特定化学物質障害予防規則第38条の20第3項第2号に定める有効な呼吸用保護具の防護係数の確認に関する補足について

基安化発1227第1号
平成28年12月27日
都道府県労働局労働基準部長 殿
厚生労働省労働基準局
安全衛生部化学物質対策課長

特定化学物質障害予防規則第38条の20第3項第2号に定める有効な呼吸用保護具の防護係数の確認に関する補足について

 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号。以下「特化則」という。)第38条の20に基づき、
リフラクトリーセラミックファイバー及びこれを重量の1%を超えて含有する製材その他のものを窯、炉
等に張り付けること等の断熱又は耐火の措置を講ずる作業等については、労働者に有効な呼吸用保護具及
び作業衣又は保護衣を使用させなければならない旨が規定されており、平成27年9月30日付け基発0930第9
号「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令及び労働安全衛生規則等の一部を改正する省令の施行に
ついて」(平成28年11月30日付け基発1130第4号により改正。以下「通達」という。)により、その取扱い
について示したところであるが、その具体的な内容について、下記のとおり補足するので、その施行に遺
漏なきを期されたい。
 また、併せて本通達については、別添(略)のとおり、別紙(略)関係事業者等団体の長宛て傘下会員事業
者への周知等を依頼したので了知されたい。
1 防護係数の確認の対象範囲について
  特化則第38条の20第3項第2号に定める有効な呼吸用保護具については、通達第2の2(2)のキの(ク)で
 その具体的な内容を示しているところであるが、「100以上の防護係数が確保できるものであり、(ケ)
 の方法により、労働者ごとに防護係数が100以上であることが確認されたものが含まれること。」とは、
 平成27年度及び平成28年度の化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会での専門家による
 検討結果を踏まえ、防護係数を測定することにより、当該防護係数が100以上であることが確認されれ
 ば、いかなるものであってもよいという趣旨ではなく、防護係数が100以上であることが確認できる電
 動ファン付き呼吸用保護具と同等以上の性能を最低限必要としているものであり、具体的には以下の表
 に示すものであること。なお、これは従来の取扱について変更するものではない。
防護係数の確認の要否 呼吸用保護具の種類 労働者ごとに防護係数が100以上であることの確認を行うことにより有効な呼吸用保護具となるもの 労働者ごとに防護係数が100以上であることの確認を行うことを要せずに有効な呼吸用保護具となるもの
電動ファン付き呼吸用保護具 電動ファン付き呼吸用保護具の規格(平成26年厚生労働省告示第455号)に定める粒子捕集効率が99.97%以上かつ漏れ率が1%以下のもの
電動ファン付き呼吸用保護具以外の呼吸用保護具 ①送気マスク(日本工業規格T8153)のうち、半面形面体を有するプレッシャデマンド形エアラインマスク、一定流量形エアラインマスク(全面形面体を有するものを除く。)又は電動送風機形ホースマスク(全面形面体を有するものを除く。)
②空気呼吸器(日本工業規格T8155)のうち、半面形面体を有するプレッシャデマンド形空気呼吸器
①送気マスク(日本工業規格T8153)のうち、全面形面体を有するプレッシャデマンド形エアラインマスク、全面形面体を有する一定流量形エアラインマスク又は全面形面体を有する電動送風機形ホースマスク
②空気呼吸器(日本工業規格T8155)のうち、全面形面体を有するプレッシャデマンド形空気呼吸器

2 防護係数の確認のための相談先について
  労働者ごとの防護係数の確認の頻度等については、通達第2の2(2)のキの(ケ)で示しているところで
 あるが、「日本工業規格T8150で定める方法により防護係数を求めることにより行う」とは、①事業者
 が保護具アドバイザー等の協力を得て自ら防護係数を測定する機器を利用するなどして行う方法又は
 ②事業者が呼吸用保護具の製造者等に相談する等により防護係数を求める方法であること。
  なお、この場合の費用負担については、契約自由の原則に基づき、事業者と公益社団法人日本保安用
 品協会(又は保護具アドバイザー)、製造者等との契約において、その内容に応じて決定されるべきもの
 であること。
 ※保護具アドバイザーとは、公益社団法人日本保安用品協会が運営している保護具アドバイザー制度に
  基づき保護具アドバイザーとして登録を受けた者をいう。


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