安全衛生情報センター
平成14年7月4日、大阪市北区のドライアイス卸売会社において、別添1のとおりドライアイスが昇華し て発生した二酸化炭素により4名が酸素欠乏症となり、うち1名が死亡する災害が発生しました。 また、近年におけるドライアイス関連の酸素欠乏症の労働災害は別添2のとおり発生しており、被災者 が死亡する例も決して少なくありません。 つきましては、ドライアイスによる酸素欠乏症の労働災害の防止を図るため、貴会傘下会員及び会員を 通じてエンドユーザーに至るまで、下記の留意事項を周知徹底していただきますようお願いいたします。
1 取扱い上の留意事項 (1) ドライアイスは通気・換気の良い場所で取り扱うこと。 ドライアイスが昇華して発生した二酸化炭素は、作業場の床面付近に滞留し易く、姿勢を低くした 際に酸素欠乏空気を吸入するおそれが高いので、特に床面付近の換気を確実に行うこと。 (2) ドライアイス冷蔵庫、冷凍庫、保冷貨物自動車、冷蔵コンテナー等の内部で作業を行う場合は、酸 素欠乏危険作業主任者を選任し、適切な作業方法の決定及び作業指揮、酸素濃度の測定、器具等の点 検等を行わせるとともに、換気、保護具の使用、特別教育等の措置も行うこと。 (3) ドライアイスが昇華して発生した二酸化炭素が下方に位置する作業場に流入して酸素欠乏症に被災 する例も見られることから、ドライアイスの取扱い・保管を行う場所の下方に位置する作業場で作業 する場合は、上記(2)に準じた措置を講じること。 2 保管上の注意点 (1) ドライアイスの昇華をできるだけ防ぐため、断熱性能の良い保冷容器に入れて保管すること。 (2) ドライアイスの保管場所は、昇華して発生した二酸化炭素が滞留するおそれのない措置を講じるこ と。 3 その他の留意事項 酸素欠乏症災害では、酸素欠乏症となって倒れた者を救出しようとして、そのまま酸素欠乏状態の場 所に立ち入って二次災害にあう例も多く見られることから、このような救出時等の二次災害を防止するた め、救出用の空気呼吸器等を常備し、その使用方法を含めた緊急時の対応等について、十分な教育訓練 を実施すること。 (別添略)