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移動式クレーンの自主検査指針等について

改正履歴


  移動式クレーンについては、労働安全衛生関係法令により自主検査等の実施が事業者に義務づけられて
いるが、自主検査等が十分に行われなかった結果、構造部分、機械部分等の異常を事前に発見することが
できず、そのため重とくな災害の発生を招いている事例が多くみられることは遺憾に堪えないところであ
る。
  このため、今般、次の自主検査等について、その指針を別紙1及び別紙2のとおり作成したので、関係
者に周知を図るとともに、これらの自主検査等が本指針により実施されるよう指導し、移動式クレーンに
よる労働災害の防止の徹底を図られたい。

記
1  移動式クレーンの月例定期自主検査
2  移動式クレーンの作業開始前点検

(別紙  1)

移動式クレーンの自主検査指針

I  趣  旨
    この指針は、トラッククレーン、ホイールクレーン又はクローラクレーンについてクレーン等安全規
  則(昭和47年労働省令第34号)第77条の規定により自主検査を行う場合の検査項目、検査方式等につい
  て定めるものである。
II  検査項目、検査方法等
    自主検査を行う場合の検査項目、検査方法等は、次によること。
1  上部旋回体
  1―1  エンジン
    1―1―1  弁透き間
                透き間ゲージを用いて弁透き間を測ること。ただし、エンジンが、アイドリングの状態
              で異常な音が生ずることがないときは、弁透き間を測る必要はないこと。
    1―1―2  燃料フイルター又はオイルフイルター
                フイルターケースからエレメントを取り出し、フイルターケース及びエレメントの汚れ
              の有無を調べること。この場合において、エレメント又はフイルターケースの汚れを認め
              たときは、そのエレメント又はフイルターケースを溶剤(無鉛ガソリン、軽油等)に浸し
              てブラシで洗い、圧縮空気で逆吹きして清掃すること(使い捨ての方式のエレメントにつ
              いては、新しいエレメントと交換すること)。
    1―1―3  エンジンオイル
      (1)  オイルゲージを抜き取り、よくふいた後再び差し込んで抜き取り、エンジンオイルの付着位
          置が、ゲージのH(ハイレベル)とL(ローレベル)との間にあるかどうかを調べること。こ
          の場合において、エンジンオイルの不足を認めたときは、これを補充すること。
      (2)  オイルパンから少量のエンジンオイルを抜き取り、燃料油、水、金属粉、カーボン等の混入
          の有無を調べること。この場合において、エンジンオイルの著しい汚れを認めたときは、新し
          いエンジンオイルと交換すること。
    1―1―4  エアクリーナのエレメント
                エアクリーナのエレメントを取り出し、損傷及び汚れの有無を調べること。この場合に
              おいて、エレメントに汚れ又は損傷を認めたときは、そのエレメントを清掃し、又は交換
              すること。
    1―1―5  燃料タンク
              (1)  燃料タンクから少量の燃料を透明なガラス容器に抜き取り、沈でん物の有無を調べ
                  ること。この場合において、沈でん物があるときはこれを除去すること。
              (2)  燃料タンクからの燃料漏れの有無を調べること。
    1―1―6  スターティングモータ
              (1)  モータ取付け部のナットの緩みの有無を調べること。
              (2)  ピニオンが正常に作動するかどうかを調べること。
    1―1―7  バッテリ
              (1)  電解液の量が液面線又は液面指示装置の所定の位置(極板上10mmから15mmまでの位
                  置)にあるかどうかを調べること。
              (2)  所定の電圧値であるかどうかを調べること。この場合において始動の困難なときは
                  充電し、充電してもなお始動が困難なときは、次の項目について調べること。
                イ  電解液の比重(比重は、1.2から1.26の範囲が適正である。)
                ロ  極板及び隔離板の変形、脱落及び損傷の有無
              (3)  ターミナルの破損及び腐食の有無を調べること。
              (4)  容器の損傷、汚れ及び液漏れの有無を調べること。
    1―1―8  配  線
              (1)  配線の損傷及び取付け状態の異常の有無を調べること。
              (2)  ターミナルソケットの差込み状態の異常及びバッテリへの取付け部の緩みの有無を
                  調べること。
    1―1―9  冷却装置
              (1)  フアンベルトの張りの適否を調べること。この場合において、両ブーリーの中間部
