別紙1
基発0629第1号
令和3年6月29日
財務省関税局長 殿
厚生労働省労働基準局長

労働安全衛生法に係る有害物等の輸入監視協力依頼について

 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第55条において輸入等が禁止されている労
働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号。以下「令」という。)第16条第1項に規定する有害物等の輸入
監視につきましては、貴局及び税関当局の御協力を得て多大の実効を上げてきたところです。
 今般、石綿障害予防規則及び厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存
等における情報通信の技術の利用に関する省令の一部を改正する省令(令和3年厚生労働省令第96号。以下
「改正省令」という。)及び石綿障害予防規則第四十六条の二第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定め
る製品及び厚生労働大臣が定める者(令和3年厚生労働省告示第201号。以下「告示」という。)が、令和3
年5月18日に公布及び告示され、令和3年12月1日から施行されることとなりました。
 つきましては、令和3年12月1日から、法第55条において輸入等が禁止されている有害物等の通関の際に
おける取扱いについては下記により実施されたく、特段の御配慮をお願いします。
 なお、本通達の実施を以て、「労働安全衛生法に係る有害物等の輸入監視協力依頼について」(平成28
年12月20日付け基発1220第6号)は廃止します。
1 確認の対象となる有害物等
  法第55条及び令第16条第1項の規定に基づき輸入等が禁止されている有害物等であって税関に確認を
 依頼する有害物等は、以下のとおりである。
関税定率法(明治43年法律第54号)別表の番号 有害物等
第36.05項 黄りんマッチ
第2921.59号 ベンジジン及びその塩
第2921.49号 四−アミノジフェニル及びその塩
第25.24項 石綿
第2904.20号 四−ニトロジフェニル及びその塩
第2909.19号 ビス(クロロメチル)エーテル
第2921.45号 ベータ−ナフチルアミン及びその塩
第3506.91号、第4005.20号、第4016.99号 ベンゼンを含有するゴムのりで、その含有するベンゼンの容量が当該ゴムのりの溶剤 (希釈剤を含む。)の五パーセントを超えるもの
第38.22項、第3824.99号 ベンジジン及びその塩、四−アミノジフェニル及びその塩、四−ニトロジフェニル及びその塩、ビス(クロロメチル)エーテル又はベータ−ナフチルアミン及びその塩をその重量の一パーセントを超えて含有する製剤その他のもの
石綿をその重量の〇・一パーセントを超えて含有する製剤その他のもの(次の欄に該当するものを除く。)
第6815.99号のうち「090-その他のもの」、第69.01項 石綿をその重量の〇・一パーセントを超えて含有する珪藻土を主たる材料とするバスマット、コップ受け、なべ敷き、盆その他これらに類似する板状の製品

