足場からの墜落・転落災害防止の充実に係る労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について

基発0314第2号
令和5年3月14日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局長

足場からの墜落・転落災害防止の充実に係る労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について

 労働安全衛生規則の一部を改正する省令(令和5年厚生労働省令第22号。以下「改正省令」という。)が
本日公布され、令和5年10月1日(一部規定は令和6年4月1日)から施行することとされたところである。そ
の改正の趣旨、内容等については、下記のとおりであるので、関係者への周知を図るとともに、その運用
に遺漏なきを期されたい。
第1 改正の趣旨及び概要
   建設業においては、今なお年間100人程度の労働者が墜落・転落災害によって死亡しており、その
  対策を講ずることが強く求められていることを踏まえ、「建設業における墜落・転落災害防止対策の
  充実強化に関する実務者会合」において、墜落・転落災害防止対策に係る報告書が取りまとめられた。
  当該報告書を踏まえ、以下のとおり所要の改正を行ったものである。
  (1) 一側足場からの墜落・転落災害が発生していることから、一側足場の使用範囲を明確化するため
   に必要な措置を規定したこと。
  (2) 足場からの墜落・転落災害が発生している事業場においては、労働安全衛生規則(昭和47年労働省
   令第32号。以下「安衛則」という。)で義務付けられている足場の点検が行われていない事例が散見
   されていることから、事業者又は注文者による足場の点検が確実に行われるために必要な措置を規
   定したこと。

第2 細部事項
 1 一側足場の使用範囲の明確化(第561条の2(新設)関係)
  (1) 事業者は、幅が1メートル以上の箇所において足場を使用するときは、原則として本足場を使用
   しなければならないことを規定したこと。なお、幅が1メートル未満の場合であっても、可能な限り
   本足場を使用することが望ましいこと。
  (2) 「幅が1メートル以上の箇所」とは、足場を設ける床面において、当該足場を使用する建築物等
   の外面を起点としたはり間方向の水平距離が1メートル以上ある箇所をいうこと。足場設置のため
   確保した幅が1メートル以上の箇所について、その一部が公道にかかる場合、使用許可が得られな
   い場合、その他当該箇所が注文者、施工業者等、工事関係者の管理の範囲外である場合等にあって
   は、「幅が1メートル以上の箇所」に含まれないこと。なお、事業者は、足場の使用に当たっては、
   可能な限り「幅が1メートル以上の箇所」を確保すべきものであること。
  (3) 「障害物の存在その他の足場を使用する場所の状況により本足場を使用することが困難なとき」
   とは、以下の場合をいうこと。
   ア 足場を設ける箇所の全部又は一部に撤去が困難な障害物があり、建地を2本設置することが困
    難なとき。
   イ 建築物等の外面の形状が複雑で、1メートル未満ごとに隅角部を設ける必要があるとき。
   ウ 屋根等に足場を設けるとき等、足場を設ける床面に著しい傾斜、凹凸等があり、建地を2本設
    置することが困難なとき。
   エ 本足場を使用することにより建築物等と足場の作業床との間隔が広くなり、墜落・転落災害の
    リスクが高まるとき。
  (4) 足場を設ける箇所の一部に撤去が困難な障害物があるとき等において、建地の一部を1本とする
   場合にあっては、足場の動揺や倒壊等を防止するのに十分な強度を有する構造とすること。
  (5) 足場の使用に当たっては建築物等と足場の作業床との間隔が30センチメートル以内とすることが
   望ましいこと。

 2 足場の点検時の点検者の指名の義務付け(第567条第568条及び第655条関係)
  (1) 事業者は、足場(つり足場を含む。)の点検を行う際、点検者を指名しなければならないことを規
   定したこと。
  (2) 点検者の指名の方法は、書面で伝達する方法のほか、朝礼等に際し口頭で伝達する方法、メール、
   電話等で伝達する方法、あらかじめ点検者の指名順を決めてその順番を伝達する方法等が含まれる
   こと。なお、点検者の指名は、点検者自らが点検者であるという認識を持ち、責任を持って点検が
   できる方法で行うこと。
  (3) 改正省令による改正後の安衛則(以下「改正安衛則」という。第567条第2項及び第655条第2項第
   2号に規定する点検者については、足場の組立て等作業主任者であって、足場の組立て等作業主任
   者能力向上教育を受講した者等、「足場からの墜落・転落災害防止総合対策推進要綱」令和5年3月
   14日基安発0314第2号。以下「推進要綱」という。)別添の3(2)に示す一定の能力を有する者を指
   名することが望ましいこと。
  (4) 足場の点検に当たっては、推進要綱別添に示す「足場等の種類別点検チェックリスト」を活用す
   ることが望ましいこと。
	 
 3 足場の点検後に記録すべき事項に点検者の氏名を追加(第567条及び第655条関係)
  (1) 改正安衛則第567条第3項各号及第655条第2項各号に掲げる点検後に記録及び保存すべき事項
   に、点検者の氏名を追加したこと。なお、記録すべき点検者の氏名は、改正安衛則第567条第2項及
   び第655条第1項第2号の規定により指名した者のものとすること。
  (2) 足場の点検後の記録及び保存に当たっては、推進要綱別添に示す「足場等の種類別点検チェック
   リスト」を活用することが望ましいこと。

 4 施行期日(改正省令附則関係)
   改正省令は、令和5年10月1日(1については令和6年4月1日)から施行することとしたこと。	 
	 
	 
	 
	 
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