                  を指で押したとき(通常は8kgから10kgまでの力を加えたとき)のたわみの値が20
                  mm程度が一般に適正である。
              (2)  フアンベルトの摩耗及び損傷の有無を調べること。
              (3)  フアン、フアンカバーのき裂、損傷、異常な音及び取付け部の異常の有無を調べる
                  こと。
              (4)  ラジエータの取付け状態の異常、ホースの水漏れ及びファンの目詰まりの有無を調
                  べること。
              (5)  ウオータポンプの取付け状態の異常及び水漏れの有無を調べること。
    1―1―10  その他の附属機器
              (1)  発電機及びリレーの作動状態及び取付け状態の異常の有無を調べること。
              (2)  ヒーターの作動状態及び取付け状態の異常の有無を調べること。この場合において、
                  インジケータ(グローランプ)が20秒から40秒までで赤熱すれば正常である。
              (3)  エキゾーストマニホルド、エキゾーストパイプ及びマフラの取付け状態の異常の有
                  無を調べること。
              (4)  デコンプの作動状態の異常の有無を調べること。
              (5)  ガバナ及び噴射ポンプのオイルの量の適否及び汚れの有無を調べること。
              (6)  次の箇所についてオイル漏れの有無を調べること。
                イ  シリンダヘッドのガスケット部
                ロ  ロッカカバーのガスケット部
                ハ  タペットカバーのガスケット部
                ニ  オイルパンのガスケット部
                ホ  クランクプーリー側のシール部
                ヘ  クライホイール側のシール部
                ト  噴射ポンプ
                チ  高圧パイプ
              (7)  燃料ポンプの作動状態及び取付け状態の異常の有無を調べること。
              (8)  噴射ポンプ及びカップリングの作動状態の異常の有無を調べること。
              (9)  燃料系ホース(パイプ)の取付状態の異常の有無を調べること。
              (10)  過給機付きのエンジンにあっては、その取付状態及び作動状態の異常の有無を調べ
                  ること。この場合において、性能が落ちると黒煙及び異常な音が出る。
              (11)  コンプレッサの取付け状態の異常及び空気漏れの有無を調べること。
    1―1―11  計器類
                次の計器類の作動状態の異常を有無を調べること。
                イ  水温計
                ロ  油圧計
                ハ  充電電流計
                ニ  空気圧力計
    1―1―12  締付け部
                ボルト、ナット、ピン等の緩み及び脱落の有無を調べること。
  1―2  エンジンクラッチ
    1―2―1  機械式クラッチ
      1―2―1―1  ペタル及びレバー
                      遊びの量の適否を調べること。
      1―2―1―2  締付け部
                      ボルト、ナット及びピン類の緩み及び脱落の有無を調べること。
    1―2―2  油圧式のラッチ
      1―2―2―1  作動油
                    (1)  油量の適否を調べること。この場合において、作動油の量はゲージのH(ハ
                        イレベル)とL(ローレベル)の範囲内にあるのが適正である。
                    (2)  油の汚れの有無及び粘度の適否を調べること。
  1―3  トルクコンバータ
    1―3―1  トルクコンバータ又は流体継手
              (1)  作動状態の適否を調べること。
              (2)  油漏れ、異常な音及び加熱の有無を調べること。
  1―4  動力伝達装置
    1―4―1  機械式動力伝達装置及び油圧式動力伝達装置の共通事項
      1―4―1―1  チエーン
                      異常な音、損傷及び伸びの有無を調べること。
      1―4―1―2  軸受部
                      異常な音及び異常な発熱の有無を調べること。
      1―4―1―3  クラッチライニング及びブレーキライニング
                    (1)  摩耗状態を調べること。
                    (2)  クラッチ及びブレーキの間げきの適否を調べること。
      1―4―1―4  ローラパス及びローラ
                      ローラパスとローラの間げきの適否を調べること。
      1―4―1―5  旋回ポールレース
