労働安全衛生規則の一部を改正する省令

 労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第二十七条第一項第五十九条第三項及び第百十三条の
規定に基づき、労働安全衛生規則の一部を改正する省令を次のように定める。

   労働安全衛生規則の一部を改正する省令

第一条 労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号)の一部を次のように改正する。
  目次中「第二章 建設機械等」を
  「第一章の三 木材伐出機械等
    第一節 車両系木材伐出機械
     第一款 総則(第百五十一条の八十四─第百五十一条の百十一)
     第二款 伐木等機械(第百五十一条の百十二・第百五十一条の百十三)
     第三款 走行集材機械(第百五十一条の百十四─第百五十一条の百十九)
     第四款 架線集材機械(第百五十一条の百二十─第百五十一条の百二十三)
    第二節 機械集材装置及び運材索道(第百五十一条の百二十四─第百五十一条の百五十一)
    第三節 簡易架線集材装置(第百五十一条の百五十二─第百五十一条の百七十四)
   第二章 建設機械等」
 に、「第百五十一条の八十四」を「第百五十一条の百七十五」に、「第四百九十七条」を「第五百十
 七条」に改め、「第三節 機械集材装置及び運材索道(第四百九十八条-第五百十七条)」を削る。
  第二編第二章中第百五十一条の八十四を第百五十一条の百七十五とし、第一章の二の次に次の一章を
 加える。
    第一章の三 木材伐出機械等
     第一節 車両系木材伐出機械
      第一款 総則

   (定義)
 第百五十一条の八十四 この省令において車両系木材伐出機械とは、次の各号のいずれかに該当するも
  のをいう。
  一 伐木等機械(伐木、造材又は原木若しくは薪炭材の集積を行うための機械であつて、動力を用い、
   かつ、不特定の場所に自走できるものをいう。以下同じ。)
  二 走行集材機械(車両の走行により集材を行うための機械であつて、動力を用い、かつ、不特定の
   場所に自走できるものをいう。以下同じ。)
  三 架線集材機械(動力を用いて原木又は薪炭材(以下「原木等」という。)を巻き上げることにより
   当該原木等を運搬するための機械であつて、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走できるものを
   いう。以下同じ。)(機械集材装置又は第百五十一条の百五十二に規定する簡易架線集材装置の集材
   機として用いている場合を除く。以下この節において同じ。)

   (前照灯の設置)
 第百五十一条の八十五 事業者は、車両系木材伐出機械については、前照灯を備えたものでなければ使
  用してはならない。ただし、作業を安全に行うため必要な照度が保持されている場所においては、こ
  の限りでない。

   (ヘツドガード)
 第百五十一条の八十六 事業者は、車両系木材伐出機械については、堅固なヘツドガードを備えたもの
  でなければ使用してはならない。ただし、原木等の落下により運転者に危険を及ぼすおそれのないと
  きは、この限りでない。

   (防護柵等)
 第百五十一条の八十七 事業者は、車両系木材伐出機械については、原木等の飛来等により運転者に危
  険を及ぼすおそれのあるときは、運転者席の防護柵等当該危険を防止するための設備を備えたもので
  なければ使用してはならない。

   (調査及び記録)
 第百五十一条の八十八 事業者は、車両系木材伐出機械を用いて作業を行うときは、当該車両系木材伐
  出機械の転落、地山の崩壊等による労働者の危険を防止するため、あらかじめ、当該作業に係る場所
  について地形、地盤の状態等並びに伐倒する立木及び取り扱う原木等の形状等を調査し、その結果を
  記録しておかなければならない。

   (作業計画)
 第百五十一条の八十九 事業者は、車両系木材伐出機械を用いて作業を行うときは、あらかじめ、前条
  の規定による調査により知り得たところに適応する作業計画を定め、かつ、当該作業計画により作業
  を行わなければならない。
 2 前項の作業計画は、次の事項が示されているものでなければならない。
  一 使用する車両系木材伐出機械の種類及び能力
  二 車両系木材伐出機械の運行経路
  三 車両系木材伐出機械による作業の方法及び場所
 3 事業者は、第一項の作業計画を定めたときは、前項第二号及び第三号の事項について関係労働者に
  周知させなければならない。

   (作業指揮者)
 第百五十一条の九十 事業者は、車両系木材伐出機械(伐木等機械を除く。)を用いて作業を行うときは、
  当該作業の指揮者を定め、その者に前条第一項の作業計画に基づき作業の指揮を行わせなければなら
  ない。

   (制限速度)
 第百五十一条の九十一 事業者は、車両系木材伐出機械(最高速度が毎時十キロメートル以下のものを
  除く。)を用いて作業を行うときは、あらかじめ、当該作業に係る場所の地形、地盤の状態等に応じ
  た車両系木材伐出機械の適正な制限速度を定め、それにより作業を行わなければならない。
 2 前項の車両系木材伐出機械の運転者は、同項の制限速度を超えて車両系木材伐出機械を運転しては
  ならない。

   (転落等の防止等)
 第百五十一条の九十二 事業者は、車両系木材伐出機械を用いて作業を行うときは、車両系木材伐出機
  械の転倒又は転落による労働者の危険を防止するため、当該車両系木材伐出機械の運行経路について
  必要な幅員を保持すること、路肩の崩壊を防止すること、岩石、根株等の障害物を除去すること等必
  要な措置を講じなければならない。
 2 事業者は、路肩、傾斜地等で車両系木材伐出機械を用いて作業を行う場合において、当該車両系木
  材伐出機械の転倒又は転落により労働者に危険が生ずるおそれのあるときは、誘導者を配置し、その
  者に当該車両系木材伐出機械を誘導させなければならない。
 3 前項の車両系木材伐出機械の運転者は、同項の誘導者が行う誘導に従わなければならない。
 第百五十一条の九十三 事業者は、路肩、傾斜地等であつて、車両系木材伐出機械の転倒又は転落によ
  り運転者に危険が生ずるおそれのある場所においては、転倒時保護構造を有し、かつ、シートベルト
  を備えたもの以外の車両系木材伐出機械を使用しないよう努めるとともに、運転者にシートベルトを
  使用させるように努めなければならない。

