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労働災害減少に向けた緊急要請

 労働災害の発生件数は、労使の皆さまのご尽力もあり、長期的には着実に減少してきましたが、平成22
年、23年と2年連続で増加しました。このような事態は、実に33年ぶりのことです。
 この間、厚生労働省においても、労働災害が増加傾向にある業種に対する集中的な指導の実施等、労働
災害の減少に向けて様々な取組を行ってまいりましたが、平成24年に入ってもその増加傾向には歯止めが
かからず、8月末現在で対前年比7.9%の増加となっています。この傾向が続けば3年連続増加という極め
て憂慮すべき事態も十分想定されます。
 労働災害が増加に転じた背景には、様々な要因があります。リーマンショック以降の生産水準の回復や
東日本大震災の復旧・復興工事の影響もその一因と考えられます。しかしながら、着実に減少していた製
造業や建設業の労働災害が増加に転じた背景には、厳しい経営環境の中での安全衛生管理体制の劣化があ
ることが懸念されます。また、第三次産業や陸上貨物運送事業の労働災害は、長期的には労働災害全体が
減少する中でも、横ばい傾向を続けてきました。特に第三次産業は、全労働者数に占めるウェイトが高く
なる中、必ずしも十分な安全管理体制が確保されていないことが危惧されます。さらに若年者をはじめ経
験が十分でない労働者に対して効果的な安全衛生教育が実施されているでしょうか。

 いずれにしても、いかなる経済情勢下にあっても、労働災害は本来あってはならないものです。事業者
の皆様におかれましては、労働災害による犠牲者をこれ以上出さないという強い決意のもと、企業の安全
衛生活動を今一度総点検していただくよう要請します。
 その上で、労使の皆様をはじめ、関係者が一体となって以下の取組を徹底し、労働災害の防止に努めて
いただきますよう、要請いたします。

一、安全衛生管理体制の充実
一、個々の労働者の状況に即した効果的な安全衛生教育の実施
一、「見える」安全活動など創意工夫した効果的な自主的安全衛生活動の実施

                           平成24年9月28日
                              厚生労働省労働基準局
                                   安全衛生部長 宮野 甚一