                      異常の有無を調べること。
      1―4―1―6  ギヤボックス(ミッションボックスを含む)
                      ギヤケース、チエーンケース、ギアカバー等
                    (1)  変形、損傷及び油漏れの有無を調べること。
                    (2)  油量の適否及び異常な発熱の有無を調べること。
                    (3)  オイルシール部又はパッキン部からの油漏れ及びにじみの有無を調べること。
                    (4)  レバーの「入り」及び「切り」の作動の異常の有無を調べること。
      1―4―1―7  ドラム及びワイヤロープ
                    (1)  ワイヤロープの捨巻きが2巻き以上あるかどうかを調べること。また、ワイ
                        ヤロープを巻き取る際、乱巻きがないかどうか調べること。
                    (2)  ワイヤロープの端末がドラムにコツタ止め等の方法により緊結されているか
                        どうかを調べること。
                    (3)  フランジの変形及び異常な摩耗の有無を調べること。
      1―4―1―8  P.T.O(動力取出装置)
                    (1)  P.T.Oの異常な音及び異常な発熱の有無を調べること。
                    (2)  P.T.Oのレバーの「入り」及び「切り」の作動の異常の有無を調べること。
      1―4―1―9  オープンギア及びピニオン
                    (1)  油切れの有無を調べること。
                    (2)  ごみその他の異物の有無を調べること。
      1―4―1―10  締付け部
                      ボルト、ナット、ピン等の緩み及び脱落の有無を調べること。
    1―4―2  油圧式動力伝達装置
      1―4―2―1  作動油及び作動油タンク
                    (1)  作動油の汚れの有無を調べること。この場合において、作動油の汚れを認め
                        たときは、作動油を全部抜き取り、タンク内の沈でん物を完全に除去すること。
                        なお、新しい作動油を入れるときは、あらかじめストレーナを点検し、全装置
                        を2回以上同種の作動油で洗うこと。この場合において、ストレーナを交換す
                        る必要がある場合は、交換すること。
                    (2)  フイルターケースからエレメントを取り出し、ケース及びエレメントの汚れ
                        の有無を調べること。この場合においてケース又はエレメントの汚れを認めた
                        ときは、そのケース又はエレメントを溶剤(無鉛ガソリン、軽油等)に浸して
                        ブラシで洗い、エレメントにあっては、圧縮空気を逆吹きして清掃すること。
                        この場合において、使い捨て方式のエレメントであって汚れたものは、交換す
                        ること。
                    (3)  作動油の劣化の状態を調べること。
      1―4―2―2  油圧ポンプ、油圧モータ、油圧シリンダ及び油圧制御弁
                    (1)  クレーンに必要な作動をさせ、作動の異常、異常な音及び油漏れの有無を調
                        べること。
                    (2)  ユニバーサルジョイントのがたの有無を調べること。
      1―4―2―3  油圧ホース
                      ふくれ、損傷及び接続部の油漏れの有無を調べること。この場合において、ふく
                    れ又は損傷のあるものは交換すること。なお、必要と認めたときは、接続部のねじ
                    を増締めすること。
      1―4―2―4  配管及びサポート
                      配管系統の油漏れ、打痕及びこすれ並びにサポートの緩み及び脱落の有無を調べ
                    ること。
  1―5  操縦装置
    1―5―1  機械式操縦装置、油圧式操縦装置及び空気式操縦装置の共通事項
      1―5―1―1  レバー、ペダル及びハンドル遊びの量の適否を調べること。
      1―5―1―2  レバー及びペダル用スプリング
                      利き具合の適否を調べること。
      1―5―1―3  ロッド
                      曲がりの有無を調べること。
      1―5―1―4  ピン及びピン穴
                      摩耗の有無を調べること。