2 税関への確認依頼事項
 (1) 法第55条ただし書の規定に基づく輸入
   輸入者が法第55条ただし書の規定に基づき、都道府県労働局長の許可を受けて試験研究のため有害
  物等を輸入する場合は、「製造等禁止物質輸入許可証」(特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省
  令第39号)様式第4号の2)又は「石綿等輸入許可証」(石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号。
  以下「石綿則」という。)様式第5号)が交付されることとなるので、当該書面の写しをもって、関税
  法(昭和29年法律第61号)第70条第1項に規定する他の法令の規定による許可等を受けている旨の証明
  とされたい。
 (2) 石綿を含有するおそれのある製品の輸入
   改正省令による改正後の石綿則第46条の2第1項の規定及び告示に基づき、珪藻土を主たる材料とす
  るバスマット、コップ受け、なべ敷き、盆その他これらに類似する板状の製品を輸入しようとする者
  (当該製品を販売の用に供し、又は営業上使用しようとする場合に限る。)は、当該製品の輸入の際に、
  厚生労働大臣が定める者が作成した石綿の検出の有無及び検出された場合の含有率等の事項を記載し
  た書面(以下「分析結果報告書」という。)及びその添付書類を取得し、当該製品中に石綿がその重量
  の0.1パーセントを超えて含有しないことを確認しなければならないこととしている。
   ついては、関税法第70条第2項(同法第76条第4項において準用する場合を含む。)の規定に基づき、
  輸入申告において、当該書面及びその添付書類が提出され、次に掲げる事項が確認できた場合には、
  同法第70条第2項の確認を受けたものとする。
   ただし、輸入しようとする製品の一品目(関税定率法別表関税率表における番号)ごとの課税価格の
  合計額が1万円以下である場合は、「当該製品を販売の用に供し、又は営業上使用しようとする場合」
  にあたらないため、次に掲げる事項の確認を経ることなく、当該製品の輸入を認めて差し支えない。
  ア 輸入しようとする製品が、珪藻土を主たる材料とするバスマット、コップ受け、なべ敷き、盆そ
   の他これらに類似する板状の製品に該当すること。該否の判断に当たっては、次に掲げる事項に留
   意されたい。
   (ア) 「バスマット、コップ受け、なべ敷き、盆その他これらに類似する板状の製品」(以下「バス
     マット等」という。)には、板状の建築材料や布製の製品は含まない。
   (イ) 「珪藻土を主たる材料とする」バスマット等の該否の判断に疑義が生じた場合には、その都度、
    輸入者に対し、都道府県労働局に照会するよう指導のうえ、対応すること。
  イ 提出された分析結果報告書(別添1又は2を輸入申告の際に提出するよう輸入者に指導することと
   している。)が次に掲げる事項を満たしていること。
   (ア) 分析結果報告書は、日本語により作成されたものであること。ただし、当該分析結果報告書が
    外国語により作成されている場合は、当該分析結果報告書及びその正確な日本語翻訳を一体のも
    のとして当該分析結果報告書として取り扱うこと。なお、分析結果報告書の提出は、写しによる
    もので差し支えない。
   (イ) 「分析に係る試料を採取した製品のロットを特定するための情報」については、当該輸入する
     製品に係るロット番号等が当該輸入する製品に係るインボイス又は輸入申告書に記載されてい
     ることを確認するとともに、当該製品に係る分析結果報告書に記載されたロット番号等とイン
     ボイス等に記載されたロット番号等が一致すること。
   (ウ) 「石綿の検出の有無及び検出された場合にあってはその含有率」については、石綿が検出され
     ていないこと又は石綿の含有率が製品の重量の0.1%を超えないことを確認すること。なお、
     「石綿」とは、繊維状を呈しているアクチノライト、アモサイト、アンソフィライト、クリソ
     タイル、クロシドライト及びトレモライトをいう。
  ウ 「厚生労働大臣が定める者に該当することを証する書面」として次のいずれかの書面(有効期間
   内のものに限る。)の写しが添付されていること、また、当該書面に記載されている氏名又は名称
   が、分析結果報告書に記載されている「分析を実施した者の氏名又は名称」と一致すること。なお、
   当該書面の写しは、日本語により作成されたものであること。ただし、当該書面の写しが外国語に
   より作成されている場合は、当該書面の写し及びその正確な日本語翻訳を一体のものとして当該書
   面として取り扱うこと。
   (ア) 告示第2条第1号に定める者の場合
     石綿障害予防規則第三条第六項の規定に基づき厚生労働大臣が定める者等(令和2年厚生労働省
    告示第277号。以下「分析調査者告示」という。)第2条の分析調査講習を受講し、同条第4号及び
    第5号の修了考査に合格したことを証する書面。なお、当該書面には、分析調査者告示第2条第3
    号に掲げる分析の実施方法に係る実技講習のうち、修了したものが明記されている必要があるこ
    と。
   (イ) 告示第2条第2号に定める者の場合
     次の①から⑤までに定める資格に係る認定、修了、登録等を受けたことを証する書面。
     ① 公益社団法人日本作業環境測定協会が実施する「石綿分析技術評価事業」により認定され
      るAランク若しくはBランクの認定分析技術者又は定性分析に係る合格者
     ② 一般社団法人日本環境測定分析協会が実施する「アスベスト偏光顕微鏡実技研修(建材定
      性分析エキスパートコース)」の修了者
     ③ 一般社団法人日本環境測定分析協会に登録されている「建材中のアスベスト定性分析技能
      試験(技術者対象)合格者」
     ④ 一般社団法人日本環境測定分析協会に登録されている「アスベスト分析法委員会認定JEM
      CAインストラクター」
     ⑤ 一般社団法人日本繊維状物質研究協会が実施する「石綿の分析精度確保に係るクロスチェ
      ック事業」により認定される「建築物及び工作物等の建材中の石綿含有の有無及び程度を判
      定する分析技術」の合格者
   (ウ) 告示第2条第3号に定める者の場合
     ISO/IEC 17025に適合している旨の認定(試験方法の区分が製品(バルク)中の石綿に係る試験
    に係るものに限る。)を受けたことを証する書面

3 通関の際に疑義が生じた場合の取扱い
  通関の際に疑義が生じた場合は、その都度、都道府県労働局に照会されたい。








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