するこ
 とのないよう確実な措置を講じること。
 
2 サンドブラスト機は発じんが多く、また、作業場所を加圧させるものであることからアスベストの除
 去作業では使用を避けること。他の方法で除去することが困難な場合等やむを得ず使用する場合は、大
 量の粉じんが発生すること、作業場所が加圧されることを念頭に入れ、適切な除じん装置の選定、フィ
 ルターの点検及び交換頻度の設定を行い、作業場所の負圧状態を維持すること。
  また、シートの養生の状況についても点検回数を増やすこと、接着テープの接着力の確保等により、
 アスベストが漏洩することのないよう確実な措置を講じること。
 
3 石綿作業主任者等が除じん装置の正常な稼働状況や作業場所の負圧状態を監視する体制を確立するこ
 と。

4 漏洩事案が発生した場合には、直ちに漏洩箇所周辺を立ち入り禁止にする等、関係労働者及び第三者
 がアスベストにばく露することを回避するため必要な措置を講じること。

5 石綿ばく露防止対策等の実施内容を建物の利用者等が見やすい場所に掲示すること。 




(別紙)


          新潟局管内の小学校で発生したアスベスト漏洩事案について


1 発生状況
  小学校校舎階段をビニールシートで隔離し、サンドブラスト機を使用してアスベスト除去工事を行っ
 ていたところ、負圧除じん装置のフィルターの目詰まりにより、同装置の能力が低下し、作業場所内が
 加圧状態となり、ビニールシートの接着部の疲労等により生じた隙間(幅1cm、長さ15cm)から、アス
 ベストを含む粉じんが作業場所外部に漏洩したものである。
 
2 発生原因
(1)負圧除じん装置の負圧による引っ張り、セキュリティーゾーンと作業場所の間の労働者の出入りに
  よる外力が、ビニールシートの接続部にかかったことにより、接続部の粘着テープがはがれ、当該ビ
  ニールシートに隙間が生じたこと。 
(2)負圧除じん装置について、性能に応じた適切なフィルターの交換を行っておらず、同装置の能力低
  下をきたし、サンドブラスト機使用により作業場所内が加圧状態になったこと。 
(3)負圧除じん装置の異常を知らせる警告ランプが、作業場所から離れた場所にあり、常に確認できる
  状態となっていなかったため、除じん装置の異常に気付くのが遅れ、加圧状態で作業を続けたこと。 
 



                                     基安化発第0725002号
                                       平成18年7月25日 

関係団体の長 殿 


                                     厚生労働省労働基準局
                                  安全衛生部化学物質対策課長  




      建築物等の解体等の作業におけるアスベストばく露防止対策の徹底について

 

 標記につきましては、貴会員事業場におかれても石綿障害予防規則等に基づき必要な対策の実施に努め
ていただいているところですが、アスベストが作業場外に漏洩する事案が散見されるところであり、本年
6月30日には、新潟県内の小学校において、吹付けアスベストの除去作業中にアスベストが作業場所から
漏洩し、付近にいた児童等がその粉じんを吸入したと思われる事案が発生したところです。
 本事案の概要は、別紙のとおりですが、アスベストの漏洩は、労働者のばく露だけでなく、当該建築物
の利用者や一般公衆にも影響を及ぼすおそれがあるものです。
 つきましては、貴協会におかれては、貴会会員事業場に対し、石綿障害予防規則等に基づく必要な対策
の実施について引き続き指導していただくとともに、今回の事案等を踏まえ、下記の事項について周知徹
底していただきますようお願いいたします。 


                       記

1 石綿障害予防規則第6条に基づく隔離については、シートが破れたり接着テープがはがれたりすること
 のないよう、また、作業場所について建築物の構造上外部に通じる隙間がないかどうか目視、設計図書
 等により事前に確認し、さらに作業場所を負圧に維持すること等により外部にアスベストが漏洩するこ
 とのないよう確実な措置を講じること。
 
2 サンドブラスト機は発じんが多く、また、作業場所を加圧させるものであることからアスベストの除
 去作業では使用を避けること。他の方法で除去することが困難な場合等やむを得ず使用する場合は、大
 量の粉じんが発生すること、作業場所が加圧されることを念頭に入れ、適切な除じん装置の選定、フィ
 ルターの点検及び交換頻度の設定を行い、作業場所の負圧状態を維持すること。
  また、シートの養生の状況についても点検回数を増やすこと、接着テープの接着力の確保等により、
 アスベストが漏洩することのないよう確実な措置を講じること。
 
3 石綿作業主任者等が除じん装置の正常な稼働状況や作業場所の負圧状態を監視する体制を確立するこ
 と。

4 漏洩事案が発生した場合には、直ちに漏洩箇所周辺を立ち入り禁止にする等、関係労働者及び第三者
 がアスベストにばく露することを回避するため必要な措置を講じること。

5 石綿ばく露防止対策等の実施内容を建物の利用者等が見やすい場所に掲示すること。