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平成20年岩手・宮城内陸地震による災害復旧工事における労働災害防止対策
の徹底について

改正履歴

                                     基安安発第0616001号
                                     基安労発第0616001号
                                     基安化発第0616001号
                                       平成20年6月16日
 

建設業労働災害防止協会会長 殿
社団法人全国建設業協会会長 殿
社団法人日本建設業団体連合会会長 殿


                               厚生労働省労働基準局安全衛生部
                                          安全課長
                                        労働衛生課長
                                      化学物質対策課長
                                    
                                      


 平成20年岩手・宮城内陸地震による災害復旧工事における労働災害防止対策の徹底について

 
 建設業における労働災害防止につきましては、平素から格段の御理解、御協力をいただき御礼申し上
げます。
 さて、平成20年6月14日に「平成20年岩手・宮城内陸地震」が発生し、土砂崩壊等により大きな被害が
発生しました。今後、被害を受けた道路や河川等の復旧工事が早急に行われることとなりますが、これ
らの工事を円滑に行うためにも、労働災害防止対策の徹底を図る必要があります。特に、今後、梅雨や
台風による大雨等が予想されるところであり、災害復旧工事における土砂崩壊等の発生が危惧されると
ころです。
 つきましては、災害復旧工事における労働災害防止対策のより一層の徹底を図るため、特に下記の労
働災害防止にも十分留意した施工が行われるよう、貴協会会員各位に対し周知を図られたくお願いいた
します。


                      記


1 土砂崩壊災害の防止
  作業箇所等を事前に十分に調査し、調査結果を踏まえた作業計画を策定した上で、これに基づき作業
 を行うこと、点検者を指名して、地山の異常をできるだけ早期に発見するよう努めること、土砂崩壊の
 おそれがある場合には、あらかじめ堅固な構造の土止め支保工を設けること等により、土砂崩壊災害防
 止対策の徹底を図ること。

2 土石流災害の防止
  作業場所から上流の河川の形状等を事前に十分に調査すること、土石流の早期把握等の措置を講ずる
 ための警戒降雨量基準、作業を中止して労働者を退避させるための作業中止降雨量基準等を必要に応じ
 見直すこと、警報用設備及び避難用設備の点検を実施するとともに、警報及び避難の方法等について労
 働者に十分周知すること等により、土石流災害防止対策の徹底を図ること。

3 道路等の復旧工事における災害の防止
  路盤の補修、橋桁や橋脚の補修工事等が行われるため、移動式クレーン、建設機械等による災害の防
 止対策のほか、コンクリート片等の飛来・落下による災害防止措置等の徹底を図ること。

4 電気・通信工事における災害の防止
  電気・通信施設の復旧のためには、高所作業、高所作業車を用いる作業等が行われるので、墜落防止
 措置、高所作業車の転倒防止措置等の徹底を図ること。

5 ガス・水道復旧工事における災害の防止
  掘削作業に伴う土砂崩壊災害防止措置のほか、各種の建設機械等による災害の防止対策の徹底を図る
 こと。

6 建築物の解体、改修工事における石綿ばく露の防止
  防じんマスクの使用等の石綿粉じんのばく露防止対策の徹底を図ること。

7 熱中症の予防
  高温、多湿期の作業となるので、適切な水分、塩分の補給等熱中症予防対策の徹底を図ること。

8 余震の発生に留意した安全な施工
  引き続き余震が発生する可能性があるので、余震による二次災害の防止に留意した安全な施工の徹底
 を図ること。