   (合図)
 第百五十一条の九十四 事業者は、車両系木材伐出機械について誘導者を置くときは、一定の合図を定
  め、誘導者に当該合図を行わせなければならない。
 2 前項の車両系木材伐出機械の運転者は、同項の合図に従わなければならない。

   (接触の防止)
 第百五十一条の九十五 事業者は、車両系木材伐出機械を用いて作業を行うときは、運転中の車両系木
  材伐出機械又は取り扱う原木等に接触することにより労働者に危険が生ずるおそれのある箇所に労働
  者を立ち入らせてはならない。

   (立入禁止)
 第百五十一条の九十六 事業者は、車両系木材伐出機械を用いて作業を行うときは、物体の飛来等によ
  り労働者に危険が生ずるおそれのある箇所(当該作業を行つている場所の下方で、原木等が転落し、
  又は滑ることによる危険を生ずるおそれのある箇所を含む。)に労働者を立ち入らせてはならない。
 第百五十一条の九十七 事業者は、車両系木材伐出機械(構造上、ブーム、アーム等が不意に降下する
  ことを防止する装置が組み込まれているものを除く。)については、そのブーム、アーム等又はこれ
  らにより支持されている原木等の下に労働者を立ち入らせてはならない。ただし、修理、点検等の作
  業を行う場合において、ブーム、アーム等が不意に降下することによる労働者の危険を防止するため、
  当該作業に従事する労働者に安全支柱、安全ブロツク等を使用させるときは、この限りでない。
 2 前項ただし書の作業を行う労働者は、同項ただし書の安全支柱、安全ブロツク等を使用しなければ
  ならない。

   (走行のための運転位置から離れる場合の措置)
 第百五十一条の九十八 事業者は、車両系木材伐出機械の運転者が走行のための運転位置から離れると
  きは、当該運転者に次の措置を講じさせなければならない。ただし、走行のための運転位置と作業装
  置の運転のための運転位置が異なる場合であつて、労働者が作業装置の運転のための運転位置におい
  て作業装置を運転し、又は運転しようとしている場合は、この限りでない。
  一 木材グラツプル等の作業装置を最低降下位置(荷台を備える車両系木材伐出機械の木材グラツプ
   ルにあつては荷台上の最低降下位置)に置くこと。
  二 原動機を止め、かつ、停止の状態を保持するためのブレーキを確実にかける等の車両系木材伐出
   機械の逸走を防止する措置を講ずること。
 2 前項の運転者は、車両系木材伐出機械の走行のための運転位置から離れるときは、同項各号に掲げ
  る措置を講じなければならない。
 3 事業者は、第一項ただし書の場合であつて、車両系木材伐出機械の運転者が走行のための運転位置
  から離れるときは、当該車両系木材伐出機械の停止の状態を保持するためのブレーキを確実にかける
  等の車両系木材伐出機械の逸走を防止する措置を講じさせなければならない。
 4 前項の運転者は、車両系木材伐出機械の走行のための運転位置から離れるときは、同項の措置を講
  じなければならない。

   (作業装置の運転のための運転位置からの離脱の禁止)
 第百五十一条の九十九 事業者は、前条第一項ただし書の場合であつて、車両系木材伐出機械の作業装
  置が運転されている間は、当該作業装置の運転者を当該作業装置の運転のための運転位置から離れさ
  せてはならない。
 2 前項の運転者は、車両系木材伐出機械の作業装置が運転されている間は、当該作業装置の運転のた
  めの運転位置を離れてはならない。

   (車両系木材伐出機械の移送)
 第百五十一条の百 事業者は、車両系木材伐出機械を移送するため自走又はけん引により貨物自動車に
  積卸しを行う場合において、道板、盛土等を使用するときは、当該車両系木材伐出機械の転倒、転落
  等による危険を防止するため、次に定めるところによらなければならない。
  一 積卸しは、平たんで堅固な場所において行うこと。
  二 道板を使用するときは、十分な長さ、幅及び強度を有する道板を用い、適当な勾配で確実に取り
   付けること。
  三 盛土、仮設台等を使用するときは、十分な幅及び強度並びに適当な勾配を確保すること。

   (搭乗の制限)
 第百五十一条の百一 事業者は、車両系木材伐出機械を用いて作業を行うときは、乗車席又は荷台以外
  の箇所に労働者を乗せてはならない。ただし、墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じ
  たときは、この限りでない。

   (使用の制限)
 第百五十一条の百二 事業者は、車両系木材伐出機械を用いて作業を行うときは、当該車両系木材伐出
  機械の転倒若しくは逸走又はブーム、アーム等の作業装置の破壊による労働者の危険を防止するため、
  当該車両系木材伐出機械についてその構造上定められた安定度、最大積載荷重、最大使用荷重等を守
  らなければならない。

   (主たる用途以外の使用の制限)
 第百五十一条の百三 事業者は、車両系木材伐出機械を、木材グラツプルによるワイヤロープを介した
  原木等のつり上げ等当該車両系木材伐出機械の主たる用途以外の用途に使用してはならない。
 2 前項の規定は、ウインチ及びガイドブロツクを用いて運転者以外の方向にかかり木を引き倒すこと
  によりかかり木を処理する場合等、労働者に危険を及ぼすおそれのない場合には、適用しない。

   (修理等)
 第百五十一条の百四 事業者は、車両系木材伐出機械の修理又はアタツチメントの装着若しくは取り外
  しの作業を行うときは、当該作業を指揮する者を定め、その者に次の事項を行わせなければならない。
  一 作業手順を決定し、作業を直接指揮すること。
  二 第百五十一条の九十七第一項ただし書に規定する安全支柱、安全ブロツク等の使用状況を監視す
   ること。

   (作業装置の運転のための運転位置への搭乗の制限)
 第百五十一条の百五 事業者は、走行のための運転位置と作業装置の運転のための運転位置が異なる車
  両系木材伐出機械を走行させるときは、当該車両系木材伐出機械の作業装置の運転のための運転位置
  に労働者を乗せてはならない。
 2 労働者は、前項の場合において同項の車両系木材伐出機械の作業装置の運転のための運転位置に乗
  つてはならない。