                      この場合において、がたがあるときは、これを補修し、又は交換すること。
      1―5―1―5  フレキシブルワイヤ
                      異常の有無を調べること。
      1―5―1―6  油切れ
                      擢(しゆう)動部分、回転部分等で油切れとなっている箇所の有無を調べること。
      1―5―1―7  締付け部
                      ボルト、ナット、ピン等の緩み及び脱落の有無を調べること。
    1―5―2  油圧式操縦装置
      1―5―2―1  パイプ、ホース及びその接続金具
                    (1)  操縦油圧系統の油漏れの有無を調べること。
                    (2)  パイプ並びにホースのき裂、こすれ、打痕及び接続金具の緩みの有無を調べ
                        ること。
      1―5―2―2  スイベルジョイント
                      油漏れの有無を調べること。
      1―5―2―3  アキュームレータ
                      作動の異常の有無を調べること。
      1―5―2―4  作動油
                      汚れの有無を調べること。
      1―5―2―5  マスターシリンダ及びホイールシリンダ
                      作動の異常及び油漏れの有無を調べること。
      1―5―2―6  電磁弁
                      異常の有無を調べること。
    1―5―3  空気式操縦装置
      1―5―3―1  コンプレッサ用ベルト
                      損傷の有無及び張り具合を調べること。
      1―5―3―2  コンプレッサ用エアクリーナ
                      エアクリーナ用エレメントの損傷及び目詰まりの有無を調べること。
      1―5―3―3  コンプレッサ用潤滑油
                      油量の適否並びに油の汚れ、漏れ及び老化の有無を調べること。
      1―5―3―4  電磁弁
                      作動の異常の有無を調べること。
  1―6  旋回フレーム及びキャブ
    1―6―1  ワイパ
                作動の異常の有無を調べること。
    1―6―2  雨漏り
                雨漏りの有無を調べること。
    1―6―3  窓及びドア
                開閉及びロックの作動の異常の有無を調べること。
    1―6―4  運転席及びその附属品
                異常の有無を調べること。
    1―6―5  ジブ取付け用ブラケット
                ジブフート部を取り付けるブラケットの溶接箇所のき裂の有無を調べること。
    1―6―6  ジブ起状用ブレーキ及びそのロック、巻上げ用ブレーキ及びそのロック、旋回用ブレー
              キ及びそのロック並びにブレーキペダルロック
              (1)  作動の異常の有無を調べること。
              (2)  ラテエット及びつめの損傷、ピンの変形並びに連結金具の異常の有無を調べること。
              (3)  ブレーキのライニングの摩耗の状態及びバンドのき裂の有無を調べること。
    1―6―7  電装品の配線及び配管
                接続部及び取付け部の緩み及び損傷の有無並びに配線の損傷及び漏電の有無を調べるこ
              と。
    1―6―8  ヒューズ
                適正な容量のものであるかどうかを調べること。
2  下部機構
  2―1  トラッククレーン又はホイールクレーンの下部機構
    2―1―1  台車全般
                別添の下部走行体の点検基準により点検すること。
    2―1―2  アウトリガー
      2―1―2―1  ビーム、ボックス及びフロート
                      変形及びき裂の有無を調べること。
      2―1―2―2  ロック
                    (1)  作動の異常の有無を調べること。
                    (2)  ピンの変形又はチェーン若しくは連結金具の異常の有無を調べること。
      2―1―2―3  油圧ホース
                      ふくれ、損傷及び接続部の油漏れの有無を調べること。この場合において、ふく
                    れ又は損傷を認めたときはこれを交換し、接続部の油漏れを認めたときは、接続部
                    のねじを増締めすること。
      2―1―2―4  配管及びサポート
                      配管系統の油漏れ、打痕(こん)及びこすれ並びにサポートの緩み及び脱落の有無
                    を調べること。
      2―1―2―5  油圧シリンダ
                    (1)  ロッドの損傷及び油漏れの有無を調べること。
