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THPと高齢者の医療の確保に関する法律に基づく特定保健指導との関係について

改正履歴

                                      基安労発第0331004号
                                       平成20年3月31日


都道府県労働局労働基準部
    労働衛生主務課長 殿


                                 厚生労働省労働基準局
                                   安全衛生部労働衛生課長
                                    
                                      


    THPと高齢者の医療の確保に関する法律に基づく特定保健指導との関係について

 
 労働者の健康保持増進のための指針(昭和63年健康保持増進のための指針公示第1号。以下「THP指針」
という。)に基づき、これまで各事業場において健康保持増進措置(以下「THP」という。)が行われて
きたが、平成20年4月1日から、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80号)に基づき、特
定健康診査及び特定保健指導が開始される。
 THPは、全ての労働者を対象とした心身両面にわたる健康づくりであるが、特定保健指導等は、40歳か
ら74歳までの被保険者、被扶養者を対象とした内臓脂肪型肥満に着目した健康管理であり、実施義務者
もそれぞれ事業者、医療保険者と異なるところである。しかしながら、事業場の労働者(被保険者)を
対象とする保健指導という観点からみれば、THPの健康指導が特定保健指導の対象外である40歳未満の者
や異常所見のない者も対象とする一方で、特定保健指導が40歳以上で生活習慣病の一定のリスクのある
者を対象にリスクに応じた保健指導をする等の違いがあるものの、生活習慣病の予防の面で、その実施
する内容は重なっており、また、THPを実施するスタッフ(以下「THPスタッフ」という。)は生活習慣
病予防等の面での活動実績がある。
 ついては、下記の特定保健指導との関係に留意しつつ、より多くの事業場でTHPの取組が特定保健指導
等とともに普及・定着されるよう指導方お願いする。
 なお、その推進に当たっては、地域・職域連携推進協議会を活用した地域保健における健康づくり事
業等との連携強化及び高齢者の医療の確保に関する法律に基づく医療保険者が行う措置との連携も配慮
方お願いする。

                      記

1 特定保健指導とTHPを同時に実施する場合の留意事項について(参考1を参照。)
(1)事業場又は労働者健康保持増進サービス機関等がTHPと特定保健指導を同時に実施する場合
   事業場又は労働者健康保持増進サービス機関等(以下「事業場等」という。)が、医療保険者から
  特定保健指導の実施につきアウトソーシングを受けた場合には、当該事業場等は、特定保健指導を全
  て含む内容でTHPを実施するものとすること。この場合には、事前に、医療保険者と費用分担等を決
  めておく必要があること。
(2)特定保健指導部分を事業場等以外の機関が実施する場合
   特定保健指導部分を事業場等以外の機関が実施する場合には、当該特定保健指導の一部がTHPに該
  当することを踏まえ、当該事業場等は、医療保険者から特定保健指導の実施結果についての情報提供
  を受け、それに該当する者に対しては、当該特定保健指導の中のTHPに該当する部分を除いて、THPを
  実施するものとすること。この場合には、労働者の健康情報の保護に留意し、かつ、医療保険者、労
  働者の同意を得る必要があること。

2 THPスタッフが特定保健指導の実践的指導の実施者となるための要件について(参考2を参照。)
  平成20年3月10日付け健発第0310007号、保発第0310001号「特定健康診査及び特定保健指導の実施に
 ついて」(以下「特定保健指導等施行通知」という。)により、次のとおり、THPスタッフが特定保健
 指導の実践的指導の実施者となるための要件が示されていること。
  なお、別紙1〜3の追加研修については、中央労働災害防止協会において、THPスタッフ養成専門研修
 と併せて実施する予定であること。
(1)THP指針に基づく運動指導担当者が特定保健指導における運動に係る実践的指導の実施者となるた
  めの要件
  ア 特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準(平成19年厚生労働省令第157号。以下「実
   施基準」という。)第7条第1項第2号及び第8条第1項第2号の規定に基づき厚生労働大臣が定める食
   生活の改善指導又は運動指導に関する専門的知識及び技術を有すると認められる者(平成20年厚生
   労働大臣告示第10号。以下「実践的指導実施者基準」という。)第2の2中「1に定める者と同等以
   上の能力を有すると認められる者」に相当するものは、財団法人健康・体力づくり事業財団が認定
   する健康運動指導士のほか、THP指針に基づく運動指導担当者であって別紙1の追加研修を受講した
   者であること。
  イ なお、THP指針に基づく運動指導担当者であって保健師及び管理栄養士並びに特定保健指導等施
   行通知第三の1(1)にいう保健指導に関する一定の実務経験を有する看護師(実施基準施行後5年
   に限る。)である者については、別紙1の追加研修を受講する必要はないものとすること。
  ウ また、平成20年3月31日までにTHP指針別表の2に定める運動指導専門研修を修了した運動指導担
   当者については、別紙1の追加研修を受講する必要はないものとすること。
(2)THP指針に基づく産業栄養指導担当者又は産業保健指導担当者が特定保健指導における食生活の改
  善に係る実践的指導の実施者となるための要件
  ア 実践的指導実施者基準第1の2中「1に定める者と同等以上の能力を有すると認められる者」に相
   当するのは、THP指針に基づく産業栄養指導担当者であって別紙2の追加研修を受講した者又はTHP
   指針に基づく産業保健指導担当者であって別紙3の追加研修を受講した者であること。
  イ なお、THP指針に基づく産業栄養指導担当者であって管理栄養士である者、又はTHP指針に基づく
   産業保健指導担当者であって保健師又は特定保健指導等施行通知第三の1(1)にいう保健指導に関
   する一定の実務経験を有する看護師(実施基準施行後5年に限る。)である者については、それぞ
   れ別紙2の追加研修又は別紙3の追加研修を受講する必要はないものとすること。
  ウ また、平成20年3月31日までに、THP指針別表の5に定める産業栄養指導専門研修を修了した産業
   栄養指導担当者又はTHP指針別表の6に定める産業保健指導専門研修を修了した産業保健指導担当者
   については、それぞれ別紙2又は別紙3の追加研修を受講する必要はないものとすること。
3 その他
  平成9年2月3日付け基発第68号「健康保持増進措置を実施するスタッフ養成専門研修について」別表1
 中、「5 産業栄養指導専門研修」の[2]に記載された「労働者に対する栄養指導の実務の経験」又は「
 6 産業保健指導専門研修」の[2]に記載された「労働者に対する生活指導の実務の経験」については、
 対象者が明らかに労働者ではない者に限定した栄養指導又は生活指導に係るものを除き、当該実務経験
 に含むものとみなして差し支えないこと。
 



参考1 (PDF形式:13KB)