   (悪天候時の作業禁止)
 第百五十一条の百六 事業者は、強風、大雨、大雪等の悪天候のため、車両系木材伐出機械を用いる作
  業の実施について危険が予想されるときは、当該作業に労働者を従事させてはならない。

   (保護帽の着用)
 第百五十一条の百七 事業者は、車両系木材伐出機械を用いて作業を行うときは、物体の飛来又は落下
  による労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者に保護帽を着用させなければならな
  い。
 2 前項の作業に従事する労働者は、同項の保護帽を着用しなければならない。

   (検査)
 第百五十一条の百八 事業者は、車両系木材伐出機械については、一年を超えない期間ごとに一回、定
  期に、次の事項について検査を行うよう努めなければならない。ただし、一年を超える期間使用しな
  い車両系木材伐出機械の当該使用しない期間においては、この限りでない。
  一 原動機の異常の有無
  二 動力伝達装置及び走行装置の異常の有無
  三 制動装置及び操縦装置の異常の有無
  四 作業装置及び油圧装置の異常の有無
  五 車体、ヘツドガード、飛来物防護設備、アウトリガー、電気系統、灯火装置及び計器の異常の有
   無
 2 事業者は、前項ただし書の車両系木材伐出機械については、その使用を再び開始する際に、同項各
  号に掲げる事項について検査を行うよう努めなければならない。
 第百五十一条の百九 事業者は、車両系木材伐出機械については、一月を超えない期間ごとに一回、定
  期に、次の事項について検査を行うよう努めなければならない。ただし、一月を超える期間使用しな
  い車両系木材伐出機械の当該使用しない期間においては、この限りでない。
  一 制動装置、クラツチ及び操縦装置の異常の有無
  二 作業装置及び油圧装置の異常の有無
  三 ヘツドガード及び飛来物防護設備の異常の有無
 2 事業者は、前項ただし書の車両系木材伐出機械については、その使用を再び開始する際に、同項各
  号に掲げる事項について検査を行うよう努めなければならない。

   (点検)
 第百五十一条の百十 事業者は、車両系木材伐出機械を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始
  する前に、次の事項について点検を行わなければならない。
  一 制動装置及び操縦装置の機能
  二 作業装置及び油圧装置の機能
  三 ワイヤロープ及び履帯又は車輪の異常の有無
  四 前照灯の機能

   (補修等)
 第百五十一条の百十一 事業者は、第百五十一条の百八若しくは第百五十一条の百九の検査又は前条の
  点検を行つた場合において、異常を認めたときは、直ちに補修その他必要な措置を講じなければなら
  ない。

      第二款 伐木等機械

   (伐木作業における危険の防止)
 第百五十一条の百十二 事業者は、伐木等機械を用いて伐木の作業を行うときは、立木を伐倒しようと
  する運転者に、それぞれの立木について、かん木、枝条、つる、浮石等で、伐倒の際その他作業中に
  危険を生ずるおそれのあるものを取り除かせなければならない。
 2 前項の運転者は、それぞれの立木について、かん木、枝条、つる、浮石等で、伐倒の際その他作業
  中に危険を生ずるおそれのあるものを取り除かなければならない。

   (造材作業における危険の防止)
 第百五十一条の百十三 事業者は、伐木等機械を用いて造材の作業を行うときは、造材を行う原木等が
  転落し、又は滑ることによる危険を防止するため、当該作業を行おうとする運転者に、平たんな地面
  で当該作業を行う等の措置を講じさせなければならない。
 2 前項の運転者は、同項の措置を講じなければならない。

      第三款 走行集材機械

   (ワイヤロープの安全係数)
 第百五十一条の百十四 事業者は、走行集材機械のウインチ又はスリングに用いるワイヤロープの安全
  係数については、四以上としなければならない。
 2 前項の安全係数は、ワイヤロープの切断荷重の値を、当該ワイヤロープにかかる荷重の最大の値で
  除した値とする。

   (不適格なワイヤロープの使用禁止)
 第百五十一条の百十五 事業者は、走行集材機械のウインチ若しくはスリングに用いるワイヤロープ又
  は積荷の固定に用いるワイヤロープについては、次のいずれかに該当するものを使用してはならない。
  一 ワイヤロープ一よりの間において素線(フイラ線を除く。以下本号において同じ。)数の十パーセ
   ント以上の素線が切断したもの
  二 摩耗による直径の減少が公称径の七パーセントを超えるもの
  三 キンクしたもの
  四 著しい形崩れ又は腐食のあるもの

   (スリング等の点検)
 第百五十一条の百十六 事業者は、走行集材機械を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する
  前に、当該作業に用いるスリング及び積荷の固定に用いるワイヤロープの状態について点検し、異常
  を認めたときは、直ちに、補修し、又は取り替えなければならない。

   (合図)
 第百五十一条の百十七 事業者は、走行集材機械のウインチの運転について、一定の合図及び合図を行
  う者を定め、運転に当たつては、当該合図を使用させなければならない。
 2 前項の走行集材機械のウインチの運転者は、同項の合図に従わなければならない。

   (原木等の積載)
 第百五十一条の百十八 事業者は、走行集材機械に原木等を積載するときは、次に定めるところによら
  なければならない。
  一 偏荷重が生じないように積載すること。
  二 荷崩れ又は原木等の落下による労働者の危険を防止するため、積荷をワイヤロープで固定する等
   必要な措置を講ずること。

   (荷台への乗車制限)
 第百五十一条の百十九 事業者は、荷台を有する走行集材機械を走行させるときは、当該走行集材機械
  の荷台に労働者を乗車させてはならない。
 2 労働者は、前項の場合において同項の荷台に乗車してはならない。

      第四款 架線集材機械

   (ワイヤロープの安全係数)
 第百五十一条の百二十 事業者は、架線集材機械のウインチ又はスリングに用いるワイヤロープの安全
  係数については、四以上としなければならない。
 2 前項の安全係数は、ワイヤロープの切断荷重の値を、当該ワイヤロープにかかる荷重の最大の値で
  除した値とする。