                    (2)  自然降下の有無及びその程度を調べること。
  2―2  クロラクレーグの下部機構
    2―2―1  フレーム
                損傷及び変形の有無を調べること。この場合においてき裂の疑いのある箇所はカラーチ
              ェックにより確かめること。
    2―2―2  操向クラッチ、走行ブレーキ及び走行ロック
              (1)  作動の異常の有無を調べること。
              (2)  損傷の有無並びにスライド部分及び回転部分の摩耗の程度及び間げきの適否を調べ
                ること。
    2―2―3  起動輪、遊動輪及びスプロケット
              (1)  異常な摩耗の有無を調べること。この場合において、異常な摩耗を認めたときは、
                当該起動輪、遊動輪又はスプロケットの平行度を調べること。
              (2)  その他の異常の有無を調べること。
    2―2―4  上部ローラ及び下部ローラ
                損傷及び異常な摩耗の有無を調べること。
    2―2―5  クローラベルト及び走行チエーン
              (1)  張り具合の適否を調べること。
              (2)  調整ボルトその他の附属品の異常の有無を調べること。
    2―2―6  シュー、シューピン及びチエーン
                変形、破損、き裂及び脱落の有無を調べること。
    2―2―7  締付け部
                ボルト、ナット、ピン等の緩み及び脱落の有無を調べること。
3  フロントアタッチメント
  3―1  ジブ及び支持機構
    3―1―1  機械式ジブ
      3―1―1―1  ジブ、補助ジブ及びそれらの支持機構(フレーム、ブライドル等)
                    (1)  主材、斜材、ジブフート部及び各支持機構のき裂、打痕(こん)、ひずみ及び
                        さびの有無を調べること。
                    (2)  主材及び斜材の損傷及び曲がりの有無を調べること。
                    (3)  ジブの溶接部のはがれ及びき裂の有無を調べること。
      3―1―1―2  電装品の配線及び配管
                      接続部及び取付け部の緩み、損傷及び漏電の有無を調べること。
    3―1―2  油圧式ジブ
      3―1―2―1  ジブ全体
                      各段のジブ及び全体の曲がり並びにたわみの状態を調べること。
      3―1―2―2  外  箱
                      変形、曲がり、打痕(こん)及びき裂の有無を調べること。
      3―1―2―3  起状シリンダの取付けブラケット
                      異常の有無を調べること。
      3―1―2―4  油漏れ
                      油漏れの有無を調べること。
      3―1―2―5  スライダパット
                      がたの有無を調べること。この場合においてジブの各段ごとにがたが認められる
                    ときは、スライダパットの摩耗状態を調べること。
      3―1―2―6  ホースリール
                      異常の有無を調べること。
      3―1―2―7  油圧ホース
                      ふくれ、損傷及び接続部の油漏れの有無を調べること。この場合において、ふく
                    れ又は損傷を認めたときはこれを交換し、接続部の油漏れを認めたときは、接続部
                    のねじを締めること。
      3―1―2―8  手動接合ジブ
                      最長の状態にして接合ピンの異常の有無を調べること。
      3―1―2―9  起状シリンダ及び伸縮シリンダ
                      ジブの傾斜角を約70゜にし、ジブを最長の状態に伸ばして数時間放置した後、
                    起状シリンダ及び伸縮シリンダの縮み量を調べること。
  3―2  フック及びグラブバケット
    3―2―1  フック
              (1)  損傷の有無を調べること。
              (2)  玉掛けロープの外止めの変形及び損傷の有無を調べること。この場合において玉掛
                  けロープの外止めに著しい変形又は損傷を認めたときは、これを補修し、又は交換す
                  ること。
              (3)  玉掛けロープと接する部分の異常な摩耗の有無を調べること。
    3―2―2  グラブバケットのロープ取付け部
                異常の有無を調べること。
    3―2―3  締付け部
                ボルト、ナット、ピン等の緩み及び脱落の有無を調べること。
  3―3  ワイヤロープ等
    3―3―1  ワイヤロープ
