情報通信機器を用いた労働安全衛生法第66条の8第1項、第66条の8の2第1項、第66条の8の4第1項及び第66条の10第3項の規定に基づく医師による面接指導の実施について

基発0915第5号
平成27年9月15日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局長

情報通信機器を用いた労働安全衛生法第66条の8第1項、第66条の8の2第1項、第66条の8の4第1項及び第66条の10第3項の規定に基づく医師による面接指導の実施について

 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第66条の8第1項法第66条の8の2第1項法第66条の8の4第1項及び法第66条の10第3項の規定において、事業者は、一定の要件を満たす労働者に対
して、医師による面接指導を実施しなければならないこととされている。
 今般、これらのの規定に基づく面接指導を情報通信機器を用いて行うことについて、下記のとおり考
え方及び留意事項を示すこととしたので、事業者に対する指導等について遺漏なきを期されたい。
1 基本的な考え方
  法第66条の8第1項において、面接指導は「問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じ
 て面接により必要な指導を行うこと」とされており、医師が労働者と面接し、労働者とのやりとりやそ
 の様子(表情、しぐさ、話し方、声色等)から労働者の疲労の状況やストレスの状況その他の心身の状況
 を把握するとともに、把握した情報を元に必要な指導や就業上の措置に関する判断を行うものであるた
 め、労働者の様子を把握し、円滑にやりとりを行うことができるよう、原則として直接対面によって行
 うことが望ましい。
  一方、情報通信機器を用いて面接指導を行った場合も、労働者の心身の状況を把握し、必要な指導を
 行うことができる状況で実施するのであれば、直ちに法違反となるものではない。
  ただし、情報通信機器を用いて面接指導を行う場合には、労働者の心身の状況の確認や必要な指導が
 適切に行われるようにするため、以下2に掲げる事項に留意する必要がある。

2 情報通信機器を用いた面接指導の実施に係る留意事項
 (1) 面接指導を実施する医師が、以下のいずれかの場合に該当すること。なお、以下のいずれの場合に
  おいても、事業者は、面接指導を実施する医師に対し、面接指導を受ける労働者に関する労働時間等
  の勤務の状況及び作業環境等に関する情報を提供しなければならないこと。
  ① 面接指導を実施する医師が、対象労働者が所属する事業場の産業医である場合。
  ② 面接指導を実施する医師が、契約(雇用契約を含む)により、少なくとも過去1年以上の期間にわ
   たって、対象労働者が所属する事業場の労働者の日常的な健康管理に関する業務を担当している場
   合。
  ③ 面接指導を実施する医師が、過去1年以内に、対象労働者が所属する事業場を巡視したことがあ
   る場合。
  ④ 面接指導を実施する医師が、過去1年以内に、当該労働者に直接対面により指導等を実施したこ
   とがある場合。
 (2) 面接指導に用いる情報通信機器が、以下の全ての要件を満たすこと。
  ① 面接指導を行う医師と労働者とが相互に表情、顔色、声、しぐさ等を確認できるものであって、
   映像と音声の送受信が常時安定しかつ円滑であること。なお、映像を伴わない電話による面接指導
   の実施は認められない。
  ② 情報セキュリティ(外部への情報漏洩の防止や外部からの不正アクセスの防止)が確保されること。
  ③ 労働者が面接指導を受ける際の情報通信機器の操作が、複雑、難解なものでなく、容易に利用で
   きること。
 (3) 情報通信機器を用いた面接指導の実施方法等について、以下のいずれの要件も満たすこと。
  ① 情報通信機器を用いた面接指導の実施方法について、衛生委員会等で調査審議を行った上で、事
   前に労働者に周知していること。
  ② 情報通信機器を用いて実施する場合は、面接指導の内容が第三者に知られることがないような環
   境を整備するなど、労働者のプライバシーに配慮していること。
 (4) 情報通信機器を用いた面接指導において、医師が緊急に対応すべき徴候等を把握した場合に、労働
  者が面接指導を受けている事業場その他の場所の近隣の医師等と連携して対応したり、その事業場に
  いる産業保健スタッフが対応する等の緊急時対応体制が整備されていること。 

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