   (不適格なワイヤロープの使用禁止)
 第百五十一条の百二十一 事業者は、架線集材機械のウインチ又はスリングに用いるワイヤロープにつ
  いては、次のいずれかに該当するものを使用してはならない。
  一 ワイヤロープ一よりの間において素線(フイラ線を除く。以下本号において同じ。)数の十パーセ
   ント以上の素線が切断したもの
  二 摩耗による直径の減少が公称径の七パーセントを超えるもの
  三 キンクしたもの
  四 著しい形崩れ又は腐食のあるもの

   (スリングの点検)
 第百五十一条の百二十二 事業者は、架線集材機械を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始す
  る前に、当該作業に用いるスリングの状態について点検し、異常を認めたときは、直ちに、補修し、
  又は取り替えなければならない。

   (合図)
 第百五十一条の百二十三 事業者は、架線集材機械のウインチの運転について、一定の合図及び合図を
  行う者を定め、運転に当たつては、当該合図を使用させなければならない。
 2 前項の架線集材機械のウインチの運転者は、同項の合図に従わなければならない。

     第二節 機械集材装置及び運材索道

   (調査及び記録)
 第百五十一条の百二十四 事業者は、林業架線作業(機械集材装置若しくは運材索道の組立て、解体、
  変更若しくは修理の作業又はこれらの設備による集材若しくは運材の作業をいう。以下同じ。)を行
  うときは、集材機又は運材機の転落、地山の崩壊、支柱の倒壊等による労働者の危険を防止するため、
  あらかじめ、当該作業に係る場所について広さ、地形、地盤の状態等、支柱とする立木の状態及び運
  搬する原木等の形状等を調査し、その結果を記録しておかなければならない。

   (作業計画)
 第百五十一条の百二十五 事業者は、林業架線作業を行うときは、あらかじめ、前条の規定による調査
  により知り得たところに適応する作業計画を定め、かつ、当該作業計画により作業を行わなければな
  らない。
 2 前項の作業計画は、次の事項が示されているものでなければならない。
  一 支柱及び主要機器の配置の場所
  二 使用するワイヤロープの種類及びその直径
  三 中央垂下比
  四 最大使用荷重、搬器と搬器の間隔及び搬器ごとの最大積載荷重
  五 機械集材装置の集材機の種類及び最大けん引力
  六 林業架線作業の方法
 3 事業者は、第一項の作業計画を定めたときは、前項第一号、第二号、第四号及び第六号の事項につ
  いて関係労働者に周知させなければならない。

   (林業架線作業主任者の選任)
 第百五十一条の百二十六 事業者は、令第六条第三号の作業については、林業架線作業主任者免許を受
  けた者のうちから、林業架線作業主任者を選任しなければならない。

   (林業架線作業主任者の職務)
 第百五十一条の百二十七 事業者は、林業架線作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。
  一 作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を直接指揮すること。
  二 材料の欠点の有無並びに器具及び工具の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
  三 作業中、安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。

   (作業指揮者)
 第百五十一条の百二十八 事業者は、林業架線作業(令第六条第三号の作業を除く。)を行うときは、当
  該作業の指揮者を定め、その者に第百五十一条の百二十五第一項の作業計画に基づき作業の指揮を行
  わせなければならない。

   (制動装置等)
 第百五十一条の百二十九 事業者は、機械集材装置又は運材索道については、次に定めるところによら
  なければならない。
  一 搬器又はつり荷を制動させる必要がない場合を除き、搬器又はつり荷を適時停止させることがで
   きる有効な制動装置を備えること。
  二 主索、控索及び固定物に取り付ける作業索は、支柱、立木、根株等の固定物で堅固なものに二回
   以上巻き付け、かつ、クリツプ、クランプ等の緊結具を用いて確実に取り付けること。
  三 支柱の頂部を安定させるための控えは、二以上とし、控えと支柱とのなす角度を三十度以上とす
   ること。
  四 サドルブロツク、ガイドブロツク等は、取付け部が受ける荷重により破壊し、又は脱落するおそ
   れのないシヤツクル、台付け索等の取付け具を用いて確実に取り付けること。
  五 搬器、主索支持器その他の附属器具は、十分な強度を有するものを使用すること。
  六 えい索又は作業索の端部を搬器又はロージングブロツクに取り付けるときは、クリツプ止め、ア
   イスプライス等の方法により確実に取り付けること。

   (ワイヤロープの安全係数)
 第百五十一条の百三十 事業者は、機械集材装置又は運材索道の次の表の上欄に掲げる索については、
  その用途に応じて、安全係数が同表の下欄に掲げる値以上であるワイヤロープを使用しなければなら
  ない。
ワイヤロープの用途 安全係数
主索 二・七
えい索 四・〇
作業索(巻上げ索を除く。) 四・〇
巻上げ索 六・〇
控索 四・〇
台付け索 四・〇
荷吊り索 六・〇
 2 前項の安全係数は、ワイヤロープの切断荷重の値を、当該機械集材装置又は運材索道の組立ての状
  態及び当該ワイヤロープにかかる荷重に応じた最大張力の値で除した値とする。

   (不適格なワイヤロープの使用禁止)
 第百五十一条の百三十一 事業者は、機械集材装置又は運材索道のワイヤロープについては、次のいず
  れかに該当するものを使用してはならない。
  一 ワイヤロープ一よりの間において素線(フイラ線を除く。以下本号において同じ。)数の十パーセ
   ント以上の素線が切断したもの
  二 摩耗による直径の減少が公称径の七パーセントを超えるもの
  三 キンクしたもの
  四 著しい形崩れ又は腐食のあるもの

   (作業索)
 第百五十一条の百三十二 事業者は、機械集材装置の作業索(エンドレスのものを除く。)については、
  次に定める措置を講じなければならない。
  一 作業索は、これを最大に使用した場合において、集材機の巻胴に二巻以上を残すことができる長
   さとすること。
  二 作業索の端部は、集材機の巻胴にクランプ、クリツプ等の緊結具を用いて確実に取り付けること。

   (巻過ぎ防止)
 第百五十一条の百三十三 事業者は、機械集材装置については、巻過防止装置を備える等巻上げ索の巻
  過ぎによる労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。