              (1)  指定(仕様及び長さ)されたワイヤロープが使用されているかどうかを調べること。
                  この場合において、次に該当するものは交換すること。
                イ  直径の減少が公称径の7%を超えるもの
                ロ  1よりの間に素線(フイラ線を除く)の数の10%以上の素線が切断しているもの
                ハ  キンクしたもの
                ニ  著しい形崩れ又は腐食があるもの
              (2)  ワイヤロープの油切れの有無を調べること。
    3―3―2  ペンダントロープ
              (1)  圧縮止め又はソケット部の箇所におけるワイヤロープの腐食及び素線(フイラ線を
                  除く)の切断の有無を調べること。
              (2)  接続部及びコッタピンのき裂及び変形の有無を調べること。
              (3)  抜止め部の異常の有無を調べること。
    3―3―3  くさび止めソケット部
              (1)  くさび止めソケットが正しく装着されているかどうかを調べること。
              (2)  くさび止めソケットの変形及びき裂の有無を調べること。
              (3)  クリップ止めしてあるくさび止めソケット部のクリップ及びその止め方の適否を調
                  べること。
  3―4  シーブ等
    3―4―1  シーブ
              (1)  損傷及びき裂の有無を調べること。
              (2)  みぞの異常な摩耗の有無を調べること。
              (3)  シーブを回転させることにより、軸受の異常の有無を調べること。
    3―4―2  シーブの支持・保護金物
                損傷、変形及び緩みの有無を調べること。
4  安全装置等
  4―1  安全装置等
    4―1―1  巻過ぎ防止装置又は巻過ぎ警報装置
                確実に作動するかどうかを調べること。この場合において、作動が正常でないと認めた
              ときは、これを補修し、又は交換すること。
    4―1―2  ジブ起状制限装置又はジブ起状警報装置
                確実に作動するかどうかを調べること。この場合において、作動が正常でないと認めた
              ときは、これを補修し、又は交換すること。
    4―1―3  過負荷防止装置又は過負荷を防止するための装置
                確実に作動するかどうかを調べること。この場合において、作動が正常でないと認めた
              ときは、これを補修し、又は交換すること。
    4―1―4  アウトリガー警報装置
                確実に作動するかどうかを調べること。この場合において、作動が正常でないと認めた
              ときは、これを補修し、又は交換すること。
    4―1―5  各種安全弁及び逆止め弁
                移動式クレーンの作動が正常に行われるかどうかを調べること。
    4―1―6  その他の安全装置
                異常の有無を調べること。
    4―1―7  締付け部
                ボルト、ナット及びピン類の緩み及び脱落の有無を調べること。
  4―2  ジブ傾斜角度計等
    4―2―1  ジブ傾斜角度計及びジブ長さ計
              (1)  計器盤の文字が鮮明かどうかを調べること。
              (2)  正しく作動するかどうかを調べること。
    4―2―2  ジブ及び補助ジブ倒れ止め(バックストッパ等)各部の異常の有無を調べること。
    4―2―3  警音器
                確実に作動するかどうかを調べること。
    4―2―4  締付け部
                ボルト、ナット、ピン等の緩み及び脱落の有無を調べること。


(別紙  2)

移動式クレーンの作業開始前点検指針
I  趣  旨
    この指針は、トラッククレーン、ホイールクレーン又はクローラクレーンについてクレーン等安全規
  則(昭和47年労働省令第34号)第78条の規定により作業開始前の点検を行う場合の点検項目、点検
  方法等について定めるものである。
II  点検項目、点検方法等
    点検を行う場合の点検項目、点検方法等は、次によること。
  1  機体全般
    (1)  各部のボルト、ナット、ピン、割ピン、抜止めピン、スナップリング、キー、コッタ等の緩み、
        脱落、損傷等の有無を調べること。
    (2)  部材のき裂及び著しい変形の有無を調べること。
    (3)  著しく汚れている部分の有無を調べること。
    (4)  作動油の量の適否を調べること。
2  上部旋回体
  2―1  エンジン
    (1)  燃料の量の適否を調べること。
    (2)  エンジンオイルの量の適否及びエンジンオイルの汚れの有無を調べること。
    (3)  ラジエータの水の量の適否を調べること。
    (4)  燃料、オイル及び水の漏れの有無を調べること。
    (5)  エンジンのかかり具合及び異常な音の有無を調べること。
