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別紙2 基安安発第0619001号 平成20年6月19日
| 建設業労働災害防止協会会長 | 殿 | |
| 社団法人全国建設業協会会長 | ||
| 社団法人日本建設業団体連合会会長 | ||
| 社団法人日本建築業協会会長 |
厚生労働省労働基準局 安全衛生部安全課長 スライディング積層足場の落下事故を防止するための当面の措置ついて 平成20年5月に東京都港区の建設工事現場において、別紙のとおり、高層ビルの建築工事に使用され ていた標記足場が約100メートル落下するという事故が発生しました。 当該事故の原因は現在調査中ですが、同様の足場は高層ビルの建築工事において頻繁に使用されてお り、今回のような事態が再び発生した場合、重大な労働災害につながることが懸念されることから、同 種事故の発生を防止するため、同様の足場の設置、使用等に際しては、速やかに下記の事項を確実に実 施し、その安全確保の徹底を図るよう、貴会の会員に対し周知方お願いいたします。 記 1 設置されているスライディング積層足場に対する措置 (1)点検とこれに基づく補修等 ア ブラケットの構造 ブラケットが図1のようにピンを軸に可動する構造のものは、図2のように斜材(方づえ)の設 置、パイプサポートによる固定等によりブラケット部が浮き上がらない構造のものとすること。 イ ブラケットの数及びその取付箇所 ブラケットがあらかじめ決められたすべての箇所に取り付けられているか確認し、不足してい る場合は、所定の形となるようにすること。 ウ ブラケットの取付状況 ブラケット固定部にゆるみ、ずれがある場合は、直ちに補修すること。 エ ブラケットと躯体梁等との接触面 ブラケットと躯体部との接触面に図1のようなすき間がある場合はキャンバ等で塞ぐこと。 オ ジャッキベース型固定クランプの取付位置 取付位置が、図1のようにクランプのベースのかかりが浅くずれやすい場合は、図2のようにか かりの深い構造のものとすること。 (2)ワイヤロープ等による落下防止 ブラケットが外れた場合でも足場が落下しないよう、当面、必要な強度のあるワイヤロープで吊 る等ブラケットによる支持とは別の落下防止措置を講じること。 (3)スライディング積層足場の構造及び強度等についての再検討等 ピンを軸に可動しない構造のブラケットであるものを含め、ブラケットの固定箇所を支点とした回 転、クランプのゆるみ、クランプのベースのかかりが浅いことによる外れやすさ、ビル風による浮き 上がり等、考えられる様々な危険要因を考慮して、スライディング積層足場の構造及び強度上の問題 点並びに設置上の問題点がないか改めて検討し、必要に応じ、ブラケット部材の変更等も含め、安全 確保のための対策を講じること。 2 今後新たに設置するスライディング積層足場に対する措置 スライディング積層足場を新たに設置するときには、上記1の(3)のとおり検討を行い、安全を確 保した足場とするとともに、当面、(2)による落下防止措置を講じること。 別紙 (PDF形式:69KB)