   (集材機又は運材機)
 第百五十一条の百三十四 事業者は、機械集材装置の集材機又は運材索道の運材機については、次に定
  める措置を講じなければならない。ただし、架線集材機械を機械集材装置の集材機として用いる場合
  は、この限りでない。
  一 浮き上がり、ずれ又は振れが生じないように据え付けること。
  二 歯止装置又は止め金つきブレーキを備え付けること。
 2 事業者は、架線集材機械を機械集材装置の集材機として用いる場合は、次に定める措置を講じなけ
  ればならない。
  一 架線集材機械の停止の状態を保持するためのブレーキを確実にかける等の架線集材機械の逸走を
   防止する措置を講ずること。
  二 アウトリガーを必要な広さ及び強度を有する鉄板等の上で張り出し、又はブレードを地上に下ろ
   す等の架線集材機械の転倒又は転落による労働者の危険を防止するための措置を講ずること。

   (転倒時保護構造等)
 第百五十一条の百三十五 事業者は、架線集材機械を機械集材装置の集材機として用いる場合は、路肩、
  傾斜地等であつて、架線集材機械の転倒又は転落により労働者に危険が生ずるおそれのある場所にお
  いては、転倒時保護構造を有し、かつ、シートベルトを備えたもの以外の架線集材機械を使用しない
  よう努めるとともに、運転者にシートベルトを使用させるように努めなければならない。

   (ヘツドガード)
 第百五十一条の百三十六 事業者は、機械集材装置の集材機については、堅固なヘツドガードを備えた
  ものでなければ使用してはならない。ただし、原木等の落下により運転者に危険を及ぼすおそれのな
  いときは、この限りでない。

   (防護柵等)
 第百五十一条の百三十七 事業者は、機械集材装置の集材機については、原木等の飛来等により運転者
  に危険を及ぼすおそれのあるときは、運転者席の防護柵等当該危険を防止するための設備を備えたも
  のでなければ使用してはならない。

   (最大使用荷重等の表示)
 第百五十一条の百三十八 事業者は、機械集材装置については、最大使用荷重を見やすい箇所に表示し
  なければならない。
 2 事業者は、機械集材装置については、前項の最大使用荷重を超える荷重をかけて使用してはならな
  い。
 第百五十一条の百三十九 事業者は、運材索道については、次の事項を見やすい箇所に表示しなければ
  ならない。
  一 最大使用荷重
  二 搬器と搬器との間隔
  三 搬器ごとの最大積載荷重
 2 事業者は、運材索道については、前項第一号の最大使用荷重及び同項第三号の搬器ごとの最大積載
  荷重を超える荷重をかけて使用してはならない。

   (接触の防止)
 第百五十一条の百四十 事業者は、架線集材機械を機械集材装置の集材機として用いて集材の作業を行
  うときは、運転中の架線集材機械又は取り扱う原木等に接触することにより労働者に危険が生ずるお
  それのある箇所に労働者を立ち入らせてはならない。

   (合図等)
 第百五十一条の百四十一 事業者は、林業架線作業を行うときは、機械集材装置又は運材索道の運転者
  と荷掛け又は荷外しをする者との間の連絡を確実にするため、電話、電鈴等の装置を設け、又は一定
  の合図を定め、それぞれ当該装置を使用する者を指名してその者に使用させ、又は当該合図を行う者
  を指名してその者に行わせなければならない。
 2 前項の運転者は、同項の指名を受けた者による指示又は同項の合図に従わなければならない。

   (立入禁止)
 第百五十一条の百四十二 事業者は、林業架線作業を行うときは、次の箇所に労働者を立ち入らせては
  ならない。
  一 主索の下で、原木等が落下し、又は降下することにより労働者に危険を及ぼすおそれのあるとこ
   ろ
  二 原木等を荷掛けし、又は集材している場所の下方で、原木等が転落し、又は滑ることにより労働
   者に危険を及ぼすおそれのあるところ
  三 作業索の内角側で、索又はガイドブロツク等が反発し、又は飛来することにより労働者に危険を
   及ぼすおそれのあるところ

   (ブーム等の降下による危険の防止)
 第百五十一条の百四十三 事業者は、架線集材機械(構造上、ブーム、アーム等が不意に降下すること
  を防止する装置が組み込まれているものを除く。)を機械集材装置の集材機として用いる場合であつ
  て、架線集材機械のブーム、アーム等を上げ、その下で修理、点検等の作業を行うときは、ブーム、
  アーム等が不意に降下することによる労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者に安
  全支柱、安全ブロツク等を使用させなければならない。
 2 前項の作業に従事する労働者は、同項の安全支柱、安全ブロツク等を使用しなければならない。

   (搭乗の制限)
 第百五十一条の百四十四 事業者は、機械集材装置又は運材索道の搬器、つり荷、重錘等の物で、つり
  下げられているものに、労働者を乗せてはならない。ただし、搬器、索等の器材の点検、補修等臨時
  の作業を行う場合で、墜落による危険を生ずるおそれのない措置を講ずるときは、この限りでない。
 2 事業者は、架線集材機械を機械集材装置の集材機として用いて集材の作業を行うときは、乗車席以
  外の箇所に労働者を乗せてはならない。
 3 労働者は、第一項ただし書の場合を除き、同項のつり下げられている物に乗つてはならない。

   (悪天候時の作業禁止)
 第百五十一条の百四十五 事業者は、強風、大雨、大雪等の悪天候のため、林業架線作業の実施につい
  て危険が予想されるときは、当該作業に労働者を従事させてはならない。

