じん肺法に基づくじん肺管理区分決定に係る留意事項について

事務連絡
平成23年1月18日
都道府県労働局労働基準部
労働衛生主務課長 殿
厚生労働省労働基準局
安全衛生部労働衛生課長

じん肺法に基づくじん肺管理区分決定に係る留意事項について

 じん肺法に基づくじん肺管理区分決定については、昭和53年4月28日付け基発第250号「改正じん肺法の
施行について」(以下「昭和53年通達」という。)において、「じん肺診査ハンドブック」(昭和54年改訂)
に記載された内容を基本として行うこととしている。
 また、その一部については、平成22年7月より、じん肺法施行規則及び労働安全衛生規則の一部を改正
する省令(平成22年厚生労働省令第82号)(以下「改正省令」という。)及び平成22年6月28日付け基発0628
第6号「じん肺法における肺機能検査及び検査結果の判定等について」(以下「平成22年通達」という。)
に基づき改正されたところである。
 今般、都道府県労働局から報告された最近の事案及び疑義照会等を踏まえ、じん肺管理区分決定に係る
留意事項を以下のとおり取りまとめたので、貴職におかれては、これについて周知に努めるとともに、適
切な対応を図るよう留意されたい。
1 改正省令及び平成22年通達に係る留意事項
  (1) 改正省令に基づき、じん肺健康診断結果証明書に喫煙歴の記入欄が追加されたが、これはじん肺
   の判定に用いるためではなく、じん肺及びじん肺の合併症の健康管理に役立てるためである旨を改
   めて徹底すること。
  (2) 肺機能検査の判定については、平成22年通達の第1の1の(2)のアにおいて、著しい肺機能障害と
   判定する基準を示しているが、当該基準は機械的にあてはめるためのものではなく、カ及び別添の
   フローチャートで示しているように、エックス線写真像、過去の検査結果、他の所見等を踏まえ、
   医師の総合的評価による判定を必ず行うこと。
  (3) 平成22年通達の第1の1において、昭和53年通達の一部を改正し、「じん肺診査ハンドブック」の
   Uの5のうち、「(1)肺機能検査の体系」及び「(4)検査結果の判定」についてはじん肺の判定に用い
   ないこととしたが、「(2)1次検査の内容と方法」及び「(3)2次検査の内容と方法」及び「(5)その
   他の検査」については従前のとおりであること。

2 その他の留意事項
  (1) じん肺管理区分決定の申請者から提出された胸部エックス線写真がデジタル写真であるときは、
   CR撮像表示条件確認表又はDR(FPD)撮像表示条件確認表(以下「確認表」という。)の内容を確実に
   地方じん肺診査医に伝えるとともに、読影に不適切な条件であった場合は再検査の実施等を命じる
   ことを改めて徹底すること。
  (2) じん肺健康診断における胸部エックス線写真の撮影を実施した一部の医療機関について、確認表
   に撮影を実施した医師又は放射線技師の署名及び捺印を求めた場合、若しくは胸部エックス線写真
   の撮影後、別途確認表の記載を依頼した場合に、申請者が文書料を請求されたり、医療機関から労
   働局に対して文書料の徴収に関する照会がなされたりした事案が報告されている。
    文書料請求の有無については各医療機関の裁量によるが、じん肺管理区分決定の申請者に対して
   は、胸部エックス線写真の撮影と同時に確認表の記載を医療機関に依頼することが望ましいことと
   ともに、必要に応じて確認表の記載に文書料が請求される可能性がある旨を周知すること。
    なお、確認表については、健康診断結果証明書等と異なり、胸部エックス線写真の撮影を実施し
   た医師等の署名及び捺印は無くても差し支えない。
  (3) 平成28年3月14日付け基発第0314第4号別添1「じん肺管理区分の決定等に関する事務取扱要領」
   の第2の2の(4)において、再・追加検査実施、物件提出命令書を関係者に交付した場合、当該命令書
   に示した提出期限の日から6カ月を経過しても指定した資料の提出がないときは、既提出資料を提出
   者に返還し、決定不能として取り扱って差し支えないこととしているが、本省における審査請求事
   案においても同様に扱うこととする。その際、本省から都道府県労働局に対して、資料の提出状況
   等を確認することがあるので留意されたい。
  (4) じん肺管理区分決定の申請に係る書類及び胸部エックス線写真を都道府県労働局から関係者又は
   関係機関へ送付する際には、機微な個人情報が含まれること、また信書に該当するものが含まれる
   ことから、書留の利用を改めて徹底すること。






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