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林業における間伐作業の増加に伴う労働災害防止の徹底について

改正履歴
                                           事務連絡
                                        平成21年7月13日

都道府県労働局労働基準部
           安全主務課長 殿

                                     厚生労働省労働基準局
                                       安全衛生部安全課
                                       建設安全対策室長

               林業における間伐作業の増加に伴う労働災害防止の徹底について

 平成21年の林業における労働災害による死亡者数は、別添1のとおり、1月から6月の半年間で22人(速
報値)と前年同期と同数となっているが、月別の発生状況をみると、間伐作業が盛んに行われる1〜3月に
おける死亡者が18人と全体の8割以上を占めている一方、樹木の成長期に当たり、間伐作業が控えられる
4〜6月における死亡者数は4人にとどまっているなど、例年にない特徴を示している。
 また、平成21年に発生した死亡災害の内訳をみると、かかり木の処理作業に伴う死亡者が4名となって
いるほか、伐木作業中に伐倒木が想定外の方向に倒れ、他の作業者に激突するなど別の作業者による作業
の影響により被災した者が3名となっている。また、被災者の年齢、経験年数に着目すると、経験年数5年
以下の者6名はいずれも30代後半から60代前半であり、他業種から林業に参入して間もない者による災害
も目立つところである。
 上記のような災害発生状況に加え、林業については、近年、雇用の受け皿としての期待が大きく、地球
温暖化防止対策の推進等もあいまって、間伐作業をはじめとする作業が増加傾向にあり、また、建設業等
他業種に属する事業者が間伐作業を請け負う事案も散見されるほか、特に、夏から秋にかけて間伐作業の
事業量が増加することに伴い、死亡災害の増加も懸念されるところである。
 ついては、林業・木材製造業労働災害防止協会各支部、林野行政機関等との連携のもと、貴局管内にお
ける間伐作業の発注状況を把握するとともに、下記の事項に特に留意の上、事業者等に対して労働安全衛
生関係法令の遵守を徹底する等により、林業における死亡災害をはじめとする労働災害の防止の徹底を図
られたい。
 また、指導等の実施状況については、本省において今後の林業における労働災害防止対策の推進に資す
るため、随時、当室あて情報提供されたい。
 なお、林業・木材製造業労働災害防止協会に対しても別添2のとおり要請を行っているので念のため申
し添える。

                                          記

1  事業場に対する個別指導、集団指導等の実施に当たっては、林業・木材製造業労働災害防止協会作成
のリーフレット「リスクアセスメントを進めましょう」等を活用し(http://www.mhlw.go.jp/bunya/ro
udoukijun/anzeneisei14/index.html)、危険性又は有害性等の調査等(リスクアセスメント)の普及・
促進に努めること。

2  「かかり木の処理の作業における労働災害防止のためのガイドライン」(以下「ガイドライン」とい
う。)に基づく措置の徹底を図ること。特に、経験年数の短い者ほど伐木作業等に伴い、かかり木を生じ
やすいため、下記4及び5の実施に当たってはガイドラインに基づく措置の適切な実施に留意すること。

3  現場において複数の労働者が作業を行う場合には、事業者に対し、法令に定める合図や退避確認等を
徹底させることはもとより、別の作業者による作業による危険も考慮した作業計画を策定し、これに基づ
く作業を行わせるよう指導すること。

4  職業安定部署、林野行政機関等と連携の上、建設業等他業種から林業に新規参入した事業者や新たに
林業に就業する者等経験期間の短い労働者を使用する事業者に対し、安全衛生に関する教育の適切な実施
について必要な指導を行うこと。
  特に、職業安定部において実施している委託事業や林野行政機関等が推進している事業において実施さ
れる新規就業者を対象とする研修等については、労働災害防止に関する内容を積極的に盛り込むよう要請
するとともに、資料提供等の協力に努めること。

5  林野行政機関等から労働安全衛生関係のパトロール等の要請があった場合には、積極的にこれに参画
すること。