   (点検)
 第百五十一条の百四十六 事業者は、林業架線作業については、次の表の上欄に掲げる場合に応じ、そ
  れぞれ同表の下欄に掲げる事項を点検し、異常を認めたときは、直ちに、補修し、又は取り替えなけ
  ればならない。
点検を要する場合 点検事項
組立て又は変更を行つた場合
試運転を行つた場合
  • 支柱及びアンカの状態
  • 集材機、運材機及び制動機の異常の有無及びその据付けの状態
  • 主索、えい索、作業索、控索及び台付け索の異常の有無及びその取付けの状態
  • 搬器又はロージングブロツクとワイヤロープとの緊結部の状態
  • 第百五十一条の百四十一第一項の電話、電鈴等の装置の異常の有無
強風、大雨、大雪等の悪天候の後及び中震以上の地震の後の場合
  • 支柱及びアンカの状態
  • 集材機、運材機及び制動機の異常の有無及びその据付けの状態
  • 主索、えい索、作業索、控索及び台付け索の取付けの状態
  • 第百五十一条の百四十一第一項の電話、電鈴等の装置の異常の有無
その日の作業を開始しようとする場合
  • 集材機、運材機及び制動機の機能
  • 荷吊り索の異常の有無
  • 運材索道の搬器の異常の有無及び搬器とえい索との緊結部の状態
  • 第百五十一条の百四十一第一項の電話、電鈴等の装置の機能
   (運転位置から離れる場合の措置)
 第百五十一条の百四十七 事業者は、架線集材機械を機械集材装置の集材機として用いる場合において、
  架線集材機械の運転者が運転位置から離れるときは、当該運転者に次の措置を講じさせなければなら
  ない。
  一 作業装置を地上に下ろすこと。
  二 原動機を止めること。
 2 前項の運転者は、架線集材機械の運転位置から離れるときは、同項各号に掲げる措置を講じなけれ
  ばならない。

   (運転位置からの離脱の禁止)
 第百五十一条の百四十八 事業者は、機械集材装置又は運材索道が運転されている間は、当該機械集材
  装置又は運材索道の運転者を運転位置から離れさせてはならない。
 2 前項の運転者は、機械集材装置又は運材索道が運転されている間は、運転位置を離れてはならない。

   (主索の安全係数の検定等)
 第百五十一条の百四十九 事業者は、機械集材装置若しくは運材索道を組み立て、又は主索の張力に変
  化を生ずる変更をしたときは、主索の安全係数を検定し、かつ、その最大使用荷重の荷重で試運転を
  行わなければならない。

   (保護帽の着用)
 第百五十一条の百五十 事業者は、林業架線作業を行うときは、物体の飛来又は落下による労働者の危
  険を防止するため、当該作業に従事する労働者に保護帽を着用させなければならない。
 2 前項の作業に従事する労働者は、同項の保護帽を着用しなければならない。

   (適用除外)
 第百五十一条の百五十一 第百五十一条の百三十第一項及び第百五十一条の百四十九の規定は、最大使
  用荷重が二百キログラム未満で、支間の斜距離の合計が三百五十メートル未満の運材索道については、
  適用しない。

     第三節 簡易架線集材装置

   (調査及び記録)
 第百五十一条の百五十二 事業者は、簡易林業架線作業(簡易架線集材装置(集材機、架線、搬器、支柱
  及びこれらに附属する物により構成され、動力を用いて、原木等を巻き上げ、かつ、原木等の一部が
  地面に接した状態で運搬する設備をいう。以下同じ。)の組立て、解体、変更若しくは修理の作業又
  はこの設備による集材の作業をいう。以下同じ。)を行うときは、集材機の転落、地山の崩壊、支柱
  の倒壊等による労働者の危険を防止するため、あらかじめ、当該作業に係る場所について広さ、地形、
  地盤の状態等、支柱とする立木の状態及び運搬する原木等の形状等を調査し、その結果を記録してお
  かなければならない。

   (作業計画)
 第百五十一条の百五十三 事業者は、簡易林業架線作業を行うときは、あらかじめ、前条の規定による
  調査により知り得たところに適応する作業計画を定め、かつ、当該作業計画により作業を行わなけれ
  ばならない。
 2 前項の作業計画は、次の事項が示されているものでなければならない。
  一 支柱及び主要機器の配置の場所
  二 使用するワイヤロープの種類及びその直径
  三 最大使用荷重
  四 簡易架線集材装置の集材機の種類及び最大けん引力
  五 簡易林業架線作業の方法
 3 事業者は、第一項の作業計画を定めたときは、前項第一号、第二号、第三号及び第五号の事項につ
  いて関係労働者に周知させなければならない。

   (作業指揮者)
 第百五十一条の百五十四 事業者は、簡易林業架線作業を行うときは、当該作業の指揮者を定め、その
  者に前条第一項の作業計画に基づき作業の指揮を行わせなければならない。

   (制動装置等)
 第百五十一条の百五十五 事業者は、簡易架線集材装置については、次に定めるところによらなければ
  ならない。
  一 搬器又はつり荷を適時停止させることができる有効な制動装置を備えること。
  二 控索及び固定物に取り付ける作業索は、支柱、立木、根株等の固定物で堅固なものに二回以上巻
   き付け、かつ、クリツプ、クランプ等の緊結具を用いて確実に取り付けること。
  三 控えで頂部を安定させる必要がない場合を除き、支柱の頂部を安定させるための控えは、二以上
   とし、控えと支柱とのなす角度を三十度以上とすること。
  四 ガイドブロツク等は、取付け部が受ける荷重により破壊し、又は脱落するおそれのないシヤツク
   ル、台付け索等の取付け具を用いて確実に取り付けること。
  五 搬器その他の附属器具は、十分な強度を有するものを使用すること。
  六 作業索の端部を搬器又はロージングブロツクに取り付けるときは、クリツプ止め、アイスプライ
   ス等の方法により確実に取り付けること。

   (ワイヤロープの安全係数)
 第百五十一条の百五十六 事業者は、簡易架線集材装置の索に用いるワイヤロープの安全係数について
  は、四以上としなければならない。
 2 前項の安全係数は、ワイヤロープの切断荷重の値を、当該ワイヤロープにかかる荷重の最大の値で
  除した値とする。

   (不適格なワイヤロープの使用禁止)
 第百五十一条の百五十七 事業者は、簡易架線集材装置のワイヤロープについては、次のいずれかに該
  当するものを使用してはならない。
  一 ワイヤロープ一よりの間において素線(フイラ線を除く。以下本号において同じ。)数の十パーセ
   ント以上の素線が切断したもの
  二 摩耗による直径の減少が公称径の七パーセントを超えるもの
  三 キンクしたもの
  四 著しい形崩れ又は腐食のあるもの

   (作業索)
 第百五十一条の百五十八 事業者は、簡易架線集材装置の作業索(エンドレスのものを除く。)について
  は、次に定める措置を講じなければならない。
  一 作業索は、これを最大に使用した場合において、集材機の巻胴に二巻以上を残すことができる長
   さとすること。
  二 作業索の端部は、集材機の巻胴にクランプ、クリツプ等の緊結具を用いて確実に取り付けること。