    (6)  油圧及び水温の適否を調べること。この場合において、油圧については2kg/cm2から4kg/c
        m2まで、水温ついては70゜から85゜までが適正である。
    (7)  排気の色を調べること。この場合において、無色又は微青色になっていれば、適正である。
  2―2  エンジンクラッチ
    (1)  クラッチの「入り」及び「切り」の作動の適否を調べること。
    (2)  油の漏れの有無を調べること。
    (3)  油圧装置の作動の適否を調べること。
  2―3  動力伝達装置
    (1)  チェンケース、ギヤボックス及びギヤケースの油量の適否を調べること。
    (2)  ローラパス又は旋回ボールレースのじんあい及び土砂による汚れの有無を調べること。
    (3)  トルクコンバータ、流体継手等から油漏れの有無その他の油量の適否を調べること。
    (4)  クラッチ及びブレーキの作動の適否を調べること。
  2―4  操縦装置
    (1)  各クラッチ及び各ブレーキの操作レバー及びペダルの作動の適否を調べること。
    (2)  作動油の漏れの有無を調べること。
    (3)  作動油の量の適否を調べること。
    (4)  油圧計の指度の適否を調べること。
    (5)  エア漏れの有無を調べること。
    (6)  エアタンク内のドレンの残存の有無を調べること。
    (7)  エアの圧力計の指度の適否を調べること。
3  下部機構
  3―1  トラッククレーン又はホイールクレーンの下部機構
    (1)  P.T.O.の油漏れ及び異常な音の有無を調べること。
    (2)  クラッチ及びブレーキの作動の適否を調べること。
    (3)  かじ取りハンドルの機能の適否を調べること。
    (4)  タイヤの空気圧の適否を調べること。
    (5)  燈火装置の汚れの有無、損傷の有無及び点滅具合の適否を調べること。
    (6)  警音器及び方向指示器の作動の適否を調べること。
    (7)  後射鏡、反射鏡、反射器、自動車登録番号標、車両番号標等の汚れ及び損傷の有無を調べるこ
        と。
    (8)  各計器の作動及び指度の適否を調べること。
    (9)  作動油の漏れの有無を調べること。
    (10)  エア漏れの有無を調べること。
  3―2  アウトリガー
    (1)  作動油の漏れの有無を調べること。
    (2)  作動状態の異常の有無を調べること。
  3―3  クローラクレーンの下部機構
    (1)  クローラベルト及びチエンの張り具合の適否を調べること。
    (2)  シューピン及びチエンの破損及び脱落の有無を調べること。
    (3)  作動油の漏れの有無を調べること。
4  フロント、アタッチメント
  4―1  ジブ及びその支持機構
    (1)  部材のき裂及び変形の有無を調べること。
    (2)  フートピンの取付け部の異常の有無を調べること。
    (3)  作動油の漏れの有無を調べること。
  4―2  つり具
    (1)  フックの回転の異常の有無を調べること。
    (2)  トラニオンの作動状態の異常の有無を調べること。
    (3)  ワイヤロープの外止めの異常の有無を調べること。
  4―3  ワイヤロープ
    (1)  ペンダントロープ及びその接続部の異常の有無を調べること。
    (2)  ワイヤロープ端末の緊結状態の適否を調べること。
    (3)  ワイヤロープの乱巻きの有無を調べること。
    (4)  ワイヤロープの摩耗、損傷等の有無を調べること。
5  安全装置等
  (1)  巻過防止装置及び巻過警報装置の作動の適否を調べること。
  (2)  ジブ起伏制限装置の作動の適否を調べること。
  (3)  ジブ傾斜角度計並びにジブ及び補助ジブの倒れ止め(バックストッパ等)の異常の有無を調べる
      こと。
  (4)  ジブ起状ロック、巻上げドラムロック、ブレーキペダルロック、旋回ロック、走行ロック及びア
      ウトリガーロックの作動の異常の有無を調べること。
  (5)  ジブ起伏ブレーキ、巻上げブレーキ及び旋回ブレーキの作動の異常の有無を調べること。
  (6)  過負荷防止装置その他の過負荷を防止するための装置の作動の異常の有無を調べること。
  (7)  油圧計の指度の適否を調べること。
6  道路走行姿勢
  (1)  フックの機能の異常の有無を調べること。
  (2)  車両制限令(昭和36年政令第265号)に定められた走行姿勢であるかどうかを調べること。
  (3)  ジブレストの上面及び側面とジブとの間げきの適否を調べること。
  (4)  起伏用ドヤムのロックの作動状態の適否及びブレーキの状態の適否を調べること。
  (5)  巻上げ用ブレーキの作動状態の適否を調べること。
  (6)  旋回ロック又は旋回ブレーキの作動状態の適否(特にクローラクレーンの上部旋回体のキャリヤ
      又はトレーラの緊ばく状態の適否)を調べること。
  (7)  アウトリガーの抜止めロックの作動の異常の有無を調べること。
  (8)  予備タイヤの異常の有無を調べること。
  (9)  上部旋回体の運転台のドアロックの作動の異常の有無並びに附属品及び附属工具について走行中
      における振動等による散乱防止のための格納方法の適否を調べること。