   (巻過ぎ防止)
 第百五十一条の百五十九 事業者は、簡易架線集材装置については、巻過防止装置を備える等巻上げ索
  の巻過ぎによる労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。

   (集材機)
 第百五十一条の百六十 事業者は、簡易架線集材装置の集材機については、次に定める措置を講じなけ
  ればならない。ただし、架線集材機械を簡易架線集材装置の集材機として用いる場合は、この限りで
  ない。
  一 浮き上がり、ずれ又は振れが生じないように据え付けること。
  二 歯止装置又は止め金つきブレーキを備え付けること。
 2 事業者は、架線集材機械を簡易架線集材装置の集材機として用いる場合は、次に定める措置を講じ
  なければならない。
  一 架線集材機械の停止の状態を保持するためのブレーキを確実にかける等の架線集材機械の逸走を
   防止する措置を講ずること。
  二 アウトリガーを必要な広さ及び強度を有する鉄板等の上で張り出し、又はブレードを地上に下ろ
   す等の架線集材機械の転倒又は転落による労働者の危険を防止するための措置を講ずること。

   (転倒時保護構造等)
 第百五十一条の百六十一 事業者は、架線集材機械を簡易架線集材装置の集材機として用いる場合は、
  路肩、傾斜地等であつて、架線集材機械の転倒又は転落により労働者に危険が生ずるおそれのある場
  所においては、転倒時保護構造を有し、かつ、シートベルトを備えたもの以外の架線集材機械を使用
  しないよう努めるとともに、運転者にシートベルトを使用させるように努めなければならない。

   (防護柵等)
 第百五十一条の百六十二 事業者は、簡易架線集材装置の集材機については、原木等の飛来等により運
  転者に危険を及ぼすおそれのあるときは、運転者席の防護柵等当該危険を防止するための設備を備え
  たものでなければ使用してはならない。

   (最大使用荷重の表示)
 第百五十一条の百六十三 事業者は、簡易架線集材装置については、最大使用荷重を見やすい箇所に表
  示しなければならない。
 2 事業者は、簡易架線集材装置については、前項の最大使用荷重を超える荷重をかけて使用してはな
  らない。

   (接触の防止)
 第百五十一条の百六十四 事業者は、架線集材機械を簡易架線集材装置の集材機として用いて集材の作
  業を行うときは、運転中の架線集材機械又は取り扱う原木等に接触することにより労働者に危険が生
  ずるおそれのある箇所に労働者を立ち入らせてはならない。

   (合図等)
 第百五十一条の百六十五 事業者は、簡易林業架線作業を行うときは、簡易架線集材装置の運転者と荷
  掛け又は荷外しをする者との間の連絡を確実にするため、電話、電鈴等の装置を設け、又は一定の合
  図を定め、それぞれ当該装置を使用する者を指名してその者に使用させ、又は当該合図を行う者を指
  名してその者に行わせなければならない。
 2 前項の運転者は、同項の指名を受けた者による指示又は同項の合図に従わなければならない。

   (立入禁止)
 第百五十一条の百六十六 事業者は、簡易林業架線作業を行うときは、次の箇所に労働者を立ち入らせ
  てはならない。
  一 原木等を荷掛けし、又は集材している場所の下方で、原木等が転落し、又は滑ることにより労働
   者に危険を及ぼすおそれのあるところ
  二 作業索の内角側で、索又はガイドブロツク等が反発し、又は飛来することにより労働者に危険を
   及ぼすおそれのあるところ

   (ブーム等の降下による危険の防止)
 第百五十一条の百六十七 事業者は、架線集材機械(構造上、ブーム、アーム等が不意に降下すること
  を防止する装置が組み込まれているものを除く。)を簡易架線集材装置の集材機として用いる場合で
  あつて、架線集材機械のブーム、アーム等を上げ、その下で修理、点検等の作業を行うときは、ブー
  ム、アーム等が不意に降下することによる労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者
  に安全支柱、安全ブロツク等を使用させなければならない。
 2 前項の作業に従事する労働者は、同項の安全支柱、安全ブロツク等を使用しなければならない。

   (搭乗の制限)
 第百五十一条の百六十八 事業者は、簡易架線集材装置の搬器、つり荷等の物で、つり下げられている
  ものに、労働者を乗せてはならない。
 2 事業者は、架線集材機械を簡易架線集材装置の集材機として用いて集材の作業を行うときは、乗車
  席以外の箇所に労働者を乗せてはならない。
 3 労働者は、第一項のつり下げられている物に乗つてはならない。

   (運搬の制限)
 第百五十一条の百六十九 事業者は、簡易架線集材装置を用いて集材の作業を行うときは、集材機の転
  倒等による労働者の危険を防止するため、当該簡易架線集材装置の運転者に原木等を空中において運
  搬させてはならない。
 2 前項の運転者は、原木等を空中において運搬してはならない。

   (悪天候時の作業禁止)
 第百五十一条の百七十 事業者は、強風、大雨、大雪等の悪天候のため、簡易林業架線作業の実施につ
  いて危険が予想されるときは、当該作業に労働者を従事させてはならない。

   (点検)
 第百五十一条の百七十一 事業者は、簡易林業架線作業については、次の表の上欄に掲げる場合に応じ、
  それぞれ同表の下欄に掲げる事項を点検し、異常を認めたときは、直ちに、補修し、又は取り替えな
  ければならない。
点検を要する場合 点検事項
その日の作業を開始しようとする場合
  • 支柱及びアンカの状態
  • 集材機及び制動機の異常の有無及びその据付けの状態
  • 作業索、控索、台付け索及び荷吊り索の異常の有無及びその取付けの状態
  • 搬器又はロージングブロツクとワイヤロープとの緊結部の状態
  • 第百五十一条の百六十五第一項の電話、電鈴等の装置の異常の有無
強風、大雨、大雪等の悪天候の後及び中震以上の地震の後の場合
  • 支柱及びアンカの状態
  • 集材機及び制動機の異常の有無及びその据付けの状態
  • 作業索、控索、台付け索及び荷吊り索の異常の有無及びその取付けの状態
  • 第百五十一条の百六十五第一項の電話、電鈴等の装置の異常の有無
   (運転位置から離れる場合の措置)
 第百五十一条の百七十二 事業者は、架線集材機械を簡易架線集材装置の集材機として用いる場合にお
  いて、架線集材機械の運転者が運転位置から離れるときは、当該運転者に次の措置を講じさせなけれ
  ばならない。
  一 作業装置を地上に下ろすこと。
  二 原動機を止めること。
 2 前項の運転者は、架線集材機械の運転位置から離れるときは、同項各号に掲げる措置を講じなけれ
  ばならない。

   (運転位置からの離脱の禁止)
 第百五十一条の百七十三 事業者は、簡易架線集材装置が運転されている間は、当該簡易架線集材装置
  の運転者を運転位置から離れさせてはならない。
 2 前項の運転者は、簡易架線集材装置が運転されている間は、運転位置を離れてはならない。

   (保護帽の着用)
 第百五十一条の百七十四 事業者は、簡易林業架線作業を行うときは、物体の飛来又は落下による労働
  者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者に保護帽を着用させなければならない。
 2 前項の作業に従事する労働者は、同項の保護帽を着用しなければならない。
  第百六十条第一項第一号中「おろす」を「下ろす」に改め、同項第二号中「及び走行ブレーキ」を
 「かつ、走行ブレーキ」に改める。
  第百六十一条柱書き中「貨物自動車等」を「貨物自動車」に、「行なう」を「行う」に改め、同条第
 三号中「幅、強度及びこう配」を「幅及び強度並びに適度な勾配」に改める。
  第百六十五条柱書き中「装着又は」を「装着若しくは」に改める。
  第四百七十七条第一項中「伐木の作業」の下に「(伐木等機械による作業を除く。第四百七十九条に
 おいて同じ。)」を加え、「行なう」を「行う」に、「行なわせなければならない」を「行わせなけれ
 ばならない」に改め、「ただし、油圧式伐倒機を使用するときは、第一号及び第三号の規定は、適用し
 ない。」を削り、第二項中「行なわなければならない」を「行わなければならない」に改める。
  第四百七十八条を次のように改める。
 第四百七十八条 削除
  第四百八十条第一項中「造材の作業」の下に「(伐木等機械による作業を除く。以下この条において
 同じ。)」を加え、「行なう」を「行う」に、「すべる」を「滑る」に改める。
  第四百八十一条中「運材の作業(」の下に「車両系木材伐出機械による作業を除く。」を加え、「行
 なつている」を「行つている」に、「すべる」を「滑る」に改める。
  第二編第八章第三節の節名を削る。
  第四百九十八条から第五百十七条までを次のように改める。
 第四百九十八条から第五百十七条まで 削除
第二条 労働安全衛生規則の一部を次のように改正する。
  第三十六条第六号の次に次の二号を加える。
  六の二 伐木等機械(伐木、造材又は原木若しくは薪炭材の集積を行うための機械であつて、動力を
   用い、かつ、不特定の場所に自走できるものをいう。以下同じ。)の運転(道路上を走行させる運転
   を除く。)の業務
  六の三 走行集材機械(車両の走行により集材を行うための機械であつて、動力を用い、かつ、不特
   定の場所に自走できるものをいう。以下同じ。)の運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務
  第三十六条第七号中「薪炭材」の下に「(以下「原木等」という。)」を加え、同号の次に次の一号を
 加える。
  七の二 簡易架線集材装置(集材機、架線、搬器、支柱及びこれらに附属する物により構成され、動
   力を用いて、原木等を巻き上げ、かつ、原木等の一部が地面に接した状態で運搬する設備をいう。
   以下同じ。)の運転又は架線集材機械(動力を用いて原木等を巻き上げることにより当該原木等を運
   搬するための機械であつて、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走できるものをいう。以下同じ。)
   の運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務
  第三十六条第八号中「業務」の下に「(第六号の二に掲げる業務を除く。)」を加える。
  第百五十一条の八十四を次のように改める。
   (定義)
 第百五十一条の八十四 この省令において車両系木材伐出機械とは、伐木等機械、走行集材機械及び架
  線集材機械(機械集材装置又は簡易架線集材装置の集材機として用いている場合を除く。以下この節
  において同じ。)をいう。
  第百五十一条の百五十二中「(集材機、架線、搬器、支柱及びこれらに附属する物により構成され、
 動力を用いて、原木等を巻き上げ、かつ、原木等の一部が地面に接した状態で運搬する設備をいう。以
 下同じ。)」を削る。

   附 則
  (施行期日)
第一条 この省令は、平成二十六年六月一日から施行する。ただし、第二条の規定は、平成二十六年十二
 月一日から施行する。
  (前照灯の設置等に関する経過措置)
第二条 車両系木材伐出機械であつて、平成二十六年五月三十一日において現に製造しているもの又は現
 に存するものについては、平成二十六年十一月三十日までの間は、改正後の労働安全衛生規則(以下「新
 安衛則」という。)第百五十一条の八十五、第百五十一条の八十六及び第百五十一条の八十七の規定は、
 適用しない。
2 集材機(架線集材機械を含む。次項において同じ。)であつて、平成二十六年五月三十一日において現
 に製造しているもの又は現に存するものを用いて林業架線作業を行う場合は、平成二十六年十一月三十
 日までの間は、新安衛則第百五十一条の百三十六及び第百五十一条の百三十七の規定は、適用しない。
3 集材機であつて、平成二十六年五月三十一日において現に製造しているもの又は現に存するものを用
 いて簡易林業架線作業を行う場合は、平成二十六年十一月三十日までの間は、新安衛則第百五十一条の
 百六十二の規定は、適用しない。
  (罰則に関する経過措置)
第三条 この省令の施行の日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
  (労働安全衛生規則の一部を改正する省令の一部改正)
第四条 労働安全衛生規則の一部を改正する省令(平成二十五年厚生労働省令第五十八号)の一部を次のよ
 うに改正する。
  附則第二条及び附則第三条条中「第百五十一条の八十四」を「第百五十一条の百七十五」に改める。




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